更新日:2020年8月7日

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県民フォーラム意見等に対する回答(第10回)

第10回県民フォーラム実施結果を紹介します

県民フォーラム写真
第10回山梨県フォーラム

水源環境への負荷軽減

1.【水がめ相模湖・津久井湖のアオコはなくせるだろうか】
今年も湖にアオコが異常に発生しています。湖は富栄養化状態にあります。
平成20年参考値全チッソ0.2mg/ℓ、相模・津久井湖とも1.3mg/ℓと濃度が高い。
全リンは参考値0.01mg/ℓ、相模湖0.079、津久井湖0.05と濃度が高い。
日本でアオコ対策に成功している諏訪湖のようにできる公算はいかがですか。現在取り組んでいるエアレーションシステム以外の対策を聞きたい。

(主な対応所属:河川課、水源環境保全課)

湖水の富栄養化に伴うアオコの恒常的な発生に対する対策として、エアレーション装置を設置し、湖水循環の促進等によって湖内の環境が変化した結果、著しいアオコ集積現象は概ね抑制されました。
その後、津久井湖では一層の水質改善を図るため、棚田状の植物浄化施設を整備し水質浄化を行ってきましたが、さらに、湖岸域に植生帯を創出し、自然の浄化機能を高める水質浄化対策を進めています。
また、「(第1期)かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」では、県内ダム集水域の生活排水対策(公共下水道・合併処理浄化槽の整備促進)を行っています。
さらに、「第2期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画(案)」に、相模湖における直接浄化対策、及び県外上流域対策を新たに位置づけており、水質浄化用植生浮島による事業や、桂川清流センターにおける凝集剤による排水処理を実施することとしています。

2.河川にやたらにダムや発電所を作ったりせず、また、し尿処理場(浄水・下水)を作ったりせず、全面見直しが必要である。

(回答希望なし)

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情報提供・啓発

3.【上流域の森林についての県民へのPR】
県境を越えた上流域の森林の状況については、県民に何か伝えているのか?

(主な対応所属:水源環境保全課)

現行の5か年計画では、神奈川県と山梨県が共同して、相模川水系上流域の森林の現況等について調査しました。この調査結果につきましては、点検結果報告書や県ホームページへの掲載により、県民の皆様へPRしています。

4.山梨県からの恩恵を広く県民に伝えるべきだ。

(回答希望なし)

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県外対策

5.同取組を山梨県側で実施していくために何をクリアしなければならないのか。県境を越えて流域一体となって森林・林業問題を解決していける仕組みをつくり上げて頂きたいと願っております。(特に木を使うことにより森を守る取組)
森林整備に関していえば、県境を越えて応援協力が活発に連携出来ればと考えております。
最後にもし可能であればテーマ別のフォーラムもご検討頂ければ更によいフォーラムになると考えます。(是非、森・林業フォーラムをご検討ください)

(主な対応所属:水源環境保全課)

県外上流域対策を山梨県側で実施するためには、
(1)神奈川県にとっての行政課題が、山梨県が本来果たすべき役割以上に発生していること
(2)これに対応することによって、広範かつ明確な受益を神奈川県民にもたらすこと
(3)対策は両県共同事業として実施すること
が必要であると考えております。
また、最後にご指摘いただいたフォーラムの企画・運営につきましては、今後も改善に務めてまいります。

6.水源の森林づくりということであれば、上流の森林に対しても拡大していかなければ片手落ちであると感じました。

(回答希望なし)

7.・相模川流域の森林整備を進め、水源の涵養をどう維持していくのか。
県の枠を超えて、山梨・神奈川流域全体として考える必要あり。
世界的に資源の争奪が著しい。安心安全な水をどう確保していくのか、流域全体として取り組みをお願いしたい。

(回答希望なし)

8.桂川流域の森林整備

(主な対応所属:水源環境保全課)

桂川流域において、神奈川県の水源環境の保全・再生を図るためには、山梨県が既存の森林整備事業に加えた整備が必要であり、この部分について、山梨県が平成24年度から導入を予定している森林環境税(仮称)と共同し、本県の水源環境保全・再生事業として実施する必要があります。

9.【神奈川県と山梨県 流域関係市町村との交流(意見交換)について】
(1)これまで補助金の関係しかなかったように記憶している。議会・市民レベルの交流をどうしていくか。検討すべきではないか?
(2)広域行政について県の職員の目で見てどうなのか?
(3)特に保水と水質保全について。

(主な対応所属:水源環境保全課)

山梨県や流域の関係市町村・市民団体との交流については、桂川・相模川流域協議会の活動等を通じて図っています。
また、第10回県民フォーラムは、神奈川県・山梨県両県民による意見交換などを行う場として、相模川上流域である山梨県で初めて開催したところです。今後も、桂川・相模川流域の環境保全を図るため、水源環境保全・再生事業を推進してまいります。

10.山梨県の森林環境保全は、山梨県の行政・住民が取り組むべき課題だが、今回のフォーラムに参加し、流域の自治体全体での連携の必要性が理解できた。
パネリストの方のお話から、環境保全活動の現場での財政面での課題が伺えた。神奈川県民が桂川の水の恩恵を受けているのであれば、県は広報活動に力を入れていただき(自分達の生活水の出所を知っている人は、とても少ないと思います。)水源環境保全税の用途等、資金の流れを透明にして、県民の生活水に対する関心を高めてほしいと思う。

(回答希望なし)

11.私は神奈川で生まれ、現在山梨で森林整備に従事しています。常々思うことは、神奈川にいた頃には山梨を知らず、山梨に来てからは神奈川が見えない、ということです。物理的に、あるいは流域・森林帯としては一つのつながりなのですが、情報の流れが行政区分で途切れてしまっているように感じます。
意図的な情報封鎖があるわけではないのでしょうが、これほどまでに情報の断絶があることに違和感を持って臨むべきではないかと思います。

(回答希望なし)

12.山梨県と連携して、住民と向かいあいながら施策を進めていってほしい。

(回答希望なし)

13.・山梨県で県民フォーラムを実施したことの意義は高いと思います。
このような、神奈川・山梨にまたがる行政と市民と協働による催事を途切れることなく継続させていくことが大事であると考えます。
水源環境の保全のためには、山梨・神奈川の県域を越えた広域事業対策(資金面も含め)が早急に必要な時期となっていると感じます。

(回答希望なし)

14.・パネリストの話にもありましたが、県境の垣根を越えた取り組みが今後は必要と思われます。
それぞれの県民の意識は異なると思うし、また、理解されている人がどれくらいいるのか、見えない部分もあるので、県民同士の交流を深めた取り組みが必要であると感じました。

(回答希望なし)

15.・川には上流があって下流があるもの。上手に交流会を持ち、相互理解を深めていく努力が必要。知っている人、知らない人にも環境問題として周知させたし。
山梨県はやはり金銭面での不安が前面に出てくる。

(回答希望なし)

16.山梨県(行政・民間)で行う各種水源環境保全に係る事業に資金援助をしていくべき。
金を出すから口も出す、でいいと思います。

(回答希望なし)

17.両県の水源税の一部を一体型の基金として、山梨県側の事業を実施すればよいのでは。

(回答希望なし)

18.・河西氏の主張はもっとも。
行政は必要な時に"住民参加"を言うだけではなく、大きなお金の動くと思われる政策についても、もっとオープンな参加を可能とする方策を考えるべきではないか。さらに、神奈川県が進めているダム湖の植物浄化について、山梨県の大門ダムに見事な失敗例がある。科学的な評価が必要ではないか。
この流域は日本の中でも非常に重要な場所(歴史的に見ても)。今後日本国内でモデルとなるような上下流の交流を通し、真の循環システムを作るべきではないか。山梨側の行政の姿勢も試されていると自覚すべき。
更に山中湖の水源の一つが富士山であることにも触れてほしい。上・下流の交流の重要性を言うにはよい対象となるはずなので。

(主な対応所属:)

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その他の意見

19.予想以上の参加者があり良かったと思うが、河西さんの言われたように、神奈川県民にもっと聞かせたい内容だと感じた。できれば神奈川県内で行われる県民フォーラムに流域関係者を参加させ、少しの時間でも説明してもらえば、神奈川県民、特に横浜市民は道志川だけではない事がわかるのではないか。

(回答希望なし)

20.今回、初めてこういったフォーラムに参加しました。神奈川・山梨県民ではありませんが、川は色々な県をまたがっているということを実感しました。自分の県に流れている川だけでなく源流も大切にすべきだという考えが生まれました。また参加したいと思います。体験型の集まり等期待しています。

(回答希望なし)

21.都留市の大学に通う学生です。以前から、神奈川の水源環境税の取り組みに関心を持っておりました。神奈川の飲料水となる桂川・相模川の上流に住む人間として何ができるか、「流域」を市民がどんなふうに捉えているかをテーマに研究しています。
流域を考える上での先進問題として、矢作川の取り組みに注目しています。そのなかで、上・中・下流をつなげるのが、水質悪化(公害)から始まった市民の水質保全運動や漁協の運動だということを学びました。河川が県をまたぐなど地理的な問題もあり、どの河川も固有の事情を抱えているとお察しします。私も流域市民として、どう行動し参加していくか考えていきたいです。

(回答希望なし)

22.両県の環境に対する意見・関心には温度差があるかもしれませんが、一層の取り組みを期待します。

(回答希望なし)

23.神奈川県では、山を良くしよう・川を良くしよう・水をきれいにしようと税金を高くしてまでも取り組んでいると聞く。山梨県民も下流域に笑われないように積極的に同様な取り組みを始めないといけない。
どうしたら良いのか。直ちに行動しなければ!

(回答希望なし)

24.上流域である山梨県は、現状を理解し早急に対処すべきであると感じました。

(回答希望なし)

25.パネラー個々人の中の県境が取り払われていないと思いました。

(回答希望なし)

26.(パネリスト河西氏への質問)
【県境の壁を取る具体策は?】
流域単位の中でどう壁を取り除くか、という河西さんの話であるが、それは神奈川県の水源環境税から予算を取って欲しいのか、山梨県の新税(森林税?)に加えて欲しいのか。または、流域として応分負担に両県から予算を取るのか。神奈川県の税を使う場合、神奈川県民を説得するだけの裏付が必要であると思う。

(主な対応所属:パネリスト河西氏)

上流域に住む住民が、本当に下流域から支えてもらっていると実感できるような施策の展開が必要です。今、上流域ほど人口減・少子化・高齢化が進み、人的にも・資金的にも大変厳しい現状です。
神奈川県の水の約5割弱を担う水源域である山梨県内の桂川流域については、かながわ水源環境保全・再生施策大綱にも位置づけらています。これからの5年間について、神奈川・山梨両県で検討されている段階と聞いていますが、その地域に住む住民の頭越しに政策決定するのではなく、決定する前から、情報を共有し、意見を求めることが重要だと思います。
税を投入する以上、神奈川県民を説得できる裏付けは当然必要です。同時にそこで暮らしている住民が納得できる施策でなければ、実効性・効果は期待できません。
桂川・相模川流域協議会は先行して桂川・相模川の流域環境保全に取り組んでいます。桂川の流域市町村・事業者・市民が加わっている組織です。協働していくことも考えていくべきと思います。

27.(パネリスト河西氏への質問)
【山梨県の理解度】
市民活動の頑張りには限度があります。県としての助言、アドバイス、協力(金銭的にも)はどうですか。

(主な対応所属:パネリスト河西氏)

確かに市民活動は限界があります。特に山梨県は活動する人口も少なく人材的にも資金的にも厳しい現状を抱えています。今、山梨県は森林環境税の導入を決定し、森林を大きく抱える県として、新しい一歩を踏み出していく段階です。県の規模も小さく過大な期待はできませんが、市民活動も連携をしていかなくてはという声も上がっています。森林環境税からそのような活動にサポートができれば、森林県やまなしの新たなモデルができるのではと期待しています。

28.(パネリスト中村氏への質問)
【森林作業道について】
崩れない作業道の工法はどういうものですか。
幅員は何メートルですか。どんな機械で造るのですか。
費用は1メートル当たりどの位かかりますか。
作業道研修の日程を詳しく教えて下さい。

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

山を見ると、崩れる場所、つまり水が集まって水道(みずみち)になったり、破砕帯になったりしている場所がたくさんあります。
幹線は2.5メーターの片幅までののり面と決めて作っていきます。また、支線は幹線と平行線上に作っていきます。

29.(パネリスト中村氏への質問)
作業道の開設は森林整備の中でも優先して実施されるべきことですが、水源税の使途として神奈川県民に理解を求めるには、開設の重要性あるいは森林整備や素材生産についての認知度がいまだに低いと思われます。
今後、市民レベルまで上流の課題を示してゆく中で、どういった取り組みを行っていけるのか。回答願います。(一方的な発信ではなく、対話として山梨・神奈川の協働は可能なのでしょうか)

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

県境の壁を越え、流域全体をよくするという視点に立つことが大切です。そして、全国のモデルになるような新しい視点に立った政策をつくることです。例えば、河口から源流までの流域全体の共通の基金を神奈川県と山梨県が共同してつくり、流域全体を区別なく全体をよくすることです。このような全国に誇れるような政策により、地元の山林所有者、林業関係者などが誇りを持って生きていけるような状況をつくってほしいと考えています。こうした中で、源流から河口まで、市民の交流の輪が広がっていくことを願います。

30.(パネリスト中村氏への質問)
【担い手はどうなっていますか】
ご苦労され林道開設され今に至っている様子、熱く感じられた。現場で活躍される担い手の苦労はありませんか?年齢・人数・地元の協力など。

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

平成15年から、流域の市民の参加してもらい、緑のボランティアと呼ばれる森林再生ボランティアにより、間伐事業などを行っています。

31.(パネリスト田所氏への質問)
【流域の栄養塩負荷の原因調査について】
自然由来が多いことについて、汚染のメカニズムをどこまで解明するつもりか?例えば、Nの安定同位体のみで人為由来は言いきれないのでは?(脱窒が進めば高くなる)
流域調査 森林対策前後の は?

(主な対応所属:パネリスト田所氏)

今後の対策を検討する上で、主要な汚染源をはじめとする物質収支の解明が重要です。自然由来が多いのはリンの話だったと思いますが、これについては、河川の流下途中での水質濃度の変化などによって、汚染源を追跡したいと考えています。一方、窒素の安定同位体比ですが、これだけで人為由来は言い切れないのはご指摘のとおりで、最近では酸素安定同位体比、さらにはアンモニウムイオン中の窒素や水素の安定同位体比を併せて測定する手法などが開発されています。今後は、こうした手法を活用することによって汚染源をより詳細に推測していくことが有効と言われています。ただし、これらの測定には非常に高額な費用と時間がかかります。

32.(パネリスト田所氏への質問)
N安定同位体γ15Nについて化学的に説明してください。14Nとの関係について

(主な対応所属:パネリスト田所氏)

安定同位体とは、化学的な性質は同じですが中性子数が異なり、質量数(≒重さ)の異なる元素で放射壊変しない安定なものをいいます。自然界の窒素には14N、15Nの2種類の安定同位体比が存在し、その存在比は窒素化合物の種類によって変化します。なお、大気中の存在比は一定で、14Nは99.65%、15Nは0.365%であるため、空気中の14Nと15N安定同位体比を基準にして、例えば調査の対象となるアンモニアや硝酸などの窒素化合物における14Nと15Nの安定同位体比を比較し、それをδ(デルタ)値として、千分率(‰、パーミル)で表します。
δ15N(‰)=[(Rsample/Rair)-1]×1,000
(ただし、R=15N/14N)
δ15N値は、窒素化合物の種類(排水等の窒素供給源)によってある特徴がある値を示すことから、河川水や地下水中のδ15N値を測定すれば、汚染源をある程度推定することができるといわれています。

33.(パネリスト田所氏への質問)
【アオコの活用】
以前、東大研究室が商品開発した「ミドリムシクッキー」をお土産でもらったことがあるが、ダムで発生したアオコで同じく商品開発はできないのだろうか?

(主な対応所属:パネリスト田所氏)

以前はアオコというと、藍藻のほか緑藻やミドリムシを含めて呼ぶこともありましたが、近年では藍藻主体の場合を指していいます。
さて、アオコの原因となる藍藻の中で、出現頻度の高いミクロキスティス属やアナベナ属は、強い肝臓毒活性を示す毒素(ミクロキスチン)を産生します。また、これを継続して摂取した場合には肝臓への発がん性も指摘されています。このため、残念ながらクッキーのような食品として商品化することは難しいと思われます。むしろ、窒素やリンの固定能力が高いことから、回収し肥料やリン資源として資源活用する方が可能性が高いと思います。実際、霞ヶ浦などでは船でアオコを回収し、民間会社が肥料化していた時期がありますが、臭気が強いことやコストの面から中止されたと聞いています。

34.(北都留森林組合中田氏への質問)
【山村に「森林所有者」がいなくなることについて】
先ほどのお話で、山梨県内桂側流域の私有林の荒廃が59%を占めているとありました。今、全国的にその荒廃林を大規模にわたり外国企業が買収に来ていると言われています。山梨県でもその動きが見られるのか?状況についてわかる範囲で教えて下さい。

(主な対応所属:北都留森林組合中田氏)

現在、まだ具体的に外資による山林購入の動きはありません。しかし、東京、埼玉といった山梨県外の不動産会社よりまとまった山林を購入したいが良い物件があるかという問合せは当組合へ数件入ってきています。当管内にはまとまって販売できる山林はなく、そちらもまだ商談成立には至っておりません。

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