更新日:2025年3月4日

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“海っ子”集まれ! 大磯は最高の遊び場

2018年より大磯町に在住。仕事とアルバイトを掛け持ちしながら、こどもと地域のみんなのためのコミュニティスペース「ヤッホー」、大磯地引網「台舟」、町民のウェルビーイングに寄与する「祷龍館プロジェクト」と3つの活動に携り、多忙な日々を送る。

萩原春菜さん

海と山があり、歴史を感じる町並みも魅力

「1、2歳の頃から、海に行くと飽きずにずっと遊んでいる子だったと母に言われます」と笑顔で話す萩原さん。学生時代の部活動は水泳、大学は海洋学部を卒業したという生粋の海っ子だ。
大学卒業後、すぐに結婚。子育てをしながら静岡市と相模原市で計6年間を過ごした。大磯町に家を建て、移り住んだのは2018年。“転居するなら息子の小学校入学前までに”と物件探しを始めた当初、大磯のことはほとんど知らなかったという。「実家が戸塚だから遊びに出かけるのはもっぱら横浜方面。大磯まで電車で約30分の距離にいながらご縁がなく、“大磯ロングビーチのあるところ”というイメージしかありませんでした」
夫が通勤しやすい範囲を条件に海沿いの街を調べるうち、これまで知らなかった大磯の魅力を知り、海と山に囲まれる自然環境に惹かれていった。「大磯は、ビーチや漁港に磯、堤防までが揃う“海好き”にとっては理想の地。これらが連なっているのは、すごく珍しいんですよ。湘南エリアでも大磯だけです。訪れてみると、古くから別荘地として栄えていただけあって街並みにも趣があり、すっかり魅了されました」

冬でも薄いウェットスーツで潜る飽くなき探究心

大磯での現在の暮らしは、非常に多忙だ。相模原時代から勤務する会社での仕事は、動画制作やデザイン業務が中心。子どもと過ごす時間を維持するため、最近はフルリモート・歩合制に切り替えてもらい、仕事を続けている。週末の夜は、海鮮レストランでアルバイトに勤しむ。「魚と海鮮料理への興味が高じてアルバイトを始めました。“雑魚”と呼ばれる未利用魚を扱うレストランで、市場に出回らない魚の美味しさや魅力を学んでいます」
磯釣りや堤防釣り、シュノーケリングやサップ、ボディボードにサーフィンと趣味も多彩。海が大好きな萩原さんにとって、大磯は最高の遊び場だ。「海に潜るのが好きで、冬でも3ミリの薄いウェットスーツで泳いでいます。周りの人からは、馬鹿じゃないの?と驚かれますけど(笑)。水中で動画を撮りながら、今年はワカメ遅いな、磯焼けしてきたなと、海の移り変わりを勝手に観察して楽しんでいます」
仕事と趣味のほかに、地域活動にも熱心に取り組む。「実は、“お祭りの多さ”も大磯に魅力を感じたポイントのひとつでした。もともとお祭りが好きなのもありますが、きっと地域交流が盛んなのだろう、どんなふうに地域と関われるかな?と転居前からワクワクしていました」

台船

朝は漁、昼は地域活動、夜はアルバイトで週末は大忙し

2023年、仲間とともに“こどもと地域のみんなの居場所「ヤッホー」”を発足し、理事として運営に携わっている。「子どもを見守りながら、地域の皆さんとも交流できるような場所をつくりたいよね」とママ友たちと意気投合したのが、発足のきっかけだ。自身も、相模原、大磯とも地域に早く馴染めたのはママ友たちのおかげ、とひとかたならぬ感謝の想いを抱いている。「ヤッホーは、子どもを主体として自由に遊びを広げながら、親たちも自然に交流を深めていける場所でありたいと考えています。言ってみれば、形を変えた“公園”のようなもの。私は月曜の下校後を担当するほか、土日を中心に行事やお祭りなどを企画し、地域の皆さんにもお声がけしながら楽しく運営しています」
ヤッホーと同様に力を注ぐのが、大磯に古くから伝わる地引網漁を守る「台舟」での活動だ。最初にその存在を知ったとき、伝統漁そのものに魅入られただけでなく、使われる木造の船や漁師の所作すべてに“カッコいい!”と一目ぼれした。「近づくな、見ていろと怒鳴られても懲りずに通い続けて4年。今は船にも乗せてもらえるようになり、漁師さんと一緒に網を出して、引いて、魚を仕分けして、網や船の修理も教えてもらいながらお手伝いをしています」。得意の料理の腕を生かして、小屋でまかないを作り、地引網体験に訪れる観光客に魚料理を振舞うこともある。継承の危機にある「台舟」だが、萩原さんを介して若い担い手も増え始めた。

ヤッホーの活動様子

大磯で育ってよかった、そんな子どもを増やしたい

「ヤッホー」と「台舟」のほかにもう一つ、ウェルビーイングをテーマとし、街の活性化に取り組む「祷龍館プロジェクト」にも参加している。どの活動も、楽しいからやっているだけ、と笑う萩原さん。「“地域貢献”なんて称されると恥ずかしい。そんな壮大な意識は私にはありません。活動を通じて台舟の漁師さんとヤッホーに参加するママがつながり、子どもたちが台舟に遊びに来るようになるなど、相乗効果でコミュニティが広がっていくことがうれしくて仕方ないんです。漁師さんが小学校で地引網漁の話をする機会が生まれたり、農家の方が体調を崩していると聞けば誰かが“手伝うよ”と駆け付けたり、農作物を収益化したいという農家さんと知識のある人がつながったり、様々な好循環が生まれています」
将来の目標を問われると、「台舟の維持、これは絶対です」と力強く宣言した。「もっと皆に台舟のことを知ってほしいし、資金を集めて船も新しくしたい。小屋のある浜辺のロケーションが素晴らしいので、ビアガーデンなども開いてみたいですね。この人とこの人がつながったら最高だな、と感じる方々が大磯にはまだまだたくさんいます。そういう方たちを皆つないで、わいわいと楽しく支え合っていくのが私の夢。子どもたちには自然体験の機会をどんどん増やして、大磯で育って良かった、と思う若者を増やしていきたいですね」

質問コーナー

Q 大磯町の魅力は?

あえて自然環境以外のことで言うなら、町長と住民の距離が近いことが自慢できるポイントです。池田町長はいつも自転車で町を走り回っていて、“イケトウさん”の愛称で皆に親しまれています。気軽に呼び止めることができるため、町の人の困りごとが解決されるスピードも尋常じゃなく早い(笑)。「ヤッホー」の行事にもしばしば顔を出してくださいます。

Q おすすめの場所や過ごし方は?

アオバトの集団飛来地として神奈川県の天然記念物に指定される「照ヶ崎海岸」がおすすめ。冬になると沖縄ばりに水の透明度が高く、本当にきれい。海に浮かびながら空を仰ぎ見ると、アオバトがバーッと水を飲みに来るのが見えて壮観です。「今日はあったかいから、海ごはんしよう」の一言で皆が集まり、テトラポットをテーブル代わりに食べたり飲んだり、焚火をしたり。気ままに海で過ごす時間も最高です!

Q 移住希望者へ伝えたいことは?

気になる街があったらまずは訪ねてみて、目に留まったお店や場所で会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。大磯の場合、お店から生まれているコミュニティがすごく多いんですよ。肩の力を抜いて、気軽な気持ちで直感に耳を澄まして。そのように過ごしていれば、自分の肌に合う場所が見つけられると思います。

萩原春菜さん

萩原春菜さん

神奈川県横浜市出身。大学卒業後、23歳で結婚。静岡市、相模原市で計6年間過ごし、2018年に大磯町へ転居。動画制作やデザインの仕事と海鮮レストランでのアルバイトを掛け持ちしながら、様々な地域活動にも従事。一男、一女の母。

移住時の年代

20代

家族構成

夫、息子、娘

移住スタイル

Iターン

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活動場所 お名前

関わり方

(移住スタイル)

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