ホーム > くらし・安全・環境 > 身近な生活 > 県民の声・広聴 > 対話の広場 > 令和4年1月31日 オンライン版 黒岩知事と県民との対話の広場 開催結果

更新日:2022年4月15日

ここから本文です。

令和4年1月31日 オンライン版 黒岩知事と県民との対話の広場 開催結果

令和4年1月31日に開催した「オンライン版 黒岩知事と県民との対話の広場」の結果概要を掲載しています。

開催概要(前半)

テーマ

「コロナ禍における生活困窮者と語る」

ゲスト

子ども食堂の利用者・運営者、女性の困窮に取り組む支援者、進学・就職に困難を抱える若者・支援者 など

参加者数

283名

動画

 

 

終了後のアンケート結果(回答者数132名)

(1)参加した感想

大変良かった…51名(38.6%)・良かった…72名(54.5%)・あまり良くなかった…5名(3.8%)・良くなかった…4名(3.0%)

(2)特に印象に残ったもの ※複数選択可

ゲストの体験談…95名(45.0%)・意見交換…88名(41.7%)・知事あいさつ…23名(10.9%)

(3)開催時間について

長い…6名(4.5%)・ちょうど良い…107名(81.1%)・短い…14名(10.6%)

(4)今後取り上げてほしいテーマ

  • 福祉的な支援等に関すること…25件(困窮者支援、介護、障がい者支援、ひとり親支援など)
  • 医療に関すること…10件(コロナ陽性者への支援、医療連携など)
  • 教育に関すること…9件(教育格差、不登校、コロナ禍での教育) など

(5)自由記述

  • 高校生だが、学校では、困窮者、ヤングケアラー、子ども食堂に関する学びは一切ない。そんな学校を変える必要があると思った。学校で知ることができたら、もっと温かい世の中になると思う。
  • 様々な問題を知ることができて有意義だった。ここでの意見を具体的に県の対策に活かしてほしい。
  • 様々な悩み、取組をされている方の生の声を聞くことができ、私達企業としてもまだ向き合うべき課題が沢山あると感じた。
  • 様々な支援活動団体の取組と被支援者の意見が直接聴けたことに加え、Zoom参加の企業様の情報提供は大変有意義だった。
  • 各テーマごとの時間が短く感じたので、テーマを絞った議論をしていただけると、さらに深堀りできると思う。
  • 今回出た意見やアイデアがその後にどのような形で実現したのか、実現しなかったのか及びその理由等が分かると良いと思う。

いただいたご意見への対応状況

ヤングケアラーへの支援

意見

  • 相談しやすい環境を実現してほしい。
  • 環境を整えることができるのは、社会と大人の繋がりである。
  • 学校に通う、奨学金を借りながらでも働きながら生きていくことに難しさが加わっている。

今後の対応予定

  • ケアラーが相談しやすいよう「ケアラーコールセンター」を設置します。
  • 多分野にまたがる支援のコーディネートや支援機関のネットワークづくり等を行う「ケアラー支援専門員」を配置します。
  • ケアラーの居場所となる「ケアラーズカフェ」の立ち上げを支援します。
  • ヤングケアラーの「学習支援」の立ち上げを支援します。

困窮者支援のネットワーク

意見

  • 支援の輪を広げるため、企業向けの情報発信を設け、ネットワークを作ってほしい。

今後の対応予定

  • 県域の子ども食堂のネットワーク化の促進を支援し、民間企業等からの支援コーディネート機能を強化します。
  • 「かながわ子どもみらい応援団」の団員や、SDGsパートナー企業へ積極的な情報発信を行います。

支援の横の連携

意見

  • 子育て支援世代に対する横の連携があると良い。足りない物資の横の連携など。

今後の対応予定

  • 中間支援団体をハブとした、県域の子ども食堂のネットワーク化の促進を支援します。
  • 活動の安定化や情報発信の充実により、地域の支援団体とのつながりを構築していきます。

制服リユースの支援

意見

  • 市町村単位、県単位で、生活困窮等の世帯の方へ中学校入学時の制服のリユース品の提供などの支援をしてほしい。

今後の対応予定

  • 県教育委員会から市町村教育委員会に対して、「制服リユースのニーズが高まっており、県内各地域で学校単位でのリユースの取組が行われていること」、「単独PTAでは活動に限界があり、市町村単位で取り組むことを望むという声が県民から上がっていること」を周知します。
  • また、神奈川県PTA協議会等で県教育委員会から情報提供を行うほか、各教育事務所における生涯学習・社会教育主管課長会議等の機会でも市町村に周知していきます。
  • 県立学校長会議全体会などの場で、取組事例を周知していきます。

 

対応状況一覧(PDF:296KB)

実施結果

司会

皆さま、こんばんは。本日はお忙しい中、ご参加いただきまして、ありがとうございます。
ただいまから「オンライン版黒岩知事と県民との対話の広場」を開催いたします。今回のテーマは「コロナ禍における生活困窮者と語る」でございます。神奈川県では、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に基づき、公助と共助を両軸に、社会全体で支える困窮者支援の取組につなげてまいります。そして今日は、コロナ禍の長期化による様々な影響について、皆さまのお話を伺ってまいります。
それでははじめに黒岩知事からご挨拶申し上げます。よろしくお願いします。

知事

こんにちは、神奈川県知事の黒岩祐治です。
本日は「県民との対話の広場」オンライン版にご参加いただきまして誠にありがとうございます。「県民との対話の広場」は私が知事になってからずっと大事にしてきたイベントであります。
県民の皆さまとその時々のテーマにあわせて、様々に直接お話をする、対話をするといった中で、現場の生の声を聞かせていただいて、それを県政の中に様々な形でこれまでも実現してまいりました。ところがこのコロナ禍において、これがなかなかできなくなってしまいました。
その中で、昨年の11月でありますけれども、オンラインで1回やってみようかな。Zoomで会議もやるようになったので、1回、ちょっと挑戦でやってみよう、といったことで、コロナ感染の経験者と直接語るということをやってみたのです。これは非常によかったですね。われわれもコロナ対策にずっと追われてきた2年間でありましたが、コロナに実際にかかった方がどんな思いをされたのか、直接お話をする。そして、後遺症に悩んでいらっしゃる方の生の声を聞いて、それをさまざまにまた県政に反映しようとしてきたところであります。「これはいいぞ」と、オンライン版第2弾ということで今日になったわけであります。
その中で今回取り上げたのは、生活困窮という問題です。
これはコロナ禍によって、生活困窮といった問題が非常に厳しい状態になっているということが耳に入ってきます。まさにこのオンライン版で、直接県民の皆さまの生の声を届けていただいて、そして直接に議論したいと思います。ここには私だけではなく、県の幹部もそろっていますので、直接お答えできることもあるかもしれません。
それから、皆さんからの要望から何から、意見、どんどん生の声をぶつけていただきたいと思います。われわれも真剣勝負で皆さんに向き合いたいと思いますので、有効な時間として使ってください。ぜひよろしくお願いします。

司会

黒岩知事ありがとうございました。本日はさまざまなご事情により、コロナ禍の長期化の影響を受けていらっしゃる若い世代の方、女性、子ども食堂の利用者や、運営者の方にゲストとしてご参加いただいています。
進行は、「若者」、「女性」、「子ども」の順で3つの分野のお話を伺います。
最初に1つ目のテーマ、若者の進学や就職に関して、児童養護施設の児童の自立を支援する、あすなろサポートステーション所長福本啓介様からお話を伺います。福本様こんばんは、よろしくお願いします。

福本氏

こんばんは、あすなろサポートステーションの福本です。
あすなろサポートステーションは、神奈川県委託の社会的養護自立支援事業で、児童養護施設等の退所後、それから里親さん委託解除後のアフターケアや自立支援に関連するさまざまなサポートを実施しています。本日はこの場に2人のケアリーバーにお越しいただいています。私はあくまで支援者という身分ですので、まず、若者の声から届けさせていただければと思いますので、よろしいでしょうか。そうしましたら、阿部さんのスピーチからよろしくお願いします。

阿部氏

神奈川県在住、阿部雄輝24歳です。よろしくお願いいたします。
私は中学2年生から高校卒業まで、神奈川県内の児童養護施設に入所していました。高校を卒業して児童養護施設を退所後は、就職して社宅で生活していました。現在は、障害児施設で働いています。去年、結婚した奥さんと今一緒に神奈川県内で暮らしています。
私はさまざまな困難にいる子ども、若者にとって優しく背中を押してあげられるような人になりたいと思っています。いつかはそんな児童養護施設の職員さんにもなりたいと思っています。
コロナ禍の経験談としましては、私が出た児童養護施設に遊びに行きましたが、そのとき玄関で、「コロナだからだめだよ」と、止められてしまったことが印象に残っています。
仕事では在宅勤務が続くなどの影響を受けました。また就職活動として、児童養護施設職員になりたいということで、見学をたくさんしようとしましたが、「コロナなのですみません」と、断られたこともありました。進路や社会への不安がたくさんありました。
児童養護施設で暮らしていたことで、当時は就職するしか選択肢がなかったですし、施設を出て社会で暮らす中で、何度も挫折を経験してきました。お金のこと、進学すること、家族のこと、仕事のこと、体調を崩したこと、人間関係など、本当にさまざまなことがありました。思えばいろいろなことがあったけど、今は耐えようとしなくても、楽に生活ができるようになってきています。
行政、支援者等に望むことについて話します。僕にはチャンスがなかった。当時よりは大分変わってきたと思いますが、児童養護施設で暮らしていたことで、私は大好きな野球を続けることができませんでした。将来就きたい仕事を目指すにも、進学することもできませんでした。
たとえどのような家庭で育っても、どの市、どの施設で暮らしていても、誰にでも公平にチャレンジする機会をください。
僕は施設を出たあと、何もわからなさ過ぎて、本当に不安な日々でした。僕は、たまたま運よく、あすなろサポートステーションに出会えましたが、「もし出会えていなかったら」と考えると、すごく怖いです。そう思うと当時私が高校生だったときに、こういうところがあると一緒に連れていってくれた児童相談所のケースワーカーさんにはとても感謝しています。以上です。

司会

阿部様ありがとうございました。続きまして原様からお願いします。

原氏

保育の短期大学に通う、19歳の原すみれです。
児童養護施設には中学1年生から大学1年生の9月まで在席していました。現在、児童養護施設を退所し1人暮らしをしていますが、そこではお金の管理と、自炊を特に頑張っています。節約するために自炊をしていて、大学があるときもなるべくお弁当をつくるように心掛けています。お金の管理では、水道光熱費の支払いや、食費など、何にお金がかかるか考えながら生活しています。
経験談についてお話させていただきます。家賃と生活費の一部を補助してもらう事業を使ってから、家賃の出費を気にすることなく、大学での実習の際に、交通費や製作費などにまんべんなくお金を使えているので、とても有意義に大学生活を送れています。
しかし、新型コロナウイルスが流行し、大学がすべてリモートになり、普段よりも課題やレポートが増え大変な思いをしました。家にいることで何かとお金がかかり、それも負担でした。実習中の2か月半は、学校の規則上、アルバイトができず、金銭面的に厳しい状況にありました。今の悩みはこれまで大学から借りていたWi-Fiルーターや、パソコン機器を返さなくてはいけなくて、それから通信環境が充分でないのが悩みです。
この支援を受けさせていただけなかったら、私は1人暮らしをしながら大学に通うことはできなかったと思います。今、支援を受けながら大学に通えていること、夢へ向かって歩んでいけていることを感謝しています。

司会

原様、ありがとうございました。学校生活や就活など、そしてまた施設退所後の一人暮らしのご苦労などのご経験、そして、サポートする団体があって今があるというお話、貴重な意見を本当にありがとうございました。
続きまして、家事や家族の世話、介護などを行う子ども、いわゆるヤングケアラーの支援をしている日本ケアラー連盟理事、中嶋圭子様からお話を伺います。中嶋様、よろしくお願いいたします。

中嶋氏

本日はありがとうございます。日本ケアラー連盟では、ケアラー支援についてのさまざまな取組をしてまいりましたが、その中でヤングケアラー支援への課題にも、取り組んできました。ヤングケアラーは大人がやるようなケア責任を引き受けて、家族の世話とか介護、感情面のサポートを行っている18歳未満の子どもというふうに私達は定義しています。
また、18歳から30代くらいを若者ケアラーと定義しています。ヤングケアラーはSOSを出しにくいということ、そして公的な支援やサービス、地域の支援などになかなか結びついていない状況もあるため「自分が担わないといけない」と頑張り過ぎて、孤独や孤立感を深める傾向があります。周囲がキャッチすることや、SOSを出せること、そして相談をしやすくするなどの環境づくりを急いでやっていくことが望まれます。
このコロナ禍の中では、感染すれば重度化のリスクが非常に高い要介護者等をみていることがございまして、緊張やストレスが普段より高まっているということや、ケア時間が長くなったり、親御さんの失業等で経済的に困窮するなどの現状があるというふうに伺っております。
まだたくさんお知らせしたいことはあるのですが、限られた時間の中で、小中高校生のだいたい4~6%くらいがヤングケアラーであるという調査結果も出ていますので、ご一緒に考えて頂ければありがたいです。

司会

小中学校生の中で、4~6%の割合でヤングケアラーがいる、というのは、とても驚く数字です。その中でどのような支援をされているかの具体的なお話もありがとうございました。
次に、小学生のときからご家族の介護をなさってきた、沖村有希子様からお話を伺います。沖村様、よろしくお願いします。

沖村氏

元ヤングケアラー、現若者ケアラーの沖村有希子です。
私がヤングケアラーになったのは今から21年前、2001年6月、11歳のときでした。シングルマザーの母親が自転車での通勤中に交通事故にあい、頸椎損傷による四肢麻痺で肩から下が動かせなくなったことがきっかけです。家計を支えていた母が重い障害を負ったことで世帯の労を担う、ヤングケアラーとなりました。どんな家庭に生まれ育つのか、選ぶすべを持たない子どもたちが突然ケアの場に立たされ、本来は大人複数で担うような責任や判断を任されたときどうすればいいのか。その環境を整えることができるのは社会と大人のつながりです。社会と他人とのつながりです。
私がヤングケアラーになった当時、ヤングケアラーという言葉はもちろん、ヘルパーという言葉もまだ駆け出しで介護保険では基本的にはケア対象者本人以外の家事などは担えない、ということが原則で、私の母は障害自立支援の対象でしたがその制度の切り分けが認識できていない事業者やヘルパーさんは、私の食事や洗濯などは一切やってくれませんでした。学校が終わり夕方に帰宅してから自分の食事を作ったり、次の日の体操着を洗ったり、母の夜のトイレ介助をしたり、そうしてから自分の時間が持てるのは23時以降で、宿題に手をつける前に疲れて寝てしまうことも多々ありました。
でも、中には職域を超えて善意をみせてくれる大人もいて、地域や他人、その人たちに私はつながったことで助けられてきました。自分へのケア、食事、社会をつなぐ取組として、例えば、自治体などから栄養認定された飲食店にケアラーが好きなときに行きたいと思えるチケットで食事ができたり、介護から離れた落ち着いた場所で、質のいい食事を食べられ、学校、仕事、家庭以外の3つ目の場所をもつ、他につながる息抜きの機会や、福祉においてはケアラーがいることを考慮して、ケア対象者が福祉サービスを受けやすくなること、その福祉行為を仕事として認めていくことなど、ヘルパーさんにも正当な利益や仕事としての価値観を持っていただくことで、ヤングケアラーにも居場所を作っていくことになるのではないかなと思います。
神奈川には海外ルーツで日本語を話せるヤングケアラーもおり、神奈川で子が生まれ育ち、働いて続いていくために、健康と社会がつながったヘルシーな状態を、ぜひ作っていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

司会

貴重なご意見をありがとうございました。まだ、制度が整う中で、沖村さんが成長されていく過程での経験談、社会と他人とのつながりをサポートするヘルパーたちのご苦労の体験等を伺いました、本当にありがとうございました。
それでは今お話いただいた一つ目のテーマ、「若者」に関して、知事と皆さまの意見交換に移ります。知事、よろしくお願いいたします。

知事

はい、ありがとうございます。まずケアリーバーで、いちばん最初に口火を切ってくださった福本さん。皆さん、どういうことに一番気をつけて接していらっしゃいますか。

福本氏

まずこのコロナ禍で、相談内容が前年度の4月、緊急事態宣言発令時は、平時の相談数より2.7倍ぐらいになっていました。その相談内容は非常に横断的で幅広く、仕事、お金、住居、生活の維持、精神的な不安など。きっかけは、コップの水がこぼれたのはコロナの影響でしたが、コップの水がこぼれて困窮が表出したというだけで、あすなろサポートステーションにはコロナの影響だけではないような、さまざまな困難のご相談が寄せられました。きっかけはコロナでしたが、他にもお聞きしているとさまざまなことがお話として出てくるので、まず丁寧に耳を傾けるというところを大切にしてまいりました。

知事

阿部さん、あすなろサポートステーションに出会ったので、助かったとおっしゃっていましたよね。それまでは、そういうものは全くなかったのですか。

阿部氏

そうですね。私の中で「自立」ということで、自分から断ってしまったということもありました。すごく、自立する上で、「頼ることが恥ずかしい」などと思って。本当に困ってしまってどうしようといったときに、高校時代に、連れていっていただいたあすなろサポートステーションに取りあえず連絡してみようと思いました。
きっかけは、私が児童養護施設の職員になりたい思いが強く、進学をしたい、でもやり方がわからない。奨学金なども検討して、貯金も当時なかったので、そのときにあすなろに相談しようと思って、相談したらそこからどんどん広がっていって、今という形になっています。

知事

児童養護施設そのものはこれから18歳で出てしまいますよね。その後のことについて、こうしたほうがよい、ああしたほうがよいという話はあまりなかったのですか。

阿部氏

施設では、将来については全然お話をしないで出てしまって。児童養護施設からも、進学という話は全くでなくて、自立するから、「社宅があるところにしなさい」というお話で、それしかもう考えがなかったです。

知事

原さんもそうでしたか。児童養護施設にいらしたときに、アドバイスはなかったのですか。

原氏

私の施設は、アフターケアという、卒園してからの支援、経済的支援などの話は結構いただいていました。進学の話や、奨学金も、職員から勧められて、上手に今できています。

知事

これは施設によって違いがあるわけですか。そういうものなんですね。今、原さんがいろいろな支援によって助かっている、という、その支援の具体的な中身を教えてもらえますか。

原氏

はい。あすなろからの支援は、家賃の全額を今支給していただいていて。後、ほかに奨学金も借りていますが、その奨学金で、他に水道光熱費を払っています。

知事

阿部さんは、どんな支援が今ほしいと思いますか。足りていますか。自立されていますよね。

阿部氏

そうですね、これから児童養護施設の職員になるにあたり、社会福祉士などの資格を取るために、資格支援をもう少し。施設を出てからですが、その施設を出た後もう1度目指そうとしても、今はないので、そういったところの支援があったらうれしいと思っています。

知事

原さんは、この後、将来の夢はどんなものを描いていますか。

原氏

私の将来の夢は、児童養護施設の職員になろうと思っています。

知事

皆さんが体験し、自分を支えてくれた人たち、そういう仕事になりたいと思ってくださっているのですね。それは素晴らしい夢ですね。ぜひ、実現してほしいと思います。
さて、ヤングケアラーの問題は最近急に聞くようになりましたね、中嶋さん。この問題は埋もれていたんですか。

中嶋氏

そうだと思います。最近は、家族の人数そのものが減ってきていて、お子さんが介護に入ることは、割と最近になって増えてきたと思うんですけれども、それでもこの問題は10年以上前から問題提起してきましたが、なかなかヒットせず、最近やっと多くの方が関心を持っていただいて、自治体やメディアなどいろいろなところが関心を持っていただいたおかげで、社会的な問題として認知されるようになってきました。

知事

皆さんが知るようになって状況は変わりましたか。

中嶋氏

変わっていると思います。社会的な認識が高まることによって、今までよりも声を出していいんだとか、誰かに相談していいんだとか、この先生に相談していいなどの、そういう糸口が少しずつできてきている。

知事

今までわからなかったのは、例えば教育の現場、学校の先生が問題意識を持って接してくるとだいぶ違うのではないでしょうか。そういった流れは出てきていますか。

中嶋氏

はい、違うと思います。ただ、多くの教育現場では、まだまだヤングケアラーの存在にまで気づける専門的な研修など受けていませんので、今いろいろなところで研修活動をしています。

知事

沖村さん、本当よくがんばりましたね。

沖村

ありがとうございます。

知事

11歳のときはまだ小学生。

沖村氏

6年生です。

知事

家事をして自分の勉強を後回しにしてもやっている。そういったときは公的な支援は全くなかったですか。

沖村氏

わたしの場合は、母がやはり私を守るために、体は動かなくても、行政へ支援を求めて、生活保護や、福祉サービスをなるべく入れよう、と努力してくれていました。
でもやはり、介護現場の働く職員の方、あるいはケアを任される方は女性が8割という現状の中で、皆さま夕方になると、自分のお子さまがいる、という、まあ、世帯の人数が全国で2.4人という現状の中で、皆さまも子育てしているので、その時間になると帰ってしまう。なので、世帯の人数が2~3人という状況になったときに、子供が任される役割が増えてきたということがあります。その中で学校に通ったり、そして、奨学金を借りながらでも働いて生きていくということに難しさが加わっている現状があると思います。

知事

今、どんな支援が必要だと思いますか。

沖村氏

やはり金銭的な支援というところはそうですが、なぜそのような支援が必要な状況になっているのかを考えると、社会進出への難しさであるとか、家族介護に頼るといいますか、家族介護が当たり前という仕組みになっている現状そのものがありますので、そのすべてが、働いて生きていくことに対する課題であるのではと思います。

知事

それで福祉事業所の代表をされているわけですよね。そのお仕事を選ぶということは、自身の体験がベースにあったのですか。

沖村氏

そうですね。現状では自分の福祉職員に対して、家族介護をお願いできる立場ではないですが、ただ、自分が身体介助など、家族の中で多くの役割を担ってきた経験から、障がい当事者の方に、われわれが仕事に入ることで、ご家族が働ける、学校に行ける、余暇の時間を持つことができる、そういったことの意義を感じております。

知事

ありがとうございます。次のテーマにいきます。

司会

続きまして、2つ目のテーマ、女性の困窮に関して、2人のお子さまをお持ちの女性、本日は仮名で、山田様から伺います。こんばんは、よろしくお願いします。

山田氏

よろしくお願いします。山田と申します。
私は現在、神奈川県で2児のシングルマザーをしています。離婚して3年目を迎えました。この春から中学3年生と中学1年生になる娘がおります。離婚の際、財産分与なども一切頂けない状態で自宅を出ました。当時はなかったですが、成長するにつれて娘2人の月経なども始まり、生理用品にこんなにお金がかかるのか、と改めて実感したことがあります。消費税も10%ということで、ちょっとこんなにかかるのかなとあらためて思う部分と、娘はこれから長い間、私もそうですが、生理と付き合っていかないといけないので、なるべく自分の体の変化によって起きた月経というものをネガティブに捉えないようにしてあげたいという部分。でもやっぱり、私自身もこの年齢、40過ぎたり、ストレスだったりで、月に2回月経がくるときもあります。
単純に、1週間生理があるとすると、1か月は4週間なので、ほぼ月の半分以上は誰かしらに生理がきている状態です。その子の体格に合わせたりすると、月に2000円以上はかかり、年間2万以上、下手したら2~3万円かかっています。
中にはやっぱり、生理用品を買うのはつらい、という声、生理用品を買うのであれば食費にまわしたいと思うくらい困窮している世帯もおそらくたくさんあります。これから女の子たちが無事に前向きに受け止められるような世の中になればいいなと思っています。
どうしても生活必需品の一部、ティッシュペーパーと同じような消耗品と同じものだと私は考えているので、そういった子たちが、生理用品が買えない状況を、もう少し、女性だけではなくて男性、もしくは思春期の男の子であっても理解していただけるような世の中になればいいなあと、そう今回思って参加しました。なかなか、女性にしかないもので、男性に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、やはり、体の変化で起きるものなので、生理用品がもう少し身近に手に入るような、例えば、学校においていただくとか、恥ずかしいものではないというものであればいいなと、今回思います。ありがとうございます、以上です。

司会

ありがとうございました。2人のお子さまを育てながら、ご自身の実際の女性としての大切なことの経験談、貴重なご意見を本当にありがとうございました。
続きまして、一般社団法人ひとり親支援協会の代表理事、今井智洋様からお話を伺います。今井様、よろしくお願いします。

今井氏

ひとり親支援協会の今井です。
われわれはひとり親を孤立から守るために活動しており、現在9100名のひとり親が登録していて、神奈川には3つの支部を有しています。
女性の困窮、生理の困窮について、ちょうど1年前くらいだったか、シングルマザーの方からメールをいただきました。その内容というのは、生理用品を買えず、トイレットペーパーを使っているという内容でした。私は本当にそのメールに大変驚き、ショックだったことを覚えています。そういったお声を受けて、生理用品の配布などもわれわれの団体ではしています。
神奈川の自治体では、生理用品を配布していただいて、本当にありがたく感じています。
もう1点申し伝えますと、シングルファーザーにおける娘さんの生理についても、大変課題という声をいただいています。娘さんから父親に生理の相談ができない、父親は生理に娘がなったとき、どうしたらいいか分からない。
そういった相談を受けて、親世代の支援ももちろん必要ですが、いわゆる子ども世代についての生理の支援、女性の支援も大事だと感じています。なにしろ生理が始まったときに、どうしたらいいかという、こうした「レディブック」といって、生理用品と一緒に、生理が始まったときにどうしたらいいかの冊子をつくり配っております。物品だけではなくて、そういった支援も必要なのかなと現場を見て感じています。
また生理用品については、1回配ったものではなくて、継続的に支援をしていただけると、大変ありがたく思います。私からは以上です。

司会

貴重な意見をありがとうございました。実際の生理用品の支援だけではなく、冊子などで心のフォローなど、しっかり支援されているとのことでした。
それでは、今、お話していただいた2つ目のテーマ、「女性」に関して、知事と皆さまで意見交換に移ります。知事、よろしくお願いいたします。

知事

はい、ありがとうございます。山田さん、生理の問題について、お話をいただきましてありがとうございました。最近ですよね、生理、月経、こういう問題がみんなの前で話ができるようになった、ということですよね。大きな変化を感じていらっしゃいませんか。

山田氏

そうですね、やはり私たちが小学生のときは、林間学校に行く前、例えば5、6年生で初めて学校で生理の授業がありました。娘たちを見ているともっと早くて4年生ぐらいの段階で、今の時代は男の子も一緒に生理用品を見たり、生理の授業を受けるという体制に、学校にもよると思うんですが、娘の学校はそのようにしています。
なので、男の子でも理解をしていただく、という動きが出てきているのかなという感じは受け止めています。やはりすごく良いことだと思います。
生理は恥ずかしいもの、口にしてはいけない、と感じていましたので、それはすごく前向きな感じに進んでいるのかなとは思いますが、やっぱり「生理貧困」というのは、コロナ禍ですごく出てきたワードであるのかなと感じております。

知事

恥ずかしながら私自身も、私は男兄弟なんですね、弟がいて。私自身は男の子が2人なんですね、子どもが。女の子がそばにいなかったんですね。だからこういった問題って、聞いてびっくりしたのが正直なところなんです。
今日も参加いただいていますが、SDGs、国連が定めた持続可能な開発目標の17の中に、SDGsの理念に基づいて、このさまざまに困っている方をいろいろな形で助けていこう、救っていこうじゃないかと。SDGsパートナーという、いろいろな団体や企業とわれわれは連携が進んでいます。
その中で、生理の問題でも、われわれは一歩踏み出しているんですね。生理用品に企業の名前が入っていて、その生理用品を、その企業が、ある種スポンサーとなってくださっている。この生理用品を、まさにトイレットペーパーがあるかのように、県立高校に置いたり、いろいろなところに置いていこうという流れが出てきています。山田さん、まだそれはまだご覧になったことはないですか。

山田氏

まだ、SDGsというもの自体、娘から教わって、というところで。娘もかなり興味を示している分野ではありますが、私自身がまだその時代、習っていなかったので、娘から聞いて、「そういうものに取り組んでいるんだな」って。
例えば14番だったら何で、ジェンダーがどうで、というのは、娘たちはとても関心を示していてそのような取組があるとつい先日知りました。もっと知りたいなと思います。
確かに高校や役所で生理用品を配布する、支援するというのも聞いたことはありますが、私自身はまだ一度も利用したことはありません。もっと、高校だけではなくて中学生、早ければ小学生でも月経は始まる子はいますので、そういったものが広がっていくことはすごくいいことだと思います。

知事

まだまだ数が足りないということですね。

山田氏

もっと広がればと思います。

知事

今井さん、シングルファーザーという話は、新鮮でした。シングルファーザー、言われてみればそうですよね。

今井氏

シングルファーザーというのは、社会ではマイノリティなんですよね。どうしても今、「女性」に目がいってしまう。それはすごく大事なことですが、ただ、シングルファーザーも、同じひとり親でありまして、その中でより人数が少ないので孤立してしまっている。先ほどの生理の話も相談できる相手がいない。学校は、女性なんです、PTAも女性なんです。そういった中で入っていって、関係を築けて、生理の相談とかができたら、娘に対してどうしたらいいとか、月経カップというものがあるよねとか、男性からしたら分からないので。そういったマイノリティだからこそケアが必要というところもスポットが当たってほしいなと感じています。

知事

シングルファーザーにいらっしゃるお嬢さんですよね。どこに相談したらよいのですか。

今井氏

可能性としてあるのは保健の先生など学校、ケアいただける場合、これは運の要素もありますが、そこでケアいただける場合と、同居している場合はおばあちゃんがいます。
ただ、どうしても神奈川だったりとか首都圏は田舎から出てきて子を育てるワンオペ、ワンオペ育児をされている家庭が多いので、地方よりも孤立しています、都会のほうが。そういう現状があるので、われわれの中でも、それをシングルマザーと交流してもらって相談できる枠組みを作ったりはしていますが、一団体がすることには限界があります。
横浜市やシングルファーザーの交流も過去されたこともありましたが、コロナで止まっている状態なので、コロナの孤立は、こういうところにも影響がきていると感じています。

知事

非常に、メモを取りながら、なるほどと思いました。ありがとうございました。

 

(後半へ)

 

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は政策局 政策部情報公開広聴課です。