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更新日:2024年1月30日

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平成24年度 黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

平成24年度 黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

 黒岩知事との"対話の広場"地域版 とは

“対話の広場”地域版は、知事が県内の各会場で県民の皆さんと直接意見交換をする場です。

全体の概要はこちらから(情報公開広聴課のホームページへ)

黒岩知事との対話の広場 横須賀三浦会場

横須賀三浦会場では、料理研究家・作家の辰巳芳子さんから食の大切さについて、よこすか海と大地のプロジェクトに参加されている(株)横須賀軽金代表取締役の小野仁志さんからヤサイクル事業についてお話いただき、その後、会場の皆さんで地域の魅力について話し合っていただきました。

横須賀三浦会場 概要

テーマ マグネット地域
サブテーマ

食で創る地域の魅力

日時 平成24年11月7日(水曜)18時30分から20時30分
会場 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット[横須賀芸術劇場内]
内容 

1 知事のあいさつ

2 事例発表

料理研究家、作家 辰巳 芳子さん

よこすか海と大地のプロジェクト、(株)横須賀軽金代表取締役 小野 仁志さん

3 会場の皆さまとの意見交換

4 「神奈川県緊急財政対策」・「神奈川州(仮称)構想案」に関する説明及び意見交換

参加者数 315名

会場ロビーの様子1

会場ロビーの様子2

実施結果

知事のあいさつ

はじめに

知事のあいさつ

こんばんは、神奈川県知事の黒岩祐治です。

対話の広場にお越しいただきまして、ありがとうございます。

マグネットとは

私は、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を掲げて知事になり、1年半がたちました。今各地で行っている“対話の広場”地域版は、マグネットという言葉がキーワードになっています。この言葉に込めた思いを少しお話しします。

私がジャーナリストとして、ナースの取材を始めた今から20年ぐらい前、ナース不足が社会問題になっていました。各病院は、ナースを集めるのに苦労していたのです。そんな時代に、あの病院で働きたいとナースの方から集まってくる病院がありました。まさに磁力に引きつけられるようにナースが集まってくる病院。その病院には何か働きたくなる魅力があるんですね。そして、良いナースが集まると、良い医療が実現し、それが評判になって、また優秀な医療スタッフが集まってくるという、そのような好循環ができている病院をマグネット病院と呼んだのです。

この「マグネット」は良い言葉だと思いました。そこで、知事として、どういう神奈川を目指すのかと考えた結果、マグネット神奈川というのを掲げたのです。これは、わざわざ行きたくなる、住みたくなる、そういう神奈川を目指しましょうというメッセージなのです。

マグネット神奈川の実現のためには、マグネット横須賀、マグネット鎌倉、マグネット葉山というように、それぞれの地域が魅力を持つことが大切だと考えています。また、神奈川には、それだけの潜在力があると思っています。

対話の広場について

今日は、横須賀三浦地域がどんな形でマグネット地域になったらいいだろうかということを皆さんと議論をしてまいります。まず、お二人の方に事例発表していただき、そのお話を元に、皆さんと共に考えていきたいと思っています。

なお、今回は特別に、後半、県の緊急財政対策について、私から説明し、皆さんとディスカッションしたいと思っています。

事例発表

辰巳芳子さん (料理研究家、作家)

「食で創る地域の魅力」というテーマでお話しすることになっておりまして、そのことについては私も意見を持っております。ただ、先ほど知事に、食による地域の活性化もいいんだけれども、まず第一に、人間の教育、今いる人間をどうするかということを考えてくださいと申し上げました。

私が住んでいる地域に、『かまくら春秋』という月刊誌があります。私、これが自慢の種なんですね。小さな町で、あんな魅力的な月刊誌を出せるところは、少ないと思ってるます。作っているのは伊藤玄二郎さんという方だけど、その玄二郎さんが鎌倉の建長寺で、子どもの読書会をしてらっしゃる。少し座禅をさせたり、いろいろ本を読ませて、あの方らしく中身の解説をもしてくださっています。鎌倉でなきゃできないことで、あそこからきっと何かが育つと思ってます。こういう力を持つ方が地域にいらっしゃるなら、是非やっていただきたいと思います。

それから、私もスープの教室をしており、毎月50名の方がいらっしゃるんですね。教室では、同じことを3年繰り返す。だから、3年経たないとディプロマ(卒業証書)をあげません。私は、基本になるものは、必ず3回繰り返す。1回ぐらいじゃ絶対身につくはずがないからです。そして、生徒さんたちに、考えられるだけ考えさせます。私、それを絞り上げると言ってるんだけれど、もう10年以上やってるから、相当な方が育ったはずなの。

私が知事にお願いしたいことは、学校の先生方が、自分は子どもが面白がってついてくる授業をしているかを振り返ったり、意識的に自分をブラッシュアップする機会を与えてほしいということです。

それから、学校の環境が教育の場としてふさわしいかどうかですね。ちょっとしたことで学校は温かみのあるものになります。例えば壁に子どもたちが描いた絵やお習字を張ってあげる。それから、花壇を作る。もっと良いのは、実のなる樹を植えることですね。急にはできないかもしれないけど。そこで取れた梅で、一緒に梅干しを漬けるとか、果物が取れたら、一緒にジャムを作るとか、そういうようなことをしたら、子どもたちはその学校のことを忘れないと思います。先輩たちがしてくださった仕事を、後の者も大切にしてつないでいく、それも一つの勉強ですね。そういう学校を増やしていただきたいと思うのね。

それから、この鎌倉、逗子、葉山あたりには、留学させようと思ったら、すぐ留学させられるような子どもたちがたくさんいますよ。必ず帰って来てもらわなきゃ困るけど。大人も、外国の方を受け入れやすい方がそろっていらっしゃいます。これもこの地域のいい特徴だと思います。

そして、いよいよ食べることの話になりますが、神奈川県は非常に恵まれた所なんじゃないでしょうか。特に三浦は、何を作ってもできる所じゃないでしょうか。ただ、お魚は減っちゃったわね。何と悲しむべきことかと思います。

昔、三浦市の初声へよく避暑に行きました。足で海を探ってたら、アオヤギがいくらでも捕れたんですよ。今、お寿司屋さんでアオヤギを食べたら、大変なお値段でしょう。それから、腰ぐらいまで海に入ったら、もうキスですよ。キスがピンピン釣れたんです。だから、お昼のてんぷらの材料はいくらでもあったんですね。

その頃から比べますと、今はアジも考えてから買うとか、キンメも、あんなに捕れるのに、一体どこに行ってしまうのかわかりません。あの値段も、捕れた量に見合った値段とは思えないですね。

豚だってね、鎌倉ハムが生まれたように、いい味の豚がこの辺にございますよ。だけれど、ハムから一歩も出ない、他の加工品に発展できないところが、哀れなところだと思ってます。日本人は肉の食べ方を知らないんですよ。

豚の頭や足、胸の骨等で、かけがえのない物や料理が作れるし、そういうものの方が体を育てるのに、そういうことを知らない。給食の肉の食べ方については、本当に悲しくて悲しくてたまりません。肉の摂取量が、何と20グラムから30グラムですよ。給食の献立表には、カロリーは書いてあるけどグラム数を書いてない学校が多い。ちゃんとやってるところはグラム数書いてあるけど。それにしても、どうしてそんな少量のタンパク質で、午前中の勉強の消耗を補い、午後の遊びのエネルギーが作れるんでしょうか。どうしてそういうことに平気でいられるんでしょうか。

サブテーマの「食で創る地域の魅力」に関して、知事にお願いしたいのは、神奈川県下の給食に、神奈川県の食材が間違いなく届くようにしてほしいということです。横須賀三浦地区には給食に使いやすいお魚が少ない。アジなど、小魚が多いから。どうしたらいいのかと考えています。

でも、給食の改善によって、地域を改善した方がいらっしゃるんですよ。それは長野の真田町(現・長野県上田市)の大塚貢さんという、教育長をしていらした方です。長野は魚が捕れないにもかかわらず、魚の給食に切り替えたんです。献立表を見ると、いいお献立がたくさん出ています。ですから、私たちにできないはずはないんですね。

それから福井県小浜市。あそこはお魚が捕れるから、真田町のお手本を見習って、自分たちのところの魚で、たいへんいい給食をお始めになったらしいですよ。だから、神奈川県はそこへ連絡を取って、自分たちの給食を悔い改めなければなりません。

給食改善のためには、明日からやれることもあります。発芽玄米をお米に混ぜるのなら、何の苦もなく変えることができる。真田町では、ご飯の後に、煮干しや小女子等の小魚を必ず手のひらいっぱい食べさせているんです。これなら、給食センターも困難を感じることなく、やることができます。金が足らないとは言わせません。全国同じような金額なんだから。予算の問題じゃないんです。本当のやる気なのね。それで、タンパク質が足りないと思ったら、豆を足せばいい。給食に大豆が全然見当たりませんよ。大豆だけじゃない、ほかの豆も全く足らない。

私は、この間、北海道の帯広に行きました。帯広空港に着いたら、十勝地方は食糧自給率1,100パーセントですと書いてあります。それは豆のおかげ。一人で50町歩ぐらいの田んぼを耕すことができる人にも会いましたよ。その方は、私に会ったことを喜んでくれ、自分が育てている豆の全種類を、去年の豆だけどと言って、二つかみずつぐらい送ってくださったんです。煮て食べたら、軟らかくておいしかった。

神奈川県は十勝に申し出て、豆を何トンか買いつけて、給食に取り入れるべきだと思う。それを下煮して、すぐ調理できる豆にし、各学校に配り、学校独自の豆料理を食べさせるようにしてほしい。私は、十勝の方たちが送ってくださった豆を3種類ぐらい同時に炊いて、テーブルの上に置いて、サラダに3種類振りかけて、造作なく食べています。似たようなことが給食でもできます。相当な解決ですよ。お金をかけないでできます。給食の問題は、人ごとじゃなく、自分の子、自分の孫のことだと思ってください。

私が、なぜ大豆100粒運動をやっているかというと、ポストハーベスト(収穫後の農産物に散布する農薬)から日本の子どもを守るためです。それと、子どもの時にやったことは、大きくなってからとってもやりやすい。この国がぎりぎり行き詰まったときに、大豆をまいた子は豆をまくだろうと思ってるんですよ。そうならないことを願っておりますけど。

食べるということについて、皆様を絞り上げようと思ってるんだけれど、なぜ人は食べなければならないのか。ここから考えてくださらないとね。知事が考えてらっしゃることは、うっかりすると方向性を誤るんです。

なぜ、人は食べなければならないか。これはね、この会場にいる方に答えていただかなきゃならないんですよ。どなたかね、人はなぜ食べるのかっていうことについて、我こそはと思って答えてくださる方、ありませんか。あのね、とっても単純なことです。食べるっていうことは当たり前すぎるくらい当たり前だから。

申し上げると、呼吸と等しく、命の仕組みに組み込まれているのが、食べるということなんです。命の仕組みなんです。だから、これは逃れるすべがないわね。

食べることを、簡単にしようかとか、面倒くささから逃れようと思っても、命の仕組みなんですから、そう思ってちゃんと自分を励まして、食べていかなければならない。そして、次にどう食べるべきかを考えなくてはいけないんです。

人間というものは、命を守るものを食べれば、自分の命に対する手応えを感じるものなの。そして、その手応えの積み重ねによってはじめて、人は自分を信じられるようになる。自分を信じられてはじめて、人や物の世界を信じられるようになるんです。信じることができるっていうのは、これは人間らしさの基本だと思う。そうしてね、信じるところから、はじめて希望というものが育っていくんですよ。信じることと希望が愛を育てるのよ。信じられない、希望が全くないというところに、私は愛は育たないと思います、愛は生まれないと思います。愛というものは命の結晶でございます。だから、愛し愛されない一生という人の一生は、これは本当に悲しむべき人生ね。こういう人生を送っては、ヒトは人にならないんです。

ここ(レジュメ)にいのちの目指すところは、と書いたでしょう。ヒトが人になること。このカタカナのヒトは、単なる生物としてのヒトでございます。この漢字の人は、愛を知る人間ということなんです。そして、それを根底にして支えているのが、私はやっぱり言わず語らずに食であると思います。であるから、ちゃんと食べなければならないんですね。

そうして、ここに「神仏の慈悲から目をそらしてはならない」ということを書いたんだけれど、日本人はこの頃、神仏を、わざと見ないようにする方が多いのよ。でも、もっと素直になった方がいいですよ。神仏を考えなければ、説明がつかないことがたくさんあります。最終の説明は神仏無しに答えは出ません。ですから、神仏の慈悲から目をそらしてはならないと思う。

自分は今日よく愛したかっていうことを反省して、自分の愛が良い方向に向かっているか否かということをやっていかなきゃなんないですね。愛するっていうことを鍛え抜かなきゃなんないんですよ。愛を鍛えていくって、誰も言わないわね。愛すべきことを愛する。愛とは対象の上に良きことを願う意志であるっていうこと。これを言う人はないんです。勇気がいるんです。

時間ですので、後ほど時間があったら、お話しいたします。

辰巳芳子さん事例発表1

辰巳芳子さん事例発表2

小野仁志さん (よこすか海と大地のプロジェクト、(株)横須賀軽金代表取締役)

地産地消と地域の魅力を考える「よこすか海と大地のプロジェクト」に参加しています。横須賀軽金という社名は、食にふさわしくないと思われる方も多いと思います。弊社は、建設現場における金属工事の設計製作施工の請負業として創業し、今年、20周年を迎えました。食にかかわるようになったのは、4年半ほど前、環境機器メーカーから生ゴミ処理機の販売という事業提案を受けたことがきっかけでした。その時、焼却する廃棄物を1キロ減らせれば、840グラムのCO2が削減できるということを知りました。環境貢献につながり、事業性のある仕事ができればと思い、環境事業部を発足いたしました。

発足当初は、機器を販売すれば焼却する廃棄物が減り、環境再生ができると思っていましたが、実際に取組みをされている食品関連事業者や、農家の方たちの話を聞くと、この取組みにはさまざまな問題があることがわかりました。

そして、この取組みには、廃棄物の排出者だけではなく、有機堆肥を使う農家、農産物を購入する消費者が一体となって循環の輪をつくり上げていくことが重要だと考えるようになりました。

弊社では、循環の取組みを「ヤサイクル」と名づけて、ホテル、レストラン、スーパー、食品工場等の食品関連事業者だけではなく、地域の自治会や保育園などにも参加していただき、輪を広げていく活動をしております。

実践例としては、お肉屋さんでできた堆肥を、弊社が農家さんに持っていき、その堆肥を使ってジャガイモを作り、そのジャガイモでお肉屋さんがコロッケを作り販売する取組みがあります。同様にパン屋さんと小麦農家の組み合わせもあり、さらに、これらを我々がつなげて、コロッケパンの販売も行っています。

また、保育園などでは、食育の一環として、提携農家さんの畑を利用して、堆肥づくりや作物のつくり方等の農業体験なども定期的に行っています。循環型社会の実現のためには、資源をゴミにしないという意識が重要だと思います。子どもの頃から、循環の仕組みを身近に見ていれば、自然に受け入れられるのではないかと思っております。

弊社では、食品廃棄物のうち、食品として使えるものは食品に戻し、食品にならないものは飼料に、エネルギーとしても使えるものはエネルギーに、堆肥として使えるものは堆肥という、この4つの循環をテーマにヤサイクルという取組みをさらにレベルアップさせていこうというふうに考えております。

やっと、話が「食で創る地域の魅力」という本日のテーマにつながりますが、一番ハードルの高い、食品資源を新たな食品に再生する取組みについてお話しします。大量生産や大量消費から生まれる規格外というものがあります。味も栄養価も十分なのに、規格に合わないために、商品として流通させることができず、大量に廃棄されているものがたくさんあります。

畑で切り落とされてしまうダイコンの葉や、港で水揚げされても小さいために廃棄されてしまうサバや大量の小魚等、規格外の農水産物をなんとか利用できないかと考えました。その結果、横須賀商工会議所の協力も得て、ちょっとこだわった乾燥機を使い、食材の匂いも味もそのままで、栄養たっぷりの天然の食品添加物を作ることができたのです。それらをどのように利用するか、横須賀で飲食店を経営されている方たちに集まっていただき、いろいろなレシピに生まれ変わらせることができました。今後は、離乳食や介護食に添加することも考え、さらに改良を進めてまいります。こういったものを、三浦半島の新たな食材として生かすことができないかと考えています。マグネット地域の一つの形として、新たに食品を開発するようなことを皆さんで考えていければと思っております。

弊社では、三浦半島を中心として、北海道から九州まで、約70軒の農家さんと直接契約をして、作物を直送していただいております。その土地で取れる旬の野菜が、いかにおいしく、食べる意味があるかということを実感することができます。

例えば、ホウレンソウは一年中食べられますが、時期によって栄養価も味も違います。旬を大事にしながら、栄養面でも皆さんに満足していただける食事を広めていきたいと思い、今年7月末に北久里浜駅そばに、「八百屋CAFFEヤサイクル」というお店をオープンいたしました。「八百屋CAFFEヤサイクル」は、全国の農家さんから毎日直送していただく一押しの作物を店頭販売すると同時に、その野菜で作ったジュースやスープ、サラダを、その場で食べていただけるようにしました。

ヤサイクルの活動は、資源の再生利用というエコ活動に取り組みながら、食文化を見直し、地域の活性化につなげていくものです。人に優しく、地球においしいシステムとして進めていければと思っております。

小野仁志さん事例発表1

小野仁志さん事例発表2

意見交換(マグネット地域)

対話1

対話2

知事発言

辰巳先生から、給食のことをしっかりやりなさいというお話を頂きました。実は先日、県庁に来てくださいまして、給食のことについてお話を伺いました。

先生は、非常に大事な、一番の基本のことをおっしゃってくださいました。私もそこには気づいていませんでした。せっかく、こういうお知恵をいただいたのですから、私の力で、何とかして神奈川給食革命を起こしていきたいと思っております。

また、建築業者の小野さんが、環境問題をきっかけにして、食の世界に入っていったというお話。小野さんのユニークな発想には、相通ずるものを感じました。

さあ、議論を進めたいと思います。御意見、御質問等々ある方、どうぞ。

参加者発言1(横浜市・女性)

先日、都庁で開催されていた神奈川の特産物展に行き、たくさんある中から、横須賀海軍カレーを食べてみました。カレー人気コンテスト第1位受賞と書いてあり、確かにおいしいかったです。これもマグネット横須賀につながっているのかなと思います。

知事発言

海軍カレーを食べたいから横須賀に来るという人がいますね。まさにマグネットだと思います。

参加者発言2(横須賀市・男性)

今は、お袋の味じゃなくて、袋の味ですよね。ハンバーグでも冷凍食品でも、スーパーで買ってチンすれば食べられます。それによってプラスチックゴミが増えてしまうんですが。野菜や魚もとれるのに、そういうものを買ってゴミが増え、結果として、CO2が大量に発生していることについて、どうお考えでしょうか。

知事発言

袋の味って、面白い言い方ですね。小野さんのやっているのも、ある種、袋の味というわけですが、いかがですか。

事例発表者発言(小野氏)

袋の味にも、いろいろなものがあると思います。野菜もそうですが、何でも新鮮なものは命が短いということがあります。袋の中身がどのように調理されて、どのくらいの期間持つのかが重要なのかなと思います。

知事発言

必ずしも冷凍食品だけではないですね。辰巳先生も、袋に入れたものが、必ずしも悪いわけじゃないということを本にも書いてらっしゃいますね。

事例発表者発言(辰巳氏)

必ずしも悪いものではなく、いいものもあります。何と申し上げていいか、ちょっとわかりません。

知事発言

加工したものだけでなく、天然のものでも、いつでも取り出せて食べられるといったら、またそれはそれなりの知恵が働くかもしれませんね。

参加者発言3(三浦市・女性)

辰巳先生のお話を聞き、感動しました。

公共の場の食が乱れているということは、子どもの幼稚園の給食からも常々感じており、とても危惧しています。夫は三崎で水産業を営んでいますが、先生として小学校に行くことがよくあります。昼食に出された給食の写真を撮ってきて、こんなにひどい給食が出たと報告してくれます。それを見るとすごく心配になります。

先ほど辰巳先生が、給食改善のためにすぐできることがこれだけあると言ってくださり、黒岩知事も、今すぐやると宣言してくださって、本当に感動しました。是非やっていただきたいと思います。

今後、取組みの進捗状況を、この場にいた人間として確認し、みんなに伝えていきたいです。県の何課に問い合わせれば確認できるのか、教えてください。

参加者発言4(男性)

横須賀と横浜の給食の米飯化率は全国最低です。中でも横須賀が最低で、1週間の5回のうち、2回もありません。ちなみに、鹿児島は5回です。

なぜ神奈川県の小学校で米飯給食ができないかというと、神奈川県産の米が高すぎるためだという話を聞きます。

地産地消と皆さんは言われますが、なぜ、神奈川県産の米を神奈川の子どもたちに食べさせることができないのか、理由を知りたいです。

知事発言

神奈川の米飯給食の実施率が低いことを、私は知らなかったので、改めて調べてお答えしたいと思います。

私は、給食を地産地消で作るのは非常にいいことだと思いますが、神奈川産の農産物は、生産量があまり多くないので、給食には使いづらいという話を聞きました。給食は、生徒全員に同じものを出さなくてはいけないので、給食センターでは、量がたくさんないものは使えないということでした。

しかし、それが障害になっているのなら、発想を変えればいいのではないかと思います。隣のクラスとうちのクラスの料理が違う場合もあることを、保護者の皆さんが理解し納得する。それでやっていこうという判断をしなければ、前に進まないのではないでしょうか。

こういったことに関して、県職員で、誰か話ができますか。

茂木横須賀三浦地域県政総合センター所長発言

神奈川県でもお米の生産は行っていますが、生産量が非常に少ないため、学校給食で必要な量を十分確保できないという状況があります。神奈川県産米は直売等に回ってしまう部分が多く、価格も含めて、給食に必要な量が確保できる生産レベルではまだないということが主な原因と聞いています。

参加者発言5(男性)

私は湯布院で、辰巳先生が指導・助言をされた、地元産のクレソンのスープや地鶏のスープ、雑穀米等をいただきました。湯布院に大手外食チェーンがないのは、湯布院の食のレベルが非常に高いためではないかと思っています。

辰巳先生に伺いたいことがあります。地域の食全体のレベルアップについて、また、地域活性化で盛んになっているB級グルメについて、先生はどうお思いになりますか。

事例発表者発言(辰巳氏)

朝食を食べず、昼はカップラーメン、夜はハンバーガーというような生活を続けていると、必ず病気になります。当座しのぎに召し上がるのは仕方ないですが、それが主体になると病気になります。

会場の皆さんの中で、ご自分で煮干しのだしを引く人、手を挙げてください。この中には私のお弟子さんもいるから、その方たちは手を下げて。

10分の1、もっと少ないですね。30人くらいですかね。

私、先年500人の食生活調査をして、100人の調査票を読んだところですが、おひたしや煮物が出てこないんです。これは由々しいことです。

おだしをかけておひたしを食べるということは、油を使わないで青菜を食べていけるということ。外国だと、病気があって油を取れない人は、サラダが食べられない、ソテーも食べられないとなって、しょぼくれた食生活になります。しかし、私たち日本人は、油を使わなくても全然困りません。私たちが持っている食文化の有り難みを考え直さなきゃなりません。

どうしてみんな、食べることに対する分析力が薄弱なのでしょうか。食べることに対する論理性が皆無です。困ってしまいます。

先祖たちの食べ方に対する感謝も足らないと思います。現在、私たちがこの程度の体でいられるのは、過去何千年、何万年、人々が営んできた食べ方の積み重ねがあるからです。進化のプロセスの中に自分を置くということができないのでしょうか。

知事発言

B級グルメに関しては、焼きそばや粉物だけではなく、厚木のシロコロホルモンなどというのもあります。それから、秋田の大曲の納豆汁は昔からあった家庭料理ですが、そういうのも含めてB級グルメと言っています。

B級グルメはまち起こしにつながります。大曲の納豆汁は家庭料理だから以前はお店にはなかったのですが、大会で優勝したので、納豆汁でまち起こししようということになったんですね。辰巳先生、こういう例はいいでしょう。

事例発表者発言(辰巳氏)

そういうことは最高だと思います。いい考えと思います。

知事発言

神奈川、特に横須賀三浦地域は食の宝庫だと思います。マグネットになる潜在力をいっぱい持っています。

私は医食農同源とよく言っています。医食同源というのは東洋医学の言葉で、食には薬と同じくらいの効能があるということです。その医食同源に農業のあり方も加えてやっていこうということで、医食農同源と言っています。

そう考えると、小野さんがやっていらっしゃる、循環型社会や地産地消の農業のあり方は、医食農同源を進めていくために非常に重要であると思います。

事例発表者発言(辰巳氏)

知事は、給食のことを今後、どういう形でつなげてくださるんですか。

知事発言

給食を変えていくことを皆様にお約束しました。委員会のようなものを作って、検討して行くというのもあると思います。神奈川県の給食が今どうなっているか、全部チェックしたいと思います。全体を見渡し、こんな形にしようという皆さんの合意の下、なるべくスピード感を持って、実現していきたいと思います。

辰巳先生、そのためにお力添えをお願いします。

県教育委員会では、子どもたちの望ましい食習慣の形成に向け、栄養教諭の配置を164名に拡大し、(1)全ての公立小・中学校で、食育年間指導計画を策定すること、(2)朝食を毎日食べる児童・生徒の割合を全国平均以上とすること、(3)給食での野菜の残食率を8%から5%以内とすることなどを目標に掲げ、学校おける食育の充実に取り組んでいる。

今回、食育指導のさらなる充実を図るため、これまでの目標に加え、地場産物を活用した地産地消の給食のあり方や学校給食における医食農同源の実現などを検討するため「栄養教諭連絡会」に新たに検討会議を設置することとした。

知事によるまとめ(マグネット地域)

給食のことは、今日の大きな成果として持ち帰りたいと思います。

どうもありがとうございました。

《知事による「神奈川県緊急財政対策」及び「神奈川州(仮称)構想案」の説明・意見交換》

説明

はじめに

知事になってはじめて1年間の予算編成を行ったのですが、その中で、県の財政状況を見て、びっくりしました。これはもう破綻していると言っても過言ではない、何とかしなくてはと思い、緊急財政対策本部を設けて検討を始めました。

神奈川県の人口の変化 [資料1[PDFファイル/118KB]][資料2[PDFファイル/97KB]]

まずは年齢別人口構成を見て下さい。(資料1[PDFファイル/118KB])1970(昭和45)年は85歳以上の人は非常に少なかったんですね。グラフが見事なピラミッド形になっています。(資料2[PDFファイル/97KB])これが2050(平成62)年になると、形は逆ピラミッド、さっきと全然違いますね。全国の中でも神奈川県は高齢化の進み方が速く、超高齢社会が早期にやってくることが予想されています。

介護・措置・医療関係費の推移[資料3[PDFファイル/98KB]]

高齢化の影響は既に表れています。つまり、介護・措置・医療関係のお金が、この7年間で約2倍になっています。

義務的経費の見通し[資料4[PDFファイル/88KB]]

平成15年度から平成24年度までの県税収入と義務的経費を見ていきましょう。

一番下の青い部分、人件費など、介護・措置・医療関係のお金、公債費、ここまで合わせて、義務的経費といいます。これは、どうしても支出せざるを得ないお金です。青い線が県税収入なんですが、平成18年度頃から結構伸びていましたが平成20年のリーマンショックでがくんと落ちました。そこから立ち直れない状況が続いています。

神奈川県の職員定数の推移[資料5[PDFファイル/75KB]]

県が行財政改革を今までやってこなかったのかというと、そんなことはありません。神奈川県は驚くほど行財政改革にしっかり取り組んできました。これは私の功績ではなく、これまでの知事たちがよく取り組まれたんですね。

平成9年度から平成24年度までの神奈川県の職員定数の推移を見てみますと、警察官と教員は少し増えていますが、知事部局の職員は大幅に減っています。平成9年度の職員数を100とすると、平成24年度は56.3。人数で言えば、当時1万3,551人いたものが、今は7,629人。約6,000人近く知事部局の職員を減らしてきているのです。

出先機関の見直し[資料6[PDFファイル/83KB]]

県の出先機関も、平成9年度は279機関あったのを、平成24年度には132機関と、半分にしています。

教職員人件費の見直し[資料7[PDFファイル/80KB]] 

このように頑張っているのですが、構造的な問題もあります。県の予算総額1兆7,730億円のうち、教職員の人件費、つまり学校の先生の給料が28.8パーセントを占めてるわけですね。そして、その内の43.2パーセントは、政令市の先生の給料です。給料だけは県が払って、人事権は政令市が持っているんです。この構造は、国が決めたものなんですね。県の財政は圧迫されるような仕組みになっているということなんです。

県債年度末現在高の推移、地方交付税及び臨時財政対策債の推移[資料8[PDFファイル/66KB]] 

もう一つ、県が頑張っても乗り越えられないのが、借金に関する問題です。

平成24年度、神奈川県全体が抱えている借金は3兆5,355億円です。予算の倍が借金なんですね。しかし、県が放漫経営をやっていたのかというと、そうではありません。グラフの黄色い部分は県債ですが、これは少しずつですが減ってきてますね。県独自の借金はこうやって減らしてきているんです。

ところが、赤い部分はどんどん増えています。この赤い部分が臨時財政対策債です。通常、地方交付税は現金で交付されるわけですが、国も財政が厳しいからといって、代わりに借金を押し付けるんですね。この臨時財政対策債は平成13年度に始まりました。名前の通り、臨時的に引き受けたんですが、以後11年間続いています。平成24年度で見てみますと、本来ならば3,270億円現金で支払われるはずのところ、そのうちの4分の3、2,430億円は借金を押しつけられているんですね。こういう構図があるから、借金はどんどん増えていくわけです。

都市部に高い臨時財政対策債の割合[資料9[PDFファイル/64KB]

神奈川県は、臨時財政対策債を全国で2番目に高い割合で押し付けられているんです。例えば、島根県、高知県等は、地方交付税をもらっていて、借金を背負わされていません。一方、愛知県、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府等、比較的財力のある府県に借金を大量に押し付けるという、こういう構図になっております。

平成25、26年度の財政収支見通し[資料10[PDFファイル/83KB]]

このような状況を踏まえ、平成25年度、26年度予算を考えると、計1,600億円の財源不足が生じることになります。

義務的経費の見通し[資料11[PDFファイル/90KB]]

歳入総額を見てみましょう。平成26、27年頃に県税収入の伸びを予測しているのは、消費税増税を見込んでいるためですが、それ以外には収入増は期待できません。一方、義務的経費はどんどん増えていき、義務的経費が歳入総額を上回る状況が10年もたたないうちにやってくることになります。つまり、県財政の破綻が見えているわけです。

今後、高齢化が進み、介護・措置・医療関係のお金が増えていくのを何とかしたいと考えています。しかし、医療や福祉関係のお金を削りますといったら、皆さんどう思われますか。黒岩は、いのち輝く神奈川の実現を目指すって言ってたじゃないか。いのち輝くって言ってたのに、医療や福祉の予算を削るのかということになりますね。

医食農同源

そこで、私は東西医療の融合ということを考えています。東洋医学には未病を治すという言葉があります。つまり、病気直前状態を治していく。どのように治すのかというと、医食同源という発想、食の力によって、病気にならない体をつくるというものです。さらに、私が言っている医食農同源では、食の活動や農業のあり方も含めて取り組んでいく。その結果、医療費は抑えられ、元気な人が増えていく。それをやりたいと思っています。

経済のエンジンを回す取組み

緊急財政対策とともに、県税収入を増やすことが大切です。これが伸びていけば、すべての問題が解決するんですね。

そのために、経済のエンジンを回す取組みとして、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区、観光の第4の核、さがみロボット産業特区等を考えています。

神奈川臨調

神奈川県緊急財政対策を提案するにあたっては、6名の専門家からなる外部有識者調査会「神奈川県緊急財政対策本部調査会(神奈川臨調)」から提言をいただきました。提言の内容は、県有施設を3年以内に全廃、補助金も、全て一時凍結というものでした。ただし、短期間での検討をお願いしたこともあり、一つ一つの県有施設や補助金について、精査した上で結論を出したものではありません。我々は神奈川臨調から、本当に必要なものは何か、全てゼロから考え直してくださいというメッセージを受け取ったわけです。

緊急財政対策の主な取組み[資料12[PDFファイル/80KB]

その提言を受けて、県がまとめたのが神奈川県緊急財政対策です。県有施設の見直しというのは、施設ごとに、廃止か、市町村や民間への移譲かなどを検討していこうということなんです。その中には、統廃合する施設もあるでしょうし、その結果、空いた施設を売ったり、民間に貸すことができるかもしれないのです。

補助金、負担金についても、全部洗い出しました。お手元に資料(「神奈川県緊急財政対策」)があると思いますが、これを元に、廃止、削減等について、一つ一つ検証しているところです。

それとともに、県民の皆様に痛みをお願いしなくてはいけないかもしれないときには、自分たちももっと身を切らなくてはいけないだろうと思います。県はこれまでも、職員や施設を減らしてきましたが、今後も職員数、給与の削減等により、人件費総額を抑制してまいります。

中長期的課題への対応[資料13[PDFファイル/78KB]

臨時財政対策債のことは、引き続き国に要望いたしますが、同時に、本県独自の取組みとしても、県債の管理目標を掲げ、借金を減らすように努力してまいります。

また、政令市の教職員給与負担のねじれについても、国に改善を求めていきます。ただ、教育の問題は非常に重要ですから、財政面だけで語るわけにはいかないだろうと考えています。そこで、教育のあり方を1年かけてしっかり議論しつつ、財政的にもっと身軽になる方法はないか、教育だけは別に、神奈川教育臨調で検討していただいているところです。

おわりに

県では、この超高齢化社会を乗り切るために、皆さんとともに考えていきたいと思っています。我々が勝手に決めて、従ってくださいと言っているのではないのです。

神奈川という船は沈みかけています。まずは、沈みかけているという認識を皆さんと共有したいのです。その上で、どうすればいいかを考えていく。実際には、施設や補助金を全部なくすわけにいかないですよね。だからこそ、皆で知恵を出してやっていきたい。そのために、こういう議論の場を設けているところです。

以上、私の方からご説明いたしました。皆さんの中で様々なご意見もあるでしょうから、ここからは質疑応答の時間にしたいと思います。

意見交換

参加者発言1 (横須賀市・男性)

横須賀三浦地域には三浦半島断層群があり、巨大地震の恐れもあります。県の緊急財政対策の中で、災害への備えをどのようにお考えでしょうか。

 

知事発言

東日本大震災時の津波は想定外の高さだったという話がありました。そこで、過去に遡って神奈川県に来た津波を調べ、津波浸水予測図というのを皆さんにお見せしました。それを元に、できることから始めたところです。

防災対策は重要です。だからといって、湘南海岸に高さ20メートルの防波堤を築くわけにもいかないでしょう。では、どうするのかと考えると、仮に大きな津波が来てまちが流されたとしても、最後の最後、命だけは助かることが大事です。そのために、海辺にある高いビルを津波避難ビルとして使わせてくださいとお願いをしています。また、そういうものがないところには、津波避難タワーを造る等、様々な知恵や工夫をしながら、やっているところです。

参加者発言2 (横浜市・男性)

臨時財政対策債の押し付けや政令指定都市との関係で法律の縛りがあるとの話を聞き、県と国の関係が、ある種の従属関係のように思えてきました。知事が従属関係を感じるのは、財政的な面においてですか。また、それを克服するために、州的な構想を出した方がいいとお考えなのか、2点お聞かせ下さい。

知事発言

国に従属している感じがするというのは、まさにその通りだと思います。だから、我々は地域主権を目指しています。地域のことは地域だけで決めさせてくれということです。

今、大阪都構想とか、政令市は県から独立するといった話などが出ていますが、神奈川県では、道州制の議論を長年積み重ねてきた経緯があります。それを踏まえながら議論をし、一つのアイデアとしてまとめました。これは、道州制を目指していく中で、国からもっと権限を持ってきて、県の権限も譲れるものは市町村に譲っていこうというもので、いわゆる州のような感じを目指していこうというものです。どのエリアの道州制がいいのかは、いろいろ議論があります。首都圏連合とか、山梨と組んだ道州制というのもあるかと思いますが、まずは、神奈川で一つの州でよいのではないかと考えています。そして、皆がうらやむような神奈川モデルを作っていきたいと思っています。

先ほどお話しした、財政破綻の危機は、神奈川だけではなく、日本全体の問題です。だから、まず神奈川から、財政危機を脱出するモデルを作ろうと思って取り組んでいるところです。

参加者発言3 (横須賀市・女性)

横須賀市の養護学校で事務職員をしています。知事から給食の改革という発言がありましたが、学校現場の栄養士や給食調理員は心を込めて給食を作り、先生たちが障害のある児童生徒たちに工夫して食べさせています。そういう状況を見ているので、給食のどこが悪いのかという思いを抱きました。

成長期の子どもの体を作る上で、学校給食が重責を担っていることはよく分かります。ただし、知事もご存知だと思いますが、学校給食は市町村単位で提供しているので、市町村によって状況が違います。横須賀三浦地域でも、三浦市は小学校、中学校とも給食センターで作っており、横須賀市は、小学校は給食、中学校は牛乳給食のみの提供等、様々です。知事は何を意図して給食改革という話をされたのでしょうか。

知事発言

辰巳先生に長野県真田町(現・上田市真田町)の給食の献立表を見せていただいたところ、それには毎日小魚が入っていました。子どものうちに固い物を噛むのは、顎の成長のために大事です。また、真田町の給食は雑穀米を取り入れていたり、米飯給食の回数も多く、子どもの成長を考えた献立だと感じました。

そこで、神奈川県の給食の現状を調査してみたいと考えています。足りない部分があれば、そこを改善していけばいいし、神奈川の方が良いという結果が出るかもしれません。現在、こんな給食にするという具体案を持っているわけではありませんが、みんなで知恵を絞りながら、どのような給食がいいか考えていくべきだと思っています。

参加者発言4 (小田原市・男性)

命を大切にする小田原を創る会というボランティア団体を代表して来ました。今日は、食と教育の話が出ていますが、食育は知育、徳育、体育の三本柱の教育の基礎だと食育基本法でも言われています。先ほど、知事からも教育の話が出ましたが、教育によって、健康や財政も良い方向に展開できるのではないかと思っています。

知事発言

ありがとうございました。最後にお一人どうぞ。

参加者発言5 (横須賀市・男性)

知事の話の中長期的課題への対応の中で、少子化対策が一番大事だと思います。単に子どもを産めというのではなく、子育てのための環境整備が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

知事発言

ありがとうございました。もう一人、どうぞ。

参加者発言6 (女性)

円高が問題になっていますが、物が安く買えるということなので、円高がメリットになる会社もあるのではないでしょうか。

また、厚生省(現・厚生労働省)のグリーンピア問題のように、官僚がいい加減なことをしてきたのに、誰も責任を取っていません。政府が国民の命と財産を守ってくれなかったら、真面目にやっている人間はどうすればよいのでしょうか。

知事発言

円高でメリットを受ける企業もあるが、今の日本経済がこの円高に見合うかというと、国際的に見た場合、円高になりすぎていると思います。そういう意味でグローバルな戦略が必要です。

グリーンピア問題のように、官僚が今までひどいことやってきたという話は、私もキャスター時代にはよく取り上げました。そのような国の問題を今後どうしていくかが、大きな政治的課題にもなっています。

そんな中で、私は、神奈川県を任されたのだから、神奈川で日本を再生する神奈川モデルを作りたいと思っています。だから、これまで国がやってきたような無駄遣いは神奈川では絶対許さないと言っています。そのために、全ての県有施設の見直しをやっています。これを全国に広げていけたらと思っています。

少子化問題は重要です。緊急財政対策の説明の最初に年齢別人口の推移のグラフを見ていただいたのは、それが問題の根本だからです。少子化対策をしっかりやっていけば、先ほど話したような問題は解決するはずです。

仮に、少子化対策がうまくいかなかった場合、外国から人を入れるということも、選択肢としてあるかもしれません。そのようなことも含めて、この国の将来はどうあるべきなのかということを考えなくてはいけないと思います。その中で、神奈川はどうあるべきなのか、その一番すばらしい姿は何なのかということを、議論しながらつくっていきたいと思います。

おわりに

このような対話の広場は定期的にやっています。県庁でもやっていますので、皆さん是非ご参加ください。今日はありがとうございました。

「神奈川県緊急財政対策」に関するお問合せ先

政策局財政部財政課

「神奈川州(仮称)構想案」に関するお問合せ先

政策局地域政策部広域連携課

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このページの所管所属は 横須賀三浦地域県政総合センターです。