環境科学センターの研究成果
マイクロプラスチック問題への取組
2017年度から、相模湾沿岸のマイクロプラスチック汚染の実態を明らかにするための研究に取り組んでいます。これまでに公表した研究成果について報告します(著作権の関係で表示できないものは、リンクがありません)。
(上の画像をクリックしてください。)
相模湾におけるマイクロプラスチックの分布マップ及び報告書
- クラウドファンディング研究「相模湾のマイクロプラスチック汚染実態を明らかにしたい!」の調査が終了し、分布マップ(PDF:686KB)及び報告書(PDF:2,144KB)が完成いたしました。
生態系保全や漁業資源保護の観点から神奈川県にとって重要な場所、「相模湾」のマイクロプラスチック汚染実態について、参加型の調査によって集められた多くのデータをもとに、分布マップを作成いたしました。こうした情報をもとにさらに研究を進め、発生源の状況を明らかにし、マイクロプラスチックの削減施策に役立てたいと考えております。
なお、本研究の実施にあたって、5,000 円以上をご支援くださった方々は、以下の通りです。ご支援ありがとうございました。
味澤将宏様, 大場雄二郎様, 化工機プラント環境エンジ株式会社様,かながわSDGsパートナー (株)アクロス様, 金丸泰山様, 株式会社コア・エレクトロニックシステム様, 佐藤基様, 代表取締役 斉藤隆様, 高橋真理様, 竹ノ内亨様, 那須川進一様, 成松次郎様, 福島由美様, 三本松憲生様, 美山透様, 山志田俊二様, 株式会社陽報様, YOKO MATSUMOTO様, riezo様(順不同)
(5,000 円以上をご支援をいただいた方のうち、お名前掲載可の方のみこちらに記載しています。)
「大哺乳類展2(国立科学博物館)」で「かながわプラごみゼロ宣言」が紹介されました
プロジェクト研究中間報告書
- 相模湾漂着マイクロプラスチック(MP)の実態とその由来の推定<中間報告書>(2019)(PDF:7,308KB)(2019年9月27日に第3章の文献2を最新のものにして修正しました)
論文・報告・解説等
- 相模湾沿岸における一般参加によるマイクロプラスチック分布調査,全国環境研会誌(PDF:815KB), 45(3), 62-65(2020)
- 神奈川県におけるマイクロプラスチック調査(PDF:567KB),ビオトープ(NPO法人日本ビオトープ協会誌特別原稿),46,2-5(2020)
- 相模湾漂着マイクロプラスチックの有機フッ素化合物の吸着実態と流入河川の影響(PDF:2,979KB),環境化学,30, 66-81(2020)
- 相模湾沿岸及び流入河川のマイクロプラスチック汚染の実態及び有機フッ素化合物の吸着, EICA, 24(4), 40-44 (2020)
- 相模湾沿岸におけるマイクロプラスチックの漂着の特徴, 用水と排水, 62(2), 147-154, (2020)
- 相模湾沿岸に漂着したマイクロプラスチックの実態調査(PDF:1,455KB), 環境と測定技術, 46(10), 3-9(2019)
- 神奈川県沿岸におけるマイクロプラスチック漂着状況の空間的・時間的変動、人間と環境, 45(3), 2-14(2019)
- 相模湾漂着マイクロプラスチックに吸着した PCB全異性体の測定及び発生源の推定(PDF:1,106KB), 全国環境研会誌, 44(2), 22-28 (2019)
- 海洋マイクロプラスチックはどこからくるのか?,(PDF:338KB)神奈川環境技術会誌, 18, 10-15(2018)
- マイクロプラスチックに類似した海洋汚染特性を持つ物質の海岸漂着(PDF:814KB), 全国環境研会誌, 43(4), 60-64 (2018)
- 相模湾沿岸域のマイクロプラスチック漂着特性, 環境科学センター研究報告, 41, 1-10, (2018)
- マイクロプラスチックに吸着した有機フッ素化合物の分析, 環境科学センター研究報告, 41, 23-30 (2018)
- 海岸漂着量の評価のためのマイクロプラスチック採取方法(PDF:567KB), 全国環境研会誌, 42(4), 54-59 (2017)
- マイクロプラスチックって何?(PDF:447KB), しんかんきょう, 141, 8-9 (2018)
大気・水環境の保全に向けた取組
大気汚染は、大気中の微粒子や気体成分が増加して、人の健康や環境に悪影響をもたらすもので、人間の経済的・社会的な活動が主な原因です。神奈川県は、重化学工業地帯を抱え、昭和30年代から40年代にかけて、ばい煙が空を覆うほど大きな社会問題となっていました。その後、大気汚染は改善されてきておりますが、新たに微小粒子状物質(PM2.5)などの問題が発生しています。
また、私たちが日々の生活で利用する水は、ダム湖をはじめとする県内の水源によって賄われています。しかし、その水を育む水源環境は、森林の荒廃や上流域の生活排水対策の遅れなどによって深く傷ついています。そこで、環境科学センターでは、水源環境の保全に関する研究等に取り組んでいます。
- 微小粒子状物(PM2.5)はどこまでわかったのか?(PDF:348KB)
- 犬越路におけるオゾン濃度の経年変化とブナ生育への影響(PDF:256KB)
- 箱根大涌谷の火山ガス拡散解析(PDF:297KB)
- 神奈川の大気・水環境の現状(PDF:294KB)
- 給油車両周辺のガソリンベーパー濃度の測定(PDF:497KB)
- 三浦半島から採集されたカマキリ(アユカケ)(PDF:255KB)
- 川の生き物からみた水源河川の環境(PDF:354KB)
化学物質による環境負荷の低減
化学物質は私たちの日々の生活に欠かせないものですが、取扱や使い方を誤ると環境を汚染し、人の健康や動植物の生育に悪い影響を与える恐れがあります。有害性が明らかな化学物質については、使用や排出が規制されていますが、非常に種類が多いため、環境内の動態、生態系への影響についての知見が不足しています。
環境科学センターでは、化学物質による環境リスクの低減に向けた研究に取り組んでいます。
廃棄物対策の取組
廃棄物最終処分場、いわゆるごみの埋立地には、ごみを焼却した後に出る焼却灰等を埋め立てていますが、埋立物に含まれる有害な物質が周辺の環境を汚染することが懸念されるため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において、廃棄物最終処分場が周辺環境を汚染しない安定した状態になるまで管理するよう規定されています。そこで、環境科学センターでは、廃棄物対策に向けた研究に取り組んでいます。