
取組事例

持続可能なまちづくりを推進し、
EVを6台導入

箱根モビリティサービス株式会社
取締役 太田 直人 様
神奈川県西部の小田原・箱根・足柄エリアを中心にタクシー・ハイヤー事業を展開する箱根モビリティサービス株式会社。環境負荷低減に貢献するEV(電気自動車)タクシーの導入など、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。同社の太田様にお話を伺いました。
EVを導入したきっかけを教えてください。
地域の環境意識と
親会社の先進的な取組が後押しに
「脱炭素先行地域」である小田原市と「環境先進観光地」としての取組を推進している箱根町を主な営業エリアとする当社にとって、EVの積極的な導入は必然性のあるものです。当社の親会社(株式会社日の丸リムジン)も早期からEVを導入するなど、SDGsの取組に積極的であることから、EVタクシーを導入し、脱炭素の取組を行っています。


取組の具体的な内容を教えてください。

正木さん、箱根町 勝俣町長

箱根モビリティ株式会社 於保代表取締役社長
地域に密着した取組
2023年5月に小田原市と包括連携協定を締結し、脱炭素社会の実現に向けた交通分野での取組や防災・災害対応の充実、交通安全教育などを進め、持続可能なまちづくりを推進することを目指しています。
包括連携協定に基づき、地域の防災訓練の際には、実際に小学校にEVを運び込み、給電デモを実施しています。実際に停電が発生した際は、家庭用電源として数日分の電力を供給することが可能です。
その他にも、小田原市、箱根町が実施する環境関連の絵画コンクールの入賞作品をEVにラッピングする取組も行っております。EVである日産サクラには「令和5年度観光美化・自然愛護ポスターコンクール」において最優秀作品に選ばれた正木さんのポスター作品をラッピングしています。作品を描かれた方やご家族、学校関係者の方々に大変喜ばれており、地域の方々との良好な関係構築にもつながっています。
EVを実際に導入してみていかがですか。
維持費と運用の両面で
EVの効果を実感
当社ではタクシー車両68台のうち、8割の車両は、ハイブリッド車に切り替えており、EVは、「令和5年度神奈川県事業用EV導入費補助金※」を活用した「日産サクラ」も含め、2025年6月現在、6台導入しています。
EVの導入は、環境負荷低減だけでなく、維持費の削減にもつながっています。購入時の費用はガソリン車より高い傾向にありますが、1回の充電料金は数千円で、ガソリン代と比較して、コストが削減できています。部品の数もガソリン車に比べて少なく、エンジンオイルなどの交換も不要なため、メンテナンス費用も抑えられ、当社の場合、維持にかかる費用はガソリン車の3分の1程度に削減できています。
EVタクシーの運用面では、当社のタクシードライバーの平均的な1日の走行距離は約200キロですが、現在のEVでも十分に走行可能です。箱根エリアのようなアップダウンのある地形では、上り坂では充電を消費しますが、下り坂のように減速する際に、回生ブレーキによって電気をバッテリーに回収することで充電が回復するため、効率的な走行が可能です。
箱根エリアには急速充電設備も比較的多く、運用上の大きな支障はありません。


※神奈川県事業用EV導入費補助金:令和7年度は、神奈川県事業用等EV導入費補助金に名称が変更されております。

EVによるお客様の反応を教えてください。


お客様が評価するEVの快適性と
高まる環境配慮ニーズ
お客様からは、EVはエンジン音がなく「車内が高級車並みに静かですね」とのお声をよくいただいています。特に観光地では、運転手が観光ガイドの役割も担ってご説明をすることも多いのですが、静かで聞き取りやすいといった環境を提供できています。
最近、特にイギリスなど欧米からのインバウンドを扱う旅行会社様から、お客様の要望として、EV指定でご予約をいただくことがあります。環境意識の高い方が、移動手段としてEVを選ぶことへも、EV導入が役立ち、お客様満足にもつながっています。
EVを検討されている方へのメッセージや今後の方針をお願いします。
EVが持つ多様な可能性
EVは、静粛性や環境性能に優れているだけでなく、災害時の停電発生時には避難場所などで電気を供給できるなど、防災面でも貢献可能です。今後も脱炭素につながるEVは普及していくと思われます。当社でも、今後もEVの台数を増やしていく方針です。


企業プロフィール
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- 称号
- 箱根モビリティサービス株式会社
- 所在地
- 神奈川県小田原市板橋102-3
- 設立
- 1967年4月1日
県の補助金や支援制度を
活用した取組事例

