科学技術関連コラム・バックナンバー(久村委員)

掲載日:2020年6月18日

科学技術関連コラム(第3回:日産自動車株式会社 フェロー 久村 春芳様(神奈川県科学技術会議 委員))

掲載日:2020年2月7日

 このたび、新たに、科学技術にかかわるコラムを神奈川県科学技術会議の委員の皆様にご執筆いただくことにしました。
 コラムは随時更新予定です。第3回目は、委員の久村春芳様です。

良いアイデアを見つけるためには?
日産自動車株式会社 久村春芳

 人のアイfellowkumuraデアの価値、目利き力を定量化するプログラムをあるベンチャーが開発した。独自のアルゴリズムにより”アイデア”とそれを出した”人“とそれらが“共感された状況”を可視化する。それにより、だれが出したどのアイデアがどのくらい共感されているか、可視化できる。
 評価するアルゴリズムの基本は、可視化された共感状態から目利きを抽出することだ。「共感されるアイデアを出す人は良い目利き」という、意外とシンプルで納得性の高い論理である。目利きが特定できれば、その目利きたちが強く共感したアイデアが良いアイデアということになる。これを可視化することにより、全体の共感度合を表すチャートでは出されたアイデアの優劣評価がはっきりしなかったが、目利きだけに注目することで、優れたアイデアである可能性が高いアイデアを抽出することができるのは面白い。
 創造には大きく2種類ある。ひとつは何をしたいかだ。目標を決める・課題を提示する・Why/Whatを明確にすることである。ふたつ目は、それに対するソリューションを提示することだ。それが決まれば実行となる。美大生とT大生を混ぜてワークショップをした状況が興味深い。特性がクリアに分かれる。美大生はビジョンを雄弁に語り、T大生は黙ってしまう。解決策になると、美大生は黙り、T大生が雄弁に語り始める。自身の経験から考えると、ひとつ目の能力は、研究テーマやダイレクションの設定に当たる。そして、ふたつ目の能力は問題解決や発明の能力がこれに相当する。両方備わっているのが目利きだ。
 良いアイデアを見つけるためには、まず目利きを特定するのが有効だが、これまでどうしたらよいか良くわからなかった。冒頭紹介したアルゴリズムの講演を聞いて、少し指標を考えてみた。
 まずひとつ目の指標となるのは、課題や将来価値を予見し、将来技術開発や研究のテーマを設定できる能力を示すもので、それぞれの設定数で測れる。次に、特許保有数・問題解決数が2番目だ。さらに、提案するために要点をまとめる能力も必要であり、論文数や受賞数が3番目となる。求められる要件を述べるときりがなくなってしまうが、基本はWhy/WhatとHowの両方を提示できる能力をつけてもらうことである。これは教えて教えられるものではないので、失敗を伴う実践でしか身につかないと考えている。

本文ここまで
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