ホーム > くらし・安全・環境 > 身近な生活 > ごみ・リサイクル > 「かながわプラごみゼロ宣言」―クジラからのメッセージ― > 令和6年度「かながわクリーンアクティブ・オンラインフォーラム」を開催しました
初期公開日:2025年4月25日更新日:2025年4月25日
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令和6年度かながわクリーンアクティブ・オンラインフォーラム(パネルディスカッション)
2025年1月29日に開催した「かながわクリーンアクティブ・オンラインフォーラム」における、パネルディスカッションの動画です。
河川、海岸、山や街中の清掃活動に多くの県民や企業が参加することで、地域に根付いたクリーン活動の輪を広げるために、フォーラムをオンライン開催しました。
第1部では、海岸や河川などでのクリーン活動の最前線で活動している各団体の活動紹介のほか、海洋プラスチックの謎に挑む国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査研究内容について紹介しました。
本動画では、第2部のパネルディスカッションの様子を公開します。
桂川・相模川流域協議会(兼山梨マイクロプラスチック削減プロジェクト)
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC:ジャムステック)
相模湾沿岸13市町における海岸ごみの現状や実際の清掃活動で利用しているビーチクリーナーの種類、ボランティアでビーチクリーンを気軽にできる仕組みなどについてご紹介いただきました。
海ごみは内陸部の森や川、街中から流れてきていること、河川流域でのプラごみの現状や日常生活で出るプラスチックごみの削減などについてご紹介いただきました。
20年間続けてきたクリーン活動での人を集める工夫やイベントなど、江の島の海にタツノオトシゴを取り戻すための様々な挑戦についてご紹介いただきました。
深海にある大量のプラスチックごみ、マイクロプラスチック問題や海上や海中での調査研究やAIの活用などについてご紹介いただきました。
第2部のパネルディスカッションの様子はページ上部の動画でご覧いただけます。
主に次の内容について、質疑応答を行いました。
県:横浜市内の一般ごみに関する内容ですので、横浜市資源循環局業務課に確認した内容をご紹介します。まず、市民の皆様により分別された「プラスチック製容器包装」及び「プラスチック資源」は、中間処理施設で異物を取り除いた後、全て再商品化事業者に引き渡されリサイクルが行われています。次に、市内の家庭から回収場所に出される「古紙」については、自治会・町内会等の地域団体が契約した民間の回収業者により全て回収されています。その後、古紙問屋に搬入し、資源化されています。
JAMSTEC:海の中のごみをなくすことは難しいので、これ以上、海のごみを増やさないためにITは活用できます。例えば、海底や海岸にあるごみをAIで見つける。これにより、回収に係る施策を検討するうえで役立ちます。また、IoTを活用し、リアルタイムの海流データからごみの漂着地点を予測して対策を立てることもできます。そういったことからも、ITは強力な武器になると考えています。
海さくら:2008年にエストニアに行きましたが、AIを使ってごみの多いところを判別して、そこに人を派遣するなど、効率的なごみ拾いができるような取組が広まっています。最近の天気予報のようにピンポイントでごみの量が分かるものもできると思います。また、ごみを回収するとポイントがもらえるなどのインセンティブを与える仕組みづくりにもAIなどは活用できると思います。
美化財団:当財団では、週の初めに神奈川県約150kmの海岸パトロールを行っています。そして、どこの海岸にどのようなごみが漂着しているのか、特に台風後などSNSを通して情報発信を行っております。これにより、ボランティアさんがどこの海岸が今、汚れているのかチェックすることができるため、効果的なビーチクリーン活動のご支援をいただくことが可能となっております。
流域協議会:私たちは今、支流に目を向けています。本流というよりも支流単位でどうにか、ごみをなくせないかということを考えています。先ほど(パネルディスカッションで)も言いましたが、1つの支流で本当にごみの流れ込みがなくなって、何年もそれが続いています。モグラ叩きのようで大変ですが、支流にポイントを置きながら取り組むというのも1つの手ではないかと思います。
美化財団:(1)個人的な思いとしては、海自体はつながっているので当財団のような取組が拡がっていけばいいと思っています。ただ、具体的にどうすればよいかとなるとこの場では回答が難しいですが、当財団の設立前は各行政機関がそれぞれの都合で清掃を行っていました。それが「サーフ’90」というイベントをきっかけに、統一的な海岸清掃をし、海岸美化の推進・情報の発信をしようということで、当財団が設立されました。(2)実際の活動を行っていく中で、これからも連携して情報交換、情報共有していくということが大切になると思います。
JAMSTEC:マイクロプラスチックが多い場所については、正確な答えはまだでていません。マイクロプラスチックと一言に言っても、目に見えるものから見えないものまであり、また多いが数として多いのか、重量として多いのかでも結果が変わります。多くの研究者が賛成するだろう1つの解答例として、海洋の渦の中や密度の異なる水塊と水塊がぶつかる潮目など、ものが溜まりやすい場所では必然的にマイクロプラスチックの数も多くなります。
県:県環境科学センターでは、平成29年度から相模湾沿岸のマイクロプラスチック汚染の実態を明らかにするための研究に取り組んでいます。その成果の一つとして、令和元年度に相模湾におけるマイクロプラスチックの分布マップを作成し公表しています。詳しくは県ホームページをご覧ください。
JAMSTEC:申し訳ございませんが、企業への開発協力については守秘義務の関係でお答えできません。
美化財団:マイクロプラスチックが問題視されて、ビーチクリーンロボット、器具の開発が日々進んでおります。手軽に購入することが現段階では難しい為、網目の細かいザルを用いて回収していることが実態です。今後、商品化され誰もが手に取りやすくなり、効率よくマイクロプラスチックを採取することが期待されます。
JAMSTEC:柔軟剤の一部では、香料入りのマイクロカプセルを使用した製品もあるようですが、マイクロカプセルの材質については非公表とされているものも多いので、製品情報については各メーカーにお問い合わせください。
海さくら:2017年から2021年までの5年間片瀬東浜に「釘のない海の家」を作っておりました。江の島でそういう取組をしていた団体がいたと知っていただき、それぞれの海岸にあった、無理のない「釘」の減らし方などを模索してもらうのがいいと思います。我々が全国にこれから展開する予定は今のところありません。
釘のない海の家(外部サイト)
県:県環境科学センターでは、平成29年度から相模湾沿岸のマイクロプラスチック汚染の実態を明らかにするための研究に取り組んでいます。その成果の一つとして、令和元年度に相模湾におけるマイクロプラスチックの分布マップを作成し公表しています。詳しくは県ホームページをご覧ください。
流域協議会:ある程度深い川とのことで危険も伴いますので、河川管理者に情報提供・ご相談いただければと思います。
県:一人一人が「今日何か出来そう」な取組として、過剰なプラスチックの使用を控えるほか、環境に配慮したプラスチック使用製品を選択する等があります。
具体的には、マイバッグ・マイボトル等を利用することで、レジ袋等使い捨て(ワンウェイ)プラスチックをなるべく使用しないようにするほか、プラスチック製品を使用する場合もバイオマスプラスチックや代替素材利用製品を選び、なるべく長期間、繰り返し使用することや、プラごみ削減に取り組んでいるお店を活用するなどがあります。
ワンウェイプラの削減について、詳しくは県ホームページをご覧ください。
また、県では、LINE公式アカウント「かながわプラごみゼロ情報」で、プラごみ削減に関するイベント情報やクリーン活動の情報などを発信していますのでご活用ください。