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更新日:2025年4月23日
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第27回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議の結果をお知らせします。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
第27回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議
令和7年3月27日(木曜日)14時30分から16時30分
横浜市開港記念会館1号室
相原貞雄、大原一興、小堤健司、加藤紳一、河原雅浩、久保田貢(三上弘良代理)、猿渡達明、清水亜樹(鈴木孝幸代理)、下田栄次、関根千佳、塚田操六(三瓶和泉代理)、中野泰志、畠宏好、吉富多美、若村耕平(吉田忠司代理)、和久井真糸
(敬称略、50音順)
未定
福祉子どもみらい局福祉部地域福祉課調整グループ
電話番号 045-210-4804(直通)
ファックス番号 045-210-8874
議事録
(事務局)
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第27回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議を開催いたします。進行を務めさせていただきます、神奈川県地域福祉課の竹内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに、県を代表いたしまして、福祉部長の大澤からご挨拶申し上げます。
(福祉部長)
皆様こんにちは。神奈川県福祉子どもみらい局福祉部長の大澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は昨年の4月に福祉部長に着任しております。この間、この会議に出る機会がなく年度末になりまして、ご挨拶遅れましたこと、申し訳ございません。実は昨日、県の人事異動の発表がありまして、私も来年度も同じ福祉部長として残留しますし、笠井地域福祉課長も残留いたしますので、引き続き来年度もお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
この県民会議につきましては、先般、委員任期を1年間延長し、3年間とする見直しを行いました。本日お集まりの皆様には、令和8年3月31日まで、引続き委員をお引き受けいただけることとなり、厚くお礼申し上げます。改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の議題は、お手元の次第のとおりです。皆様とともに検討を進めてきた「バリアフリーフェスタかながわ」については、昨年11月に第10回目が開催されました。実行委員長を務めていただいた吉富委員をはじめ、委員の皆様には様々な御協力を賜り、改めて、この場をお借りしてお礼申し上げます。本日は、今年度のフェスタの総括と、来年度に向けた方向性について、事務局からご説明いたします。次に、今後の県民会議の取組につきまして、皆様からご意見をいただきたいと思います。その他にも、報告事項をいくつか予定しております。
本県では、昨年11月から、かながわ障害者等用駐車区画利用証制度、いわゆるパーキング・パーミット制度を開始いたしました。県民会議の皆様には、制度導入前から意見照会などに大変なご協力をいただき、誠にありがとうございました。県では、今後も、バリアフリーの街づくりに向けた取組を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、限られた時間ではございますが、委員の皆様による活発な意見交換の場とするとともに、忌憚のないご意見・ご議論をいただき、有意義な会議となればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
(事務局)
本日御出席の委員は、お配りしております出席者名簿に記載のとおりとなっています。本日の出席者は16名となっており、会議の定足数に達しておりますので、本日の会議は有効に成立しております。
次に、代理出席の方のご紹介をいたします。公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会の三瓶委員に代わりまして塚田様、NPO法人神奈川県視覚障害者福祉協会の鈴木委員に代わりまして清水様、一般社団法人神奈川県タクシー協会の三上委員に代わりまして久保田様、東日本旅客鉄道株式会社横浜支社の吉田委員に代わりまして若村様、以上4名の方に、代理として御出席いただいております。
この県民会議の事務局は、地域福祉課及び建築指導課の両課で担当させていただいております。
なお、当会議の記録については、「神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議の会議及び会議記録の公開に関する取扱要領」第5条の規定に基づき、委員の皆様の氏名を記載し、会議の内容を要約した形で、会議終了後、県のホームページに掲載することとされています。あらかじめご了承ください。
また、会議の傍聴に関する規定は、「神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議議事傍聴要領」のとおり、運営いたします。なお、本日、傍聴希望の方はいらっしゃいません。
それでは、ここからの進行は、大原座長にお願いいたします。
(大原座長)
皆さんこんにちは。大原です。何だかしばらくぶりで、久しぶりにお顔を拝見する方もいらっしゃいます。任期が1年延びたということで、またあと1年このメンバーでおつき合い願うということだそうです。よろしくお願いします。
それでは、今日の議事に入る前に、代理出席の方が4名いらっしゃいますけれども、いつもどおりですが、ご本人の代理ということですので、発言権を付与したいと思いますが、皆さんご異議はございませんでしょうか。それではご異議がないようですので、代理出席の方にも発言権を付与するということで、ぜひいろいろご発言願いたいと思います。よろしくお願いします。
では早速、議題1「バリアフリーフェスタかながわについて」ということで、まずは事務局から説明いただいて、それでご意見とか、ご感想などもあるかもしれませんが、進めていきたいと思います。ではまず資料説明をお願いします。
<事務局より資料の説明>
(大原座長)
ありがとうございました。
資料や説明に関してのご質問などありますでしょうか。ご意見も含めてでよいのですが。
(猿渡委員)
地下2階がなくなるということは、狭くはなると思うんですけれど。
シンポジウムを今回初めてやって、本当はちょっと私も出たかったなと。総合学習とかいろいろやっていて、この間も保土ケ谷高校に行ってきました。この間も地域福祉課の福祉人材グループで野澤さんを呼んで話をして、福祉機構の件も触れたんですけど。そういうところもあるので、来年は福祉介護人材グループも、できれば社協だけじゃなくて、県がこれだけ足りないよというところで、出て欲しいなということがあります。
あとパラスポーツなんですけれども、私の介助で入っている方で、パラスポーツ芸人の方がいます。吉本の方なんですけど。パラスポーツのいろんなことをもともと知っていて活動されている方なので、そういう方をぜひ呼んでいただけるといろんな説明ができると思います。
あと、僕は相模原市緑区なんですけど、公民館祭りや福祉祭りとかだと、地域の小中学校の生徒さんがやっぱり来るんですよね。総合学習だけじゃなくて子供たちが来て、ちょっと話は違いますけどブルーベリーの件で橋本駅でやったことがタウンニュースに載り、そのあと知事とお話したみたいなところあるので、例えばタウンニュースとかも使って、どうやって周知するかはXとかもあるんですけど、なかなかXだと知らないと見てもらえないので、フェイスブックなり、もうちょっと共生推進本部室みたいに、近くなったら紙面を広げてもらって、大々的にかなチャンTVとかを使っていただくと広がるのかなと。
あとやっぱり高齢化と少子化と両方あるので、確かに介護の大変さはあると思うんですけれども、そういうことだけじゃなくて、当事者の困り感というのは、障害の有無にかかわらずいろんな部分で同じところもあると思うんですよ。例えばJRさんが来年から横浜線をワンマン化されるんですけど、それに対してホームドアつけています。そういうのはみんなが使いやすい。一部ちょっと大変な部分ありますけど、使えるようになっているところもあるので、例えばそういうふうな展示とかも含めてやっていただきながら、シンポジウムで普段どんなことをお互いに考えて、バリアフリーにこだわらず、将来どういうふうになっていった方がいいのかというのを、もうちょっと発展させられるようなかたちのシンポジウムができたらいいなと思います。
(大原座長)
ありがとうございました。
具体的なご提案、テーマに関しても人材不足の話だとか、ホームドアの話も出てきましたので、また後で事業者関係の方からも、出展の可能性なんかもお聞きしたいなと思いました。あと、広報媒体のご提案ですね、そのあたりはずっと皆さんも問題意識として持っていると思います。このあたりを次回どうするかという話は、また皆さんと進めていきたいと思います。
とりあえず大枠としては、今回、特に事務局からの提案で出ているのは、そごう横浜店で介護フェアと一緒にやるというのを前提として、地下2階のスペースについては使わないで、1ヶ所に集中してスタッフの方も集中的に投入し、わかりやすくできるだけそこで集中して見てもらおうというような提案があります。この辺を踏まえてですね、皆さんからまた、ご意見などいただければと思います。
資料の質問などなければ、昨年の実施に関しての反省と言いますか感想ですね。そのあたりを、皆さんから出していただくといいかなと思いますが、吉富さんに最初にまとめて言ってもらってもいいですか。
(吉富委員)
神奈川子ども未来ファンドの吉富と申します。
昨年のバリアフリーフェスタは皆さんのご協力をいただいて、とても盛会に終了することができました。改めて感謝申し上げます。
私個人の感想かもしれないですけれども、ステージ企画がとてもよかったなというふうに思いました。県民会議の歩みとか、何をしているかとか、それから今後どんなことが問題になるかとか、そうしたことを広く皆さんにお伝えすることができたかなと思います。ただ残念だったのは、会場の中に人が非常に少なかったこと。あれを何かこう、会場の外でも中の様子が見られるように映像を流すとかいうことができたら、もっといいかなとも思いました。本当に中身がすごくよかったので、もったいなかったなと思いました。
あとはやっぱり、もうちょっと時間を使ってみんなでたくさん話し合うことができたら、もっと濃いものができると思うんですけれども、今の状態で地下2階と会場の中と、それから外と3ヶ所に分かれる状態で盛り上げていくというのはちょっと無理があるかなというふうには思いました。ですから、地下2階のところは来年度は外してもいいかなと思います。
でも本当に皆さんひとつひとつの団体がとても練り上げてきた企画をしてくださったことが本当に新鮮で、地下2階でやっていたスポーツの体験も、子供たちにとって見たらすごく人気があって、あれももうちょっと、知らせたかったなというような思いがありました。やっぱり子供たちの参加が少ないことがネックですね。このあたりもちょっと考えていきたいなと思います。以上です。
(大原座長)
ありがとうございました。
昨年はステージでシンポジウムがありまして、新しいというか、初めての企画でした。これに関してはアンケートではほとんど誰も触れていない感じがするんですけど、反応はありましたか。事務局では何か掴んでいますか。
(事務局)
事務局の竹内です。シンポジウムに限ってのアンケートというものは残念ながらとっていないので、こちらの方にご意見は届いておりません。申し訳ございません。
(大原座長)
いえいえ。
その他、今回の試みに関してもですし、今後それを踏まえてどうしたらいいかというようなところで、ご自由にご意見いただければと思います。
(猿渡委員)
僕らは不自由とか不便とかそういう話とかいろんな話をされていたんですけど。そういうことも、何かもっと、チラシの真ん中ぐらいに出るようなかたちで、こういう話をして、この間も保土ケ谷に行ってきたばかりなんですけども、例えばZOOMで生徒さんたちと、あと図書館に入れるメンバーとやったんですけど、事前にどんなことを当事者から聞きたいかみたいなことをやってきたので、その時はすごくいっぱい話が出たんですね。例えば今どんなスケジュールがあるよというのを、地下2階なり、県である程度決まったらそれを広報の中に落とし込んでいくとか。もっと時間が短かったら僕も見ながら「出たいなぁ」と思いつつ、本当にそれぞれ皆さん違う中で、でも問題は一緒だよねということとかがあるので、その社会をどうしていくのがいいのか。
この間も保土ヶ谷に行ったときにリーフレットのこととかもやってきたんですけど、そういうふうに広げてもらったり、例えば会場に来ている人たちに、パーキング・パーミットのことも、神奈川県は最後の方でしたけど、どうですか知っていますかって広げてもらって、それで知識になりつつ、どういうふうに暮らしていければいいのかみたいなクイズをやるということももしかしたらできるかもしれないですけど。どんな社会になったらみんなが医療モデルじゃなくて社会モデルとして神奈川が住みやすくなるのかなみたいな。リーフレットとかを使いながら、どういう答えを出すかみたいなことをやっても楽しいかなと思うんですよね。
集客とかになってくると、やっぱり子供たちとか、あと学生さんですよね。福祉系だけじゃなくて、そういう人たちも手伝ってもらってやれるような県の組織づくりというか、来年の機構の絡みもありますので、そういうところも含めてどのように取り組んでいくのかというのは、県にももうちょっと力を入れていただいて考えていけるといいかなと思うんですけど。ボランティアとかもいろいろあると思うので、いろんな人たちに知ってもらうとか、次世代の子供たちに働きかけながら、長年神奈川に住んでいてよかったと言えるような地域づくりを定着させていけたらなと思いました。以上です。
(大原座長)
ありがとうございます。
当事者から発信するというようなことも視点に入れた、ブースを構えるだけではなくですね、どんな活動やっているかという紹介だけでなく、むしろ発信をするというようなイベントになるのかな、そういうことも必要なのではないかというようなご意見だったかと思います。これはもちろん今度の実行委員会の中で、また考えていただければいいのかなと思います。
他に何でも構いませんので、いかがでしょうか。
(河原委員)
河原です。昨年度は私は参加できなかったのですが、ステージを見てくれる人が少ないというお話がありました。子供が来ることも少なかったということもありました。ですので、ステージでは、子供が喜ぶような何か企画をつくって、子供が見る。そうすると、親御さんも一緒に見る。終わった後にブースをいろいろ見学してもらって帰ってもらうというような流れができればいいのではないのかなと思いました。
子供から福祉に関する作文や絵みたいなものを募集して、良いものに対して何か賞を差し上げるというようなことをすれば、賞をもらった子供と親御さんも一緒に参加する。また、友人たちも参加する。そのように子供がたくさん集まるのではないかなと思いました。以上です。
(大原座長)
ありがとうございました。
今のご意見に関連して事務局の方にお聞きします。今まで介護フェアと共催で一緒にやっていましたけど、そうなるとやはり高齢者の介護が中心になって、参加する方もその介護者であったりその世代になりがちだと思うんですけど、例えば子育てフェアみたいなものは行われているのかどうかということと、それと共催というか、そこに関わっていくような可能性など、何か考えられることはありますか。
(地域福祉課長)
地域福祉課長の笠井でございます。
知る限りは、県の大きなイベント的なもので、子育て関連のものというのは承知はしていないです。
今伺ったご意見で、確かに介護フェアの客層とはちょっと違うものというところはあるんですけれども、ただそうは言っても、バリアフリーフェスタでのいろんな景品のプレゼントとかスタンプラリーとか、そういったものはお子さん連れの方をねらっている部分もありますから、そこはステージでというところはいろいろ制約もあるかもしれないですけれども、そごうのところで言えば、周りの廊下のロビーの部分で、単にブースをやるだけではなくて、例えば椅子を置いて何か話をできるようなエリアを作るなど、工夫は可能なのかなと思います。
(和久井委員)
和久井です。今のと関連した話で、「ヨッテク」というものがパシフィコ横浜で行われていたと思うんですけど。最近はどんな状況かわからないんですが、今調べたところ「ヨッテクキッズ2024」というのが9月ぐらいに行われていたりするみたいなので、そういう、介護ではない福祉系とか、子供が関係するようなイベントも探してみたらあるのではないかなと思いました。以上です。
(大原座長)
ありがとうございます。
県の方としては、あれは横浜市だからみたいなことは言わずに、ぜひいろいろな情報を集めていただければと思います。
(猿渡委員)
毎年見ているんですけど、例えば加藤綾菜さんとか、やはり介護フェアの方の話に皆さん行っちゃうんですよ。だけど、そうじゃない時間の配分としてもですね、例えば、こっちでそういうふうな話をして、障害の有無とか介護や介助の違いというのはそれぞれあると思うんですけど、そうではなくて、困っている人はいろいろといるわけじゃないんですか。今ヤングケアラーだけではないです。ひとつの世代にいろんな方がいていろんな複雑な課題があり、例えばその中だったら民生委員さんとかも入ってもらって、僕も区の会議とか出ていますけど、もう高齢者と児童で目いっぱいで障害を持っている人とか地域の方と関わることは少ないし、僕今日は介助で2人連れていますけど、介助者とかをやっている方で、初めて知ることとかもすごくやっぱり多いんですよね。
その中で例えばどんなことを望んでいるかというアンケートをグーグルフォームでもいいと思うんですけど、それこそ僕らが実行委員になったときに、ちょっと先にやってみて、神奈川県政も今は総計審とかに出ているので、どういうところに問題があってどういうふうにして欲しいのかみたいな部分で世代間で話し合いとかもできるのではないのかなというのはあるので、縦割りというところもあるかもしれませんけどそこはやっぱり横割りにして、それぞれ、福祉子どもみらい局だったら局の中で調整をして、何でヤングケアラーが出てくるのか、育児でも保育園が足りないなどいろんな問題があります。バリアフリーとも今は言っていられないと思うんですよ。UDもそうだし、いろんなことがあります。
担い手不足、介助者不足、それこそ少子化もあり、高齢化も膨らんでいく中で、どういうふうにしたら、将来、一緒に地域の中で住んでいけるのかという問題が大きいと思うんですよ。そこも含めてみんなで考えていくとか、それぞれ地域の中で活躍している僕らが、問題を解決できるものを持っているかもしれない。そういうふうな、例えばテーマをどういうふうに持っていったらいいのかとか、やっぱりいつも県の中であるのは、3政令市は違うとかいうのは、障害にしてもどこにしてもあるので、そうじゃなくて、どんな取組でどれぐらいのその市区町村で人が来たのかみたいなことをちょっと調べてもらって、そういうところで何か絞っていくという手も、例えば3つ、子育てとか障害とか高齢とかいう分野の中で、何で人手不足なのかとか、時代背景によってだいぶ変わってきていますよね。そういうところでの社会の移り変わりと、これからの課題みたいなところの分析をみんなでできたら、今まで介助とか介護とか福祉に関わってこない方でも、自分たちの問題なんだというふうに捉えられるんじゃないかと思います。以上です。
(大原座長)
はい、ありがとうございます。他はいかがでしょうか。
(関根委員)
ごめんなさい、今のディスカッションは、去年の分の感想を話す場なんでしょうか。それとも来年どうしようという提案をする場なんでしたっけ。
(大原座長)
両方含めて、それでご提案をお願いできれば。
(関根委員)
わかりました。では続けて話します。関根でございます。
介護フェアの方に来たお客さんがこちらにも寄ってくれたという雰囲気は確かにあると思います。でも逆に言えば、介護フェアに来た人をこちらに呼び込めるという大変素晴らしい機会ともいえるわけですね。
ユニバーサルデザインやバリアフリーの恩恵を最も受ける人々というのは、これから年をとる高齢者です。2040年には日本の人口の35%くらいが高齢者になり、後期高齢者が25%というとんでもない状態になってくるわけです。介護の世界も完全に老々介護になっていて、様々な介護機器もユニバーサルデザインでなければ誰も使えないという時代がもう目の前に来ているのです。であれば、せっかくなので、この介護の展示と、こちら側の展示をもう少しリンクさせて、この介護機器はここがUDですごく使いやすいという形式の展示もできるわけです。一緒にやることのメリットを考える方に持っていった方がいいと思います。もう同時開催することは決まっているわけですから。
老々介護をしている高齢の介護者も、介護を受ける高齢者自身も、困っていることはいっぱいあると思います。体温計が見えにくいとか、やっぱり移動が難しいとか、移乗が大変などです。そういう困難を助ける支援機器はいろいろあるのですが、ああいう場にあんまり出てきていないですよね。
来客層としては若い介護の専門学校生はもちろんですが、実際には50代・60代・70代の主婦層がそれなりにいらっしゃる。ご自身が介護を担当している人たちもたくさんいるのではないかという気もするので、その部分を強みにして、何らかの提案をしていくというのも、このグループのいいところかと思います。まだ具体的に何をしようという提案まではいっていないのですが、もしまた昨年と同じスキームでやるなら、そういうふうに前向きに捉えてもいいと思いました。以上です。
(大原座長)
はい、ありがとうございます。
(和久井委員)
和久井です。来年度は、もう日にちや介護フェアと同時開催というのは決まっているようなので、関根さんの言うように、向こうの方たちと一緒に打ち合わせができたらいいなと思います。それはもう何年も前から私は思っていて、当日、向こうの方に結構話をしたことがあったんですけど、一緒の会議になることは今までなかったですが、それは諦めずに一緒にやっていきましょうよ、打ち合わせの段階からやってきましょうよというのは、今回も粘り強く言っていけたらと思います。
それで今後、ターゲットをどうしていくか、もうちょっと子供の世代にターゲットを絞るというふうに考えることになった場合には、介護フェアと同時開催ではなく子供向けのイベントとの同時開催も検討するというような、今後に向けて検討したらいいのかなと思います。実行委員会で、もっといろいろ話し合っていけたらいいなと思いました。以上です。
(大原座長)
まとめていただいてありがとうございます。そのとおりだと思います。
(中野委員)
慶應の中野です。
来年度の企画についてです。来年度は、日本でデフリンピックが開催されます。ちょうど今回の11月1日はデフリンピックの少し前で、機運としては非常に盛り上がる時期だと思うので、デフリンピック関係の企画を何か持ってくると注目浴びやすいのではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
(河原委員)
河原です。非常に嬉しいお話をいただきましてありがとうございます。
デフリンピックは、11月15日から開催しますので、その1週間前にこれが開催されるということで、PRをしていくとてもいい機会だというふうに思っております。もしステージの方でやらせていただくのであれば、いろいろな人、選手はちょっと難しいかもしれませんけれども、関係者にお願いをしまして、ステージで上がっていただくということも考えられるかなと思っています。以上です。
(大原座長)
そうですね。ぜひ、実行委員会でも、しっかりその辺を取り上げて、今からいろいろ準備していただいてもいいかなと思います。
具体的な内容は、今日いくつもご提案いただきましたけれども、実行委員会でまた練っていただくということで。それでは会場としては、提案のとおり、9階のワンフロアで集中的にやっていくということで、準備を進めていただければと思います。スケジュールを見ますと、4月から出展団体を募集して、その人たちの中で実行委員会を実際に立ち上げてもらうということでした。ぜひここのメンバーの方が積極的に関わっていただければいいということですね。
それでは、時間が押していました。すみません。思ったより皆さんいろいろご提案いただいたので、予定していた時間になっています。実行委員会に向けて、皆さんのご協力、ご参加をお願いしたいと思います。
切りがいいところで休憩ということですので、ここで5分間休憩ということで、一時休みにします。
<休憩>
(大原座長)
それでは、後半ですね。議題2に進みたいと思います。議題2「今後の県民会議の取組について」ということで、資料のご説明をいただきます。お願いします。
<事務局より資料の説明>
(大原座長)
ありがとうございました。ご質問、ご意見があればお願いします。
(猿渡委員)
猿渡です。うちの職場で、共生推進本部室に僕は主にいるんですけれども、仕事としてはともいきボランティアの養成をやっていて、僕も実際当事者で、ボッチャとかもやっているし、県庁もよく行くので。ともいきボランティアの養成をしている絡みからも、ともいきボランティアの人たちにサポートしてもらうというのもいいのではないかと思いました。
今回も県庁の中とか、ともいき遊園地なんかは共生推進本部室が県立相模原公園でやろうとしたんですけど、雨になってしまい中止になりました。そこもちょっと僕関わっていて、出るはずだったんです。極力僕は県の活動に出ようと思って活動しているんですけど。
そういう人達で、ともいきボランティアの方たち、ともいきアートとか共生がやっているようなところで活躍されているので、そういう方たちも含めて一緒に活動をサポートしてもらえればいいのではないかなと思っているところ。
あと、学校が続いたりとかいうところがあるので、橋本とかだと旭小とか橋本小とかが相模原の70周年の絡みでアリオ橋本の方でロボット関係のことをやったときに、相模原は「すもー」という地域通貨があるんですけど、それを集めたりしながらやっていたり、公民館に旭小学校の件があったりということで、児童生徒、親御さんが結構頑張って活動したりしているんですよね。学校はやったから次も学校は難しいということがあるかもしれないですけど、それぞれ皆さんが活動する範囲の中で、ここはどうなんだろうみたいなことを、重なっても例えば1回ないし2回できるような。メンバーが変われば視点も変わると思うんですよ。そういう中で見ていくことも必要なのかなと思ったりはします。
期ごとの取組という点では、周知だとお金をどれだけかけないかというところだったら、ボランティアとかNPOさんとか。例えば県のたよりとかもそうですけど、どうやって広告とかそういうものを集めていくとか、協賛のところを増やしていく。その中の方たちも一緒に、この間、海老名に行ったんですけど、ともいきの後ですね。すごく人がいっぱいいたんですよ。そういうふうなことがあると、たぶんついてくれると思うので、支援なんかのやり方もあるのかなと思います。以上です。
(大原座長)
はい、ありがとうございました。
主にイベントなど、フェスタをはじめ、イベントなどの事業を実施していく上での応援体制を呼びかけたらいいのではないかというようなご意見かと思います。
他の皆さんからも、何かございますか。今回の検討内容としては、バリアフリーフェスタについて、これは先ほど内容についてはご意見いただきましたけれども、令和8年度以降は介護フェアの方の様子も見ないとわからないというようなことなので、その辺は結果が出るのがもうしばらくかかるのかもしれませんけど、次回また内容に関しては議論できるかと思います。でもそんなような状況の中でバリアフリーフェスタを今後どうしていくかという話、それから期ごとの独自の取組として何していくか、あとモニタリングを今後どうするかというような、その3つの内容ですけれども。
それぞれについて、皆さん、何かご意見などをお願いしたいと思います。
(清水様)
神奈川県視覚障害者福祉協会の清水でございます。代理出席ですけれども、先ほどお許しいただいたので発言させていただきます。
今言われた、2番の(1)のバリアーフェスタの令和8年度以降の開催方法というか、別のかたちの普及事業を検討するということなんですけれども。私もまだバリアフリーフェスタに関わって3年、2年ぐらいなんですけれども、どうして横浜でやっているのかなというのは、前々から疑問に思っていて、県の事業であれば、やはり多くの県民の方に広く知ってもらうことも必要かというふうに思っています。私は県西地域に住んでいるので、それをちょっと深く思っていたんですけれども。できれば、少なからず市町村とも関わりを持たせて、県央部だったり県西部での開催をして、もっと神奈川県広くにですね、広める必要もあるのではないかなというふうに思っていて、令和8年度以降の開催で、ここの中にはやっぱり職員の負担軽減というのも書かれているので、なかなか逆行してしまうのかもしれないですけれども、その辺も検討していただけたらなというふうに思いました。以上です。
(大原座長)
ありがとうございました。
フェスタに関しては、以前は相模原でやったり、介護フェアと一緒に横浜駅前でやっているのはここ何年かくらいなので、もちろん次はどこでやるかというような議論もフェスタの最初のときには毎年行ってきて、ついつい、集客が見込まれる場所というようなところにどうも魅力を引っ張られていってしまってですね、ここ数年は介護フェアと共催ということになっています。今のお話のとおり、むしろ中心部は介護フェアの中にブース出展くらいのかたちでとどめ、かつ、他の場所で、小規模でもいいから、いろいろな場所で、毎年独自の企画として繰り返していくという話も、もちろん提案としては出てくるのではないかなと思っています。
皆さんからいろいろご意見いただければと思います。いかがでしょうか。
(中野委員)
よろしいですか、慶應大学の中野です。
まず県の方に、今のご認識をお聞きしたいと思います。神奈川県は今定めている神奈川県の憲章(ともに生きる社会かながわ憲章)が、もう一定程度、実現できているというふうにお考えかどうかを最初にお聞きしたいんです。スクラップ・アンド・ビルドを重ね、働き方改革等のいろいろな改革を進めていかなければならないことはどこも同じ状況なのでよくわかります。つまり、憲章がある程度実現できていて、その上である程度、効率化していきましょうというのであれば、スクラップアンドビルドを行うことは理解できます。しかし、私が知る限りでは、この憲章はまだまだ実現できているとは言える段階ではないし(これは神奈川に限りませんが)と思っている中で、縮小というのがあってよいのかどうかというところが気になるので、どのようなご認識なのかをまずお聞かせいただけますでしょうか。
(福祉部長)
ご質問ありがとうございます。
憲章については、毎年、県民アンケートで普及率などを調査をしていまして、正直に申し上げて、まだまだ普及を進めていかなければならないという立場です。そのために、今、猿渡委員もいろいろ関わってくださっている共生推進本部室は、当事者目線の障害福祉の推進、またこの憲章の普及に相当のマンパワーと予算をかけ、ともに生きる社会をつくっていく。津久井やまゆり園事件を起こしてしまった神奈川県として、二度とこういうことを起こさせないという強い決意で進めていること、これは間違いないです。
その一方で今回の見直し、すみません、言葉が足らないところがありまして、働き方改革に取り組んでいるから見直しをするという点、もうひとつ取組を効率的な内容とするという点、ここに少し誤解があるかと思います。
我々は限られた人的リソースと予算を再分配をして、いちばん効率的な、効果が得られるような仕組みにやはり変えていかなければならない。それが働き方改革にもつながっていく。要は、無駄なことは当然やらない。これはもちろん無駄な仕事ではないので、そういった再確認もしっかりとやっていく。なので言葉を足せば、効果的で効率的な内容とするため、というのが正しいかなというふうに思います。
いずれにせよ先ほどのご質問からすれば、憲章の普及率というのはまだまだ足らない。バリアフリーの街づくりも、まだまだしっかり取り組んでいかなければならない。ただその中で、取り組み方というものは、もう一度見直す必要もあるのではないかということ。もうひとつ言いますと、我々が新たに取り組まなければいけない課題、例えば障害のある方々、暮らしにくさを抱える方々の災害対策。これは能登半島の実情も踏まえて、我々も相当力を入れましたが、そういったところへのリソース配分。このバリアフリーの街づくりはしっかり進めることを前提に、見直しも一定程度進められないか、ということを念頭に置いていければと思っています。
(中野委員)
ありがとうございました。今の認識を踏まえた上でなんですが、当然スクラップアンドビルドをしていかないといけないので、何か新しい、先ほどのお言葉を使うと、より効果的なことを実施していくためには、これまでやっていたものを少し再編する必要性があると思いますので、そういう意味合いであれば、私はとても今回のご提案は賛成したいなというふうに思っています。
それを考える際に、この県民会議以外のところでどんな取組がされているかということがわからないと、県民会議そのものの役割というのがあまり明確にならないかなと思っています。
これまで県民会議でやってきた活動、例えばフェスタは、多くの人たちがそれぞれの命を大切にしてともに生きるためには、いろんな人たちが交流する場が必要であろう、なかなか日常生活の中ではそういった場がないので、そういう場を作っていこうという取組だったと思うんです。そのため、フェスタで十分に集客ができない中で、じゃあ、それ(それぞれの命を大切にしてともに生きるための多様な人の交流の場)を、どう変えていくかというふうに考えないといけないわけです。この検討をする際に、他に県が取り組んでおられることがあるとするならば、県では出来ないそれ以外の取り組みを県民会議では考えるべきではないかなと思った次第です。
モニタリングに関しても同じで、本来ならば、様々な施策がどのくらい憲章の趣旨を実現できているかについて、通常であれば、数値目標、例えばホームドアがどれだけ設置できているかという数値目標に基づいて、神奈川県内でどこまで、その目標が達成できているかを、我々県民会議は確認させていただいた上で、モニタリングで何をモニターする必要があるのかと考えるべきではないかと思って質問をさせていただいた次第です。
ぜひ今、県で取り組まれている様々な事柄を出していただいた上で、県民会議でないと議論できない大切な事柄をここでご提案いただきながら、これまでの活動から新しい活動へとスクラップアンドビルドしていくというのが大切ではないかなと思いました。この確認には時間がかかることだと思いますので、本日ではなく、私たちの任期の間に調整していただきたいと思います。そうすれば、より県民会議の役割が明確になるので良いかなと思った次第です。以上です。
(大原座長)
ありがとうございます。
本質的なところですので、その辺の認識は皆さんも持っていると思います。今回の見直しの提案というのは、要するに、今まで場当たり的に毎年同じことをただ繰り返していて、場合によっては、どう言えばいいんですかね、あまり効果的な、成果をいろいろ検証する前に、もう次の年のことを常にやっていくという自転車操業的なところがあったのを、3年という期の区切り方を今回導入したことをきっかけに、3年間で計画的に、重点的に事業をやっていこうという、そういうことだと思います。基本的には皆さんもそのつもりで考えていただいて、今、大事になることをこの会議では重点的に取り組んでいきたいということだと思います。その辺はたぶん皆さんも同感いただいているのではないかなと思います。
(猿渡委員)
猿渡です。障害者施策審議会の方でも、数値目標はあるけれども結果が出ないという話がよく出ます。今回結果を出そうということになりました。
そういうことも踏まえて、3年間になったところで、どういうふうに意識が変わったかとか、どういうふうに運営体制が変わったかとか、例えばバリアフリーに関してはこれからJRさんだと常磐線各駅停車と南武線が15日からワンマン化されました。当日から故障があります。南武線もそうでした。来年は横浜線が入ります。京浜東北根岸線や中央総武線各駅停車なども入ります。運輸局ひとつになって統括センターなんかもできて、乗務員だった人は駅に回されたりいろいろしている中で、すごく僕も駅に行くので、例えばステーションサービスだったり、中央線コミュニティデザインであったりどんどん分社化をして天下りをさせて、低賃金で雇っていくという中で、やっぱり元運転士さんをやっていた方なんかに聞くと、怖いって言っているんですよ、ワンマン化が。それはたぶんいろいろあると思うんですけれども。タクシーもたぶんそれぞれ本当に乗務員の方とか大変だと思うんですけど。
やっぱり僕らが、エコモがやっているような接遇研修とかをやっていれば、もっとタクシーとかもジャパンタクシーよりロンドンタクシー型の方が乗りやすいこととか、NV200とシエンタで考えるとどっちがいいかとか、今アプリの開発をやっている会社もあるそうで、そういうところと手を組んだりしながらやるといいのかなと思うんですけど。
共生とかいろんなところでやっているところで、やっぱり本当にここでしかできないこと、例えば福祉子どもみらい局だったらその局の中で取り組まれている似たようなものはどういうのがあって、僕は総計審とかにもいるので、全部の計画を一応見始めました。
そういう中でどういうことが重複しているのかとかいうのをやりながらやっていかないと、たぶん出ないと思うんですよね。どういうふうな計画にして、予算をどういうふうに使うかみたいな部分とか、せっかくともいきボランティアさんとかいろいろ地域で活躍されている方がいるのに、そういうふうなものの活躍の場がないとかいうところにも繋がっていくと思うので、中野先生とかが言われているような、ここでしかできないことをやっぱりやっていくということ。それをもっと県民に、例えば、憲章だけじゃないです。住んでよかった神奈川を作るのであれば、相模原もそうですけど、相模原なんかはもう過疎地域、中山間地域で、全然やっぱり橋本と旧津久井郡とは全然違うんですよ。子供の遊び場もないし、大人の居場所もないし、人が減っていくし、どうしていくのみたいな。たぶん高齢とかいろんな課題があると思うんです。例えばここが、そういう核になるとか、できることっていっぱいあるんじゃないかなと思うので、時間がかかってもそういうのを例えばデータとして局の方であげてもらって、それに対して何が必要かというのを県民会議でやっていくのもいいのかなと思います。
(和久井委員)
うまく言えない気持ちがもやもやずっとあったのを、中野先生と大原先生がおっしゃってくださったんですけど。私は公募委員として参加させていただいて、コロナもあって普通の公募の方よりも長くここにいさせてもらって、いろいろ感じていることとして、やっぱり自分が公募委員でこの会議に出て何をするんだろうと、はじめ漠然として入ってきたんですけど。入ってみてバリアフリーフェスタとモニタリングを毎年やってというのがメインなんだなと思って。その他はどんなことをするんだろうということを思いながら、私は他にこの会議で何をしたらいいのかとか、いろいろ思っていた、もやもやがあったのを、さっき中野先生からも話していただいたんですけど。
私がすごいなと思ったのが、この場って、JRの方とか、バスの方とか、建築の方とか、専門の方がすごくいらっしゃって、すごく貴重な集まりだと思うんですよね。この多種業のいろんな人が集まっている貴重な時間の中で何を話し合うのがいいのかというのを、ずっともやもやしていたんです。モニタリングやバリアフリーフェスタのことはもう実行委員会に任せて、もっと何か街づくりに関して話し合うことがあるんじゃないかなと、ずっともやもやしていました。
ここに出てきてくださっているJRさんなどの街の中での大切な交通網や、建築関係の方も「街づくり」というハードの面で考えればスペシャリストがいる中で、あまり発言していただけなかったり、そういうのってもったいないなと常々思っていて、でも何をしたらいいかよくわからず、出された議題をこなしていくという感じで会議に出て、すごく受け身的で申し訳ないと思いつつも。すみません、うまく話せないんですけど。
(畠委員)
すみません。建築の方です。畠と申します、よろしくお願いいたします。
今、いろんな話がありまして、ひとつには福祉だとかそういう関係の数値目標みたいなものを立てても、なかなか実現しないという悩みがあるんだという話が猿渡委員の方からもございました。
本日のこの会議が、この開港記念会館で開催されているというのは、建築の人から見るとですね、これは非常に象徴的なことだと思います。というのは、当然ですけれど、明治時代に建築されたこの開港記念会館は、建築当時はバリアフリーのことなど全く考慮せずに設計されているはずです。
その建物、それも重要文化財ですが、そういうこともあって、長く保存活用をするということで、いろいろ手を入れて、あちこち改修をして、今日に至っています。
皆さんもお気づきになったと思いますけれども、一応、エレベーターがついています。トイレも一応改修されていて、とりあえず非常に綺麗なトイレにはなっています。ただ、いろんな方が本当に使いやすいトイレになっているかというと、まだまだ改善の余地はあるでしょうと思います。
それから、ちゃんとルートは設定されているはずですが、入口にいきなり5、6段階段があったりして、非常にバリアフリーにはなっていない建物になっていて、これは横浜市内の中では重要文化財ですから、横浜市としてもそれなりに予算を投入して、現在に至っているということなので、バリアフリーというものを考えるときに、理念はいいんだけれども実態として予算の問題とか、なかなかいろんなことがあってできないというようなことがある。今日この建物で、この会議が開催されているというのは、非常に先人たちの努力を感じるとともに、ひとつの限界も見えるということですね。そういう意味で非常に象徴的な会議だと思っていますので、皆さんもそういった目で、この建物を改めて感じていただければいいのではないかなというふうに思いましたので、発言をさせていただきました。以上です。
(中野委員)
今、おっしゃられたことはすごく大切なことだと私も思っています。ただ、我々県民会議がそこで意見を言うべきこととしては、この改修作業に当事者がどれだけ入っているかだと思います。当事者参加の実現が大問題なんです。このような歴史的建造物の改修は世界各国で行われているわけですが、日本では、少なくとも今の法律上では、当事者が参加しなければならないという法律になっていませんよね。
(大原座長)
神奈川は、条例で書きました。去年からなので、まだ実績はそんなに上がっていないかと思いますが。
(中野委員)
当事者参加が神奈川県で、できているなら良いと思いますが、先ほど障害当事者から実感がないという意見があったことがすごく重要だと思います。例えば、当事者を1人2人入れればいいかというとそうではありません。その参加される1人の当事者がわかることってやっぱり自分の心身を通してわかることでしかないので、同じ仲間からたくさん話を聞いたりしながら、同じもしくは異なる障害のある人たちの声も聞きながら、それを反映させていくということが当事者参加にとって一番大切なことで、それがどのくらいできているかが問題です。当事者参加は、法律とかガイドラインに書きにくいことだと思いますし、書いたとしても「参加を求める」くらいしか書けなくて、それが実効力があるかどうかというところはまさにこの県民会議で議論すべきだと思います。また、その際に、当事者の声だけでなく、様々な専門家と議論することが重要です。例えば、建築の専門家から見て、当事者からすればこういう改修が必要だという声はわかるけれども、それは構造上非常に難しいんだとか、この改修はできないけれども例えばサインだったならば変更できるとか、ルートは遠くなるけれどもサインを明確にすることで利便性をあげることであればできるかもしれない、というような議論を重ねることがすごく重要で、モニタリングにおいて重視すべき点はそこにあるのではないかと思います。せっかくこれだけ多様な方がおられるのですから、議論できるとすごくいいのではないかなと、今お話を聞きながら思いました。
神奈川県はできていると聞いて非常に安心したんですが、ただ、実効力が本当にあるのかなというところは、市民としてはちょっと疑問に思うところがあるということで発言をさせていただきました。以上です。
(大原座長)
ついつい言ってしまいまして、すみません。できているというと合っていないかもしれませんね。ただ神奈川県は、全国に先駆けて、当事者の参画について条例できちんとそれを組み込んだというのが画期的なことだと思います。それはまさに県民会議があったから、そこでの議論を踏まえてできた結果のひとつでもあると思います。だから、少しずつですけれども、この県民会議での議論が役立っているというか、成果を上げていることは確かだと思います。
いろいろとご意見あった中で、やっぱり県民会議の独自性というか、存在意義みたいなことを、もう一度皆さんと確認しておかないといけないと思うんですけれども。
前回のフェスタのシンポジウムで、県民会議では何やっているのかというのをアピールするという使命があったものですから、そのときに私が申し上げたことで、一言で言えば、県民としてというか、県に関わる様々な人が一堂に会して、バリアフリーの街づくりについて考える会だというところをまず一番に意義として挙げさせていただきました。これは、行政が何をやるかではないわけで、一般市民も公募で限られた人ですけれども参加できる、それから当事者の組織、団体の人が参加できる、さらに事業者の方が参加するということですね。このみんなで街づくりを進めていくということが、県民会議の、それから県の条例の名前で「みんなのバリアフリーの街づくり」という、その「みんなの」というところに込められた、もともとの発足の意義だと思うんですね。その辺をやっぱり中心として考えていくことが今回、改めて必要だなということを感じました。
皆さんご了解いただいたと思いますし、私もそれでいいとは思っているのは、県民会議でこの今期中にやらなくてはいけないことは、次期3年間の大まかな計画を立てておく、どういうことをやるべきかということを皆さんと議論して進めていくということです。
個別のフェスタをどうするかとかいうようなことは実行委員会もありますので、またそれも長期計画と、とりあえず次年度の計画というのを考える会として実行委員会でまた詰めていただくということがあるかと思います。
他に見直しをするというと、モニタリングになるんですかね。これに関しても、テーマを、例えば、条例改正したけれども実際に当事者の参画がそんなに行われていないのではないかという問題意識があるのだとすれば、これは成果が出るまでちょっと数年かかるような気もしますけれども、そのモニタリングをやっていくとか、次期の3年間の計画にはその辺を挙げていくとか、いろんなアイデアが出てくると思います。
今日はもう時間なくなってしまったので申し訳ないのですが、先ほどの話からすると、ひょっとすると次の報告がむしろ大事だったのかもしれないと思うのは、各団体、各事業者がいろいろなかたちでバリアフリーの取組をされているわけですよね。それを報告し合って、さらに磨いていくというかですね、次に何をやっていくかということを考える、それはやはりこの県民会議でないとできないところであって、その辺も本当はもっと大事にしなくてはいけないのかなというのを今改めて思いました。ちょっと今日は時間がなくなってしまったので紹介だけになるかと思いますが。
(地域福祉課長)
皆様、様々なご意見ありがとうございました。今、座長の方でもまとめていただきましたけれども、令和8年度以降に向けての見直しというものに際して、改めてこの県民会議の位置付けというのを説明させていただく機会はまた設けたいと思っております。
行政の側からひとつだけ言わせていただくと、本来、県に限らず行政が何かをやるとき、法律や条例があって、それに基づいて県として何をやるかの計画を作って、それを審議会なり協議会なりで進行管理をして、ちゃんと達成されているかというのを管理していく、というのがよくあるパターンですけれども、このバリアフリーの条例に関しては、行政だけが何をするという計画を作って達成するものではなくて、やはり事業者の方の取組、そして県民の皆さんの意識、そういったものも一緒にそれぞれ進めていかないといけないものということで、県としての計画というものではなく、協議会や審議会でもなく、この県民会議という場でみんなで議論をして、提案書を作ったり、それぞれの取組状況を報告し合って進めていくという、ある意味で画期的というか、他にはなかなかないスタイルでやっているというものではございます。ですので、行政でよくある数値目標を立てて何年でそれを到達させるみたいなものが、この県民会議においてはあまりないというのが特徴的なものではございます。県としても、条例に基づいて許認可などもやっていますし、パーキング・パーミットの取組など進めていますので、それはまた改めてご説明をさせていただきたいと思います。
そういった位置付けなども、改めてご理解いただいた上で、今後どうしていくのかという長期的なところでのご議論、ご意見いただきながら、決めていただければと思います。以上でございます。
(大原座長)
はい、ありがとうございます。
ということでなかなかまとまらなくなってしまいましたが、また今日の意見を踏まえて事務局の方でも少し項目を整理していただいて、また次回、皆さんとこのことについて、さらに次期の計画を立てるということを目標に、あと数回、県民会議として議論を続けていくというところですかね。結論はまだ出さなくていいということだと思いますので。
(猿渡委員)
すみません、猿渡です。
例えばなんですけど、バリアフリー法が変わります。だけどそこに、各種障害者団体の集まりのDPIとかは入っていても、その地域の、例えば建物を建てるときに、当事者が結構少ないんですよね。だから、例えばトイレにしても基準はあるけれども、やはり例えば2人介助の人だったり視覚障害の方だったりいろんな人が入ることで、川口先生とかもよく言っていますけど、トイレの様式、多機能便房がどうあればいいのかとか。例えばこの会場も入口がわかりにくいとか。あと日本大通り駅のホームのバリアフリーのエレベーター工事が明日で終わって明日の初電から始まるそうで。今日も研修も含めて来たんですけど。例えばそういうことも含めてですね、やっぱり当事者がもっと入ってというか、DPIのバリアフリー部会とかにいると、例えばバリアフリー基本構想でやったところをもう一回見に行って、ここはだめだよねってやるんですけど。そうじゃなくて、確かに委員とかで皆さん入っていると思うんですけど、そこの中でやっぱりいろんな方が本当にそこを使えるかどうかというのをモニタリングとかでやるというのもいいのかなと思いました。
今日も、この会場のくぐるところの高さがぎりぎりだったんですけど、「車椅子はここ」と確かに書いてあったんですけど、わかりづらくてインターフォンを押してということをやったので、そういうこととかも。テーブルの高さの件もありました。国ではこう決まっているけれどもやっぱり和久井さんとか僕とか入りづらい方もいます。これから大きい車椅子の方も増えてくると思うので、どういう高さがいいのかとかいうのも、それぞれ皆さん先輩方もいるし、建築家の方もいるのでそういうことも踏まえて、どういうふうにやる方がやりやすいのかというのも含めて考えていくのがいいのかなと思っているんですよね。以上です。
(大原座長)
ありがとうございました。
何も今日の時点でモニタリングをやめますとかそういう結論ではないので、今みたいに課題に応じて、何らかの方法でモニタリングを毎年義務のようにやるのではなく、その都度、この会議の中で決めて、進めていくというようなことにしていければいいかと思います。ありがとうございました。
お約束の時間が来てしまったんですけど、続いて報告事項があります。事務局に相談ですけど、どうしましょうか。せっかくそれぞれの事業者の方にご説明をお願いしていたんですよね。少し手短に説明していただいて、10分くらい時間延長させていただければありがたいのですが、皆さんよろしければ。手話通訳の方も申し訳ないですけれど、あと少しお願いできればありがたいです。
ということで、事務局の方から説明していただけますでしょうか。
<事務局より資料の説明>
(大原座長)
それでは申し訳ないですけれど、更新事例の説明を簡単にお願いします。
(塚田様)
かながわ住まいまちづくり協会の塚田でございます。報告資料1の10ページご覧ください。
私どものバリアフリー関係についてでございますが、主に高齢者対応の住宅仕様をどうするかということについて、工務店さん、施行業者を対象に、より適切なバリアフリーの施工・設計の方法等についての講習会を昨年度開催してございます。
また県の方の委託をいただきまして、既存の公共施設をどういうふうにバリアフリー化したらいいかということを、建築の方の専門家、バリアフリーの専門家を派遣して、いろいろなご提案をさせていただいたところでございます。以上です。
(久保田様)
貴重な時間をいただきましてありがとうございます。神奈川県タクシー協会の久保田と申します。
ページをめくり11ページになりますが、バリアフリー教室を小学校で開催しておりまして、UDタクシーを小学校に持っていって、手すりがついているとかですね、車椅子を児童の方に乗っていただいたり押していただいたりして、大体3時間ほどの教室を令和6年度に10回、開催をさせていただきました。
続きましてUDタクシーなんですけれども、令和6年度3月現在で1949台導入いたしました。またただ今、令和7年度3月の台数を集計しております。来年の今頃にはまたご紹介できると思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
(小堤委員)
神奈川県バス協会の小堤でございます。
16ページの事例12番でございますが、ひとつめのバリアフリー教室につきましては、例年実施しているところでございます。ふたつめの今年度の取組といたしましては、「多様な人が住まう街への気づき」ということで、障害者理解の推進のため、車椅子利用者、視覚障害者等の方々のバス乗降に関するボランティア意識向上のためのポスターを作成いたしまして、会員各社約5000両の車両がございますが、順次バス車内へ掲出することによって啓発を促進しているところでございます。以上でございます。
(若村様)
JR東日本でございます。お時間もないので特記事項だけお話させていただきたいと思います。
先ほどからお話に出ておりますとおり、ホームドアにつきましては今年度をもって南武線全線がついたというかたちになってございます。
来年につきましては、根岸線、横浜線というかたちで順次、供用開始をしていくということで、ホーム上のさらなる安全向上に努めて参るというところでございます。
その他、ソフト・ハード含め、様々な取組をしておりますので、そちらについては資料の内容をご覧になっていただければと思います。以上でございます。
(事務局)
神奈川県地域福祉課の今井です。
福祉のまちづくりやユニバーサルデザイン等に対する理解を深めることを目的に、神奈川県・横浜市・川崎市共催で企画運営している「福祉のまちづくり研修会」の開催実績について更新いたしました。今年度は、改正バリアフリー法の解説、色覚の多様性とカラーバリアフリーの実践、それから大原座長から街づくりにおける当事者参画について講義をいただき、建築関係者や行政職員等54名の方の参加がありました。受講者からは「バリアフリーについて色々な視点から考える機会となった」などの感想をいただきました。
今後の課題としまして、これからの福祉のまちづくりを担う学生等の若年層への働きかけについて、なかなか苦戦しているところですが、周知方法を検討するなど取組を進めてまいります。以上です。
(大原座長)
ありがとうございました。
それでは報告事項2、3を続けて説明していただいて、後でもし何かあれば、ご質問などいただくということにしたいと思います。事務局、お願いします。
<事務局より資料の説明>
(中野委員)
ぜひ、今のような報告に対して県民会議で、様々な立場から議論することが大切だと思いますので、今回の件、ぜひ次回に送って報告をしていただいた上で、多様な立場から様々な意見を出して、議論していただきたいと切に願います。
(関根委員)
関根です。私も同じことを言おうと思っていました。
前半では、次のフェスタをどうするかというところに時間を取り過ぎてしまいました。本来、この県民会議というのは、話し合いの場だと思います。バス、タクシー、建築の業界の方から、今こういうことをやっていますと教えていただきましたが、それについて議論したかった。また県がこれからバリアフリー、ユニバーサルデザインについてどんな施策や方針を持っているかということを教えていただい、それについて皆が意見を出す場であってほしいのです。ですから、本当はあと1時間ぐらい会議の時間を延ばしてほしいくらいなんですけれども、ぜひ申し送りして頂き、次回ではいろいろ議論できるといいと思っています。
(大原座長)
ありがとうございました。事務局の方ではそのつもりで、また次回のセッティングはよろしくお願いしたいと思います。報告というより、議事として上げてよいのではないかなと思います。
それでは以上になりますけれども、時間を超過しまして申し訳ありません。司会をお返しします。
(事務局)
皆様、活発なご意見ありがとうございました。最後の報告事項が駆け足になってしまい申し訳ありませんでした。ご提案いただいたとおり、次回改めて報告できるものはまた報告をさせていただいて、ご意見を伺えるものは伺いたいと思います。ただし規則につきましては、先ほども申し上げたとおり、明日、神奈川県の公報に登載される予定ですのでご承知おきいただければと思います。
最後になりますが、皆様のお手元にチラシをお配りしております。こちらは、神奈川県で新たに取組を始めました、かながわ障害者等用駐車区画利用証制度の案内になっておりますので、ぜひご覧いただければと思います。こちら皆様にご意見を伺いながら、この度スタートしたものになっております。今後も協力施設の拡大など、県として取組を進めて参りたいと考えておりますので、引続きどうぞご協力をお願いいたします。
それではこれをもちまして、本日の会議は閉会とさせていただきます。皆様、ご多忙の中ご出席いただきまして、本当にありがとうございました。
資料1 バリアフリーフェスタかながわについて(ワード:34KB)
参考資料1-1 「バリアフリーフェスタかながわ2024」参加者アンケート結果(ワード:41KB)
参考資料1-2 「バリアフリーフェスタかながわ2024」実行委員会構成団体アンケート結果(ワード:37KB)
資料2 神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議等の見直しについて(ワード:23KB)
報告資料1 提案内容の実践及び先進事例の更新について(ワード:285KB)
報告資料2 神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例の見直しについて(ワード:30KB)
報告資料2-1 令和4年度条例見直し及び現時点における対応(ワード:41KB)
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