地籍調査がなぜ必要なのですか

実は現在法務局が管理している公図や登記簿の多くは、明治政府が地租改正を行ったとき、土地所有者たちの手による測量結果を基本としたものが多く、長い年月を経た今日では登記簿記載の面積と実際の面積が異なっている状況となっています。

当時は現在のような精密な機械や専門家も少ないため、土地の形状を表した公図や皆さんの土地の記録である登記簿に書かれた面積は、必ずしも正確なものを反映しているわけではなく、もちろん統一的な基準をもとにデジタルデータで作成されたわけではありません。境界についても、樹木など自然物を目安に当事者間で大まかに認識しているだけの例も見られます。また、世代交代や人口移動によって昔のことを詳しく知っている人も少なくなってきました。

 登記簿(地籍情報)このような不完全な公図や登記簿では、皆さんの大切な土地を守ることが出来ないばかりでなく、紛争の原因にもつながり、また災害などで境界杭がなくなってしまったり土地の形が変わってしまったりすると復元することができません。したがって、皆さんの大切な土地を守るためにもコンピュータ等の電子技術の測量の成果を用いた地籍調査によって、精度の高い公図や登記簿を作成する必要があります。

地籍調査とは、国土調査法という法律に基づいて行われ、正しい測量方法によって新しく公図や登記簿を作り、皆さんの土地の正しい位置や形、地目、面積などを明らかにするための調査です。地籍が法務局に備え付けの公図や登記簿に記載されて、土地に関するいろいろな権利が法的に保護されていきます。