明治時代になると、近代国家建設のために国家財政の確立が急務となり、貨幣経済を導入するために、1873年(明治6年)に「地租改正」が実施されました。地租改正は
- 地券を発行して土地所有者を確定
- 土地所有者に納税義務を課す
- 課税の基準を収穫高から、地価に改める
- 課税を物納から金納にする
この時に作成された、改租図、字限図(字切図)、一村限図(全村図)等と呼ばれる図面は、土地所有者自身によって短期間で作成されたことや、当時の測量技術が未熟であったことから、面積や形状が必ずしも現地と整合しておらず、脱落している土地や、重複している土地があるなどの問題も生じました。
しかし、この地租改正で作成された図面をもとに作成された「公図」が現在も大部分を占めており、行政・民間ともに使用せざるを得ない状況です。これが、現在の測量技術で測量を行う地籍調査が必要な最大の理由です。