知事議会提案説明(提案説明 平成30年1回定例会)〔2月提案〕

掲載日:2018年2月9日

知事提案説明 【平成30年 第1回定例会】〔2月提案〕

 

 県議会第1回定例会の開会にあたり、提案しました平成30年度当初予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 

 私の2期目の任期も間もなく丸3年が経ち、いよいよ総仕上げの年になります。県の総合計画「かながわグランドデザイン」も、第2期実施計画の最終年度になります。この間に、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指し、県議会の皆様のご理解もいただきながら、懸命に取り組んできたことが、具体的な形になってきていると感じています。 
 例えば、未病の改善については、県が一貫して普及に取り組んできた結果、昨年2月に国が「未病」を「健康・医療戦略」に位置づけました。また、今年度実施した県民ニーズ調査では、8割を超える方が、未病改善の取組みの重要性を認識している旨の回答をされました。
 こうした中で、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進については、県が整備したライフイノベーションセンターに、国内外から有望な企業等の集積が進み、再生・細胞医療の産業化拠点が形成されています。また、「さがみロボット産業特区」を中心とするロボットの実用化や普及・活用など、経済のエンジンを回す取組みも着実に進めてきました。
 そして、第2期実施計画策定後の社会状況等の変化にも柔軟に、素早く対応してきました。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の役割分担・費用負担問題については、私達が首尾一貫して主張したとおり、立候補ファイル及び大会開催基本計画に示された内容が基本であるとの合意に至ることができました。
 さらに、津久井やまゆり園の再生については、利用者のご家族や地域の皆様に丁寧な説明を行うとともに、県議会でご議論いただいた上で、昨年10月に再生基本構想を策定し、園の再生に向けて大きく歩みを進めることができました。
 一方で、新たな観光の核づくりや、かながわスマートエネルギー計画、マグカルなど一層注力していかなければならない取組みがあります。また、「かながわグランドデザイン」に掲げた中小企業等の活性化や災害に強いまちづくりなども、引き続きしっかり進めていかなければなりません。
 今後も、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて、神奈川の魅力を一段と高めていくため、各施策をさらに発展的に深めながら全力で推進してまいります。
 次に、「子どもみらいをスマイル100歳に」についてです。
 このたびの平成30年度予算は、「かながわグランドデザイン総仕上げ『子どもみらいをスマイル100歳に』」として編成しました。かながわグランドデザイン第2期実施計画に掲げるプロジェクトを着実に推進するとともに、子どもたちが100歳まで笑顔で過ごせる持続可能な社会の実現を目指して、今までの取組みを発展的に展開していく予算としています。
 これまで、県では超高齢社会を乗り越えるため、未病の改善による健康寿命延伸をはじめとして、様々な分野の政策を総合的に展開してきました。
 そうした中で、一昨年には「人生100歳時代の設計図」、また昨年は「スマイルかながわ」をメッセージとして発信し、県民の皆様と対話を進めながら、政策を推進してきました。
 片や、昨今、「子どもの貧困」や「待機児童対策」といった子どもに関連する課題が、大きくクローズアップされるようになっています。
 そこで、人生100歳時代にあって、今の子どもたちの未来がどのように輝いていくのかという視点で政策を強化していく必要があると考え、このたび皆様に提示したのが、「子どもみらいをスマイル100歳に」です。これは、単に今の子どもたちへの対応だけでなく、子どもたちの将来を見据え、それぞれのライフステージに応じた取組みを行い、いつまでもずっと輝き続けられる持続可能な社会を創っていこうというものです。その実現に向けて、これまでの県の施策をさらに発展的に展開していくこととして、「健康でスマイル100歳」、「学びでスマイル100歳」、「共生でスマイル100歳」の三つの柱で取組みの方向をまとめています。
 まず、第一は「健康でスマイル100歳」です。これは、いつまでも健康で笑顔あふれる未来を目指すものです。具体的には、全世代の未病対策の推進、未病指標の構築と活用、生涯スポーツ社会の実現などのほか、第1期オープンを迎える未病バレー「BIOTOPIA」では、未病に関する総合的な普及啓発に取り組みます。
 第二に「学びでスマイル100歳」です。これは、いつまでも学ぶことができ、また、自立し力強く生きていける、生きがいと笑顔あふれる未来を目指すものです。具体的には、いのちの授業の更なる展開、地域とともにある学校づくり、マグカルの全県展開などのほか、人生100歳時代における全世代対応の学びの場の整備や多様な働き方を推進します。
 第三は「共生でスマイル100歳」です。これは、いつまでも共に支え、助け合える持続可能な笑顔あふれる未来を目指すものです。具体的には、子どもの貧困対策、子ども・子育て支援の推進、「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及などに取り組みます。
 そして、子ども関連施策をさらに強力に推進するため、4月には本庁機関を再編し、新たに「福祉子どもみらい局」を設置します。
 このように、「いのち」を輝かせるために、私達が様々な分野を連関させて総合的に政策を進めてきたことは、いま、国際連合が掲げる「持続可能な開発目標」、「SDGs」とも軌を一にするものであるとの意を強くしています。
 今後も、これまでの取組みを深化させながら、明日の神奈川を担う子どもたちが100歳になるまで笑顔あふれる人生を送ることができる、そうした神奈川の明るい未来のために、引き続き、まい進してまいります。
 

 なお、このたび、神奈川県立病院機構のがんセンターにおきまして、放射線治療科医師の退職により、診療の継続が危ぶまれる事態が発生し、患者の受入れに一時的に制約が生じました。患者やご家族、関係医療機関をはじめ、県民の皆様に大変なご心配、ご迷惑をおかけしました。病院機構の設立団体として、深くお詫びいたします。
 この問題に対しては、「県民のいのち」を守ることを最優先に、県としても全力をあげて対応してきました。
 具体的には、12月19日に「病院機構の医療の提供体制に関する調査委員会」を立ち上げ、医師の退職理由を明らかにするとともに、機構本部と病院現場のコミュニケーション不足を指摘し、今後の体制整備に向け、その改善を求めたところです。
 また、医師確保に関しては、病院機構の土屋理事長の了解を得て、1月10日に「放射線治療医確保対策委員会」を発足させ、医師確保の責任主体であるがんセンターと県が一体となって取り組んできました。その結果、2月及び3月については、診療の継続に必要な医師を何とか確保することができ、4月以降についても、確たる目途をつけるべく懸命な取組みを続けているところです。
 こうした中、今月2日、土屋理事長は記者会見を開き、病院現場との対立を煽るような主張を一方的に展開しました。また、その後、内部手続きを経ずに、がんセンターの病院長を更迭する人事異動を突然発令しました。この更迭辞令は、がんセンターの正面玄関など掲示板ではない箇所も含め6箇所に写しが貼り出され、病院現場に大きな混乱と動揺が生じたところです。
 このような事態を受け、病院機構の副理事長と病院管理者から「土屋理事長の解任を求める緊急声明」が発表され、私あてに提出されました。また、副院長をはじめ、がんセンターの職員一同からも、同趣旨の要請文が提出されています。
 これらの緊急声明や要請文の中で特に問題視しているのが、病院長の更迭人事の発令です。病院長は、確保対策委員会のメンバーとして、これまでの医師確保に大きく貢献し、今後においても中心的な役割を担う重要な存在です。その病院長を、4月以降の医師確保が正念場を迎えているこの時期に更迭することは、今後の医師確保と診療継続だけでなく、がんセンターの機能そのものにも深刻な影響を与えかねない、極めて重大な行為です。
 そこで私は、今月5日に土屋理事長と面談し、病院長を引き続き医師確保の任に当たらせていただきたいこと、そして、理事長は医師確保に関与しないでいただきたいことを要請し、この要請を受け入れていただけない場合は、解任もあり得る旨を申し伝えました。
 これに対し、理事長からは「知事の要請は違法であり、受け入れられないので、即刻解任してもらいたい」との回答がありました。
 私としては、こうした病院長の更迭人事をはじめとする一連の対応を踏まえ、土屋理事長はその任に適しないと認められたことから、理事長職を解任することを決意し、現在その手続きを進めているところです。
 もとより土屋氏は、私が理事長就任をお願いし、任命した方でありますので、私自身の任命責任は強く感じています。こうした混乱が生じたことについて、改めて深くお詫び申し上げます。
 今後、「県民のいのち」を守るため、一連の混乱を早期に収束させ、がんセンターとともに医師確保に全力で取り組み、新たな機構本部の体制の下、安定的、継続的な診療体制を構築していくことで、責任を果たしてまいりたいと考えています。
 

 次に、景気動向と県財政の状況についてです。
 政府は、1月の月例経済報告において、企業収益の改善や個人消費の持ち直しなどから景気は緩やかに回復していると、基調判断を7か月ぶりに上方修正しています。
 また、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されるとしています。
 こうした中で、県税収入の見通しですが、平成29年度は、法人二税について、29年3月期の企業決算が2年ぶりの増益決算であったことなどから増収が見込まれるほか、地方消費税も国からの払込みが当初予算編成時の見通しを上回って推移していることなどにより増収が見込まれます。さらに、個人県民税も課税人員や1人当たりの所得が当初の見通しを上回ったことなどから、県税収入全体では、当初予算額を503億円上回る1兆2,935億円を見込んでいます。
 次に、平成30年度の見通しですが、地方消費税について、都道府県間で税収を清算する基準が、人口の比重を高めるものに見直されることなどにより増収が見込まれるほか、法人二税についても企業収益が好調であることから、前年度を上回る見通しです。
一方、個人県民税については、県費負担教職員の給与負担事務の移譲に伴い指定都市へ税源が移譲される制度改正により、大幅に減収となる見込みです。
 こうしたことから、平成30年度の県税収入全体では、前年度当初予算額を623億円下回る1兆1,808億円を見込んでいます。
そして、県税収入に、地方法人特別譲与税などを加えた税収全体では、1兆3,106億円を見込んでいます。
 こうした中での平成30年度の当初予算編成は800億円の財源不足からスタートしました。その後、歳出面で、人事委員会勧告に基づく給与改定や、介護報酬の改定等の国予算への対応など、追加の財政需要が生じたものの、歳入面では、県税収入の増収に加え、地方交付税等についても増額で確保できる見通しとなり、財源不足額は縮減しましたが、その解消までには至りませんでした。
 このため、徹底した施策・事業の見直しの取組みに加え、平成29年度中の県税収入の増収や2年連続での減収補塡債の発行などにより29年度に確保した財源を活用して、ようやく収支を均衡させたところです。
 このように、景気回復等に伴い、県税収入を取り巻く環境には、明るい兆しが見られるものの、実質的には当該年度中の歳入で歳出を賄えない綱渡りの財政運営が続いています。また、今後を見通すと、急速な高齢化などに伴い介護・医療・児童関係費が増加するとともに、これまで大量発行してきた臨時財政対策債により公債費も増加します。さらに、老朽化した公共施設の維持修繕コストにも多額の費用が確実に見込まれるなど、本県の厳しい財政構造が改善したわけではありません。
 したがいまして、今後とも、さらなる歳入確保と施策・事業の見直しを行うことと併せ、地方税財政制度の抜本的な見直しを国に求めていくなど、安定した行財政基盤の確立に向けて、取り組んでまいります。
 

 それでは、平成30年度当初予算案の主要な施策について、「かながわグランドデザイン第2期実施計画」のプロジェクトの柱に従い、順次ご説明します。
 第一は、「健康長寿」についてです。
 まず、「未病」については、健康長寿社会実現に向けた未病改善の取組みとして、子どもからのアプローチにより、認知症の未病改善を推進するため、子どもと高齢者が一緒に参加できる運動プログラムを実施するとともに、県立高校において認知症のバーチャルリアリティー体験等による未病学習を実施します。
 また、糖尿病をはじめとする生活習慣病の重症化を抑制するため、「かながわ方式保健指導」を市町村へ普及するほか、いわゆるオーラルフレイルへの対策として、今年度作成する改善プログラムを実施し、実証データを収集します。
 さらに、地域における健康づくり事業を効果的に実施するため、保健医療データの収集・分析・加工を行うとともに、市町村と連携して、地域の課題分析等を行います。
 次に、「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」については、県民の健康寿命延伸につなげるため、「未病指標」の第一弾として、メタボリスク指標及び改善プログラムを構築し、市町村が実施する特定健診等において行動変容を促進する実証事業を行います。
 また、ICTを活用して県民や企業などが健康情報等を効果的に利活用するため、国や市町村、民間事業者との連携などにより「マイME-BYOカルテ」の普及拡大を行うほか、来年度から公立大学法人化する県立保健福祉大学に新たな研究科を平成31年度に設置するため、国内外の大学や研究機関等との連携に向けた調整など、開設に向けた準備を進めます。
 次に、「医療及び高齢者福祉」についてです。
 団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年を見据え、高齢者をはじめ生活上の困難を抱える方々を地域全体で支える地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域医療介護総合確保基金を活用し、医療機関の病床を転換するための施設整備、在宅医療体制の整備、医療従事者の確保などに取り組みます。
 また、介護従事者の確保・定着や介護施設の整備に対する補助等を行うとともに、多職種連携で実施する会議や研修会の開催により、医療と介護の連携強化に取り組んでいきます。
 このほか、病院業務の効率化を図るため、神奈川リハビリテーション病院において電子カルテシステム等の導入に向けた開発を行います。
 次に、「障がい者福祉」については、「ともに生きる社会かながわ憲章」に掲げた4つの理念を具現化するための取組みを進めてまいります。
 まず、津久井やまゆり園の再生については、基本構想に基づき、平成33年度から利用者の入所が開始できるよう、千木良地域に新たな園舎を整備するための設計を引き続き進めていきます。
 津久井やまゆり園入所者への支援としては、厚生労働省のガイドラインに基づく全国初の取組みとなる意思決定支援を実施するとともに、意思決定に基づく地域生活移行を支援するため、利用者を受け入れるグループホームの施設整備や基準を超える職員配置等に対する補助を行います。
 また、こうした意思決定支援や地域生活移行の全県展開に向け、障がい者家族や施設職員を対象に意思決定支援の普及啓発のための出前講座を開催するほか、障がい者の体験利用を受け入れるグループホームに対する補助等を行います。
 さらに、障がい者等の社会参加を促進するため、タクシー事業者等の福祉タクシー車両の購入に対して、新たな補助制度を創設します。
 このほか、憲章の理念を県民に広く深く浸透させるため、市町村や団体と連携を図りながら県内各地で開催されるイベント等に参加するなど、年間を通じた普及啓発を行います。
 こうした様々な取組みを通じ、憲章の理念を実現してまいりたいと考えています。
 第二は、「経済のエンジン」についてです。
 まず、「産業創出」についてです。
 中小企業・小規模企業活性化の推進については、新たな事業への取組みなどの「攻めの経営」を促進するとともに、事業承継や人手不足などの経営課題に対し、経営状況が下降する前に企業自らが必要な対策、すなわち企業経営の「未病改善」に向けて、商工会・商工会議所が行う経営相談等や、神奈川産業振興センターが実施する支援事業に対して引き続き補助を行います。また、事業承継に関する県版マニュアルを作成するほか、新たな人材の確保等につなげるため、成長している中小企業・小規模企業を県が認定し、企業の社会的認知度を高めていきます。このほか、中小企業制度融資の融資枠については、前年度と同額の2,600億円を確保することなどを通じて、中小企業・小規模企業の持続的発展を図ります。
 また、「セレクト神奈川100」については、今後、市場の創出や拡大が見込まれる成長産業の企業等が行う土地、建物及び設備への投資に対する補助などにより、平成30年度までの4年間で「県外・国外からの事業所誘致100件」の目標達成に向け、引き続き取り組んでいきます。
 さらに、「ロボットと共生する社会」の実現に向けて、中小企業等がロボット関連産業に関わる機会を提供するため、工業技術・製品に関する総合見本市であるテクニカルショウヨコハマにおける特区特設コーナーの設置や、ユーザーと中小企業等とのマッチングフォーラムの開催など、「産業界にとっての見える化」を推進します。また、ロボットが活用されている様子を身近な場所で実感できるショーケースの整備等により「県民にとっての見える化」も推進していきます。
 次に、「エネルギー」に関しては、かながわスマートエネルギー計画を推進するため、引き続き、固定価格買取制度を利用しない自家消費型の太陽光発電等の導入に対して補助するなど、太陽光をはじめとする再生可能エネルギー等の導入加速化に取り組みます。また、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHの導入を促進するための支援や普及啓発を行います。
 このほか、電気自動車の導入を促進するため、「ワークプレイスチャージング」のモデル事業として県内事業者による充給電設備等の導入に対して補助し、効果の検証を行い、電気自動車の蓄電池としての活用を図ります。
 次に、「農林水産業の活性化」についてです。
 まず、都市農地の保全を図るため、生産緑地の多面的機能を強化する設備の整備等に対して補助するとともに、販売額3,000万円以上の「トップ経営体」を育成するため、意欲ある若手生産者に対して、経営能力の開発・向上を目的とした研修を実施するほか、規模拡大に向けて行う施設整備等に対して補助します。このほか、県育成トマト品種である「湘南ポモロン」について、機能性表示を行い付加価値を高めるための栽培試験等を行います。
 また、林業については、間伐材等の有効活用のため、木質バイオマス供給施設の整備に対して補助します。
 さらに、水産業については、磯焼けの原因生物であるムラサキウニを、新たな地域産品とするため、県産のキャベツ等の残さを活用した養殖技術を開発します。また、江戸前のシャコなどの水産資源の回復を図るため、バクテリアの影響により海中の酸素量が極端に低い水域、すなわち貧酸素水塊への対応策を検討するための調査・研究を行います。
 このほか、鳥獣被害対策の推進として、「かながわ鳥獣被害対策支援センター」において、地域ぐるみで取り組む鳥獣被害対策への支援を行います。
 次に、「観光立県かながわ」の実現に向けて、国内外から多くの観光客を誘致するため、1,000通りのツアー等の企画・商品化を進めていきます。
 また、教育旅行や富裕層などの多様なニーズや客層の取り込みに積極的に取り組むとともに、ラグビーワールドカップ2019の開催に向け、ラグビー人気の高い国をターゲットとしてプロモーションを行います。
 さらに、かながわ産品の普及や観光客の増加を図るため、県内の大型商業施設に、新たなアンテナショップを出店し、かながわ産品の展示・販売の場を整備します。
 また、今年は日越外交関係樹立45周年であることから、ベトナム交流イベント「ベトナムフェスタin神奈川」に加え、新たに、ベトナムにおける「KANAGAWA Festa in VIETNAM」の開催を支援します。
 このほか、マグカルについては、既存施設を活用した魅力的なコンテンツの創出・発信、文化芸術関係団体等の企画に対して支援を行うほか、インバウンドを意識した情報発信の強化、多彩な分野の伝統芸能関係団体が一堂に会する公演の開催など、マグカルの取組みを推進します。
 第三は、「安全・安心」についてです。
 まず、「減災」については、災害に強いかながわを目指し、大規模災害等発生時に県内の被害状況をリアルタイムで把握し、「かながわ消防」部隊の迅速かつ的確なオペレーションを可能とする「かながわ消防初動対応力強化システム」、仮称ですが、「Kアラート」の構築に向けた準備を行います。
 また、防犯カメラの設置については、ラグビーワールドカップ2019等を見据え、平成31年度までの4年間で800台設置する計画を30年度までに1年前倒し、市町村等のニーズに対応した設置促進を図ります。
 さらに、法人二税の超過課税を活用して、災害時における緊急輸送道路となる道路・橋りょう等の安全性を向上させるほか、ゲリラ豪雨等による自然災害を防止するための河川整備や、土砂災害防止のための施設の整備を推進します。
 次に、「治安」については、警察が保有する犯罪統計等のビッグデータを活用し、産学官連携のもと、AIを活用した犯罪・交通事故発生予測技法等について調査・研究し、システムの構築を目指します。
 また、急速に多様化・複雑化するサイバー犯罪に対応するため、捜査技術・解析能力を向上させ捜査力を強化するとともに、民間企業等の自主防犯対策を促進するための研修を実施します。
 第四は、「ひとのチカラ」についてです。
 まず、「子ども・子育てへの支援」として、子どもが私立高校等に通う家庭の経済的負担を軽減するため、平成32年度までに実施が予定されている国の就学支援金制度の見直しに先駆けて、県の学費補助を充実し、年収約590万円未満の世帯について授業料の実質無償化を実現します。
 また、待機児童の解消に向けて、国家戦略特区を活用して、県独自の地域限定保育士試験を引き続き実施するとともに、一定の経験を積んだ保育士等をアレルギーや乳児保育など各分野のスペシャリストである「保育エキスパート」等として養成し、保育の質の向上と就業継続の支援を図ります。
 さらに、緊急的な保育ニーズに対応するため、就学前児童の一時預かり事業について、新たに幼稚園において預かる対象を2歳児まで拡大します。
 このほか、青少年センターの機能充実に向け、科学体験活動促進機能については、企業や研究機関と連携し、青少年が先端科学に触れる機会の充実を図るため、科学部の新たな拠点を整備します。また、舞台芸術活動支援機能については、夜間のけいこ場の提供やひきこもり等の青少年を対象とする演劇ワークショップの実施等により支援を充実します。そして、相談・NPO支援機能や指導者育成機能についても、さらなる充実を図ります。
 次に、「教育」についてです。
 まず、「県立高校改革の推進」として、国際バカロレア認定校の設置に向けた準備など、グローバル化に対応した先進的な教育の推進に取り組むとともに、県立高校の再編・統合に向け、高浜高校の定時制教育に必要な新棟の新築工事等を行います。
 また、「新まなびや計画」に基づく県立学校の耐震・老朽化対策や、トイレ環境の改善などを加速化するほか、体育センター及び総合教育センターの再整備や県立図書館の新棟新築工事に係る設計等を行うなど、県立教育施設の整備については、前年度に比べ予算額を大幅に増額させて強力に推進していきます。
 さらに、教員の多忙化を解消するため、資料作成・印刷等といった教員でなくても担える業務を行う「業務アシスタント」を県立学校全校に配置するとともに、部活動の顧問として指導等を行う「部活動指導員」を県立高校10校にパイロット配置することなどにより、教員の業務環境改善を推進します。
 次に、「スポーツ」については、ラグビーワールドカップ2019の横浜開催を成功させるため、共同開催都市の横浜市と連携し、開催準備を行うとともに、国際試合の誘致や、大会1年前イベント、パブリックビューイングを実施するなど、県内全域での機運醸成を図ります。
 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、大会の円滑な運営やその後のセーラーの育成拠点となる、仮称ですが、セーリングセンターを湘南港に整備するほか、江の島大橋の3車線化などの恒久施設の整備を着実に進めていくとともに、ボート競技の事前キャンプにも対応できるよう、東京2020大会と同じ2㎞の競技用コースを相模湖漕艇場に新設します。
 さらに、東京2020大会に向けた機運を醸成するため、セーリングワールドカップシリーズ江の島大会の開催支援やボランティアへの参加促進に向けたイベントを行うほか、新たに、ラグビーワールドカップ2019と東京2020大会の機運醸成等に資する事業を実施する市町村への補助制度を創設します。
 第五は、「まちづくり」についてです。
 まず、「地域活性化」として、県西地域の活性化を図るため、未病バレー「BIOTOPIA」を核として、地域に点在する未病改善拠点の回遊を促進するなど、県西地域活性化プロジェクトを推進します。
 また、三浦半島魅力最大化プロジェクト、かながわシープロジェクトや宮ヶ瀬湖周辺地域活性化の推進についても、引き続き着実に取り組んでいきます。
 次に、「都市基盤の整備」として、県民生活の利便性向上や地域経済の活性化を推進するため、法人二税の超過課税を活用して、東京2020大会に向けて、幹線道路網の整備を進めます。また、神奈川東部方面線や羽田連絡道路の整備に対して引き続き支援します。
 このほかに、人生100歳時代において、子どもから大人まで生き生きと充実した人生を送ることができるよう、様々な学びの場から活躍の場につなぐプロジェクトを立ち上げます。
 また、動物保護センターの建設につきましては、昨年11月の第3回定例会において建設に係る寄附額について、その時点での推移を踏まえ、総額2億3千万円ほどになると見込んでおりましたが、年末に予想を上回る寄附をいただきましたので、現時点では、総額2億5千万円ほどになると見込んでおります。この結果、建設工事費約18億3千万円の財源内訳としては、寄附が2億5千万円、不足する約15億8千万円は県費を充当させていただいております。
 さらに、動物愛護管理の施策を推進するため、「かながわペットのいのち基金」を創設するとともに、新たに、マイクロチップの装着費用や負傷猫の飼養管理費に対して補助を行います。
 以上の施策を中心に、予算編成を行った結果、一般会計の予算総額は、1兆8,328億円となり、前年度との対比では、94.5%となりました。しかし、県費負担教職員の給与負担事務の移譲に伴う政令市への税源移譲の影響を除いた場合は101.4%となり、厳しい財政状況にあっても、攻めの予算を編成することができました。
 また、特別会計については、平成30年4月から、県も市町村とともに、国民健康保険の財政運営を担うことに伴い、新たに国民健康保険事業会計を設置します。県が財政運営の責任主体となることで国保財政の安定化を図るとともに、国及び県の交付金を活用し、未病改善に向けた市町村の取組みを促進し、医療費の適正化につなげてまいります。この新たな会計の設置により、特別会計の規模は、全体として初めて一般会計の規模を超え、対前年度比166.2%の2兆371億円となりました。これらに、企業会計を加えた全会計予算規模の合計は3兆9,874億円と、過去最大の予算規模となっています。
 また、一般会計の財源といたしましては、県税1兆1,808億円、地方交付税910億円、臨時財政対策債を含む県債1,872億円などを計上し、さらに各種財源対策も講じながら、収支の均衡を図った次第です。
 このように、平成30年度当初予算は、介護・医療・児童関係費等の義務的経費、県立教育施設の整備や災害対策等としての公共土木事業などのほか、新たに、国に先駆けて私立高校の授業料実質無償化を実現するなど、県民生活に影響のある施策にしっかりと対応しました。
 そのうえで、かながわグランドデザイン第2期実施計画の最終年度として、「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」をはじめ、「セレクト神奈川100」、「観光振興の取組み」や「ロボットとの共生」などの神奈川モデルを創造・発信していく事業にも、積極的に取り組んでいきます。
 また、本庁機関の再編も踏まえ、限られた財源の中でも、県政課題に的確に対応できるよう、適切な予算計上を行いました。
加えて、ライフステージに応じた未病改善の取組み、子ども子育てへの支援や「ともに生きる社会かながわ憲章」の実現に向けた取組みなどを推進し、子どもたちが100歳までスマイルで過ごせる持続可能な社会を目指すなど、かながわグランドデザインにおける様々な取組みの総仕上げに向けた予算として編成したところです。
 

 次に、予算案以外の案件についてご説明します。
 平成30年度関係としましては、条例の制定2件、条例の廃止3件、条例の改正16件など、全体で26件を提案しています。
 まず、条例の制定ですが、かながわペットのいのち基金条例は、県が保護した犬猫等のいのちを守り、希望する方に譲渡する取組みの充実に向け、募った寄附金の管理等を行うため、基金の設置、管理及び処分について、所要の定めをするものです。
 また、住宅宿泊事業法第18条の規定による住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため、事業の実施を制限する区域及び期間について、所要の定めをするものです。
 次に、条例の廃止ですが、主要農作物種子法の実施に関する条例を廃止する条例は、主要農作物種子法の廃止に伴い、条例を廃止するものです。
 このほか、神奈川県介護福祉士及び社会福祉士修学資金貸付条例を廃止する条例など、2件をお願いしています。
 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 まず、神奈川県消費生活条例の一部を改正する条例は、消費者被害を未然に防ぐため、訪問購入を行う事業者等による不当な取引行為を適正に規制するなど、所要の改正を行うものです。
 神奈川県歯及び口腔の健康づくり推進条例の一部を改正する条例は、歯及び口腔の健康づくりをより一層推進するため、基本理念に、歯及び口腔の健康づくりを通じた未病改善について新たに規定するとともに、基本的施策にオーラルフレイル対策を規定するなど、所要の改正を行うものです。
 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例は、子育て世帯の入居を促進するため、子育て世帯向け住宅の入居者資格等を拡大するなど、所要の改正を行うものです。
 条例については、このほか事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例など、13件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の主な案件ですが、かながわ男女共同参画推進プランの変更は、神奈川県行政に係る基本的な計画を議会の議決事件として定める条例に基づき、計画の変更を提案するものです。
 このほか、建設事業等に対する市町負担金や不動産の処分など、4件を提案しています。
 次に、平成29年度関係の諸議案です。
 まず、一般会計補正予算案でありますが、県税の増収に伴う税交付金等の追加、公共事業の内示減や各種基金事業の事業費の減に伴う減額など所要の措置を講じております。
 なお、歳入面では、県税の増収や財産収入の増額を計上するほか、28年度に引き続き減収補塡債を発行することとしました。そして、これらを踏まえ、県債管理基金の取崩しを中止し、平成30年度の財源として活用することといたしました。
 その結果、一般会計補正予算額は229億円の減額となっており、財源面では地方交付税等の追加と、国庫支出金や繰入金の減額などを調整し、収支の均衡を図っております。
 また、特別会計についても、所要の措置を講じたところです。
 今回あわせて提案しました平成29年度2月補正予算(その2)につきましては、国の平成29年度補正予算第1号が2月1日に成立したことを受け、補正予算措置を講じるものです。
 まず、公共事業の追加ですが、道路、河川、港湾、急傾斜などにおいて、災害対応の強化を図ります。
 また、羽田連絡道路の整備に対して補助を行うほか、ウメ輪紋ウイルスのまん延を防止するため、感染及びその疑いのあるウメなどの木を処分するとともに、それにより生ずる損失を所有者に補償します。
 このほか、県立学校等におけるSNSを活用したいじめ相談体制の構築について調査研究を行います。
 以上が主な内容ですが、一般会計補正予算(その2)の規模としましては、一般会計で85億4,100余万円となっており、財源としては国庫支出金や県債等を計上し、収支の均衡を図っております。
 次に、予算案以外の案件につきましては、条例の制定1件、条例の改正21件など、全体で35件を提案しています。
 まず、条例の制定ですが、過疎地域における県税の課税の特例に関する条例は、過疎地域自立促進特別措置法において、一定の課税免除を行った場合に講じられている普通交付税による減収補填措置を活用した事業税等の課税免除を行うため、所要の定めをするものです。
 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例は、職員の退職手当の支給水準の引下げについて、所要の改正を行うものです。
 条例については、このほか職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例など、20件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、一級河川矢上川地下調節池発進立坑本体工事請負契約など4件を、事業契約の締結は、神奈川県警察職員宿舎整備運営事業の第2期事業契約をお願いするものです。
 このほか、補正予算に関連してご審議いただく建設事業等に対する市町負担金や、県内中小企業への支援対策として、端境期に切れ目のない事業展開を図れるよう、建設事業等について支出を伴わない債務負担行為を設定する、いわゆるゼロ県債の設定に係る専決処分について承認を求めること4件など、8件を提案しています。

 さて、明治の文豪、夏目漱石の言葉に次のようなものがあります。「汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし。」
 いま積み重ねている努力は将来きっと実を結ぶ。来るべき明日のために地道に種を播いていこうというこの言葉は、現在の神奈川県にとって大変意義深いものだと思います。
 この漱石の言葉を胸に刻みながら、子どもたちの未来のためにも、笑顔あふれる超高齢社会を目指して、全力で取り組んでまいります。
 以上をもちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

※ 本会議場で配布した資料をそのまま掲載しています。

神奈川県

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