知事議会提案説明(提案説明 平成24年第1回定例会)

掲載日:2012年2月14日

知事提案説明 【平成24年 第1回定例会】

 提案説明に入ります前に、一言申し上げます。

 間もなく東日本大震災の発生から1年が経ちます。ここに、改めてお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 それでは、県議会第1回定例会の開会にあたり、提案いたしました平成24年度当初予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。  

 東日本大震災は、わが国の社会生活や経済に広く多大な被害を及ぼしました。精力的に復興の取組みが進められていますが、未だその傷は癒えておりません。新たな時代を切り拓くためにも、復興に向けて皆が力を合わせなければいけません。

 こうしたことから、昨年12月20日、県議会第3回定例会の最終日において、県民の皆様のご理解をいただいた上で、震災がれきの受入れを行いたいと表明いたしました。

 そして年明けの1月7日、私は、岩手県宮古市と宮城県南三陸町を視察しました。依然として港湾施設などに震災がれきが積み上げられており、復興の妨げとなっていました。

 現地にお住まいの方々からは、「がれきには、家具や衣類をはじめ、津波によって失った震災前の生活の全てが詰まっている。見るのが辛い。」「心の足かせとなっているがれきがなくなれば、気持ちも切り替わる。力を貸してほしい。」という切実な声を伺いました。

 また、岩手県の職員の方から、「震災がれきを3年以内に処理したいと頑張っている。地域の方々からは3年でも遅いと言われているが、自分達の施設の処理能力では5年かかってしまう。他の自治体にも手伝ってもらい、何とかこのギャップを埋めていきたい。」という話も伺いました。

 県民の皆様が放射能汚染について不安を感じていることは、十分承知しています。本県が受け入れる震災がれきは、放射性物質濃度が1キログラム当たり 100ベクレル以下のものに限定したいと考えており、これは、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」で放射性物質に汚染された物でないものとして取り扱うこととされている濃度です。

 宮古市では、既に震災がれきの受入れを行っている東京都が、震災がれきの受入れの際に放射性物質濃度や空間線量率の測定等を行い、安全確保に向けて二重、三重のチェックを行っておりました。その放射性物質濃度は、本県の受入条件とする1キログラム当たり 100ベクレル以下でした。

 また、本県の最終処分場である「かながわ環境整備センター」も視察し、厳格な安全管理とそのためのモニタリングをしっかり行っていることを確認しました。このような安全管理やチェックの徹底等により、本県での受入れにおいても、十分に安全を確保することはできると判断しました。

 そうした後、1月15日の地元説明会のほか、20日と30日に横須賀市と横浜市で「対話の広場」を開催し、被災地での状況を含め、震災がれきの安全性の確認方法や、最終処分場での処理の方法などを説明いたしました。

 懇切丁寧に、繰り返し県民の皆様の健康や環境に影響が生じないよう万全の体制をとることを話しましたが、残念ながら冷静な議論を行うには至りませんでした。

 しかしながら、この国難とも言える状況にあって、同じ日本人として被災地の復興を支えるために、神奈川県としてやるべきことはやらなくてはいけない、私は、こうした思いをより一層強く抱いております。

 引き続き、誠心誠意、県民の皆様に対し丁寧に説明を行ってまいります。ただ、震災がれきの処理については、従来の廃棄物処理の枠組みでの対応だけでは限界があるのも事実です。できるだけ早く新たな法的枠組みの整備を国に求めていきたいと考えております。そうしたことにより、早期に震災がれきの受入れを実現したいと考えていますので、県議会議員の皆様にもご理解とご協力をお願いいたします。

 次に、平成24年度の本県財政を取り巻く経済環境・雇用情勢と県財政の状況についてであります。

 政府は、1月の月例経済報告において、景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直しているとしています。また、先行きについては、各種の政策効果などを背景に、この傾向が続くことが期待される一方で、欧州の政府債務危機の影響等により、海外景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクが存在するとしています。

 加えて、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要であるとの判断を示しており、今後の本県財政を取り巻く経済環境・雇用情勢につきましては、引き続き予断を許さない状況であると認識しているところであります。

 こうした中で、県税収入の見通しでありますが、平成23年度は、最大の税目である個人県民税について、課税人員や所得の伸び悩みにより減収が見込まれるほか、消費の低迷を反映して、地方消費税も減収となる見通しであることから、県税収入全体では、現計予算額を54億余万円下回る 9,921億余万円を見込んでおります。

 次に、平成24年度でありますが、法人二税につきましては、リーマン・ショック後の繰越欠損金による減収影響が縮小する一方で、東日本大震災に伴う生産活動の停滞や円高の長期化、海外経済の減速などにより、平成24年3月期の企業決算で減益が予想されていることから、前年度最終予算額に対し若干の減収を見込んでおります。

 一方、個人県民税につきましては、雇用・所得環境には改善がみられないものの、年少扶養控除の廃止など税制改正による増収が 100億円規模で見込まれるため、前年度を上回る見通しとなっております。

 こうした結果、平成24年度の県税収入は、前年度の当初予算額とほぼ同額、最終予算額に対しては約30億円の増収となる 9,952億余万円を計上したところでありますが、税制改正による増収影響を除いた実勢ベースでは、前年度を下回る見通しであり、本県税収を取り巻く環境は依然として厳しいものと言わざるを得ません。

 なお、昨年、延長をお認めいただいた個人県民税の超過課税については、38億 5,500余万円の税収を見込んでおり、24年度からの「第2期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に基づく取組みを着実に進めるための財源として、有効に活用してまいります。

 また、法人二税については、道路等の社会基盤整備に活用するための超過課税分として、 144億 1,100余万円の税収を見込んでいるところであり、ご負担をいただく企業の皆様の期待に沿うべく、引き続き、大変貴重な財源として有効に活用し、積極的に施策展開を図ってまいります。

 続きまして、地方交付税についてであります。平成23年度は、当初予算計上額を69億円上回る869億円を確保できたところであります。 

 24年度につきましては、社会保障関係費の増に伴う基準財政需要額の増等により、前年度当初予算を40億円上回る 840億円を計上しております。また、地方交付税の代替としての臨時財政対策債と合わせますと、前年度当初予算を20億円上回る 3,270億円を見込んでおります。

 さて、私は、昨年4月の知事就任以来、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて、圧倒的スピードで取り組んできました。

 一方、これからの県政運営にあたり、超高齢社会への備えを十分に図るとともに、東日本大震災等による社会環境の変化を踏まえ、今後、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて、どのような取組みを進めていくのか、県民の皆様に明確なメッセージを伝え、具体的な形で示す必要があります。

 こうしたことから、このたび、新たな総合計画「かながわグランドデザイン」の基本構想と実施計画の案をとりまとめ、基本構想の変更議案を本定例会に提案しております。実施計画については、先進性や発展性を持った重点施策からなる「プロジェクト編」と、県として着実に実施していく施策・事業等からなる「主要施策・計画推進編」をとりまとめました。

 こうした中での平成24年度の当初予算案は、地震防災対策など本県を取り巻く喫緊の課題に対して、的確に、かつ、スピード感を持って対応するとともに、県民一人ひとりのいのちが輝き、人やものを引き付ける魅力を持った「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けた施策に本格的に取り組むことを基本的な考え方として、編成したところであります。

 「かながわグランドデザイン 実施計画」(案)の「プロジェクト編」と連動した、いわば政策主導型の予算であり、特に神奈川の総力を結集し、全国の先駆けとして発信する取組みを「神奈川モデル」として事業化することといたしました。厳しい財政状況にあっても、選択と集中を徹底することにより、「『いのち輝くマグネット神奈川』を実感できる予算」を編成できたと自負しております。

 しかしながら、本県財政は非常に厳しい状況にあり、強い危機感を抱いています。当初予算編成作業をスタートした時点では 900億円という多額の財源不足が見込まれ、選択と集中の視点からの施策・事業の見直しや、財源確保の工夫に取り組むとともに、地方交付税等の増額確保に努め、さらに、県債管理基金や財政調整基金を活用することなどにより、ようやく収支の均衡を図ったところであります。

 加えて、今定例会に関連議案を提出しているところの特別職の期末手当及び管理職の管理職手当の減額について、こうした危機意識を共有する観点などから実施することといたしました。

 言うまでもありませんが、厳しい財政状況は、本県だけではありません。多くの地方自治体が多額の地方債残高、いわば借金を抱え込み、まさに地方財政制度は破綻の崖っぷちにあります。

 特に、神奈川県は高齢化のスピードが速く、過去7年間で、介護・措置・医療関係費が倍増いたしました。今後も、県税収入の大幅な伸びが期待できない一方で、こうした財政需要の急増が見込まれ、財政状況は更に悪化するおそれがあります。早急な対応が求められています。

 そこで、1月24日に緊急財政対策本部を設置し、今後の政策課題に着実に対応できる行財政基盤の確保を図ることといたしました。この緊急財政対策本部では、法令や制度など、行政のあり方そのものに踏み込み、抜本的な見直しを検討してまいります。そのため、私の思いとしては、今後、「神奈川臨調」とも言うべき外部の有識者会議も設置し、早期にご意見やご提言をいただきたいと考えています。

 もとより、削ることを一方的に進めるだけでは、今後の新しい展望は開けません。このような厳しい状況だからこそ、萎縮せず、しなやかで筋肉質な県庁をつくりあげ、マグネット力溢れる取組みを進めます。そうした取組みを通じて、民間事業者の活動も呼び込み、神奈川の経済のエンジンを回していく、ひいては日本経済のエンジンを回していく、このような気概で取り組んでいきたいと考えております。

 こうした検討については、今後、速やかに実践できるよう、平成24年度前半までに一定の結論を出すことを目指し、平成25年度当初予算編成から反映してまいります。

 それでは、平成24年度の当初予算案の主要な施策について、「かながわグランドデザイン 実施計画」(案)の「プロジェクト編」の項目に従い、順次ご説明いたします。

 第一は、神奈川からのエネルギー政策の転換についてであります。

 まず、「かながわスマートエネルギー構想」について、「創エネ」、「省エネ」、「蓄エネ」の3つの取組みを推進してまいります。このうち、「創エネ」の取組みにつきましては、住宅用太陽光発電やメガソーラーの設置促進のほか、小水力・風力発電など他の再生可能エネルギーも含めて、進めてまいります。

 また、「省エネ」の取組みとして、電力消費量の削減のため、中小規模事業者が、電力の使用状況の把握や自動制御を行う「デマンドコントロールシステム」を導入する場合に助成を行うなど、電力の「見える化」を推進してまいります。

 さらに、「蓄エネ」の取組みとして、スマートオフィス・スマートファクトリーの普及に向けて、県有施設にエネルギー需給管理システムのモデルを設置し、実証結果を公表するとともに、産学公による共同研究開発などを行ってまいります。

 加えて、エネルギー関連産業の集積促進として、エネルギー関連ベンチャーを創出・育成するため、全国から有望なプロジェクトを公募・選定し、事業化に至るまで一貫して支援してまいります。

 第二は、災害に強く安全で安心してくらせるまちづくりについてであります。

 まず、津波被害を軽減する対策の強化などとして、市町村が東日本大震災を踏まえて取り組む地震防災対策に対する緊急的な支援や、沿岸部の県営住宅や県立高校を活用した津波避難施設の整備などを進めてまいります。

 次に、大規模災害などに備える災害対応力の強化として、新たに自衛隊医療関係部隊等と連携した総合防災訓練「ビッグレスキューかながわ」を実施するほか、県庁本庁庁舎の耐震化対策に早期に取り組むため、耐震対策基本構想を策定するとともに、総合防災センターの災害対策本部の代替機能を強化いたします。

 なお、これらの地震防災対策につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時の被害を最小化する「減災」の考え方を基本に、取組みを強化しておりまして、市町村への支援も含め、前年度を 100億円規模で上回る、総額 724億 9,300余万円の予算を措置しております。

 第三は、いのちが輝き誰もが自分らしくくらせる社会づくりについてであります。

 まず、高齢者が生き生きとくらせる社会づくりとして、介護現場に光を当てるため、「かながわ感動介護大賞」を創設するとともに、高齢者から子どもまでの多世代が、互いに支え合い、誰もが生き生きと生活できる「多世代近居のまちづくり」を推進してまいります。

 次に、現在、策定作業を進めております、「医療のグランドデザイン」に基づいて「マイカルテ」の導入に向けた検討調査や、医食農同源などの取組みについて具体に事業化するとともに、周産期医療体制の充実に向けた取組みも強化し、県民が安心できる保健・医療体制の整備を図ってまいります。

 さらに、こころといのちを守るしくみづくりとして、支援が必要な精神障害者を対象に、精神科医や精神保健福祉士等のチームによる訪問支援など、総合的な自殺対策を推進してまいります。

 加えて、障害者の地域生活を支えるしくみづくりとして、障害者の地域生活を支援するため、現在、身体・知的障害者のみを対象としている重度障害者医療費助成制度の対象を拡大し、精神障害者の通院を新たに対象といたします。

 また、多文化共生の地域社会づくりとして、「グローバル人材が活躍する活力ある神奈川」の実現に向けて、留学生に対し、ニーズに応じた支援を行ってまいります。

 第四は、次世代を担う心豊かな人づくりについてであります。

 まず、子ども・子育て応援社会の推進として、保育所の整備や地域育児センターの機能強化を進めるほか、保護者が生き生きと子育てに取り組めるよう、親育ち支援のためのモデル事業を実施してまいります。

 次に、子どもの安心のための総合的な支援として、児童及び生徒が「いのち」を尊重し、他者を思いやる心を育むため、学校現場だけでなく、あらゆる場面で「 100万通りの『いのちの授業』」を実施いたします。

 また、児童自立支援拠点を新たに設置し、発達障害や知的障害などのある子どもに対する総合的な自立支援ネットワークを構築するとともに、子どもや若者に対する相談・支援体制を充実してまいります。

 さらに、明日のかながわを担う人づくりとして、県立学校の耐震化などを推進するため、「県立教育施設再整備10か年計画」、いわゆる「まなびや計画」を着実に進めるほか、児童・生徒が急増している特別支援学校について、計画的な整備を行うとともに、長時間乗車対策としてスクールバス7台を増車することといたしました。

 第五は、人を引きつける魅力ある地域づくりについてであります。

 まず、地域資源を活用したにぎわい拠点づくりとして、横浜・鎌倉・箱根に次いで、海外にも強力に発信できる魅力的な「新たな観光の核づくり」を目指すため、企業などの事業主体による提案を募集し、事業認定を行ってまいります。

 次に、行ってみたい神奈川の観光魅力づくりとして、観光まちづくりの観点から、地域の活性化を推進する観光まちづくりプロデューサーを育成するとともに、県内外から誘客できる地域ブランドを確立して、商店街の活性化を図ってまいります。

 また、文化芸術による心豊かな神奈川づくりとして、文化資源の活用により地域の活性化を図るため、神奈川芸術劇場「KAAT」を中心に、周辺地域に集積する文化資源と観光資源を活用したモデル事業を展開してまいります。

 さらに、「水のさと  かながわ」づくりとして、地域資源としての神奈川の水の魅力をより一層高め、水の恵みによる豊かな地域づくりを目指すこととし、その具体の取組みとして、キックオフ・シンポジウムを開催するほか、「水」をキーワードとした観光キャンペーンを実施し、本県への誘客拡大を図ってまいります。

 第六は、神奈川のポテンシャルを生かした活力創出についてであります。

 まず、競争力の高い産業の創出・育成として、中小企業の経営基盤の安定等を図るため、中小企業制度融資の融資規模について、前年同額の 2,600億円を確保するとともに、新規創業をよりきめ細やかに支援するため、「創業支援融資」に新たなメニューを創設いたします。 

 また、ライフサイエンスや環境など成長分野の有望プロジェクトを公募し、起業化を支援してまいります。

 次に、東西2校の総合型職業技術校による産業人材育成拠点の整備を目指し、平成20年4月に開校した東部総合職業技術校に続き、西部総合職業技術校の整備を、来年4月の開校に向けて着実に進めるとともに、雇用・就業機会の創出を目的とした基金を活用した各種事業を引き続き実施し、産業人材の育成と就業支援の充実を図ることといたしました。

 なお、東日本大震災や歴史的な円高の影響等により、本県の経済・雇用情勢は依然として厳しい状況にあることを踏まえ、総額 2,192億 7,700 余万円に上る県民生活・経済対策を実施し、県内経済の活性化とともに雇用対策の充実や県民生活の安定を目指して取り組んでまいります。

 また、神奈川を世界にアピールする国際戦略として、留学生や神奈川ゆかりの外国人を中心に、「かながわ国際ファンクラブ」を結成し、神奈川の個性と魅力を世界に広めるとともに、ライフサイエンス分野の国際戦略拠点として、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の形成に向けて着実に取組みを進めてまいります。

 さらに、新たな地産地消の仕組みづくりのため、オーダー型農業や、地魚の流通促進に取り組み、神奈川の特色を生かした農林水産業を展開してまいります。 

 加えて、活力と魅力あふれるまちづくりと交通ネットワークの充実として、法人二税の超過課税を活用した道路等の社会基盤整備を着実に進めてまいります。

 この他に、市町村が主体的に進める広域連携の取組みや市町村が提案する先進的なモデル事業等を重点的に支援するため、市町村振興メニュー事業補助金を見直して、市町村自治基盤強化総合補助金を創設いたします。

 以上の施策を中心に、「選択と集中」を徹底して予算編成を行った結果、一般会計の予算総額は、1兆7,730億余万円となり、23年度の肉付け後の9月現計予算額との対比では、98.3%となりました。

 これに、特別会計と企業会計を加えた全会計予算規模の合計は2兆8,131 億余万円となっております。

 また、一般会計の財源といたしましては、県税 9,952億余万円、地方交付税840億円、臨時財政対策債2,430億円を含む県債 2,987億余万円などを計上し、さらに各種財源対策も講じながら、収支の均衡を図った次第であります。

 次に、予算案以外の案件についてご説明いたします。

 平成24年度関係といたしましては、条例の制定2件、廃止1件、改正18件など、全体で26件を提案しております。

 まず、条例の制定でありますが、知事等の期末手当及び職員の管理職手当の特例に関する条例は、先ほども申し上げましたとおり、現下の危機的な財政状況を踏まえ、私をはじめとして、特別職及び管理職の給与を減額するための条例を制定するものであります。

 また、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律等に基づく標識の寸法を定める条例は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律等の一部改正に伴い、鳥獣保護区等を表示する標識の寸法に係る基準を定める条例を制定するものであります。

 次に、条例の廃止でありますが、風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令の一部改正に伴い、風致地区条例を廃止するものであります。

 次に、条例の改正でありますが、主なものについてご説明いたしますと、神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例ほか定数関連2条例は、県職員、市町村立学校職員、地方警察職員の定数等について、それぞれ改正するものであります。

 また、神奈川県地球温暖化対策推進条例の一部を改正する条例は、建築物への新エネルギーの導入をより一層促進するため、建築物温暖化対策計画書の提出対象となる建築物の規模を引き下げるなどの見直しに伴い、所要の改正を行うものであります。

 次に、神奈川県地域医療医師修学資金貸付条例の一部を改正する条例は、将来、県内において地域医療を担う医師の育成及び確保を図るため、平成24年度から入学定員を増員する北里大学及び東海大学の入学者を、修学資金の貸付対象に加えるものであります。

 また、食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の一部を改正する条例は、法に基づく食品に関する規格基準が一部改正されたことに伴い、生食用食肉を取り扱う飲食店営業等の施設基準を追加するものであります。

 次に、神奈川県立の高等職業技術校等に関する条例の一部を改正する条例は、平成25年4月に開校を予定している神奈川県立西部総合職業技術校について、入校生の選考等を開始するため、24年10月1日付けで同校を設置するものであります。

 また、神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例は、公営住宅法の一部改正に伴い廃止された、公営住宅への単身者入居を制限する同居親族要件について、本県としては継続させるため、同要件を規定するとともに、生活保護制度における県営住宅家賃の代理納付の拡大を図るため、代理納付の場合の納付期日を、別途規則に定める旨の規定を設けるなど、所要の改正を行うものであります。

 条例以外の案件についてでありますが、神奈川力構想・基本構想と神奈川県科学技術政策大綱の2つの計画の変更について提案いたします。このほか、建設事業等に対する市町負担金など3件を提案しております。

 次に、平成23年度関係の諸議案であります。

 まず、一般会計補正予算案でありますが、安心こども基金の積立などの国の補正予算への対応や、公共事業の内示減や各種基金事業の事業費の減に伴う減額など、所要の補正措置を講じております。

 また、歳入面では、予算計上額を上回って交付を受けた地方交付税や、増収の見込まれる財産収入を計上いたしました。そして、これらを踏まえ、財政調整基金の取崩しを一部中止し、24年度の財源に活用することとしております。

 その結果、一般会計補正予算額は69億余万円の減額となっており、財源面では、国庫支出金や財産収入等の追加と、県税や繰入金の減額などを調整し、収支の均衡を図っております。

 また、特別会計・企業会計についても、所要の措置を講じたところであります。

 次に、予算以外の案件につきましては、条例の改正12件、工事請負契約の締結3件など、全体で22件であります。

 まず、条例の改正でありますが、主なものといたしまして、神奈川県県税条例の一部を改正する条例は、東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律の施行により、平成26年度から35年度まで、個人の道府県民税均等割の標準税率が引き上げられたことに伴い、個人県民税均等割の税率を引き上げるものであります。

 また、神奈川県妊婦健康診査支援基金条例の一部を改正する条例など基金関連6条例は、国の制度見直しに伴い、条例の有効期限を延長するなど、所要の改正を行うものであります。

 また、介護保険法施行条例の一部を改正する条例は、介護保険法の一部改正等に伴い、介護サービス情報の公表制度に係る手数料に関する規定などが削除されたため、指定調査機関等に手数料を納付する旨の規定の削除等を行うものであります。

 さらに、神奈川県道路交通法関係手数料条例の一部を改正する条例は、道路交通法施行令の一部改正等に伴い、運転免許等に関する手数料の標準額が改められたため、本県の運転免許交付等に係る手数料の額を変更するとともに、運転経歴証明書再交付手数料の新設等を行うものであります。

 条例以外の案件でありますが、債権の放棄については、神奈川県特別母子福祉資金貸付金等の6債権を放棄したいので提案するものであります。

 このほか補正予算に関連してご審議いただく建設事業等に対する市町負担金や、工事請負契約の締結3件、県内中小企業への支援対策として、端境期に切れ目のない事業展開を図れるよう、建設事業や補修系事業等について、支出を伴わない債務負担行為を設定する、いわゆるゼロ県債の設定に係る専決処分について承認を求めること4件を提案しております。

 最後になりましたが、今後の県の取組みの基本的姿勢についてです。

 今後、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて、「かながわグランドデザイン」に沿った取組みを進めてまいります。これまでは、ややもするとプロセスを大事にするあまり、結果を出すまでに時間がかかることもありました。しかし、私は、政策決定・実行にあたっては、スピード感を重視したいと思っています。結果にこだわっていく、結果に向かって突き進んでいく、速やかに結果を出していく、こうした意識を強く持って取り組んでいきたいと考えております。

 そうしたときに、キーワードとなるのは「クロス・ファンクション」、いわば部局横断的な取組みです。縦割りの枠を超えて、それぞれの局の機能を有機的に組み合わせ、知恵を出し合って県庁の力を結集し、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて、速やかに、かつ、きちんと結果を出していきたいと考えています。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。

 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。

 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

※ 平成24年2月14日(火曜)に本会議場で配布した資料をそのまま掲載しています。

神奈川県

このページの所管所属は 知事室 です。