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更新日:2024年3月8日

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地に足を付けて生きる。三浦でリスタートした私の人生。

テキスタイル作家として活動する大類尚子さんが、3人の子どもを連れて三浦市に移住したのは2018年。「無理をしない」をモットーに、創作活動と子育ての両立に励んでいる。

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いつかここで暮らしたい。三浦で得たインスピレーション

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横浜で生まれ育ち、中学高校は鎌倉市へ電車で通学していた。「海へ近づいていくワクワ海へ近づいていくワクワクする気持ち、今でも鮮明に覚えています」と話す大類さん。当時馴染みがあったのは、湘南から鎌倉市までのエリア。三浦市との出会いは、移住する10年ほど前、小説家・いしいしんじ氏の著書がきっかけだ。「いしいさんが三崎で執筆していることを知り、どんなところだろうと足を運んでみたんです。訪ねてすぐ、“いつかここに住んでみたいな”と思いました。旅が好きで国内外問わずいろいろなところを訪ねましたが、そんなふうに感じたのは初めてでした」
特に印象深かったのは、県道26号線から脇道へ入った先に広がる田園風景。緑色に輝く広大な畑の向こうに広がる相模湾。青空に映える風力発電所の大きな風車と、流麗な富士山の稜線。自然の恵みと人工物が違和感なくとけあう壮大な景観は、ただ美しいだけでなく、神聖さすら覚える不思議な開放感に包まれていた。「その風景の中、あちらこちらで農作業にいそしむ人々の姿がありました。広い空の下、キャベツを収穫したり、ダイコンを育てたり。大地に根を張って働くその姿から、生きてる!というエネルギーが伝わってきました」

生活者目線で情報収集し、三浦の魅力を検証

それ以来、家族をともないたびたび三浦市を訪れた。子どもたちと海釣りを楽しみ、おいしいと評判の三崎港周辺の店で食事をして東京の自宅へ帰る。レジャーで何度も足を運ぶうち、いつしか“生活者目線”で三浦の魅力を探るようになった。もともと人と話すことが好きで、旅先でも地元の人との会話を通じて行き先を決めるという大類さん。三浦でも、立ち寄った食事処や店で、いろいろなことを尋ねて回った。「三浦の人たちはなんでも快く教えてくれました。おすすめのお店はもちろん、暮らしやすいエリアや子どもの学校、病院などの生活インフラまで。移住すると決めたわけでもないのに、どんどん詳しくなり、この街で暮らしてみたいという想いも深まっていきました」

生活を変えるなら今しかない。突き動かされた怒涛の2週間

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転機が訪れたのは、長女が卒園する数カ月前。「子どもが小学校に上がるタイミングって、母親の人生にとっても大きなターニングポイントだと思います」。生活を変えるなら今しかない。そう思い始めた頃、小さな出版社を営むご夫婦が三崎に移住し、近々イベントをやるらしい、と友達から聞かされた。長女の小学校入学が目前に迫る3月中旬、軽い気持ちでイベントに出かけてみると、それは三浦市主催の移住報告会だった。「会の最後に、移住を考えている人いますか?と聞かれ、気づいたら手を挙げていました」
その後、2週間で子どもたちの入学・入園の手続きを済ませ、住居も決めて移住。あまりの目まぐるしさで2週間の記憶がない、と笑う大類さん。「最後こそバタバタでしたが、“いつかは三浦で”の想いを長年検証し続けてきていたので、迷いはありませんでした」

地元の人に支えられ、第二の人生がスタート

移住とほぼ同時にシングルマザーとなり、人生をリスタート。現在は、自宅のほど近くにアトリエを構え、テキスタイル作家の活動も順調だ。東京に住んでいた頃と大きく違うのは、自分で選んだ場所に自分の足で立ち、~~さんの奥さん、~~ちゃんのママではない“大類尚子”として根を張って生きている実感を持てること。「三浦には、若くして独立し、看板を背負って頑張る人がたくさんいて、背中を押してくれる空気があります。地に足がついた生き方をしたい──ずっと思い描いていた人生にようやく踏み出せた気がしています」
移住してから現在まで、多くの人に支えられ、仲間にも恵まれた。知り合いを一人介したら、皆がつながってしまうような距離の近さが、大類さんにとっては心地よい。「よそから来たからこそわかる三浦の良さを私なりの方法で発信し、恩返ししていきたいと思っています」

質問コーナー

Q 大類さんが思う三浦市の魅力は?
ダイコンやキャベツの名産地として知られるだけでなく、日本有数のマグロ基地である「三崎港」があり、景勝地・城ケ島や油壺マリンパークなど観光地としても親しまれる多彩な顔をもつのが魅力。自分が住む場所を、胸を張っておすすめできるのが、すごくうれしいです。
Q 移住者へのアドバイスは?
なぜそこで暮らしたいのか、生活者目線でしっかりと検証することが大切です。子どもの教育環境や病院など、生活に関する情報は納得いくまで確認して。移住後は、できるだけ心をオープンにして地元の方と積極的に交流。築いた人脈が、大きな支えになってくれます。
Q 今後挑戦したいことは?
地に足がつき、自分に自信がもてるようになったせいか、やりたいことが目白押し。今は、教員免許の取得と英語の勉強に挑戦中です。仕事もプライベートも、そして微力ながら地域貢献も。自分に枠を設けず、どんどん可能性の幅を広げていきたいと考えています。

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大類尚子さん

東京都出⾝。大学でテキスタイルデザインを学び、「三宅デザイン事務所」へ入社。退社後、テキスタイル作家として独立し、創作活動を開始。オリジナルブランド「ルイヌノ」を立ち上げ、生地からデザインするストールを制作する。3児の母。

移住時の年代

30代

家族構成

母と子ども

移住スタイル

Iターン

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