平成30年度黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

掲載日:2019年3月29日

参加者と知事による意見交換の様子

集会の概要

日時 平成30年10月17日(水曜日) 18時30分から20時
会場 逗子文化プラザホール なぎさホール
テーマ 子どもみらいをスマイル100歳に!
地域テーマ 海を育み、海とともに、スマイル100歳!
内容 1 知事あいさつ

2 事例発表

【事例発表者】

香村 治彦(こうむら はるひこ)氏(プロウインドサーファー/NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)

海野 義明(うんの よしあき)氏/江浪 麻里子(えなみ まりこ)氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事/同ボランティアスタッフ)

3 会場の皆様との意見交換
4 知事によるまとめ
参加者数 169人

知事あいさつ

こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。本日は“対話の広場”にお越しいただき、誠にありがとうございます。これは、私もとても楽しみにしている催しです。この季節、県内各地を巡っています。

年間を通して、統一テーマがあります。それについて、知事プレゼン「子どもみらいをスマイル100歳に!」若干、私からプレゼンテーションをします。今年の統一テーマは、「子どもみらいをスマイル100歳に!」。生まれた赤ちゃんからずっとスマイルが続くような、そんな神奈川を目指していきたいという思いで、このテーマでお話をしていきます。

 

 

知事プレゼンいのち輝くマグネット神奈川もともと私は「いのち輝くかながわ」と、ずっと言ってきました。いのちが輝くためには何が必要ですか。医療というのは大事な要素ですが、医療が充実しただけではいのちは輝きません。医療はその一部であって食が充実しなければいけない、農業が充実しなければいけない、エネルギー、環境など、様々なものが充実しなければいけません。そうでないと、いのちは輝きません。

 

 

こういったことを「連携しながらやっていきまし知事プレゼン持続可能な開発目標(SDGs)ょう。」と言っていたら、国連がSDGs(エスディージーズ)と言い始めました。知らない方は、是非覚えて帰ってください。SDGs、SustainableDevelopmentGoals、つまり持続可能な開発目標です。17の目標が設定されています。逆に言いますと、今のまま行くと、地球が持続可能ではなくなってしまう、こういう危機感です。そのために何が大事かというと、「すべての人に健康と福祉を」、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」そして、「海の豊かさを守ろう」、「陸の豊かさも守ろう」などがあります。これは「いのち輝く」と全く同じです。我々はSDGsに全力を尽くそうと取り組んでいるところです。

知事プレゼン健康と学びでスマイル100歳そんな中で我々の一番の目標は何か。「笑い」という言葉はとても重要な言葉です。笑いがあふれる社会を目指していこうと思います。

今年の冒頭に、スマイル100歳についてご説明しました。「健康」でスマイル100歳、「学び」でスマイル100歳、「共生」でスマイル100歳、神奈川県が進める政策をこの3つにまとめました。

 

今日のテーマは、「健康」でスマイル100歳と、「学び」でスマイル100歳、このテーマでやっていきます。

「健康」でスマイル100歳の中では、「生涯スポーツ社会の実現」を1つの要素としています。生涯にわたってスポーツを続けられるような、そんな社会です。

「学び」でスマイル100歳では、全世代対応型の学びの整備をしていきます。これを中心に今日は議論をしていきたいと思います。

神奈川県は、スポーツ推進条例を制定し、それを知事プレゼン生涯スポーツ社会の実現のための基本目標基に神奈川スポーツ推進計画をまとめました。生涯スポーツ社会の実現のための基本目標として、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しめる、そんな神奈川を目指していこうとしています。そんな中で、神奈川県には、海のスポーツがたくさんあります。まさにこの三浦半島は、神奈川らしい海のスポーツが一番楽しめる場所でもあります。ウインドサーフィンは、今年も、去年も、ワールドカップが開催されました。

ダイビングの拠点の整備も行いました。私もダイバーですが、三崎にもダイビングセンターの施設を作りました。子どもたちもヨットの乗船体験ができるよう、さまざまなイベントをしています。海岸を清掃して、皆様にマリンスポーツを体験していただこうという、NPOの活動などもあります。具体的な説明が今日はあると思いますが、小中学校の生徒たちへの海洋教育が非常に盛んに行われています。地域ぐるみで海を守る活動もあります。アマモをみんなで復活させようなど、ずっとやっていらっしゃいます。

8月末、鎌倉の海岸にクジラの赤ちゃんが打ち上げられ、知事プレゼンかながわプラごみゼロ宣言胃の中からプラスチックが出てきました。プラスチックは、ごみになって川や海に流れるとどんどん細かくはなるが、溶けない。それを魚など、海の生物が餌と一緒に飲み込んでしまうと報じられています。プラスチックごみの問題に目を向けなければ、持続可能な社会はできません。

そこで、我々はクジラからのメッセージということで「かながわプラごみゼロ宣言」を打ち出したのです。神奈川県は、SDGsにどこよりも一生懸命に取り組んでいます。これが政府に評価され、SDGs未来都市、そして自治体SDGsモデル事業として、全国で10の自治体が選ばれましたが、神奈川県は都道府県で唯一選ばれました。鎌倉市と横浜市も選ばれました。10のうち、3つは神奈川勢だということであります。

今回、鎌倉市が、「かながわプラごみゼロ宣言」だけではなく「かまくらプラごみゼロ宣言」を打ち出しており、11月には神奈川県と鎌倉市の共催でSDGsをテーマにした催し物も予定しています。お手元にチラシを入れていますので、是非ご参加ください。

クジラから涙が出ていますね。缶バッジとシールも作りましたので、これを広げて行くために、今日はお土産に差し上げたいと思います。このあと、2組の方からレクチャーしていただき、それをベースに、皆様と自由に語り合いたいと思います。これは対話の広場ですから、皆様からの話がないとつながりません。講演会ではありません。どんなことでも、このテーマに関することを発表してください。では、私からの冒頭のあいさつは終わります。どうもありがとうございました。

事例発表

司会

香村治彦(こうむらはるひこ)様をご紹介します。

香村様は、横須賀市の津久井浜を拠点に、プロのウインドサーファーとして活動されています。昨年から津久井浜で開催されている、「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」に、2年連続で出場されました。ウインドサーファーとして世界を相手に戦われている一方で、NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟の理事としても活動されており、地元の子どもたちを対象にマリンスポーツの普及にも取り組まれています。

それでは、香村様、よろしくお願いいたします。

香村治彦氏(プロウインドサーファー兼NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)

ご紹介いただきました香村治彦と申します。よろしくお願いいたします。私が活動しているのは、横須賀市津久井浜です。2年連続でワールドカップを行いました。なぜ津久井浜でワールドカップが2年連続で行われたのか。

横須賀市津久井浜の良いところをご紹介します。私がやっているウインドサーフィンは風が命です。1点目は、風がよく吹く町だということです。東京湾の先端、金田湾です。京浜急行のYRP野比、京急長沢、津久井浜、三浦海岸、この4つの駅が海に面しています。特に、風の吹き方が横から、北風の場合は左サイド、南風は右サイドからだと、ウインドサーフィンをするのに適しているポイントなのです。今日も昨日も涼しい北風が吹いていました。これが湘南側だと、北風は陸からの風になるので、オフショアです。津久井浜だと北風は左サイドなので、ウインドサーフィンが出入りしやすいです。海岸沿いまで風が入ってくる良いポイントで活動しています。また、都心から近く、駅からも近い。134号線からもウインドサーフィンをする風景が見えたり、いろいろな良いところがあります。

今年も、5月に津久井浜でワールドカップを開催しました。セーリングだと、海岸から遠いので、なかなか見えにくい。ウインドサーフィンを見せる工夫として、2年目は選手全員にGPSやセンサーを持たせて、そちらから発信された情報をスマートフォンのアプリや大型ビジョンに映すなどしました。地元のおじいちゃん、おばあちゃんにもわかりやすいワールドカップを目指しています。これからも3年目、4年目、5年目とさらに拡充、工夫してやっていきたいと思います。

ワールドカップを地元でやらせていただいている中で、今年3月に、津久井浜でやっているウインドサーフィンのショップや漁協、地元の皆様と一緒に、NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟を立ち上げました。立ち上げ前から、地元の小学生を対象にウインドサーフィンの体験などをしていましたが、ワールドカップを通してNPOが立ち上がり、さらにいろいろな形で活動させていただきました。

その中の1つ、横須賀スタイルとして、ウインドサーフィン事例紹介(香村治彦さん・プロウインドサーファー兼NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)の子ども用のセールやボードを小学校の体育館に持ち込み、授業の一環として実際のギアを手にし、プチ体験をしてもらいました。これは皆様、特に子どもたちに好評でした。次に、小学校のプールでウインドサーフィンの体験をしました。なぜプールかというと、海に来ることも重要ですが、今年は、台風が毎週のように来ましたし、子どもたちに教えるには、安全第一なので、コンディションが大事です。今日、この会場に持ってきていますので、実際に物を見ていただきます。片手で持ち上がるぐらいのもので、空気で膨らませたセールです。持ってみますと、小学校の低学年でも取り扱えるような非常に軽いセールです。空気で膨らませているので、倒れてきても安全です。安心・安全で、まずは自分の学校のプールで体験してもらうことを、今年、横須賀スタイルとして強化してやってきました。すごく好評でした。

小学校の低学年でもできますが、今年は4年生ぐらいから試験的にやりました。プールで体験するときには、若干の風があります。海と違う点は、波がないので足元が非常に安定しています。軽いリグを使うと、子どもたちもすごいスピードでレベルアップしていきます。次の段階で、実際に海でウインドサーフィンを体験してもらいます。体育館でプチ体験、プールで体験して、次は海に体験しに来てもらう、このスタイルが横須賀スタイルです。プール体験については、夏休み期間中の7月、8月に各小学校で行い、メディアにも取り上げてもらい、注目されました。感謝しています。

その他、ワールドカップに絡み、NPOを作って良かったことは、地元との関わりです。今まで、私たちはウインドサーフィンをただ教えるだけ、仲間を増やして、マリンスポーツの普及ばかり考えていましたが、ワールドカップを機に、地元の方と一緒にこのワールドカップを成功させようと応援団を作りました。会場周辺の飲食店では「横須賀ウインドブルー」という同じネーミングで、ウインドサーフィンの形をしたクッキーを作るなど、お店それぞれのオリジナル商品を開発し、販売しました。商店街、地元の皆様とコミュニケーションを図り、地域を活性化できたということはワールドカップをやって良かった点だと思います。今年は2年目でしたが、3年、4年、5年目と進み、私は津久井浜で10年はやりたいと思っています。今後、この津久井浜で4~5月には必ずワールドカップが行われると皆様にも伝わってほしい。そして、ウインドサーフィン、マリンスポーツの普及に一役買えればと思います。

簡単ではありますが、事例発表を終わります。ありがとうございました。

司会

続いて、海野義明(うんのよしあき)様をご紹介します。

海野様は、葉山町のご出身でいらっしゃいます。NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センターを立ち上げられ、三浦半島だけでなく、全国で子どもたちのための海の環境教育や、海辺の自然体験活動の指導者養成などに取り組まれています。本日は、オーシャンファミリー海洋自然体験センターのOBで、現在はボランティアスタッフとしてオーシャンファミリーの活動に携わっている江浪麻里子(えなみまりこ)様にも一緒に舞台に登場していただきます。

それでは海野様、江浪様、よろしくお願いいたします。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

ただ今ご紹介いただきました、NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センターの海野義明です。そして、

江浪麻里子氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センターボランティアスタッフ)

江浪麻里子です。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

まず、私から説明します。私どもの団体は、オーシャンファミリー01葉山公園の入口にあります。海までは200メートルのところです。そこで、平日は地域の子どもたちの放課後教室として16時に集まってもらい、18時まで海の教室を行っています。今日も、小学生が来て、長者ケ崎海岸の島にカヌーで行ったりして、海の活動をしていました。土曜日、日曜日には終日クラスということで、東京、埼玉など遠くからの方も参加できるように、ファミリー教室や子ども向けの教室を開催しています。

葉山は磯も浜もあり、海洋生物の豊かなところです。全身を使って海を感じ、生きものと共に暮らす地域を守っていければ良いと活動をしています。

私どもの団体は、もともと三宅島が発祥です。三宅島在住であった海洋生物学者のジャック・モイヤー博士が、「未来を守るのに海は重要だ」と。でも、陸で暮らす多くの人は海に関心が薄いので、海の環境教育をするため、三宅島に全国の子どもたちを集めて教室をしていました。私はそのお手伝いをしていて、その後、その事業を引き継ぎました。2000年の三宅島火山の全島避難まで三宅島にいて、その後避難しました。当時、島にはいつ帰れるかわかりませんので、葉山に戻って活動を再開しました。

私たちは、「海は楽しい」を大事にしています。楽しいから関心が生まれます。海は砂浜の貝殻を始め面白いものだらけです。子どもの興味を引くものがたくさんあります。

そして、「海は面白い」です。夕焼けも朝日もきれい。そこで泳ぎ、いろいろなことができるようになって「海は素晴らしい」と感動する。「楽しい、面白い、素晴らしい」。そこから、海に対して関心を持ち、愛着を持ち、海を大切にする心が育まれます。そんな展開を考えています。

オーシャンファミリー02子どもたちは海で元気になります。波に向かって、それを乗り越え、深く潜れるようになれば、達成感もあり、元気になります。そして、そのような子どもたちが、知事のお言葉にありましたように、プラスチック問題も含めて海の問題に対応できるようになります。海を守り、元気にしてくれる。そうなればうれしいです。キーワードは「好きになったら守らずにはいられない」です。何事もそうです。海の楽しい体験を通して、海を好きになってくれる人を増やしたいと、活動しています。

葉山で2003年に教室を再開し、年間を通して、春は磯の観察、貝殻などの漂着物、スノーケリング、カヤックなどの様々な体験活動をしています。最初は口コミだけで、初年度は17名の参加者でした。翌年は51名、3年目は、91名、4年目は141名の子どもたちが参加してくれました。その当時、葉山の4つの小学校で生徒数は1,500名ですから、約1割の子どもたちが参加してくれたことになります。これを30年続けると、葉山のお父さん、お母さんは卒業生ということになります。そうなれば、今でも海の文化の高い葉山ですが、海に対してもっと高い文化活動ができるようになると思います。

この画像は、ニッパーズというスポーツ系のオーシャンファミリー03海洋教室です。現代は、運動不足により身体能力低下の問題が取り上げられていますので、海で思い切り身体を動かし、砂浜を走ったり、泳いだり、波に乗る。そして、とにかく、身体を動かして元気になる。スポーツ系なので、葉山における様々な活動、葉山駅伝、葉山マラソンなどにも出て、子どもたちはとても良い成績を収めています。

運動生理学の分野で、スキャモンの成長曲線というものがあり、筋肉系、骨格系は20歳までも成長するが、脳神経系は6才までに80%の成長をみせます。ですから、小学生以前の体験が非常に重要と考えました。未就学児クラスも作りました。

親子で参加するならば、おんぶ抱っこの0歳のときから活動に参加できます。現在、ファミリー教室が3教室あります。ここで大切にしているのは、「自然の恵みをいただく」ということで、海藻や野草を食べるなどで、自然のありがたみも感じています。

オーシャンファミリー04将来は、親が指導者になり、子どもが次の指導者になるよう、循環することを目指しています。海は、水の危険がありますので、指導者の質が重要です。年間を通して、指導者の養成をしています。様々な海そのものの環境保全活動をするビーチクリーンアップ、海洋生物のモニタリング調査、自分たちの主催事業だけでなく、他の団体との事業の共催もしています。特に、学校教育、学校は幼稚園、保育園から高校、大学、企業などに様々な体験活動の協力をしています。原体験が非常に重要と考えています。三つ子の魂百までと言います。そういったことが子どものときにできれば良いと思います。

冒頭に一緒に登壇し、紹介した、卒業生の江浪麻里子さんから、なぜ関わることになったかを発表してもらいます。

江浪麻里子氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センターボランティアスタッフ)

よろしくお願いします。私は、小学校4年生海野さんと江浪さんから中学校3年生まで三宅島のサマースクールに通っていました。その後、海から離れ、海とは全く関係ない大学に進み、企業に就職しました。何となく生活にピンとこなくて、いろいろな本を読んでいたとき、モイヤー先生の「『海は楽しい』、『海は素晴らしい』、『海は大切』。この3つを十分に身体で感じた子どもたちは、将来、海の環境を守るためにきっと活躍してくれるでしょう。」という文章を読んで、「これだ」思ったのが指導者を始めるきっかけになりました。その後すぐにオーシャンファミリーの主催する指導者養成講座に通い、指導者になって、今、7年目になります。今は、未就学児のクラスと小学校1・2年生のクラスを、週に2日持っています。

一番大切にしていることは、この年齢の子どもにはまず海を楽しんでもらう。自然の法則、自然のリズムをこの年齢で体に叩き込むことは、大人になってから子どもたちの宝になるので、そういうことを伝えられたら良いと思い、週に2回、子どもたちと海の活動を楽しんでいます。

春は磯観察、海に入れる季節になるとスノーケリングや、波がある日は波乗りをします。寒くなってくると、山に入り、年間を通じて葉山の自然を子どもたちと一緒に体験しています。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

オーシャンファミリー05三浦の「浦」は、「海」ということです。外洋性の高い相模湾、3,000万人という最大の流域人口を持つ東京湾、最大の海洋である太平洋。この3つの海があります。日本の海は、世界の約0.9%の水域に、世界の14%の海洋生物が生息しています。日本の3,700種類の魚類のうち相模湾には、2,000種、約半分がいます。このことから、海洋生物は豊かな場所だとわかります。海につながる川や田んぼ、竹林など様々なものを海につなげる活動をしています。海で育った子どもたちが海を守っていけば、未来は必ず良くなる、こういった思いで活動しております。

以上で事例発表を終わります。ありがとうございました。

意見交換

知事
ここから皆様との対話に入ります。お二人の話を聞いて、私たちが暮らしているこのエリアは、どんなに素晴らしいところか、改めて実感した方も多いのではないでしょうか。少し行けば海です。素晴らしい海があって、楽しみ方がいっぱいあるのです。

海のない県もあります。海がない県の人にとってはうらやましい限りです。自分たちの地域の魅力を、実は、意外に知らないのではないでしょうか。

私も、もともとダイビングをやっていましたが、神奈川はダイビングのイメージがありませんでした。知事になって、神奈川でもダイビングができるというので、やってみようと思いました。

最初に行ったのが葉山でした。砂浜から入り、最初はどんな感じかなと思ったけれど、中に入った瞬間に思わず声を上げました。海藻が生い茂っているところを潜るのは、最初は絡まってしまうのではと心配でした。でも、逆で、SF映画のようでした。森の中を水中遊泳しているような感じで、魚の種類も豊富でした。小さなウミウシ、色鮮やかな魚がいたり、大きなウツボがいたりと、いろいろな魚の大群がいて、びっくりしました。そういったことを興奮気味に言ったら、葉山に住んでいる人に「葉山で潜れるのですか」と言われました。意外に知らない人がいるのだなと思いました。

海を楽しむことからいろいろなことがつながっていくことが、二組のゲストの発表から見えてきたのではないでしょうか。私は海でこんなことをやっている、こんな楽しみ方がある、何でも結構です。

意見でなくても自分のアピール、県に対する質問でも良いです。自由ですので、どんどん議論していきたいと思っています。

最初、私から香村さんに質問します。ウインドサーフィンのワールドカップを2年連続でやりましたね。また来年もやるのですよね。

香村治彦氏(プロウインドサーファー兼NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)

実行委員会が立ち上がって、やっております。

知事

私も、ワールドカップを観に行きましたが、津久井浜の浜辺が非常に華やかで、いよいよオリンピックが2年後に迫ってきたなという感じがしました。ウインドサーフィンは、オリンピックの時は、セーリングの一競技ですね。

香村治彦氏(プロウインドサーファー兼NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)

RS:Xというクラスです。

知事

香村さんのお話で一番面白かったのは、ウインドサーフィンを続けてこられて、津久井浜でワールドカップをすることで、地元に目を向けることができたということです。ワールドカップによって世界に目が向いたのかと思いきや、地元に目が向いたというのは、元々、想像していなかったことでしたか。

香村治彦氏(プロウインドサーファー兼NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)

私も津久井浜に20年住んでいますが、ウインドサーフィン中心に考えていました。ワールドカップをやることで、あれだけ地元の人たちと交流できて、みんなと一つになってやっていく。地元の応援団と一緒にやれたというのは、この2年間の自分の収穫です。

知事

ワールドカップだから、世界のトップクラスが来る大会なのに、それがきっかけで、小学校の体育館やプールでの体験という発想につながった。それがすごく面白いし、大事なことです。この後、ワールドカップも続いてありますし、セーリングのワールドカップもありますよね。オリンピックも2年後にあります。そのとき、トップアスリートだけの素晴らしい大会を見て、「すごいな」と言っているだけでは、物足りないと思います。仰ぎ見たことで、広がりがあれば良いと思っていたので、まさにその実践ですね。

香村治彦氏(プロウインドサーファー兼NPO法人津久井浜マリンスポーツ連盟理事)

地元のおじいちゃん、おばあちゃんたちも「今日は風がいいね」などと声をかけてくれます。それだけ、地域にウインドサーフィンが根付いている証拠だと思います。

知事

海野さんも様々な活動をされていますが、また大変な人生ですね。元々、葉山のご出身でしたね。そして三宅島に行き、海との出会いがあった。

噴火で全島避難、ありましたね。よくぞ、こちらに戻って来てくださいましたね。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

三宅島の南の島、青ヶ島は51年間島民が戻れませんでした。噴火はすぐに終わるイメージですが、その当時、いったいどれだけ噴火が続くのかわかりませんでした。海の活動をするのに、自分が慣れ親しんでいる葉山の海に戻ってきて、活動を再開しました。

知事

子どもから大人までということで、下は0歳から、上は?

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

上は86歳の方までいます。海洋教室に来ています。シーカヤックをしたり、磯観察をしたり。

知事

先ほどの話にはありませんでしたが、海は、「なめてはいけない」というところがありますね。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

そうですね。重篤な事故もあります。

知事

そういう事故があると流れが変わってしまいますね。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

私どもは安全に対し、「万が一」を潰します。万が一にも事故が起きないように、リスクをすべて洗い出し、それに対する対策を立てていきます。そして、30年間の活動で、年間5,000人くらい海に子どもを連れていきますが、救急車を呼ぶような事故は一度も起こしていません。そのような心がけが大事だと思います。

知事

印象的な言葉でしたが、「好きになったら守らずにいられない」、とってもロマンチックな言葉ですね。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

いろいろなことを考えてきたのですが、そこにたどり着いたというところです。家族も人も、何でもそうだと思います。海に対して、そういう感情を多くの方が持つことができたら良いと思います。

知事

スタートは「海は楽しい」ですか?

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

スポーツ的にやるときには、きっと香村さんもそうだと思いますが、辛いときがあったとしても、好きという気持ちがあって初めて乗り越えられる。環境問題を考えれば、大変なことだと思いますが、その原動力も「好き、楽しい」だと思います。小さな子どもにはできるだけ楽しくできるように、と思います。

知事

江浪さんも教え子ですね。人生を変えましたね。

江浪麻里子氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センターボランティアスタッフ)

人生が変わりました。悔いはありません。海があったから乗り越えられたこともたくさんあります。海の包容力もありますが、危険と隣合わせというか。自分を守る術も海から学びましたので、海を知っていて良かったと思います。

知事

海は魅力がいっぱいですね。それに囲まれている神奈川。海の魅力は最高ですね。

さて、ここから皆様と議論を始めましょう。手を挙げたら、すぐに当てます。この先のシナリオはありません。皆様との対話で話を紡ぎましょう。どうぞ。

参加者1(横須賀市・男性)

香村さんが活動している津久井浜のそばで、ケーキ屋をしています。ワールドカップを契機に、津久井浜の周辺のカフェや居酒屋の人が青い酒を使った「横須賀ウインドブルー」という商品を作りました。ケーキ屋やパン屋は、お菓子やクッキー、パンなどでウインドサーフィンにちなんだものを作って、販売しています。今年は2年目ですが、スタンプラリーをして盛況でした。

ウインドサーフィンワールドカップがなければ、こういうことはありませんでした。海に目を向けることもなかったです。香村さんが言うように、風が吹くと、良い風が吹いているから身体が軽くなって海に行きたくなるように思うようになりました。まだ(ウインドサーフィンは)1回しかしていませんが、でも、そういった気持ちにさせていただいたことがうれしいです。

知事

面白い話ですね。元々、横須賀に住んでいて、そういったお店もずっとあったのに、海を感じていなかったのですか?

参加者1(横須賀市・男性)

ウインドサーフィンを近くでやっているのは見ていましたが、それは一つの風景でした。ただ、「そこでやっている方がいるな」というだけ。実際に、やっている方と、地域住民との間に接点がなかったのが正直なところです。ワールドカップがきっかけで、自分も海に目が向き、散歩も海の方に行き、潮風に当たりたい、そういう気持ちになりました。それがありがたいです。

知事

新しい契機になり、新しいビジネス展開もできたということですね。

参加者1(横須賀市・男性)

ウインドサーフィンの形のクッキーを開発し、販売しています。皆様もどうぞよろしくお願いいたします。

知事

売れていますか。

参加者1(横須賀市・男性)

おかげさまで、通年で販売しております。横須賀の津久井浜に来ていただいた際には、思い出してください。

参加者2(女性・聖和学院生徒)

こんばんは。私は横浜市戸塚区に住んでいます。海とは関係ないところに住んでいます。海には、夏休みや長い連休の時にしか行きません。なぜ行こうと思ったかというと、例えば、YouTuberが紹介している動画を観て、行きたいなと思ったり、新江ノ島水族館に行くと、「学生が海からこんなものを見つけてきた」といった展示をしています。それを見て実際に海に行きたいなと思い、海に行った経験があります。

海の魅力を伝えるには、海で何かのイベントを開催したとき、有名なYouTuberに紹介してもらい、最近は、子どもたちもYouTubeを観るので、それを観て、お母さんに「ここに行きたい」と言って連れて行ってもらうのが良いと思います。

また、葉山は海の生き物が豊富だと聞いたので、新江ノ島水族館にそれを展示することで、これを実際に見てみたいと思う人が出てくるのではと思います。

知事

素晴らしいご提案ですね。YouTuberという意見が出ました。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

事業をすることに一生懸命でしたが、広めるという意味では、是非YouTuberに来てほしいです。

参加者3(逗子市・女性)

海の活用法として、加えていただきたいものがあります。私は、海で泳げば風邪をひかないと育てられた世代です。神奈川県は、海水浴場発祥の地としても全国的に有名です。当初、医学的、医療目的で海水浴が始まったということは、皆様ご存じだと思います。それが、楽しいので、ウインドサーフィンなど娯楽的なものに変わりました。海水浴は海で泳ぐ冷浴と海水を温めて入る温浴の潮湯(しおゆ)の2つが提唱され、長い間、両方の文化が育まれてきました。戦後は、潮湯がなくなってしまいました。ただ、逗子では、温浴施設が平成4年までありました。なぜ潮湯に入るかというと、予防医学の目的で、温泉のような感覚で入れて、健康の保持や、多少の疾病改善にも役立ちます。「徳川実記」に、神奈川の海の潮湯へ湯治に行ったという記録があるほど、神奈川は潮湯に縁が深いところです。明治半ばには、健康増進ということで広まりました。その潮湯を忘れないでいただきたい。大阪などは、大阪湾の20km圏内くらい沿岸に、明治末、大きな施設、レジャーランドのようなものがあって、それが町おこしになった例もあります。潮湯文化も仲間に入れていただけないかなと思います。よろしくお願いします。

知事

良いアイデアですね。確かに、私も小さい頃に言われました。「海に入ったら風邪をひかない」と。医学的根拠はわかりませんが、つかっているという意味では温泉と同じですよね。それを温めれば潮湯です。海水浴発祥の地は、大磯です。元々、療養、保養のものでした。確かに、最近は聞きませんね。

参加者3(逗子市・女性)

今、大磯とおっしゃいましたが、実は神奈川県が海水浴場と認めたのは、冨岡の海水浴場で明治14年。今も碑があります。

知事

ずいぶん詳しいですね。潮湯やその効果について詳しい方いますか?

参加者3(逗子市・女性)

科学的な体温上昇、入浴時の体温変化を測った研究がありますが、温泉よりも海水を温めて入った方が保温効果が高いという研究発表を見たことがあります。

知事

神奈川県は「未病」ということを言っています。白から赤のグラデーションになっている。未病改善のために食、運動、社会参加が大切だとずっと言っています。病気になってから治すのではなく、少しでも悪くならないうちに改善する。温泉に入るとリラックスできますし、未病の改善につながりますよね。海もミネラルが豊富ですし、そういう力を持っているかもしれません。リビエラさんも研究したらいいですね。社長さんがお見えになっていますからね。

参加者4(横須賀市・男性)

現在、77歳です。三浦半島にずっと住んでいます。人口減少があります。自然が豊富ですが、自然を活かして健康になれるはずが、化学物質汚染でみんなが病気になっている。添加物など、石油製品に我々は侵されています。そうではなく、自然をテーマにした海洋生物、農産物など、機能性のあるものを開発し、例えば、パウダー状にすると良いと思います。三浦半島に来れば、知事がおっしゃるような「健康になれる」テーマゾーンを海と丘の両方に作ってほしい。土地が余って、農家も持て余しています。災害時でも賄いきれるような、また、車いすなど弱者の働ける環境も作ってはどうかと提案いたします。

知事

ありがとうございます。非常に重要な視点だと思いますね。今日は、逗子市長と葉山町長が来ています。三浦半島の首長さんが、「未病を改善する半島宣言」をしています。三浦半島が持っている魅力は、まさに海に囲まれているということです。そして、緑の力や、豊かな幸(さち)があるところなのです。すべて活用して未病改善して、健康になろう、と宣言していますので、今、おっしゃったのは的確なご指摘ですね。お二人の首長さんは「よし、やるぞ」と気合が入ったと思いますね。

参加者5(男性・逗子開成高校生徒)

本校では、1つの教育の柱として海洋教育をしています。先ほど知事がおっしゃっていたように海は危険な場所でもあるので、海洋教育とともに防災教育もしています。

また、香村さんがおっしゃっていたように、海の「グローバル教育」というものもありますが、地域に目を向けています。「ZKマガジン」という逗子を紹介する冊子を作成しています。SUP(サップ、スタンドアップ・パドルボード)を知事はご存知でしょうか。市民、県民の皆様がこれを知りません。ウインドサーフィンもそうですが、いろいろなマリンスポーツがありますので、その普及という観点でも、知ってほしいというご提案です。

知事

その冊子を見せてください。どこが出しているのですか。

参加者5(男性・逗子開成高校生徒)

本校で出しているものです。

知事

逗子開成で出しているのですね。SUPの紹介ですね。いつも海の特集ですか。

参加者5(男性・逗子開成高校生徒)

年に2回出していますが、いつも海の特集ではありません。2号では、マリンスポーツ、1号では、海の文化的なものを紹介しています。

知事

最近、みんなSUPやっていますよね。ビーチヨガもありますね。海にはいろいろな楽しみ方がありますね。高校の雑誌とは思えないくらい質が高いですね。非常に素晴らしいです。どうもありがとうございました。

参加者6(女性・聖和学院高校)

香村さん、素敵なお話をありがとうございました。学校でマリンスポーツを体験できることや、葉山で潜れることを、私は、三浦半島に住んでいるのに知りませんでした。マリンスポーツを、初心者や三浦半島以外の人にもできると情報を提供するために、三浦半島の学生が、三浦半島のPRをすることは可能でしょうか。

知事

可能です。是非やってください。YouTuberの話が、先ほどありましたね。「こんな海の楽しみ方がある」とYouTubeで発信できます。PRしてください。今日から新しい人生が始まる人がたくさん出るかもしれませんね。

参加者7(男性・海洋科学高校)

知事は、磯焼けの問題をご存じですか。相模湾東部、長井、佐島あたりで、この問題が深刻化しています。原因はまだはっきりしていません。食害生物による食害や、水温上昇などが原因として挙げられます。黒岩知事から、昔、葉山でダイビングをされて海藻が多かったとのお話がありましたが、このまま放置すると、磯焼けが深刻化するのではないでしょうか。

私たちは、食害生物を美味しくいただき、さらにそれを利用して新たなブランドにしようと試みています。県として具体的な対応や、何かやってみようということはありますか。

知事

専門的な話ですね。我々も重大な問題だと思っています。磯焼けというのは、ムラサキウニですか。

参加者7(海洋科学高校・男性)

ムラサキウニとアイゴという魚が問題視されています。

知事

これらの海洋生物が海藻を食べてしまうと、海の様子が変わってしまう。この問題をどうしたら良いか。県職員が考えて、テレビでも紹介されました。ムラサキウニに、キャベツを食べさせるそうです。三崎のキャベツは有名ですが、全部が商品になるわけではないので、捨てるキャベツをムラサキウニに食べさせ、立派に育ちました。そして、それがおいしいということになりました。それが、磯焼け対策にもなっているのですね。

参加者7(男性・海洋科学高校)

そうです。実験でもそういう結果があります。

知事

これまで、ウニはやせ細っていて、商品にならなかったのですが、キャベツを食べるとおいしいウニになり、商品化もできました。

参加者7(男性・海洋科学高校)

通常の磯で育ったウニよりも臭みが少なく、かつ甘みも強いということがわかっています。

知事

食べたことはありますか。

参加者7(海洋科学高校・男性)

実験のときに試食しました。

知事

僕も食べましたよ。三浦半島がウニの生産地になりつつある。課題を何とかしなければ、と知恵を絞ると、マイナスがプラスになります。とても大事なことですね。

参加者8(横須賀市・女性)

東京湾に面している観音崎の自然博物館で働いています。館内では、海の文化、海洋生物の展示、磯の体験学習を通して、お客様に海を好きになってもらい、大切に思う気持ちを持ってほしいと、海野さんの活動と同じ理念を持ってやっています。

私たちの博物館では、学校を対象に、特に小学校5年生や中学1年生くらいの生徒さんを対象に、学校行事の一環で磯の体験学習、生物の観察学習のイベントを多く行っています。東北の大震災をきっかけに、海の学習は危ないからやめた方が良いと離れてしまっています。先生方は、海洋教育は大事だと、連れて行きたい気持ちは強いです。しかし、保護者の方々は非常に細かいことまで気にされて、先生方もその対応にエネルギーが奪われて実施できなくなったという声があります。

これに対して、どうすれば良いのでしょうか。海は今、どういう状態か、豊かな海を作るにはどうすれば良いのかわからないまま、子どもたちが大人になってしまうのは問題だと思います。海は危険だけど、海を知ることも大事だということを是非伝えていきたいです。

知事

そのとおりだな、という感じですね。確かに東日本大震災のときの大きな津波の映像を私たちは記憶しています。磯遊びは良いけど、磯にいて突然津波がやってきたら、そんな危ないところに子どもを連れて行くなんてなど、そういった考えを持つ親御さんがいても、不思議ではありませんね。

参加者8(横須賀市・女性)

大分、そういう親御さんは減ってきましたが、説明を毎回しなければならないようです。

知事

海野さんも海洋学習をやっていて、そういった声はありますか。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

2011年の東日本大震災の年、私どもの参加者は15%減になりました。津波への心配があったのだと思います。解決策はないです。

自分自身は、東日本の支援活動に約100日行きました。気仙沼や南三陸町、大槌町などにも支援活動に行って、翌年、2012年には子どもの海の体験教室の手伝いをしました。海と付き合っていかなければならない地域なので、津波は大変ですが、海を怖れるだけでは、地域が成り立たない。地域の方々が海の教室を実施したいということで、お手伝いをしていました。参加者の子どもたちの中には、おじいちゃん、友達が亡くなった人もいます。自分の親族を海にとられたが、でも嫌いになれないと、子どもたちも言います。

日本は海に生かされている国です。やはり海から離れてもいけないし、目を背けてはいけません。海に守られ、海を守る国・地域になってほしい。保護者対策は、私どもでも大変なところがありますが、何とかして、学校関係、行政も含めて、納得してほしいです。

知事

災害、いざという時どうするかは、できる限り整備しておく。ただし、100%は無理です。我々は、自然の中で生きているので、危険と隣り合わせにいる。それを知った上で、楽しむ。よく知れば知るほど、本当の怖さもわかるし、楽しみもわかる。

目を背けると、肝心なことが見えなくなる。みんなの想いを一つにしていく、丁寧な作業が必要だと感じます。重要な指摘をありがとうございました。

参加者9(男性・逗子高校)

今回のテーマに、マリンスポーツがあります。私は運動がそれほど得意ではないです。横浜市栄区というところに住んでいて、あまり海と触れ合うことがありません。海野さんから、子どもの運動神経が6歳までに決まるというお話がありました。私のように運動があまり得意でなく、海に関わったことがないという人は、どのような対策をとれば良いのでしょうか。

知事

良い質問ですね。切実ですよね。6歳までに決まっていると言われても、今更どうしたら良いのでしょうか。

海野義明氏(NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター代表理事)

6歳までは運動神経だけでなく、脳神経系もすべての神経系が関わります。それは、生理学上の問題であり、脳は素晴らしい器官で、補完できるので、できなくはないです。海に関して、スノーケリングは体力がなくても、肥満でも浮きます。フィンなど補助用品を使えば、運動能力の差がなく、誰でも楽しめます。そういうものから楽しむと良いと思います。

参加者9(逗子高校・男性)

ありがとうございます。

知事

海のスポーツと限定しなくてもいいのでは。海で遊ぶ。泳げますか。

参加者9(逗子高校・男性)

泳げます。水泳部なので。

知事

ダイビングは、泳げない人でもでき、潜れます。スポーツに運動神経はそれほど関係ありません。水泳のオリンピック選手になろうと思ったら大変かもしれないけど、そうでなければ、楽しんだ方が良いです。

参加者10(横須賀市・男性)

私は、香村さんと一緒に小学生の皆様にマリンスポーツの体験をしてもらう活動のお手伝いをしております。知事に提案です。ワールドカップのチャンピオンや、オリンピックの競技になった際には、ゴールドメダリストを地域から出すために協力をお願いしたい。

もう1つは、横須賀市は少子高齢化が進んでいます。今回、ウインドサーフィンの大会をすることで、近くでもこんな素晴らしい大会ができると、改めて地域の人と一緒に知ることができました。それを機に、小学生とその若い家族が定住化することで、地域が活性化すると思います。企業、自治体、町内の皆様とともに、これからも活性化できるような活動を支援してほしいです。

知事

ありがとうございます。せっかく、ウインドサーフィンのワールドカップをしたのだから、セーリングワールドカップもやりましたし、オリンピックもやってくるので、地元の人がやはり金メダルをとってほしいです。これだけ続いていると、日本人選手も活躍してくれています。この間の、セーリングワールドカップでも、日本人選手が優勝しましたね。我々も是非、こういった活動を支援していきたい。

それと、三浦半島の人口減少、横須賀も同じようです。せっかく大きなイベントをしているのだから、地元に目を向けることをきっかけにしていただき、定住促進したいですね。あそこに住んでみたい、というライフスタイルになると良い。三浦半島に住んだら、海で楽しみながら仕事もできる、というアピールもできる。元々そういう素材がある地域ですからね。人口減少を逆転させる発想で、是非地元でやっていただきたいと思います。

参加者11(葉山町・女性)

先ほど、逗子高校の生徒さんがスポーツが苦手ということでしたが、私も苦手でした。でも、高校3年生の時にウインドサーフィンを始めて、大学2年生の時にプロに転向しました。ですから、いろいろと挑戦してほしいと思います。先ほどのSUPについてですが、先週末、江の島で全日本選手権がありました。鎌倉市と藤沢市に後援をしていただき、予選を勝ち抜いた選手がとても熱い戦いをしていました。是非、知事にもSUPに挑戦していただきたいです。SUPをしたことはありますか?

知事

SUPはないですね。朝、走っていると、朝からやっている人がいますね。見ていてすごいなとは思いますが。

参加者11(葉山町・女性)

コアが鍛えられるので、是非。ウインドサーフィンも、是非。山梨町長は教えるのが上手なので、お願いしてみてもよろしいのではないでしょうか。

1つ伺いたいことがあります。先月、セーリングのワールドカップがありました。知事はボートから観戦していたと思います。今回、漁業補償がないということで、漁師さんに妨害をされたとか、漁師さんがレース中にロープを出して、ヨットが損傷したと聞きました。かなりのスピードで走っているときに、ロープがひっかかり転倒してしまうと、かなりの損傷になり、選手が怪我をする場合もあります。来年以降も大会がありますから、そういう補償対策についてはどうお考えですか。

知事

今年はセーリングのワールドカップがあり、来年、再来年と3年連続で江の島でワールドカップがあります。これを2020年のオリンピックのプレ大会というか、「プレプレ大会」のように位置付けています。それをやる中で、課題が見えてきます。それを整理して、次の準備をするということです。

実際にやってみると、報道でもありましたように、「え、こんなことになったの?」ということがいくつかありました。漁業関係の方とも仲良くすることが大前提でしたが、レース海面をどうするかというところから始まり、すべて調整をして、漁業関係者の方の漁はこの時間に、レース開始はこの時間からと、全部決めてあったのに、いきなり約束と違う時間からレースを始めてしまった。どうしてそうなったのか、我々も把握していませんでした。現場でそういったトラブルがあったために、漁業関係者の方から、「嘘をついた」と怒られました。我々も深刻に受け止めています。これはセーリング連盟の話だし、ワールドカップ実行委員会の話でもあります。オリンピックの組織委員会も見ています。

今回のことを経験として、今後、こういうことがないように、今、動いています。マイナス要因を次にはプラスに変えるように、しっかりとやりたいと思います。私たちは、こんなことが2度とないように、県としてもしっかりと見守ります。

参加者12(逗子市・男性)

私は、海について3つ、伺いたいことがあります。1つはごみの問題。そして、砂の問題。もう1つは活用の問題。

まず、ごみについてですが、逗子には小坪漁港があります。漁師は相模湾の汚染がひどいと言っていました。これはもちろん、海洋に関しては、海岸美化や、プラスチックごみなどいろいろな対策が講じられていると思います。それでも海岸を歩くと、ごみが目につくことが、多々あります。これについて、どのように収集、処理するのでしょうか。また、行事のときにはごみ処理を徹底するのが大事だと思います。

次に砂の問題について。逗子の砂浜は、最近、目立って減っています。この原因はいくつもあると思います。葉山港の長い突堤(とってい)ができて、逗子の西の砂が削られています。この突堤は改良してほしいです。また、全県的、あるいは全国的にも「砂が減っている」ということがあります。ダムや、周辺の宅地化などが原因だと考えられます。砂は、例えば、ダムから出して、砂場にまくなど、最近、盛んになっているようです。砂の対策は今後も大事だと思います。是非お願いしたいです。

また、3つ目、活用について。先ほど、潮湯について話がありました。逗子にも潮湯の温泉が、かつてありました。でも、今、そこは集合住宅になっています。このような海の幸をどのように使っていくのか。これは非常に大事なことです。例えば、三浦半島の自然を活かして、「三浦半島自然公園」を作る。あるいは、いろいろなところに拠点を作り、海について学べる場所があるとかなり違うのではと思います。

是非、そういった対策というか、政策を実現していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

知事

ごみの問題は、かつてに比べると、ずいぶんきれいになりました。海岸清掃も一生懸命やっているし、NPOでもやってくださっている。しかし、浜だけきれいにしても、元から絶たなければいけない。ご指摘のとおり重要な問題だと受け止めています。「プラごみゼロ宣言」といったことで改めて海洋汚染の問題をみんなで考え、どうすればマイクロプラスチックが海に流出しないようにするか、みんなで知恵を絞ってやっていきましょう。全県的な運動をしたいと思っています。

それから、砂の問題。神奈川県の海岸がいろいろなところで削られています。特に、相模湾はどんどん砂が減っています。何年か前の大きな台風で、西湘バイパスの方に砂が持って行かれました。養浜(ようひん)工事をいろいろなところでやっています。おっしゃったように、たまった砂を埋めることを繰り返しています。やっとできたと思っても、大きな台風で持っていかれてしまい、繰り返しやっている状況です。湘南海岸の茅ヶ崎の辺りは、ずいぶん復活しました。大磯の辺りは相模湾の中でも急に深くなる湾で、養浜しても崖のようになり、なかなか砂が定着しません。我々が要望して、国の直轄でやってもらうようにしました。新しい技術で、特別な工法でやっています。この地域の問題もそうした流れのなかでしっかり対応しないといけないと思います。

それから、活用においては、皆様からいろいろなアイデアを出してほしい。海の幸を活用し、海で採ってきたものをすぐに食べられる、海のそばのレストランはすごく人気です。楽しいもの、グルメを味わうのも良い。温泉でも良いです。みんなで知恵を出しながら地元の活性化につなげてほしいです。

参加者13(海洋科学高校・女性)

今年の4月から6月まで、新しく造船していただいた実習船の第5代湘南丸でハワイまで遠洋航海してきました。漁業実習を体験しましたが、自分たちでマグロを締める体験がありました。自分たちが生きているものを締めて、それを船の中でいただく体験によって、日頃食べている食材のありがたみ、命のありがたみを身近に感じることができました。

この体験を一般の方にもしていただきたいと考えました。漁業体験を行うことで、漁業の楽しさ、魚の命のありがたみを学ぶことで、漁業は楽しい、日ごろ食べている命について、深く感じてほしいと思いました。

漁業者も若い人の不足が問題ですが、その解決にもつながると考えています。そういった体験をしたら良いと思いました。

知事

ありがとうございます。漁師さんの後継者不足は大問題で、漁業関係者、漁師の後継者がいないのは問題です。今の提案、漁師さんが聞いたら喜ぶと思います。そういった漁業体験で、楽しさ、逆に命の厳しさもあると思います。自分がそこに賭けよう、という人が出てくるかもしれません。我々も考えたい。ありがとうございました。

いろいろと議論をしてきましたが、逗子市長と葉山の町長さんが来てくれています。対話の広場をずっと聴かれた感想を聞かせてください。

逗子市・平井市長

多様な素晴らしい意見ばかりでした。本当にシナリオがなかったのか、とびっくりしています。一番感じているのは、民間の人たちのエネルギーや力は、三浦半島の中で、葉山町や逗子市においても活発です。あとは市民の力。そこと行政が連携し、いろいろな可能性を広げ、それを発信するのが重要だと思います。

最近、逗子市でもいろいろやってくれている民間の団体があります。それを目指して移住してくれる人も結構多いです。豊かな資源ばかりなので、まさに県と市、民間、市民団体が力を合わせると、可能性は無限大だと実感しました。

知事

葉山町長はウインドサーフィンの元全日本チャンピオンです。

葉山町・山梨町長

素晴らしい話を聞けて、自分も勉強になりました。

香村さんの前で恐縮ですが、私も昔、ウインドサーフィンをしていました。今日は、通じるところがありました。1990年に静岡県の御前崎でウインドサーフィンのワールドカップがあり、当時中学生でしたが、静岡に行き、その海岸を訪れたのですが、そのときの砂浜は浸食されて、今はもうありません。そのときの原体験、海を大切にしたいという思いでウインドサーフィンをやって、キャンペーンもやりました。自分が体験した浜、自然がなくなっていると聞いて、すごくショックを受けたことを覚えています。

今日の海野さんの話で、自然を体験するということが、自分たちの生活にどう影響するか、子どもは1度でも経験すると生涯忘れない。海、山の自然を感じる機会を作ってほしいです。

最近の課題ですが、この夏は暑く、「海離れ」という言葉も聞かれました。敵は都心のナイトプール、インスタ映えです。海は見るもの、写真を撮ってご飯を食べて帰るところになっており、それが課題だと思っています。ウインドサーフィン人口は、90年代から増えていましたが、盛り上がっているかというと全くそうではありません。ダイビングもそうです。SUPも盛り上がっていますが、マリンスポーツでバブルは起きません。根本的な海離れ、自然離れを課題にしたいと思います。

これからも三浦半島魅力最大化に向けて県知事とタッグを組んでやっていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

知事

今日、どんな展開になるか、見当もつきませんでした。今日は、非常に私自身が勉強になりました。あらゆる課題が出ました。今、わくわくしています。皆様はどうでしょうか。

この三浦半島に住んでいるのはどんなに素晴らしいことか。こんなに海が近くて、海の魅力がたくさんあります。一方で、三浦半島は、人口が減少しています。さびれていくなんて、冗談じゃありません。これだけ魅力がいっぱいなのですから、この海の魅力を地元の皆様が本当に知って、それを思い切りアピールする流れを作ることです。「好きになればなるほど、守りたくなる」という話もありましたね。海の素晴らしさに目覚め、「みんなで守る」流れが出てくると、「子どもみらいをスマイル100歳に!」という今日のテーマのように、子どもから100歳まで、にこにこして過ごすことができます。

「皆様、どんどん移り住んできてください」と、そんな流れを、皆様とともに作っていきましょう。

今日は最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。

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