知事議会提案説明(提案説明 平成29年1回定例会)〔2月提案〕

掲載日:2017年3月31日

知事提案説明 【平成29年 第1回定例会】〔2月提案〕

 提案説明に入ります前に、一言申し上げます。

 昨日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。昨年に続くたび重なる暴挙は、北東アジアの平和と安定を求める国際的な世論を無視し、日本国民に大きな不安を与えるものであり、強い憤りを覚え、極めて遺憾です。県としましては、今後も、国や市町村等、関係機関と緊密に連携して、県民の安全・安心の確保に向け万全を期してまいります。

 それでは、県議会第1回定例会の開会にあたり、提案しました平成29年度当初予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。

 はじめに、津久井やまゆり園についてです。

 県では、昨年9月に、津久井やまゆり園の再生に向けて、全面的な建替えという方向性を決定し、基本構想の今年度中の策定に向けて、検討と調整を進めてまいりました。

 しかしながら、事件後半年ほどが経過する中で、この方向性について多くの声をいただくようになり、去る1月10日の基本構想に関するヒアリングでも、全面的な建替えへの異論を含め、障がい者団体や有識者等から様々なご意見をいただきました。

 そこで、私は、「ともに生きる社会かながわ憲章」の実現のためにも、より多くの方々が納得できる形で進めていくことが大切と考え、様々なご意見を基本構想に適切に反映していくため、もう少し時間をかけて、更なる検討を続けることを決めた次第です。

 具体的には、県障害者施策審議会に基本構想の策定に関する部会を設け、家族会や園の職員、障がい者団体、障がい者施設、学識経験者等からご意見をいただきながら、検討を深めていただくこととします。

 そうした検討の結果を受けて、県としての基本構想案を作成し、これを家族会や地域住民、障がい者団体等に説明し、県議会にご報告した上で、夏頃を目途に基本構想を策定したいと考えています。

 また、入所者ご本人の意思確認についても、どのような形で行うのがよいか、専門家のご意見も伺いながら早期に検討し、実施してまいります。

 県では、こうした取組みを重ねながら、ともに生きる社会の実現に向けて着実に歩んでまいります。

 次に、「スマイルかながわ」についてです。

 このたびの平成29年度予算は、「神奈川モデル加速化予算『スマイルあふれるかながわを目指して』」として編成しました。厳しい財政状況にあっても、すべての人が笑顔で安心して暮らせる社会の実現を目指し、今までの取組みを加速化していく予算としています。

 これまで、県では、世界に例を見ない程のスピードで進行する超高齢社会を乗り越えるため、未病を改善して健康寿命を延ばす取組みを進めてきました。

 そうした中で、昨年からは、 100歳まで生きることが普通の時代においても、皆が元気でいられる社会を目指して、「人生 100歳時代の設計図」というメッセージを発信し、県民の皆様との対話を進めてきました。

 対話を通じて、私たちが目指していく社会のイメージを分かりやすい形で示していく必要性を感じ、このたび皆様に提示したのが「スマイルかながわ」です。

 いま、「一億総活躍」という言葉もありますが、私が対話を通して実感したのは、高齢になっても働き続けたい方がいらっしゃる一方で、活躍しなくてもよいので、心豊かに穏やかに過ごしたい、と望む方も多くいらっしゃるということです。

 そうした中で、皆が笑顔で暮らせる明るい超高齢社会、「スマイルあふれるかながわ」が、私たちの目指す未来像であるとの考えに至り、その実現に向けて、超高齢社会を乗り越えるための今までの県の施策を一層加速化していくこととして、「共生でスマイル」、「未病改善でスマイル」、「マグネット力でスマイル」の三本柱で、取組みの方向を提示した次第です。

 まず、第一に「共生でスマイル」です。これはすべての人が共に笑顔で暮らせるスマイル社会を目指すものです。

 具体的には、昨年の津久井やまゆり園の事件を受けて、県議会の皆様とともに作り上げた「ともに生きる社会かながわ憲章」の実現に向けた取組みの推進、子どもの貧困対策、女性の活躍の推進などのほか、動物愛護の推進などに更に強力に取り組んでいきます。

 第二に「未病改善でスマイル」です。これは、人生 100歳時代を元気で生きがいあふれる健康長寿社会としていくことを目指すものです。

 具体的には、すべてのライフステージに応じた未病対策の充実、人生 100歳時代の総合的な取組みを進めるための、行政、大学、民間、NPO等の協働・連携による基盤づくり、さらに、シニアの学び直しや起業支援のほか、生涯スポーツ社会の実現に向けた取組みなどを一層進めていきます。

 第三は「マグネット力でスマイル」です。これは、神奈川の魅力で人やものを引きつけ、来る人、迎える人のあふれる笑顔を目指すものです。

 具体的には、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックを契機とした 1,000通りのツアー等の企画・商品化の促進など、インバウンド戦略の展開、県西地域や三浦半島地域等の活性化や魅力最大化の取組みによる地方創生の推進、マグカルの新たな展開と発信などのほか、京浜臨海部等における再生・細胞医療産業化を更に推進していきます。

 津久井やまゆり園の事件による悲しみが癒えることはありませんが、この悲しみを力にしながら、神奈川で暮らし、神奈川に集う一人ひとりの笑顔を着実に増やし、「スマイルあふれるかながわ」づくりに邁進してまいります。

 次に、景気動向と県財政の状況についてです。

 政府は、1月の月例経済報告において、企業収益等に改善の遅れもみられるが、生産の持ち直しや雇用情勢の改善などから緩(ゆる)やかな回復基調が続いているとしています。

 また、先行きについては、各種政策の効果もあり、緩(ゆる)やかに回復していくことが期待される一方、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとしています。

 こうした中で、平成28年度の県税収入の見通しですが、28年1月からの株価の下落傾向を反映し、個人県民税の株式等譲渡所得割などで減収が見込まれますので、県税収入全体では、当初予算額を 148億円下回る1兆 2,399億円を見込んでいます。

 この県税に、地方法人特別譲与税などを加えた税収全体では、当初予算額を 211億円下回る1兆 3,591億円にとどまると見込んでおり、リーマン・ショック後の平成21年度以来7年ぶりに当初予算額を下回る見通しとなっています。

 次に、平成29年度の見通しですが、法人事業税について、法人実効税率の引下げの影響で、28年度を下回る見通しであるほか、地方消費税でも減収が見込まれますので、県税収入全体では、前年度当初予算額を 115億円下回る1兆 2,432億円を見込んでいます。

 そして、この県税に、地方法人特別譲与税などを加えた税収全体では、1兆 3,764億円を見込んでいます。

 次に、平成29年度の当初予算編成については、 650億円の財源不足からスタートし、その後、歳入面で、地方譲与税は増収が見込めたものの、地方財政対策の状況から地方交付税等の大幅な減額を見込まざるを得なくなったところです。加えて、歳出面では、子ども・子育て支援などの国予算への対応や、人事委員会勧告に基づく給与改定等、追加の財政需要が生じたことから、さらに財源不足が拡大しました。

 このため、徹底した施策・事業の見直しや歳入の確保などの全庁をあげた取組みに加え、平成28年度中の地方交付税等や不用県有財産の売却による増額、年度中の県税等の減収を補うための減収補塡債の発行など、28年度に確保した財源を活用したものの、なお財源不足を解消することができず、財政調整基金を 178億円取り崩すことで、ようやく収支を均衡させたところです。

 このように、実質的には当該年度中の歳入で歳出を賄えず、多額の財政調整基金の取崩しなど臨時的な財源でようやく収支を均衡させた、近年にない大変厳しい財政状況となっています。また、今後を見通しますと、急速な高齢化などに伴う介護・医療・児童関係費等の義務的経費の増加に加え、老朽化した公共施設の維持修繕コストにも多額の費用が確実に見込まれることなどから、本県は厳しい財政状況が続くものと見込まれます。

 こうした厳しい財政状況ではありますが、神奈川モデルを加速化し、経済のエンジンを回すため、攻めの姿勢を崩すことなく、平成29年度の予算を編成したところです。

 それでは、平成29年度当初予算案の主要な施策について、「かながわグランドデザイン第2期実施計画 プロジェクト編」の項目に従い、順次ご説明します。

 第一は、「健康長寿」についてです。

 まず、「未病」では、健康長寿社会実現に向けた未病改善の取組みとして、企業やスポーツチーム等が、仮称ですが、「子どもの未病対策応援団」として、子どもの未病対策に資するプログラム等を提供する仕組みづくりを行うほか、認知症リスクを軽減するため、コミュニケーションロボットの活用などにより、コグニサイズの普及を推進します。

 また、介護に至る要因となる「ロコモ・フレイル」対策として、高齢者に自己チェックの機会を提供するとともに、加齢に伴う口腔機能の虚弱化、いわゆる「オーラルフレイル」に係るハンドブックを作成し、医療・介護の現場関係者に配布します。

 こうした取組みにより、子どもから高齢者まで、ライフステージに応じた未病改善の取組みを推進します。

 次に、「医療」については、団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年に向けて、地域における医療サービスの提供体制を強化するため、地域医療介護総合確保基金を活用して、医療機関の病床を転換するための施設整備、在宅医療や在宅歯科医療の体制の整備、医療従事者の確保などに取り組みます。

 また、認知症対策を推進するため、県立精神医療センターの診療体制を整備し、併せて、磁気共鳴断層撮影装置、MRIを導入することにより、認知症の医療や研究を行います。

 次に、「高齢者福祉」については、地域の実情に応じた介護施設等の整備に対して補助を行うほか、介護人材の確保・定着を目指し、就労や資格取得への支援、優良事業所表彰などを行います。

 次に、「障がい者福祉」については、平成28年10月に策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念を県民はもとより、全国に向けて発信し、共感を広げていくため、事件の発生した7月26日を含む1週間を「ともに生きる社会かながわ推進週間」として定め、事件の犠牲者を悼むとともに、憲章の集中的な普及啓発等に取り組みます。

 また、社会福祉施設の安全管理体制を充実・強化するため、県立障害福祉施設において夜勤従事職員を増員するほか、民間施設の安全管理体制の整備等に対する支援を行います。

 さらに、津久井やまゆり園の再生に向けた取組みについては、基本構想の策定の時期を3月から夏頃としたため、建物除却の設計等に係る経費のみを計上することとし、建替工事設計費の予算計上を見送ることとしました。予算計上の時期、内容につきましては、基本構想の策定を踏まえ、改めて検討してまいります。

 このほか、神奈川県手話推進計画に基づき、県機関の窓口におけるタブレット端末による遠隔手話通訳サービスの導入や手話講習会の開催など、手話言語の普及を推進します。

 次に、「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」については、ヘルスケア社会システムの構築に向けた取組み等を推進するとともに、県民への未病概念の浸透・行動変革の促進を図ります。

 具体的には、実際の生活の場で、未病関連商品・サービスを県民が実証する場や実証結果を科学的に評価する仕組みである「神奈川ME-BYOリビングラボ」を構築するとともに、ヘルスケア分野のベンチャー企業等を支援するため、民間と連携し、仮称ですが、「ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド」を組成します。

 また、産・学・官が連携し未病を議論する、「ME-BYOサミット神奈川2017in箱根」を開催します。

 さらに、県民や企業などが健康情報等を効果的に利活用できる「マイME-BYOカルテ」の普及・拡大を行うほか、メディカル・イノベーションスクール設置推進事業費として、県立保健福祉大学大学院に新たに研究科を設置するため、教育内容や教員の決定に向けた準備を行います。

 第二は、「経済のエンジン」についてです。

 まず、「観光立県かながわ」の実現に向けて、外国人観光客を誘致するため、 1,000通りのツアー等の企画・商品化に向けた取組みや戦略的なプロモーションを行うほか、外国人観光客の受入れ環境の整備を促進するため、観光施設等が行う多言語表示などに係る経費に対して支援します。

 また、北陸・東北及び中部地方をメインターゲットに戦略的プロモーションを行うとともに、日本遺産を核として歴史文化を活用した観光振興を推進します。こうした取組みにより、国内外からの観光客を呼び込み、平成30年に本県への入込観光客2億人を達成していきます。

 さらに、マグカルについては、神奈川発の魅力的なコンテンツの創出、地域の文化資源の掘り起こしと発信を行うとともに、マグカルの担い手となる人材の育成を行うなど、マグカルの全県展開を推進します。

 次に、「産業創出」についてです。

 まず、「セレクト神奈川 100」については、今後、市場の創出や拡大が見込まれる未病、ロボット、観光といった成長産業の企業等が行う土地、建物及び設備への投資に対し補助することなどにより、県外・国外から企業等の立地を促進するとともに、海外展開を目指す企業に対して、ニーズに応じた支援を実施し、県内経済の活性化を図ります。

 また、中小企業・小規模企業活性化の推進については、産業技術センターと公益財団法人 神奈川科学技術アカデミーを統合し、「地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所」を設立し、県内の中小企業等に対する技術支援を強化するとともに、中小企業制度融資の融資枠について、前年度と同額の 2,600億円を確保したところです。このほか、ベンチャーの創出を促進するため、起業啓発イベントの開催、起業実現に向けた相談会や起業塾による支援を行います。 

 さらに、ロボットと共生する社会の実現に向けて、県内中小企業のロボット事業への参入を促進するため、ロボット開発プロジェクトの経費に対して支援するほか、自動車の自動運転の実証を促進するため、市街地等での実証実験への支援やイベントの開催等による自動運転への県民の理解促進と機運醸成を図っていきます。

 次に、「エネルギー」に関しては、かながわスマートエネルギー計画を推進するため、固定価格買取制度を活用した導入加速化に加え、制度を利用しない自家消費型の太陽光発電等の導入費に対して補助するなど、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入加速化に取り組みます。

 また、引き続き、燃料電池自動車、FCVの導入費や水素ステーションの整備費に対する補助を行うほか、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEH(ゼッチ)とネット・ゼロ・エネルギー・ビル、いわゆるZEB(ゼブ)の導入を促進するための支援も行います。

 次に、「農業・水産業の活性化」についてです。

 まず、県内の農業生産を維持するため、意欲ある若手生産者に対して、経営能力の開発・向上を目的とした研修会を実施し、優れた経営感覚を有し、規模拡大ができる「トップ経営体」を育成するとともに、女性の農業進出や経営参画を促進するため、経営改善手法等の研修や就農希望者のインターンシップ、SNS等による女性農業者のイメージアップ支援を行います。

 また、水産業については、稚魚の放流と漁獲管理を一体的に取り組む「資源管理型栽培漁業」を推進するため、資源管理手法を開発するとともに、管理の担い手となる漁業者に対する研修を行います。このほか、水産技術センターの栽培漁業施設の再整備に向けた概略設計を実施します。

 さらに、鳥獣被害対策の推進として、野生鳥獣による農業被害や生活被害の軽減に向けて、「鳥獣被害対策支援センター」を新たに設置し、地域ぐるみで取り組む鳥獣被害対策への支援を強化します。

 第三は、「安全・安心」についてです。

 まず、「減災」については、災害に強いかながわを目指し、近年の災害の多様化、大規模化に対応するため、消防学校に様々な災害現場の再現が可能な消防訓練施設を新設し、オール神奈川の実践的トレーニングセンター、「かながわ版ディザスターシティ」として整備します。

 また、防災啓発ブックの県内全世帯・事業所への配布や、総合防災センターにおける防災教育機能の充実・強化などを通じて県民への防災知識の普及拡大を図ります。

 さらに、法人二税の超過課税を活用して、災害時における緊急輸送路となる道路・橋りょう等の安全性の向上を推進するほか、ゲリラ豪雨等による自然災害を防止するための河川整備や、土砂災害防止のための施設の整備を推進します。

 次に、「治安」については、性犯罪・性暴力の被害者が必要なときに必要な支援が受けられるよう、24時間 365日安心して相談できる「性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター」、仮称ですが、「かならいん」を開設し、関係機関の連携による総合的支援体制を整備します。

 また、交通安全対策として、従来の交通取締資器材に加え、生活道路でも速度取締りが可能となる新型速度測定機を整備し、交通事故の抑止を図るほか、平成27年に把握した著しく摩耗し見えにくくなっている道路標示の補修を3か年計画から2か年計画に前倒して平成29年度中に完了させます。

 第四は、「ひとのチカラ」についてです。

 まず、「男女共同参画の取組み」として、「かながわ女性の活躍応援団」を中心に女性の活躍を応援する社会的ムーブメントの更なる拡大に向けて取り組みます。

 次に、「子ども・子育て支援」についてです。

 まず、待機児童の解消に向け、年3回目の保育士試験として、国家戦略特区を活用した県独自の地域限定保育士試験を実施し、県内の保育士確保を図るほか、一定の経験を積んだ保育士等をアレルギーや乳児保育など各分野のスペシャリストである「保育エキスパート」等として養成し、保育の質の向上と離職防止を図ります。

 また、子どもの貧困対策として、市町村が窓口対応していない平日夜間や土日休日の電話相談窓口を新たに開設し、ひとり親家庭の相談に対応するほか、社会的養護が必要な児童の自立を支援するため、児童養護施設を退所した児童等の就労を支援するコーディネーターの配置などを行います。

 このほか、虐待の影響などから様々な課題を抱えた、発達障がいや知的障がい等がある子どもに対し総合的な支援を行うため、平塚市に「子ども自立生活支援センター」を開設し、心理・医療等の専門的ケアを行います。

 次に、「教育」については、質の高い教育の充実に向け、生徒の英語力向上を目指す取組みを進めるとともに、グローバル化に対応した先進的な教育の推進に取り組むほか、県立高校の再編・統合に向け、平塚農業高校・平塚商業高校の商業教育に必要な新棟の実施設計等を行うなど、県立高校改革を推進してまいります。

 また、「新まなびや計画」に基づく県立学校の耐震・老朽化対策や、トイレ環境の改善などを着実に推進するほか、体育センター及び総合教育センターの再整備や近代美術館等の社会教育施設の整備を行います。

 次に、「スポーツ」については、ラグビーワールドカップ2019に向け、共同開催都市の横浜市と連携し、開催に向けた準備を行うとともに、市町村や企業と連携したイベントを実施するなど、県内全域での機運醸成を図ります。

 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、セーリング競技の円滑な実施のため、引き続き、江の島大橋の拡幅整備を行うほか、新たに、次代を担うセーラーを育成する拠点ともなる、仮称ですが、「セーリングセンター」の整備に係る設計や、ボート競技の事前キャンプを県内に誘致するための相模湖漕艇場の改修などの施設整備に着手します。

 このほか、陸上で行う出張型体験会等の各種セーリング体験会や1,000日前イベントの開催により大会の機運を醸成していきます。

 第五は、「まちづくり」についてです。

 まず、「地域活性化」として、県西地域の活性化を図るため、未病の普及啓発を行う拠点施設である、仮称ですが、「未病いやしの里センター」の展示施設を整備し、平成29年度中の開設を目指すなど、「県西地域活性化プロジェクト」の更なる推進を図ります。

 また、引き続き「三浦半島魅力最大化プロジェクト」や「かながわシープロジェクト」にも取り組むほか、宮ヶ瀬湖周辺地域において観光を通じた地域活性化を推進するため、観光プロモーションやアクティビティの充実を図ります。

 次に、「環境」として、昨年、延長をお認めいただいた個人県民税の超過課税を活用して、平成29年度からの「第3期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に基づく取組みを着実に進めてまいります。

 次に、「都市基盤の整備」として、県民生活の利便性向上や地域経済の活性化を推進するため、法人二税の超過課税を活用して、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、幹線道路網の整備を進めます。また、神奈川東部方面線の整備に対して引き続き補助するとともに、新たに、羽田連絡道路の整備に対する支援を行います。

 このほかに、人生 100歳時代に向けた取組みとして、一人ひとりが生涯に渡り輝き続けることができる社会を実現するため、県・市町村・大学等による連携組織を設置し、中高年齢者の活躍のための仕組みを構築するほか、ライフキャリア教育の促進や企業のテレワークの導入に対する支援を行います。

 また、動物保護センターの建替えにつきましては、犬・猫殺処分ゼロを全国に先駆けて達成した動物愛護の先進県として、早期の拠点整備が必要であることから、平成31年4月の開設に向け、29年度から本館の新築工事に着手することとし、寄附金を財源として計上しました。寄附金については、現時点で1億 2,500余万円のご寄附をいただいています。目標額から比べますと大変厳しい状況ではありますが、多くの方々と力を合わせてセンターを作り上げることは大変重要ですので、ふるさと納税や海外からの寄附など、引き続き寄附募集に全力で取り組んでまいります。

 その上で、平成31年4月の開設に向けて、なお寄附額が不足する場合には、工事費への県費充当も検討したいと考えています。

 以上の施策を中心に、予算編成を行った結果、一般会計の予算総額は、1兆 9,402億円となり、前年度との対比では、96.3%となりました。しかし、平成29年度からの政令市への県費負担教職員の給与負担事務の移譲による影響額を除いた場合は99.9%となり、前年度と同規模を確保しています。

 これに、特別会計と企業会計を加えた全会計予算規模の合計は3兆2,746 億円となっています。

 また、一般会計の財源といたしましては、県税1兆 2,432億円、地方交付税 920億円、臨時財政対策債を含む県債 1,885億円などを計上し、さらに各種財源対策も講じながら、収支の均衡を図った次第です。

 平成29年度は、県税が減収見通しであるなど、例年にも増して厳しい財政状況が見込まれますが、そうした中にあっても、すべての人が笑顔で安心して暮らせる社会の実現を目指し、介護・医療・児童関係費等の義務的経費はもちろん、子ども・子育て支援、地域医療体制の整備、福祉施策の推進、県立高校の改革、自然災害対策としての河川・急傾斜地の整備をはじめとした公共土木事業、県立教育施設等の老朽化対策など、県民生活に影響のある施策に、まずはしっかり対応することといたしました。

 そのうえで、神奈川から経済のエンジンを回すため、攻めの姿勢を崩すことなく、これまで取り組んできた「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」をはじめ、「セレクト神奈川 100」、「観光振興の取組み」や「ロボットとの共生」などの神奈川モデルを加速化させる予算を編成したところです。

 次に、予算案以外の案件についてご説明します。

 平成29年度関係としましては、条例の廃止3件、条例の改正16件など、全体で24件を提案しています。

 まず、条例の廃止ですが、キヤンプ禁止区域に関する条例を廃止する条例は、所期の目的を達成したキャンプ禁止区域の指定制度を廃止するものです。

 このほか、工場立地法第4条の2第1項の規定に基づく準則を定める条例を廃止する条例など2件をお願いしています。

 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。

 まず、神奈川県立の障害者支援施設に関する条例の一部を改正する条例は、津久井やまゆり園の一部機能を、県立ひばりが丘学園跡地に芹が谷園舎として仮移転すること、及び、秦野精華園の民間移譲に伴い、所要の改正を行うものです。

 また、神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例ほか定数関連2条例は、県職員、市町村立学校職員、地方警察職員の定数について、それぞれ改正するものです。

 条例については、このほか事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例など、12件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の主な案件ですが、神奈川県科学技術政策大綱の変更は、人口減少社会の到来やICTの進展など近年の社会経済状況の変化に対応するとともに、現在の計画期間終了後も、国の「第5期科学技術基本計画」等を踏まえて、更に科学技術政策を推進していく必要があるため、大綱の変更を提案するものです。

 また、不動産の処分については、七沢リハビリテーション病院脳血管センターの土地及び建物を医療法人社団葵会に売却しようとするものであり、保健所業務に関する事務の委託については、茅ケ崎市に寒川町の区域に係る保健所業務に関する事務を委託するため、地方自治法の規定により提案するものです。

 このほか、建設事業等に対する市町負担金など2件を提案しています。

 次に、平成28年度関係の諸議案です。

 まず、一般会計補正予算案でありますが、給与改定等に伴う人件費の増額、公共事業の内示減や各種基金事業の事業費の減に伴う減額など所要の措置を講じています。

 なお、歳入面では、県税について、個人県民税の株式等譲渡所得割などの減収により、 148億円の減額補正となっています。

 一方、予算計上額を上回って交付を受けた地方交付税を計上するほか、法人事業税等の減収を踏まえ、減収補塡債を発行することとしました。これらを踏まえ、県債管理基金の取崩しを一部中止し、平成29年度の財源として活用することといたしました。

 その結果、一般会計補正予算額は 338億円の減額となっており、財源面では地方交付税や県債の追加と、県税や繰入金の減額などを調整し、収支の均衡を図っています。

 また、特別会計・企業会計についても、所要の措置を講じたところです。

 今回あわせて提案しました平成28年度2月補正予算(その2)につきましては、国の平成28年度補正予算第2号に盛り込まれていた地方創生拠点整備交付金について、先日、国から内示されたことを受け、措置を講じるものです。

 その内容といたしましては、宮ヶ瀬湖周辺地域での地域活性化のためのアクティビティ施設や、農業技術センター、畜産技術センター及び産業技術センターにおいて技術研究・開発のための施設整備等を行うものであります。

 一般会計補正予算(その2)の規模としましては、一般会計で5億6,900 余万円となっており、財源としては国庫支出金や県債等を計上し、収支の均衡を図っています。

 次に、予算案以外の案件につきましては、条例の制定2件、条例の廃止1件、条例の改正12件など、全体で33件を提案しています。

 まず、条例の制定ですが、神奈川県スポーツ推進条例は、県民の誰もが生涯にわたりスポーツを楽しみ、県民の心身の健全な発達、健康で明るく豊かな生活及び活力ある地域社会の実現に寄与するため、基本理念、県の責務、スポーツの推進に関する施策の基本となる事項等について、所要の定めをするものです。

 また、神奈川県工芸品の加工等に係る手数料徴収条例は、県が依頼を受けて行う工芸品の加工等に係る手数料の徴収に関し、必要な事項を定めるものです。

 次に、条例の廃止ですが、神奈川県森林整備加速化・林業再生事業基金条例を廃止する条例は、森林整備加速化・林業再生事業の実施期間満了に伴い、廃止するものです。

 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。

 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例ほか給与関連2条例は、人事委員会の勧告等を勘案し、職員の給料表等の改定を行うなど、所要の改正を行うものです。

 条例については、このほか神奈川県手数料条例の一部を改正する条例など、9件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、相原高校新築工事など5件を、工事請負契約等の変更は、新庁舎改修及び増築工事など6件の請負金額等の変更をお願いするものです。

 このほか、補正予算に関連してご審議いただく建設事業等に対する市町負担金や、県内中小企業への支援対策として、端境期に切れ目のない事業展開を図れるよう、建設事業等について支出を伴わない債務負担行為を設定する、いわゆるゼロ県債の設定に係る専決処分について承認を求めること4件など、7件を提案しています。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。

 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。

 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

※ 本会議場で配布した資料をそのまま掲載しています。

神奈川県

このページの所管所属は 知事室 です。