令和元年度黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

掲載日:2020年4月9日

令和元年10月24日に開催した対話の広場横須賀三浦会場の様子

横須賀三浦会場の概要

開催日時

令和元年10月24日(木曜日)18時30分から20時

会場

ヨコスカ・ベイサイド・ポケット(横須賀芸術劇場小劇場)

テーマ

持続可能な神奈川に向けて

地域テーマ

みんなでつくる!笑いあふれる三浦半島

内容 1 知事あいさつ

2 事例発表

【事例発表者】

小松 春雄さん(七里ガ浜自治会 会長)

桒村 宰知子さん(合同会社オン・ザ・ハンモック グラフィックデザイナー兼取締役)

3 会場の皆様との意見交換
4 知事によるまとめ
参加者数 221人

知事あいさつ

 こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。ようこそ知事あいさつ01いらっしゃいました。この対話の広場には年間テーマがあり、年間を通じて開催しています。今年のテーマは「持続可能な神奈川に向けて」です。

 就任以来、「いのち輝く神奈川」を、掲げてまいりました。いのち輝くためには何が大事ですか。医療が充実することは大事なことです。しかし、それだけでは「いのち」は輝きません。医療も大事ですが、安全安心な食、食を支える農業、エネルギー、環境も大事です。労働、産業、まちづくりなど、あ知事あいさつ02りとあらゆるものが一体となって連携していないといけません。しかし、国の省庁では、担当する部署がそれぞれ違います。縦割り行政となっており、連携していません。神奈川県では、すべてを連携させることを目標としています。

 国連は、「持続可能な開発目標」、すなわちSDGsというものを作りました。SDGsを知らない人は、今日は絶対覚えて帰ってくださ知事あいさつ03い。地球は今のままだと持続可能でなくなるのです。これまでに経験したことのない規模の台風が来るなど、地球は持続可能ではなくなってきているのではないか、と感じさせる出来事もありました。このカラフルな17の開発目標を1つ1つ見てみると、「すべての人に健康と福祉を」、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「住み続けられるまちづくりを」、「質の高い教育をみんなに」など、様々な目標があります。これらは、「いのち輝く神奈川」と同じです。「SDGsに関して最先端自治体を目指そう」と取り組んでいたら、政府が認めてくれました。昨年6月に「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」の両方に全国10の自治体が選ばれ、都道府県としては神奈川県だけが選ばれました。神奈川県内では、鎌倉市と横浜市も同時期に選ばれました。第2期では、小田原市と川崎市も選ばれました。

知事あいさつ04 SDGsは、イメージとしては分かるが、実態が分かりにくいといわれます。SDGsの達成に向けて、何をするべきなのか。自分ごととして何ができるのか。昨年、鎌倉市の海岸にシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げられました。このシロナガスクジラの赤ちゃんのおなかを開けたら、プラスチックごみが出てきました。これは、クジラからのメッセージであると受け止め、「かながわプラごみゼロ宣言」を出しました。2030年までにリサイクルされないプラスチックごみをゼロにしましょうと呼びかけています。

 これをみんなで取り組むことが、SDGsの自分ごと化で知事あいさつ06す。今年の7月にニューヨーク国連本部に行きました。国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)の主要イベントである「Local2030」に登壇し、本県のSDGsの取組や、「SDGs全国フォーラム2019」で発表した「SDGs日本モデル」宣言を世界に向けて発信しました。

 

 

知事あいさつ07 若葉台団地の話です。若葉台団地の高齢化率は、全国平均28.0%に対し、47.8%です。高齢化が、こんなに進んでいるのに、要介護認定率が全国平均18.0%に対し、若葉台団地は12.2%で、そして、この10年で高齢化率は上がっていますが、要介護認定率は下がってきています。こんなに高齢化が進んでいるのに要介護が減っています。若葉台団地では、自治会活動が盛んです。多世代交流の場を設けたり、子育てをみんなで支援したり、イベントなどを開催し、その結果としてこのような数値が出ています。「要介護認定率を下げる目的で自治会活動を行っているのですか」と質問したところ、自分たちが住みやすい街、楽しい街にしようとやってきた結果だそうです。

知事あいさつ08 コミュニティの力は、いのち輝くためには大事なことです。コミュニティを再生・活性化していかないといけません。住まい、仕事もコミュニティの1つです。学生なら、学校もコミュニティの1つです。趣味もコミュニティの1つです。コミュニティの形にはいろいろとあり、市町村が中心となって取り組んでいますが、県がその取組を支えようと考えています。趣味のコミュニティを活性化させる取組として、横須賀シニア劇団がスタートしました。もうすぐ発表の場があり、私も楽しみにしています。

知事あいさつ09 今日は、三浦半島地域のコミュニティ活性化がテーマです。三浦半島では「三浦半島魅力最大化プロジェクト」に取り組んでいます。三浦半島には、魅力がたくさんあります。海の魅力、食の魅力、地域の魅力、働く魅力、住む魅力。いのち輝く素晴らしい三浦半島を実現するために、皆さんが一体何をすればいいのか。我々が何をすべきか、皆さんと一緒に議論して、笑いあふれる100歳コミュニティを目指していきたいと思います。

事例発表

(司会)

 ありがとうございました。それでは続いて、本日の地域テーマについて活動をされている方お二人に、事例発表をしていただきます。はじめに、小松春雄様をご紹介します。小松様は、鎌倉市の七里ガ浜自治会の会長を務められています。七里ガ浜に40年以上お住まいでいらっしゃいます。7年ほど前から自治会活動に携わられるようになり、平成28年度に自治会長に就任されました。リタイア世代、現役世代、子ども世代の3世代が明るく、楽しく、元気で、素直に過ごせる街づくりを目指して自治会活動に取り組んでいらっしゃいます。それでは小松様よろしくお願いいたします。

小松 春雄氏(七里ガ浜自治会 会長)

 こんばんは。七里ガ浜自治会 会長の小松です。まず、台風19号で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。知事から魅力あふれる神奈川県を作るという話がありました。鎌倉七里ガ浜自治会の活動についてまとめたので皆さんにご紹介します。

事例発表1-01 まず、七里ガ浜は、鎌倉駅から西に3~4キロの地域で、前面は相模湾で、周りは緑に囲まれています。七里ガ浜の団地は約50年前に西武不動産が開発しました。40メートルぐらいの高台にあり、昔はキツネとタヌキとヘビがいるぐらいで誰も住んでいない荒野でした。

 七里ガ浜自治会は1968年に設立しました。会則の前文を読み上げます。『恵まれた自然環境で生活する我々は、自治の精神に基づき、民主的な運営により、安全・安心快適な街づくりを進め、相互理解と和の心をもった豊かな人間関係を醸成し、より充実した生活環境をこの地に創ることを願って、七里ガ浜自治会会則を制定する。』事例発表1-02

 2018年8月1日現在、七里ガ浜地域は1,780世帯で、自治会の加入率は93%です。空き家だけでなく、別荘として使っている人もいらっしゃるので、空き家に準ずるものもあります。ちなみに、鎌倉市の調査では、空き家件数は15件だったそうです。1年間水道を使っていないことが判定基準だそうです。

事例発表1-03 自治会では、安全・安心・快適な街、子どもの声が聞こえる街を目指して、活動しています。こちらは自治会の組織図です。自治会長は私です。評議員13名、監査役2名、副会長2名、民生委員4名、スポーツ推進員1名、まち美化推進員1名、117人の地区委員、支部委員が26名です。

 理事会組織についてご説明します。合計34名の理事がおられます。総務、財務、環境、福祉、生活文化、行事体育、防災、防犯、商店会、みらいふる、子ども会、支部選出、顧問、事務局に分かれ、活動しています。事務局は事例発表1-04常時3名のスタッフを抱えていますが、事務局以外はすべてボランティアです。31名は無償ボランティアで活動しています。その中でもこの街を活発化しようと、行事体育の理事会では、若手の方が新年の祝賀会、ハロウィン、台風で今年は中止になりましたが市民運動会などを企画・運営しています。自治会の収支バランスについてです。年間収入が996万円。会費と市からの補助金、事業収入、会館補修積立金の補正が主だった収入源です。支出は、資料の記載のとおりです。

事例発表者1-11 時期的には順不同ですが、自治会では、いろいろな行事を毎月開催しています。桜まつり、夏祭り、市民運動会、おでん広場などがあります。自治会内に桜の木が12本あり、守り育てようと商店街が中心になって桜まつりを行っています。「広町の森にホタルをみにいこう」という行事があります。毎年6月にゲンジボタル、7月にヘイケボタルを見に行く集いを開催しています。

 

 かもめサポート、かもめサロンの取組をご紹介します。かもめサポートとは、「日常生活のちょっとした困りごとを自治会会員内で時間がある人が手伝う。」ということです。「電球の交換ができない」、「高所作業ができない」、「草刈りをしてほしい」といった依頼が自治会に寄せられます。

事例発表1-05 かもめサポートは、トライアルを半年間行った後、2015年から本格的にスタートしました。お手伝いできる人のことを「サポートスタッフ」と言っていますが、幼稚園に子どもが行っている時間を利用して社会貢献したい、退職後、時間があるからやりたいという人、週末ならやりますよという人もいます。コーディネーターがサポートを必要とする人とサポーターをつなぎ、仕事の割り振りなどを行います。リピーターも増えてきています。草むしりもお年寄りにとっては大変な作業です。事例発表1-06満足度が高く、自治会員がサポーターなので、利用者が安心して利用できます。また、利用者に緊急連絡先の確認をしています。例えば、嵐の時に窓が開いている家がある。近隣の方から「雨が吹き込んでいる家がある」と連絡があり、そのままだと家の中がびしょびしょになってしまう。会長の承認を得て、緊急連絡簿を活用し、親戚、知人に連絡をしてこれで助かった人もいます。そういう緊急連絡簿を是非作ってほしいと思います。かもめサポートの効果ですが、利用者とサポーターが顔見知りのため安心して利用できます。また、防災にも役立っています。いろいろな人やメディアが興味を持ち、紹介してくれたこともあり、かもめサポートの取組が充実してきました。

事例発表1-07 「地域の居場所づくり」に「空き家」を活用しています。所有者と貸借契約を結び、保険を掛けて、かもめサロンを運営しています。毎週水曜日、10時~16時にサロンを開き、しめ縄作り、アロマ作りなどのワークショップをサロン内で開催しています。サロンでのワークショップは、自治会館で行うよりもアットホームな雰囲気で、毎回20名ほど参加していただいています。お茶を飲んだりして、自治会館以外での地域の情報交換の場となっています。

 終わりに、困っている人がいたら、街のみんなで支え合い、街の楽しみはみんなで分かち合う。今年6月で七里ガ浜自治会は、満50周年を迎え、住んでいるこの場所がそんな場所になるように活動しています。会長の任期は2期4年です。多世代、男女にバトンタッチをしていくことで、その時代に合った、自治会活動ができると思っています。50年前に開発が行われたこの住宅地ですが、緑を守り、先人の努力を引継ぎ、地域の皆さんに必要とされ喜ばれる自治会を目指していきたいと思います。今後の課題は地域全体の高齢化にどう対処するか。ただ、2年前に某大学の調査を受け、我々の自治会は異常値であると言われました。高齢化が進む一方で、若い世代が増えている。朝、サーフィンをしてから出社する人や、IT関係の人も増えてきています。自治会館の近くにある公園は幼稚園の園庭みたいににぎやかで、それを高齢者がにこにこと眺めています。今後の課題には、高齢化もありますが、敷地の問題もあります。敷地の分割禁止の住民協定を充実させるために、日夜、住民協定を無視する不動産業者と対峙しています。住みやすい笑顔あふれる七里ガ浜にしていきたいと思います。ありがとうございました。

(司会)

 小松様、ありがとうございました。続いて、桒村宰知子(くわむらさちこ)様をご紹介します。桒村様は、合同会社オン・ザ・ハンモックのグラフィックデザイナー兼取締役でいらっしゃいます。ご出身は藤沢市で、三浦市には6年ほど前に移住してこられました。本業であるグラフィックデザインのほか、農家、漁師、飲食店など多世代・多業種が集結した団体である「三浦半島食彩ネットワーク」の事務局として、三浦半島の食の魅力をPRするための様々な活動に取り組んでいらっしゃいます。それでは桒村様、よろしくお願いいたします。

桒村 宰知子氏(合同会社 オン・ザ・ハンモック グラフィックデザイナー兼取締役)

事例発表2-01 ご紹介に預かりました、桒村宰知子です。弊社は少し変わったITデザイン会社で、「楽しいものづくり、まちづくり」をテーマに2つの事業をしています。メインはウェブサイト制作・印刷物デザインなどいわゆるデザイン業ですが、その他に地域活動も行っています。デザイン屋がなぜ地域のことをやっているかというと、英語のデザインを訳すと「設計」です。ここ最近「プロジェクトデザイン」という言葉を耳にする機会も増えたと思いますが、これは「物事の設計」という意味で、地域イベントなどもその一つで事例発表2-02す。例えば地域でイベントを開催する際に、ターゲットや予算を基に設計することもデザインと言えます。弊社は「モノ」だけではなく、「コト」のデザインも行っています。

 過去の事例を紹介しますと、2016年に「三浦の人びと展」というアートを活用した観光誘致イベントを主催しました。三浦市内をギャラリーに見立て、三浦に生まれ育った方々のポートレート写真を市内の駅や神社、市場など街中に展示し、三浦に遊びに来た方に地域の魅力を伝え、市内全体を周遊してもらうイベントです。文化庁の委託事業として開催し、地元市民参加型である点なども評価していだだきました。

事例発表2-03 横須賀市では、「食彩マーケット」というフードマルシェを開催しています。市内の小さな通りを使って、三浦半島の生産者や飲食店などにブース出店していただき、三浦半島の食材や魅力をPRしています。もう3年ほど継続しており、この「食彩マーケット」をキッカケにして、同じ場所で音楽イベントなども行うようになりました。

 

  ITを利用した地域活動の紹介です。2013年、『おいしいを探そう!三浦のおやさい』という地域アプリをリリースしました。これは三浦半島の野菜直売所を紹介し、半島を周遊してもらうアプリです。私は藤沢市出身で、三浦と言えば、マグロや油壷マリンパークなど、海のイメージしかありません事例発表2-04でした。約7年前の移住当初、市内各所に畑や直売所が点在していることに驚き、「三浦ってこんなに野菜が豊富なんだ!」と感動しました。そんな中、地元の方から「三浦は畑しかない」、「何もなくてみんな出て行く」という声を聞くようになります。しかし、外から来た私には、その環境がとても魅力的に感じられて、食べ物も自然も豊かでポテンシャルの高い三浦を、市外の人はもちろん、市内の方にも改めて気づいてもらいたいと思うようになり、自社PRも含めて観光誘致アプリを開発しました。今は地域アプリは山ほどありますが、当時はまだ少なく、AppleStoreの旅行カテゴリで7位か8位を記録したのを覚えています。

事例発表者2-11 そして、このアプリ制作がきっかけで、2014年に「三浦半島食彩ネットワーク」が誕生して、現在もこの団体を運営し、事務局を務めています。「三浦半島食彩ネットワーク」は、三浦半島の農家、漁師、飲食業など、食に携わる企業が集結し「三浦半島の食と職をPR」をコンセプトに活動しています。あえて「ゆるビジネス」と言いますが、この「ゆるい」が継続のポイントだと思っています。今は異業種のビジネスコラボは珍しくないですが、約6年前の団体発足当時、多くのメディアに取り上げていただきました。

 三浦半島の食材PRといっても、単に「地域を盛り上げた事例発表2-05い!」という思いを第一目的としている訳ではありません。自社含め、所属メンバーはそれぞれ本業がありますから、ネットワークの活動を通して、各々のビジネスが潤うことを目的としています。私は「街をつくるのは人」だと思っていて、活気ある街には人が集まります。地域が活気付く循環を生み出すため、未来に繋いでいくために、当団体は活動しています。

 主な活動内容は、マルシェ開催、農業体験や漁業体験、お料理教室などがあります。三浦食材のPRで、畑の中でマグロバーベキューなどもやりました。これらの活動の結果、何が生まれたか?市町村を越えたつながりが生まれました。メンバー同士のビジネスコラボだけでなく、行政や地域外の企業等からお仕事をいただくようにもなりました。更に、県外から修学旅行中の収穫体験の受入れや、活動視察の依頼なども受けています。

 このようにして、「おいしいをつなごう三浦半島」とやってきた活動が、いつのまにか全国に広がっていて、最終的には自分たちのビジネスに戻ってくるシステムが機能していることを実感しています。ただ、食彩ネットワークの事務局を担っている弊社としては、「人もビジネスも活気づくエネルギーの循環」を継続させる必要があると同時に、所属メンバーのモチベーションを下げないことが課題としてありました。この団体の最大の特徴である、様々な業種のつながりを生かしたビジネスができないか?と考え、今ある環境から可能性を探った結果、誕生したのが、『食彩GARDEN三浦やさい栽培キット』です。

事例発表2-06これは食彩ネットワークのオリジナル商品としてPRしています。野菜の栽培キットですが、パッケージには、あえて三浦の特産物であるマグロの絵を描きました。商品アイディアを簡単に説明すると、三浦のお土産は、食べ物は多いけど、雑貨が少ない。またメンバーであるまぐろ問屋『(株)三崎恵水産』と農家『(株)丸徳農産』が考案した「マグロ肥料」というものが既にありました。これは、冷凍まぐろを加工する際に出るマグロの残りカスを農業用の肥料に有効活用したものです。更に、ネットワークには『(株)ミヤサカのタネ』という種苗屋がいて、料理研究家もいて、また我々デザイン屋もいる。それぞれの業種を活かして形にしたものが三浦ならではの栽培キットです。事例発表者2-12

 商品のセールスポイントは、「既存の資源から新しい魅力を創出したこと、様々なジャンルの業種が携わっていること、環境に配慮していること、マグロと野菜・三浦市の代表産業や特産物をPRしている点」です。これら総合的なデザインを評価していただき、販売から半年後、神奈川県が認定する「神奈川なでしこブランド」に認定され、更に翌年、内閣府が後援する、全国の地域創生商品や物に与えられる「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」で大賞を受賞しました。

 また今年の10月から、新シリーズで竹パウダー肥料を販売開始しました。三浦半島の環境保全のために伐採されている竹の間伐材が、農業用肥料として再利用されています。こちらもメンバー農家のふぁ〜むまるはちさんの協力によるものです。

事例発表者2-13街や人が元気になるエネルギーを循環させるには、「人、目的、少しのお金」があればうまくいくと考えています。ここでいう人はアイディアと多様性です。自分のフィールド以外の人と接することで、問題と思っていることが、他者から見たら魅力的にみえることもあります。業種が違えば得意分野も異なるので、様々な面で協力を得られ、目的が達成されやすくなります。目的を共有していることが前提ですが。

 持続可能な社会とは、「環境・人・ビジネス」が共に目指すものだと思っていて、その土地の環境と共存していくことだと思います。既存の資源を壊したり排除して、新しい何かを作るより、既にそこにあるものに潜在的な可能性を見つけることが大事です。「既存の資源を時代や目的に合わせてデザインする」ことで新しく見せることができます。10年前によく見えたものが、必ずしも今も良いとは限らないので、アップデートが必要です。多様性は可能性を秘めていると思います。地元の人にしかできないこと、外から来た人だからこそ見える視点、言えることもあると思うので、バランスよく協力し合うことで、サスティナブルな社会の実現に繋がるのではと思います。多様性が集結した「食彩ネットワーク」はそこが魅力だと思っています。ご清聴ありがとうございました。

意見交換

(司会)

 それでは、ここからは、黒岩知事に進行をお任せいたします。知事、よろしくお願いいたします。

(知事)

 素晴らしい事例発表でしたね。自ら行動されているので説得力もありました。2つの事例発表はタイプが異なりました。小松さんの事例は、若葉台団地の取組と似ています。自治会における高齢化率や要介護認定率などは分かっていますか。

(事例発表者:小松 春雄 氏)

 分かっていません。でも、実感として、若者が増え、空き家が減ってきています。全体的には高齢化率が下がっていると思います。民生委員からの情報では、七里ガ浜自治会の高齢化率は上がっているが、鎌倉市全体と比較すると低いそうです。

(知事)

 自治会内の要介護認定率は上がってきていませんか。実感だけではなく、データがあると説得力があります。桒村さんに伺います。藤沢市から三浦市に移住されたきっかけは何でしたか。

(事例発表者:桒村 宰知子 氏)

 元々、会社でデザインの仕事をしていました。独立を考え、今の代表と一緒にデザイン会社を作りました。起業した場所がたまたま三浦市でした。

(知事)

 三浦半島全体では人口が減少しています。県も三浦半島を魅力あふれる地域にしようと取り組んでいます。三浦半島の可能性を示してくれるような事例でした。地域全体のパワーにつなげるためにはどうしていけば良いのかを考えながら、皆さんと議論していきたいと思います。ここから先はシナリオがありません。どうぞ。いきなり高校生からの発言です。

(男性・高等学校生徒)

 県の市区町村では、人口流出が課題となっています。年々人口が減少している市や町で、笑いあふれる三浦半島を作るのは困難だと思います。若者の人口流出を食い止めるべく、中高生などの若者主体で街づくりなど、行うべきだと考えています。ある高校では、教育の一環で企業に協力してもらい、地元観光地のPRなどをしています。このような活動を三浦半島の中高生が主体となって行うことで、笑いあふれる三浦半島になるのではないでしょうか。

(知事)

 そのとおりです。行政機関、県が何とかしなさいと言われてしまいます。しかし、行政に頼らず、中高生が主体となって活動することが良いと思います。

(事例発表者:小松 春雄 氏)

 七里ガ浜自治会の話ですが、理事の3分の1がシニア層で、3分の1が婦人部隊、残りの3分の1が現役世代です。「桜まつり」では、お茶のお点前は高校生や中学生にも来てもらっています。夏祭りの神輿を高校生や中学生に担いでもらうなど、地域と学校で一体となって取り組んでいます。

(男性・高等学校生徒)

 学校の活動で猿島をPRしています。猿島は観光地なので、観光客を増やせます。また、空き家の活性化にも取り組んでいます。空き家が減り、そこに住む人が増えると考えています。高校生が活動することは、必要だと思いますが、行きつく先は、笑いあふれる三浦半島なのですから、中高生だけでなくシニアを含めてみんなで神奈川県を作っていくのが良いと思います。

(知事)

 良いと思います。どんどん提案し、動いてください。

(横須賀市・男性)

 私は横須賀市の長井に78年間住んでいます。地元の活性化に関する提案です。長井にはソレイユの丘がありますが、PFIなどで、官民連携で観光、健康、防災の拠点にされてはどうかと思います。高台にあり、景色も良い場所です。駐車場もたくさんあります。今回の台風19号でも首都圏の水がめが9割方満杯で、あふれたら恐ろしいことになると思いました。災害時には、想定外のことが起きます。中長期的に大規模な被災者受け入れにも、適している場所だと思います。通常は、観光事業で雇用が生まれます。横須賀市に関東自動車があったころと比べて平均所得が200万円くらい落ちています。所得が低いから結婚も子育てもしにくいのだと思います。収入が少なくても、負担が少なくなる仕組みを考え、職住一体型、収入と支出のバランスがとれるようにしてほしいです。低年金や無年金でも、定年退職後の福利厚生事業として、健康、観光事業と労福連携でできたら良いと思います。もう一つ、大楠高校の跡地を雇用と防災の場にすることも検討してほしいです。

(知事)

 観光と防災をクロスさせるという良い提言をいただきました。桒村さんからは、農業と水産業をクロスさせるという話がありました。我々もクロス戦略を考えています。横須賀のシニア劇団では「マグネットカルチャーで元気な街づくり」ということで、文化芸術活動と未病改善をクロスさせています。観光事業を行い、いざという時には、防災拠点になるというのは非常に魅力的です。

(横浜市・女性・高等学校生徒)

 本日は、素敵なお話をありがとうございました。かもめサポートの仕組みについて、互いにメリットが生まれて、地域活性化につながっているということで、素晴らしい取組だと思いました。自治会のサポートスタッフは皆さん大人だと思います。ですが、高校生でもお手伝いできることはたくさんあると思います。高校生がサポートスタッフになることで、子どもと高齢者が触れ合い、より今回のテーマでもある「みんなでつくる!笑いあふれる三浦半島」ができると思いました。

(知事)

 良いことを言ってくれました。

(事例発表者:小松 春雄氏)

 おっしゃるとおり、大人がサポーターです。若い中学生、高校生、20歳ぐらいの大学生のサポーターは、そう多くはないです。ただ、力仕事のときには、サポーターのサポーターとして息子さんなどにも手伝ってもらうようなことがあります。良いアイデアとして覚えておきます。

(知事)

 似たような取組があります。浦賀団地では高齢化が進み、空き家も出ているのですが、県立保健福祉大学の学生さんに家賃を安くして住んでもらい、団地活性サポーターとして活動してもらっています。いろいろと工夫しながらイベントを主催してもらっています。先日、県立保健福祉大学の学生さんが、自治会主催のお祭りに参加したので取材しました。住民の方も喜んでいました。保健福祉大学の学生さんなので、看護の勉強や栄養士になる勉強をしています。若い人が高齢者のために何かを「してあげる」というのは大間違いで、学生さんたちが年配の方に接することで、高齢者からみた日常生活上の問題は何か、どんな生活をしているかを実感できます。看護や栄養を学ぶ実践の場となります。Win-Winの関係です。是非活動してみてください。応援します。

(横須賀市・女性)

 「いのち輝く神奈川」のスライドに、環境と教育の項目がありました。環境と教育に関する質問と意見です。知事は子どもたちが自然の中で遊び、育つことをどのように思われますか。昨年秋、自然体験を重視した保育・幼児教育について全国100以上の自治体が参加するネットワークが誕生しました。神奈川県が参加していなかったので、事務局に問い合わせたところ、知事に話したが、加盟に至っていないとの回答でした。神奈川県は全国でも、野外保育が多い自治体です。自然の中で、子どもたちが遊び、育っていくことに関する理解と、環境保全の観点から神奈川県としてのリーダーシップをお願いしたいです。

(知事)

 ネットワークの加入について、拒否した記憶はありません。私は、子どもたちが自然の中で様々な体験をすることに関して大賛成です。私自身も海が大好きです。特にダイビングが好きで、神奈川の海で、潜れるポイントを全部制覇しました。子どもの頃に自然に触れあうことは、大人になっても良い影響があると思います。ネットワークへの加入の件は、調べ直してみましょう。

(横須賀市・女性・高等学校生徒)

 中学1年生の時に、三浦半島で農業体験をしました。半日だけでしたので、良さを体験できませんでした。民泊ができれば、三浦半島の自然にもっと触れることができるのではと思いました。提案ですが、空き家を民泊施設として有効利用はできないかと思いました。民泊施設近くの農家に協力してもらい、2泊3日で1日目は農業実習、2日目から自給自足という企画もできるのではないでしょうか。

(知事)

 民泊は法律でも認められました。今の意見は面白そうですね。実際に取り組んでいるところはあるのでしょうか。

(事例発表者:桒村 宰知子 氏)

 横須賀市長井のソレイユの丘の近くで、既に県外の修学旅行生の受け入れなどで民泊は行われています。食彩ネットワークでも民泊とコラボのような形で、農業体験等の協力をさせていただいています。確かに半日だけでは、農業を知るのは難しいですから、定期的に開催できたら良いと思っています。

(事例発表者:小松 春雄 氏)

 反対意見になりますが、民泊法ができた時、七里ガ浜自治会で協議しました。民泊は国と県では認められました。自治会では、民泊ホストが同じ住宅内に住んでおり、住宅の一部を宿泊者に貸し出す民泊は認めるが、民泊ホストが同じ住宅内におらず、住宅のみを貸し出すスタイルの民泊を認めないこととしました。民泊を管理する人がいないと、静かな住宅街で騒いだり、産業ごみを一般ごみの集積所に捨てていくというような問題が多々起きています。そのあたりを考慮していただきたいです。

(知事)

 民泊の法律ができる過程でいろいろな意見がありました。しかし、最終的には民泊を進めることになりました。三浦半島でも今後、空き家が出てくるでしょうから、先程の提案を受け止めていきたいと思います。

(川崎市・女性・大学生)

 本日は貴重なお話をありがとうございました。若葉台団地の高齢化率と要介護認定率のグラフを見て、高齢化率が上がっているのに、要介護認定率が下がっていることに驚きました。七里ガ浜自治会の話でも、高齢者が元気で驚きました。今、川崎市に住んでいますが、近所には独居の高齢者が多いです。このような地域を活性化させる活動がありません。七里ガ浜の自治会の皆さんのように活動が活発になるきっかけとして、どんなことがあったのでしょうか。

(事例発表者:小松 春雄氏)

 キーワードは「友達が友達を連れてくる」です。自分がサロンに来てお茶や食事をして楽しかったので、次は友達と一緒に来て、「楽しいでしょう」と広めていきます。このように、籠っている人を引っ張り出してきます。コミュニティが大切です。

(知事)

 若葉台団地との共通点ですね。住む場所だけではなく、フラっと来て、人と交流できる場があるというのは全然違います。それが大きなパワーになります。地域の特性もあり、私の住むみなとみらいのマンションでは、同じフロアに住んでいる人を誰も知りません。コミュニティがなく、もろいと思います。地域のコミュニティでつながっていることは大事なことです。

(横須賀市・女性)

 本日は、せっかく高校生や若い方がいるので、伝えたいことがあります。三浦市や横須賀市は、観光には力を入れていると思います。しかし、一番の課題は定住です。横浜市内でお勤めされている方の多くは、横浜市、川崎市、東京都に住みます。桒村さんのように三浦市や横須賀市で事業を立ち上げていただけると、雇用が生まれ、そこに住む理由ができます。雇用という点で、三浦市や横須賀市は大きな企業などが少なく、横浜市や川崎市に負けています。私自身は、横須賀市に住んでいますが、横浜市へ通勤しています。横浜市に住みたいと思いつつ、横須賀市も住みやすい町です。今回の台風でも被害が少なく、災害にも強い町です。定住の観点で若い人に地域振興について考えてほしいです。

(知事)

 重要なポイントです。三浦半島は人口が減少してきています。横須賀市は、魅力的な場所なのに、どうして人口が減少しているのでしょうか。神奈川県への移住、三浦半島地域や県西地域への移住を促進するため、「ちょこっと田舎・おしゃれな三浦半島ライフ」、「ちょこっと田舎・おしゃれなあしがらライフ」といった宣伝をしています。三浦半島も城ヶ島まで来ると、景観が変わり、すごく遠くへ来たような感じになります。移住促進キャンペーンも実施していますが、簡単ではありません。移住を促進するには、住みたくなる魅力を増やすことが、大きな課題だと思います。みんなで三浦半島の魅力を磨き上げていきましょう。中高生が地域活性化に取り組むということは大きな力になります。ワークライフバランスが追い風になっています。県庁でも働き方改革を断行していますが、テレワークの導入により、会社に行かなくても仕事ができる環境ができています。ライフスタイルと働き方がつながって来るのです。朝、海でサーフィンをし、会社に行かずに浜辺でパソコンを開き、仕事ができます。住む場所の環境の良さをアピールすることが大事になっていきます。

(横須賀市・男性・高等学校生徒)

 私たちの学校では、北久里浜にある交通公園で春と秋に献血のお願いをしたりして、赤十字の方と一緒に活動しています。献血に協力してくださる方は、中高年の方が多いですが、若者にも参加してほしいと思っています。そのためには、若者が来る街を目指すのがいいと思いました。そこで考えたのは、バッティングセンターやゲームセンターなど遊べる施設が存在しますが、高校生が遊べるテーマパークのようなものがありません。三浦半島のレジャー施設である横浜八景島シーパラダイスへは40分ぐらいかかるので、三浦半島内にもう1つテーマパークを作ってほしいと思います。映画館を作っても良いかもしれません。

(知事)

 先日、埼玉県のムーミンバレーパークに行きました。静かな自然を活かしたテーマパークで、こういったコンセプトのテーマパークは、三浦半島のどこかに作れたかもしれません。飯能市では、随分前から構想を練っていたようです。そのような構想はありますか。

(事例発表者:小松 春雄 氏)

 自ら行動することを考えていただきたい。これは七里ガ浜自治会のハロウィンイベントのポスターです。キャッチフレーズは「渋谷に負けるな、川崎に負けるな」です。鎌倉市の市政80周年をみんなで祝おうと、大人も子どもも仮装します。自分でクリエイトしていくこと、エンターテインメントはそういうことだと思います。

(知事)

 良いですね。桒村さんもまさにそういう感じで、わざわざテーマパークを作らなくても街全体をテーマパークにしていこうと思っているのですね。

(事例発表者:桒村 宰知子 氏)

 これは誰がやるべき(大人がやるべき、行政がやるべき)とは思わず、やりたい人が好きなことをやれば良いと思います。「無いものは自分たちで作り出す」という気持ちが大切です。ただ一人で行うのは難しいですから、先生や大人に相談するのも良いですし、今の時代はSNSで発信することで、同じ考えを持つ人と繋がることもできます。大人も気が付かないことはたくさんあるので、若い世代から生まれたアイディアを循環させることで、更に新しい提案につながると思います。

(横須賀市・男性)

 定住でも観光でも三浦半島に来てもらう必要がありますが、陸だけしか交通手段がありません。新しいアプローチとして、海から来てもらうというのはどうでしょうか。

(知事)

 同感です。三浦半島は、海に囲まれている地域です。これを活かさないといけません。海上タクシーの実証実験をしています。事前予約が必要ですが、10人で申し込めば、距離があっても一人当たり1,000円もかかりません。

(男性・高等学校教員)

 生徒会の顧問をしています。以前、東急系の不動産会社の方が学校にやってきて、団地とコラボをしてもらえないかと企画を持ちかけてくれました。大明寺団地と生徒会活動のコラボレーションです。学校行事が何もない1月に生徒がボランティアで庭木の手入れをし、その後、自治会館でお年寄りと一緒に百人一首をやりました。コラボレーションする内容については、本校の生徒が企画しました。高校生とお年寄りが一緒に百人一首をしているのは、とても楽しい光景でした。そのような企画であれば高校生でもできます。でも、残念ながら、団地とのコラボレーションの企画が持ち掛けられたのはその年のみでした。毎年やるだろうなと思いながら、終わってしまいました。一緒に何かやろうと、企画を生徒たちに投げかけていただければ、子どもたちとっては企画・運営を学ぶ機会になります。それを三浦半島の各学校で行うとします。三浦半島で学べば、企画力・運営力が付く。そういう子どもたちが育つと、三浦半島で学ぼうという人が増え、徐々に定住につながります。子どもたちが自ら考える機会を与えることが一番重要だと思います。

(知事)

 企画を持ちかけてくれた不動産会社を調べて、もう一回やってもらえるように言っておきましょう。

(男性・高等学校生徒)

 知事のあいさつの中にSDGsの話がありました。一人ひとりが自分事として行動するという話がありました。一人ひとりが行動できるようになるには後方支援が必要だと思います。自分が率先して行動することがおっくうであると思う高校生が多いです。自分から行動できない高校生が多いと結果的に大人が引っ張ることになります。革新的なアイディアが出ないという悪循環が続くと思います。

(知事)

 私は率先して行動できる高校生が少ないという認識は持っていません。高校生も問題意識を持っています。県庁本庁舎で開催した対話の広場において、高校生とSDGsについて、議論したこともあります。高校生がSDGsのことを一生懸命考えて行動しても、家でお母さんに話すと、「SDGsって何」と言われてしまうそうです。大人がSDGsを知らない。大人にSDGsを広めるにはどうすれば良いかという質問がありました。大人を巻き込んでくださいと答えました。若い人には力があり、若い人が動けば大人も動きます。すべての高校生が活動的ではなくても、その思いを持った人が自分でやってみる。議論をしていて、気付いた方もいると思います。現役の高校生と年配の方が、1つのテーマについて語り合う機会はそう多くないでしょう。「高校生が言っている意見なんて」などと言う人は一人もいません。大人の皆さんは真剣に高校生の声を聴いています。同じ土俵で議論しています。ここから始まるのだと思います。行政だけですべてができるわけではありません。行政は大きな方向性を見せます。いのちが輝くような、人生100歳でも楽しいと思ってもらえるような三浦半島をみんなで作っていきましょう、みんなで何ができるかを考えましょう。三浦半島は、今、人口が減ってきています。しかし、ピンチはチャンスです。皆さんと一緒に、三浦半島を元気に、笑いあふれる100歳コミュニティを作っていきたいと思います。今日はありがとうございました。

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