種苗法の改正と神奈川県育成品種の取扱いについて

種苗法とは

種苗法は、法に基づき登録された「登録品種」と、それを育成した育成者権者の権利を守り、品種の育成の振興と種苗の適正な流通を図ること等を目的とした法律です。
令和2年12月に種苗法の一部が改正されたので、その概要と改正に関連する神奈川県育成品種（登録品種及び出願中品種を含む。以下同じ）の取扱いについてお知らせします。

種苗法の主な改正点

1. 輸出先国の指定（海外持ち出し制限）　［令和3年4月1日施行］
   登録品種の種苗の海外持ち出しを制限できるようになりました。
   本県では、すべての神奈川県育成品種について海外持ち出しを制限する旨届け出済みです。
2. 国内の栽培地域指定　［令和3年4月1日施行］
   令和3年4月1日以降に出願する品種について、国内での栽培地域を指定できるようになりました。
3. 登録品種の表示の義務化　［令和3年4月1日施行］
   登録品種の種苗には、登録品種であることの表示や、輸出の制限、栽培地域の制限がある場合その表示が義務化されました。
4. 許諾に基づく自家増殖　［令和4年4月1日施行］
   登録品種の種苗を育てて得た収穫物を、次期作付け用に利用する行為（いわゆる自家増殖）にも、育成者権者の許諾が必要になります。
   神奈川県育成品種の自家増殖に対する本県の方針や品種ごとの取扱いについては次のとおりです。

（注）種苗法の改正に係る詳細は農林水産省のホームページ（別ウィンドウで開きます）をご覧ください。

神奈川県育成品種の自家増殖の取扱いについて

神奈川県育成品種の自家増殖の取扱い方針は、次のとおりです（適用開始日：令和4年4月1日）。

基本方針

• 原則として、今まで通り許諾手続きなしで自家増殖が可能です。
  原則以外の取扱い等、品種ごとの詳細は、次の表「品種別取扱い一覧」をご参照ください。
• 自家増殖が可能な品種においては、許諾手続きの要・不要に係らず、自家増殖に関する許諾料等は無償です。

（注1）本取扱いにおける自家増殖の許諾は、増殖した種苗の他者への譲渡（有償・無償に関わらず）を許諾するものではありません。

（注2）自家増殖の制限については、家庭菜園等の個人利用は対象となりません。ただし、増殖した種苗やそこからの生産物を他者に譲渡（有償・無償に関わらず）することはできません。

（注3）今後県が新たに育成者権者となる登録品種（品種登録出願中も含む）については、個別に取扱いを定め、随時本ページに掲載します。

品種別取扱い一覧（令和6年2月27日現在）

作目	種類	品種の名称	海外への持出	自家増殖の可否	許諾手続
野菜	ネギ	湘南一本	禁止	可能	不要
	ナス	サラダ紫	禁止	F1品種のため自家増殖不可	ー
	ナス	かな紫*	禁止	F1品種のため自家増殖不可	ー
	ダイコン	湘白	禁止	F1品種のため自家増殖不可	ー
	トマト	湘南ポモロンゴールドG4*	禁止	品種本来の特性を維持するため自家増殖不可	ー
	トマト	湘南ポモロンレッド35R*	禁止	F1品種のため自家増殖不可	ー
	トマト	湘南ポモロンショコラ*	禁止	品種本来の特性を維持するため自家増殖不可	―
	イチゴ	かなこまち*	禁止	可能（正当に入手した種苗から自家用の栽培向け増殖を行うことも含む）	不要
果樹	カンキツ	湘南ゴールド	禁止	可能	不要
	ナシ	香麗	禁止	可能	不要
	ナシ	なつみず	禁止	可能	不要
	ウメ	虎子姫	禁止	可能	不要
	ウメ	十郎小町	禁止	可能	不要
	ウメ	翠豊*	禁止	可能	不要
観賞樹	サルスベリ	ディアルージュ	禁止	可能	不要
	サルスベリ	ディア　パープル	禁止	可能	不要
	サルスベリ	ディア　ウィーピング	禁止	可能	不要
	アオキ	湘南ひこぼし	禁止	可能	不要
	アオキ	湘南おりひめ	禁止	可能	不要
	ヤポンノキ	八剱枝垂れ*	禁止	可能	不要
花き
	スイトピー	スプラッシュヴィーノ	禁止	利用許諾をしている団体の会員または会員の構成員に限り可能	ー
林木	ヒノキ	神奈川無花粉ヒ1号	禁止	林業種苗法により採取源が制限されているため自家増殖不可	ー

（注）品種の名称の右に*印があるものは、品種登録出願中（令和6年2月27日現在）です。

他の品種育成機関の方針

国や他都道府県、民間企業等の登録品種を利用されている方は、各機関の自家増殖等に係る許諾方針をホームページ等でご確認ください。

このページの所管所属は政策局 いのち・未来戦略本部室です。