研究関連事業(完了研究課題)

掲載日:2018年12月13日
研究総括者所属機関 水産技術センター
県共同研究機関  
外部共同研究機関 東京海洋大学、理化学研究所
研究期間 3年間(平成24年度から平成26年度)
研究目的

ヒラメの栽培漁業は、遺伝的多様性に配慮することが求められており、天然ヒラメから飼育中の産卵用ヒラメ(代理親魚1)へ精源細胞2)移植を行うことにより、様々な遺伝形質を持つ放流用ヒラメを生産する技術の研究開発を行う。

研究結果

ヒラメにおける代理親魚作出のためのドナー3)精原細胞を移植する適期が、天然魚の日齢11から16(全長4.8から7.3mm)であることを明らかにした(図1)。

ドナーとなる天然魚生殖腺の発達状態(13日齢)仔魚

図1 ドナーとなる天然魚生殖腺の発達状態(13日齢)仔魚

天然魚の精巣より採取した精原細胞をドナーとして、日齢2週間前後の継代魚の腹腔に移植し(図2)、これらを成魚(代理親魚)に養成した。

ヒラメ仔魚への精原細胞移植

図2 ヒラメ仔魚への精原細胞移植

これら代理親魚から精子を採取し、次世代を作出することができた。また、精子の遺伝的由来を調査したところ、これらの精子には、移植した天然魚ドナーの精原細胞に由来している精子が含まれていることを確認した。このことから、ヒラメにおいて遺伝的多様性に配慮した種苗生産の技術として、代理親魚技術が活用できることを明らかにした。

詳細:実施内容説明書[PDFファイル/859KB]

<用語の説明>

1)代理親魚:天然魚の精原細胞を移植された継代魚で、放流用のヒラメを生産する親魚になるもので、天然魚より飼育しやすい。

2)精原細胞:精子の基となる前段階の細胞。

3)ドナー魚:移植する精原細胞を提供する魚

4)継代魚:飼育が容易でここでは放流用のヒラメの親魚となる。

 
研究総括者所属機関 産業技術センター
県共同研究機関 農業技術センター
外部共同研究機関 横浜市資源リサイクル事業協同組合、独立行政法人農業環境技術研究所
研究期間 3年間(平成24年度から平成26年度)
研究目的

余剰古紙を有効活用するため、古紙からバイオエタノールを 効率的に生産する技術と、農地の土壌管理にバイオエタノールを活用する技術を開発する。

研究結果

余剰傾向にある古紙を原料にしたエタノール生産を目標に、固体酸触媒等を用いた新たな前処理法1)や既存の再生紙製造前処理技術について検討し、酵素糖化2)への影響を調べるとともに、産出エタノールの新用途として、低濃度エタノールを用いた土壌消毒技術3)への展開を検討した。

未利用古紙がエタノール原料として有望であることを明らかにした(図1)。酵素糖化の前処理法として、炭素固体酸等の新材料を用いた処理および既存の再生紙製造用パルパー溶解処理についてそれぞれ検討し、低排水型プロセスへの適用を試みたパルパー溶解処理4)古紙からエタノール生産可能なことを明らかにした(図2)。

古紙品目別の原料適性

図1 古紙品目別の原料適性

パルパー溶解処理古紙の同時糖化発酵実験の様子

図2 パルパー溶解処理古紙の同時糖化発酵実験の様子

さらにほ場(図3)において古紙から得た精製度合いの異なる発酵エタノールやその副成分について土壌還元消毒効果を検証し、農業用消毒資材としての有効性を明らかにした(図4)。

ほ場での副成分含有模擬試料を用いた土壌還元消毒の様子

図3 ほ場での副成分含有模擬試料を用いた土壌還元消毒の様子

土壌還元消毒中の土壌中殺菌成分の推移

図4 土壌還元消毒中の土壌中殺菌成分の推移

詳細:実施内容説明書[PDFファイル/4.45MB]

<用語の説明>

1)固体酸触媒等を用いた新たな前処理法

分離操作が容易な固体状の酸性触媒を用いて古紙の主成分であるセルロースを加水分解し、低分子化する方法。

この処理法を確立することにより酵素糖化の効率向上が期待でき、水や酵素の消費が少ないプロセスコストの低減が図れます。

2)酵素糖化

主にセルロースからなる古紙を、酵素を触媒として加水分解し、単糖へ変換することをいいます。

硫酸を触媒として用いた硫酸糖化もありますが、単糖の過分解や硫酸塩の副生がコストや環境負荷増大の要因となっています。こうした液体酸に替えて固体酸を触媒とする固体酸糖化の研究開発が進められていますが、酵素に比べて低温域での活性が劣るのが現状です。

3)低濃度エタノール土壌還元処理

有機炭素として2%以下のエタノールを土壌に投入し、水分を供給し、土壌表面を覆うことで土壌微生物を活性化させ、これにより生じた有機酸や金属イオンによる殺菌効果を利用した消毒技術です。

4)パルパー溶解処理

回収古紙を再生紙製造原料として循環利用する場合の最初の工程。

アルカリ水と共に古紙を大型洗濯機で撹拌処理し、含水率7割程度のセルロース繊維を主成分とするパルプが得られます。

 
研究総括者所属機関 衛生研究所
県共同研究機関  
外部共同研究機関 理化学研究所
研究期間 3年間(平成24年度から平成26年度)
研究目的

食品等に含まれる化学物質の発がん性予測法として神奈川県が開発した「Bhas42細胞形質転換試験法(Bhas42CTA)」について、国際標準化試験法(OECDテストガイドライン)としての国際認定に向けた研究を行う。

研究結果

Bhas42細胞形質転換試験法の有用性を証明するために、Bhas42細胞に発がんプロモーター処理を行い、次世代シーケンサーを用いて遺伝子の転写開始点配列の網羅的解析を行った。

各種発がんプロモーターによる処理後の経時ポイントごとに発現(転写)変動した遺伝子を解析した結果、Bhas42細胞のがん化(形質転換)に伴い発現変動した遺伝子の生物学的機能および活性化した転写因子の多くが、がんと関連していることが明らかになり、「Bhas42細胞形質転換試験法」が発がん性予測試験法として有用であることのエビデンス(科学的根拠)を得ることができた。

研究概要

図1 研究概要

発がんプロモーター処理によりがん化(形質転換)したBhas42細胞(処理後17日)
図2 発がんプロモーター処理によりがん化(形質転換)したBhas42細胞(処理後17日)

発がんプロモーター(Comp.2)の生物学的機能解析結果

図3 発がんプロモーター(Comp.2)の生物学的機能解析結果

詳細:実施内容説明書[PDFファイル/2.61MB

<用語の説明>

「Bhas42細胞形質転換試験法(Bhas42CTA)」とは、

活性型ras遺伝子(がん遺伝子)が組込まれたBhas42細胞を用いて、化学物質の発がん性を簡便かつ高感度に検出可能な試験法であり、とくに発がんプロモーション活性を検出する試験法として優れた特性をもつ。この試験法は、神奈川県衛生研究所が重点基礎研究(2000年)において開発し、2013年には、Bhas42CTAとしてECVAMからOECDの国際標準法としての推薦を受け、国際標準試験法としての認定に向けて、OECDの国際会議で審議が行なわれている。

ECVAM:EuropeanCenterfortheValidationofAlternativeMethods

Bhas42細胞形質転換試験法(Bhas42CTA)

図4 「Bhas42細胞形質転換試験法(Bhas42CTA)」

 
研究総括者所属機関 衛生研究所
県共同研究機関

産業技術センター、水産技術センター、農業技術センター三浦半島地区事務所

外部共同研究機関 東京海洋大学、東洋大学
研究期間 3年間(平成23年度から25年度)
研究目的

地域特産物に関連した低利用食品素材である加工残滓等の産 業廃棄物の二次活用を目的とする。神奈川県産の低利用素材であるマグロ血合いおよびアカモク(海藻)について機能性と安全性を明らかにするとともに消費者に魅力のある製品開発を行う。

研究結果

低利用素材であるメバチ血合およびアカモクについて、具体的な製品化を行った。
メバチ血合いでは、三浦ダイコンとの簡易加工品が製造可能となった。また、塩水処理等により食感や臭いを改善し、酸化を防止した保存食や介護食を念頭に置いた販売可能な製品の開発を行った。
アカモクについては、シクロデキストリンと乳化剤の添加により有効成分の流出を抑制したアカモク粉末と茎ワカメ粉末を添加した中華麺の試作を行った。この麺を1日1食4日間連続摂取した場合、ナトリウム排泄効果が認められた。

詳細: 実施内容報告書[PDFファイル/342KB]


試作品の写真
図1 マグロ血合いと三浦ダイコンを利用した加工食品の試作品


アカモクと花まつも麺の写真
図2 未利用海藻のアカモクを利用した加工食品


表1 5%血合添加高脂肪飼料群で有意な増加が認められた主な遺伝子
遺伝子

 
研究総括者所属機関 産業技術センター
県共同研究機関 畜産技術センター(旧農業技術センター畜産技術所)
外部共同研究機関 慶應義塾大学、麻布大学
研究期間 3年間(平成23年度から25年度)
研究目的 乳牛のストレスホルモンを計測するために、微細加工技術を利用したセンサーを開発し、乳牛のストレスモニタリングのためのコルチゾールを簡易に検出し、ストレス評価に活用することを目指す。
研究結果

ストレスホルモン(コルチゾール)の簡易計測に向けて、水晶振動子 マイクロバランス(QCM)法、イムノクロマト法、マイクロ波空洞共振法について検討した結果、QCM法での計測が定量測定に向けて有効であることが示唆された。また、分娩、削蹄、飼養管理変更、暑熱対策を行った乳牛において、日常の飼養管理の中で採取した牛乳をサンプルとして測定した乳中コルチゾール濃度は乳牛のストレス評価に活用できると考えられた。

詳細: 実施内容報告書[PDFファイル/435KB]


削蹄の写真および削蹄の影響のグラフ
図1:削蹄によるストレス (削蹄:伸びすぎた蹄の形を整えて、牛が寝起きしやすく、歩きやすい状態を作ること。)


センサーシステムの写真
図2 自己送液型QCM(水晶振動子マイクロバランス)を利用したセンサーシステム

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本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa