知事議会提案説明(提案説明 平成28年第2回定例会)〔5月提案〕

掲載日:2016年6月2日

知事提案説明 【平成28年 第2回定例会】〔5月提案〕

 本日、提案しました平成28年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。

 はじめに、地震防災対策についてです。

 去る4月14日以降に発生した平成28年熊本地震は、多くの犠牲者や負傷者、さらには家屋の倒壊など甚大な被害をもたらしました。

 私は、知事に就任して以来、県民の「いのち」を守ることが最大の使命だという思いで、地震防災対策に取り組んできましたが、今回の熊本地震により、改めてその思いを強くしたところです。

 県では、この4月から、新たな「地震防災戦略」をスタートさせ、県民のいのちを守ることを最優先に、被害の軽減に取り組むこととし、この戦略に掲げた減災目標の達成に向けて、自助・共助・公助が一体となった取組みを進めることとしています。

 また、この4月から、政令指定都市を含めた県内全ての消防本部による広域応援体制を構築し、大規模災害時には、私を本部長とする「神奈川県消防広域運用調整本部」、略称「かながわ消防」を運用する仕組みを整えました。

 今後は、こうした体制のもとで、県と県内市町村が一丸となって、大規模災害等に対応してまいります。

 なお、箱根・大涌谷周辺の火山活動については、依然として火山ガスの濃度に注意が必要であり、観測体制を継続して火山ガスの計測や評価を進めてまいります。一方で、箱根ロープウエイの姥子駅・大涌谷駅間での運転再開という明るいニュースもありました。引き続き、関係機関と連携して早期の全線運転再開に向けて取り組んでまいります。

 次に、国際観光の推進についてです。

 ラグビーワールドカップ2019と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の2つのビッグイベントは、神奈川の魅力を世界に発信し、神奈川へ人を呼び込む、絶好のチャンスとなります。

 最新の外国人旅行者に関する統計によると、2015年の県内への外国人訪問者数は 223万人で、前年の 165万人に比べて大幅な増加となっています。こうした勢いを2つのビッグイベントまで着実につなげて、観光立県かながわを実現していきたいと考えています。

 そのために、海外からの観戦者を含む外国人観光客の受入れに向けて、ホテルを誘致するなど、宿泊施設対策に取り組みます。

 また、県内の観光を十分に楽しんでいただけるように、周遊型や滞在型など 1,000件のツアーを企画・商品化し、外国人観光客の様々なニーズに対応しながら、県内での観光消費の増大も図っていきます。  

 併せて、新たな観光の核づくりや、かながわシープロジェクトなどの取組みを一層推進し、国際的にも魅力ある観光地域づくりを進めていきます。

 さらに、文化プログラムについて、全市町村に呼びかけ、地域の伝統芸能をはじめとする様々な文化芸術の魅力を、オール神奈川で発信します。国際観光戦略と一体となって、マグカルのブランドイメージのもと、世界の人々を神奈川へ引きつけてまいります。

 次に、女性の活躍支援についてです。

 昨年11月に、私が団長を務める「かながわ女性の活躍応援団」を結成し、まず女性の活躍に関する男性の意識改革の必要性をアピールするなど、社会的ムーブメントの着実な拡大を図りました。さらに、本年2月に、私をはじめとする県幹部が、女性の活躍にもつながる「かながわ一斉イクボス宣言」を実施し、5月の連休中には、県内企業等への「イクボス」の普及をねらいとするPR動画を作成・公開しました。

 このほか、県では、国家戦略特区を活用した、全国初となる外国人の家事支援人材受入れの取組みを進めており、これにより家事等の負担を軽減して、働きたい女性の働く環境を整えていきます。

 また、同様に国家戦略特区を活用した全国初の取組みとして、子育て環境の充実に向けて、保育士の確保を図るため、昨年10月に県独自の地域限定保育士試験を実施しました。このことが国の規制改革を促して、今年度からは全国共通で年2回の保育士試験が行われることとなりました。

 こうした取組みと併せて、働きたい女性のためのカウンセリング事業や「神奈川なでしこブランド事業」などを着実に進め、女性が能力を発揮して活躍できる社会を実現してまいります。

 さらに、県としても女性職員の登用に積極的に取り組んでおり、平成28年4月1日の定期人事異動の結果、知事部局における課長級以上の職員 756人のうち、女性は 121人で、構成比は16.0パーセントとなり、昨年比で1.3ポイントの上昇となりました。引き続き、県自らが、女性職員の登用を積極的に進めてまいります。

 次に、人生 100歳時代の設計図に関する取組みについてです。

 いま、我が国では、人類がかつて経験したことのない超高齢社会を迎えており、特に本県は、全国と比べても大変早いスピードで高齢化が進んでいきます。このため、県では、ヘルスケア・ニューフロンティアという政策を掲げ、超高齢社会を乗り越える神奈川モデルを作ろうとしています。

 また、我が国の 100歳以上の人口も増加を続けており、1963年には全国で 153人であった 100歳以上人口が、2010年までの50年間で約300倍となり、今後さらに増加することが見込まれています。

 そこで、私は、 100歳をひとつのゴールとして、そこから逆算して人生の設計図を描いていくことが大事になるとともに、行政としても、それに対応する取組みが必要と考え、「人生 100歳時代の設計図」というテーマを問題提起させていただいたところです。

 このテーマは、県民一人ひとりに自分自身のこととして考えていただきたい大変重要な課題でありますので、幅広く県民の皆様や市町村、県議会の皆様とも議論を重ねていきたいと考えております。そこで、7月にシンポジウムを開催するほか、「人生 100歳時代の設計図」を今年度の「対話の広場」の年間テーマに設定し、各地域へ私が赴いて、県民の皆様と意見交換を進めてまいります。

 それでは、このたび提案いたしました補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。

 今回の補正予算では、当初予算編成後の状況の変化により、早急に対応する必要があるものについて措置することといたしました。

 まず、地域医療介護総合確保基金事業についてです。

 介護サービス事業所等においては、自立支援をしっかりと行うことにより、要介護度を改善することができたという事例もあります。しかし、現行の介護保険制度では、その結果、事業所への介護報酬が減り、努力した事業所が報われない仕組みとなっています。そこで、努力した介護サービス事業所等が報われる社会の実現に向けて、要介護度の維持・改善、人材育成、処遇改善に成果をあげた介護サービス事業所等にとってインセンティブとなる神奈川独自の奨励金制度を創設します。

 また、新たな介護人材の参入等を促進するため、中高年齢者の介護分野への就労支援を行うほか、喀痰吸引等研修を新たに実施する事業者が必要とする研修機器などの経費に対する支援等を行います。

 このほか、PFI事業として実施する県立体育センター及び総合教育センターの再整備や、県が管理するビジターセンター、県営住宅の指定管理について、それぞれ債務負担行為の設定をお願いしています。

 以上が、補正予算案の内容ですが、補正予算の総額は、一般会計で1億 5,800余万円となり、財源は全額基金からの繰入金を充当しています。

 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の改正9件、工事請負契約の締結1件、工事請負契約の変更3件など、全体で20件のご審議をお願いしています。

 まず、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。

 神奈川県立平塚看護専門学校条例の一部を改正する条例は、平成29年4月からの平塚看護専門学校の4年制改編に向け、学校名を「神奈川県立平塚看護大学校」に変更するとともに、修業年限及び授業料を改定するため、所要の改正を行うものです。また、神奈川県立よこはま看護専門学校条例及び神奈川県立衛生看護専門学校条例の一部を改正する条例は、よこはま看護専門学校及び衛生看護専門学校の授業料を改定するため、所要の改正を行うものです。

 条例については、このほか神奈川県議会議員及び神奈川県知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例など、7件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、県営阿久和団地公営住宅新築工事を、工事請負契約の変更は、新庁舎改修及び増築工事などの請負金額の変更をお願いするものです。

 このほか、動産の取得や指定管理者の指定など7件を提案しています。

 なお、平成27年度の一般会計の決算見込みにつきましては、現在計数を精査中であり、最終確定には至っていませんが、実質収支では黒字決算が見込まれますことを、あわせてご報告申し上げます。

 さて、英国の著名な政治家であり、第2次世界大戦下の英国で強い指導力を発揮したウィンストン・チャーチルの言葉に、次のようなものがあります。「悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見出す。楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す。」

 この言葉は、現在の神奈川県においても非常に示唆に富む言葉と思います。目下進行中の超高齢社会や厳しい県財政という状況の中から、悲観主義者の目で課題を冷静に見出すとともに、それらを楽観主義者の目で神奈川飛躍のチャンスとしてしっかりと捉え、実行していく。このようにチャーチルの言葉を肝に銘じながら今後の県政運営にあたってまいります。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。

 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。

 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

※ 本会議場で配布した資料をそのまま掲載しています。

神奈川県

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