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更新日:2024年1月30日

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平成28年度黒岩知事との"対話の広場"地域版 横須賀三浦会場 開催結果

平成28年度黒岩知事との“対話の広場”地域版 横須賀三浦会場開催結果(速報)

平成28年度「黒岩知事との”対話の広場”地域版 横須賀三浦会場」開催結果

対話の広場速報版

集会の概要

黒岩知事との”対話の広場”地域版(横須賀三浦会場)

日時 平成28年9月27日(火曜日)18時30分から20時00分
会場 神奈川県立保健福祉大学 管理図書館棟2階大会議室
テーマ 人生100歳時代の設計図
地域テーマ 元気に暮らせる「食と運動」とは

内容

1 知事あいさつ

2 事例発表

【事例発表者】
大武 美代子 氏 (神奈川県食生活改善推進団体三栄会会長)

鈴木 志保子 氏 (神奈川県立保健福祉大学栄養学科教授)

3 知事によるまとめ)

 
参加者数 133名

知事のあいさつ

知事あいさつ

知事あいさつ2

知事

こんばんは、神奈川県知事の黒岩祐治です。たいへんお忙しい中、わざわざ駆けつけてくださいまして、誠にありがとうございます。

私は、県民との“対話の広場”をたいへん楽しみにしておりまして、今、各地域を巡っている最中です。今年の共通のテーマは、「人生100歳時代の設計図」を書いていこうということであります。「人生100歳時代」というのは、今年から言い始めた言葉なんですけれども、なんでこんなことを言い始めたのかをちょっとお時間をいただいてご説明したいと思います。 

ちょっとこの図をご覧いただきましょう。これは神奈川県の人口の形なんですけれども、上は1970年で、きれいなピラミッド型だったんですね。85歳以上の方はあまりいなかったんです。2050年になりますと、まったく逆の形になります。一番多いところが85歳以上。特に女性が多いですね。これくらい劇的に変わるんです。こんなに劇的に変わるというのに今のままでいたら、病院に行っても診きれませんからね。そんな余裕がなくなってしまいます。医療のシステムが崩壊する。

そのために、今、何かをしなければいけない。我々は「未病」を改善するんだと言っているんです。「未病」とは何か。たいていの場合、「健康か病気か」ととらえがちなんですね。今まではそういう形で成り立ってきました。病院というのは病気の人を診るところ。ところが、こういう形だと、超高齢社会を乗り越えるのは無理なんです。

「健康」と「病気」の間はグラデーションでだんだんと変化する。この方が実感に近いでしょう。この中のどこにいても少しでも白い方に持ってくるというのが「未病を改善する」ということです。病気になってからお医者さんに行って治すというモデルだと、超高齢社会を乗り越えていけない。だから、自分がグラデーションのどこにいるかを早く知って、少しでも白い方に持ってくるということを日常生活の中でやって、結果的に病気にならなくするということが、一番大事だということですね。

そのために大事な3つの要素。「食」、「運動」、「社会参加」が大事だと。今日は「食」と「運動」に焦点を当てて、「人生100歳時代」について考えていきましょう、ということなんですね。

今、我々は健康寿命を延ばしていこうとしているんです。平均寿命と健康寿命は違うんですね。何歳まで生きているかが平均寿命ですけれども、健康寿命というのはどこまで元気でいらっしゃるかということです。せっかく長生きしているんだったら、最期のギリギリまで元気でいたいですよね。

その健康寿命を延ばしていこうとする中で、やっぱりこういった「食」や「運動」などがすごく大事になってくるということなんですけれども、そんな中で社会全体としてはどうなって行くのかな。100歳が当たり前になってきますね。今日は、100歳を超えている人は来ていますか。さすがにいないですか。でも、もう少ししたら、「100歳を超えている人」と聞いたら、「はーい」と手が挙がるかもしれないですよ。

今、日本で100歳以上の人は、6万人を超えているんですね。2050年になりますと、約70万人です。その時には人口が減っていますから、割り算をすると、なんと142人に1人が100歳以上という状況になる。その時に、100歳を超えてもみんな元気でいてくれる、そんな社会を目指したい。そのためには、一人ひとりがどうやって自分の人生を考えていくのか。どういう気持ちで生活していくのか、というようなことを考えていくのが、すごく大事。若い間から考えていくことが大事。

今までの人生の設計図というのは、大体、学校に行って社会に出て、60歳で定年で、あとは老後。ちょっと待ってください。100歳まであるんですから、60歳定年で、40年間あるんですからね。40年どうしますか。老後として過ごすんですかね。身体は元気ですよ。私は昨日62歳になりました。自分では全然62歳という感じはしないですからね。62歳から100歳まであと38年間あります。38年間どうして過ごすか。老後として過ごすのってなかなか難しいですよね。

そうすると、どんなことをやっていけるのかという、自分のライフスタイルとしての設計図の書き方もあるだろうし、社会として用意しなければいけないこともたくさんあるんじゃないか。それを皆さんと考えて行こう。その議論のスタートを今年やっていきたいということであります。

宣伝したら怒られてしまうかもしれないんですが、実は、「百歳時代」という本を出しまして、ここに県がやろうとしていることは全部入っております。とにかく考えるきっかけを皆さんとともに共有したいな、と思っているところであります。

今日は「食」と「運動」に関する素晴らしい先生から、まずはお話を聞いていただいて、あとは皆さんとの対話ですから、どんどん発言してください。対話がないとこのストーリーは始まりません。どんなストーリーになるか全然決めていません。出たとこ勝負で行きますので、皆さん、どんどん発言していただきたいと思います。ありがとうございました。

事例発表

大武会長

大武会長2

大武 美代子 氏(神奈川県食生活改善推進団体三栄会 会長)

皆さん、こんばんは。三浦市食生活改善推進団体三栄会会長の大武美代子です。

最初に自己紹介をさせていただきます。出身は横浜です。8人兄弟の2番目として育ちました。私の世代では兄弟が多い方であると思います。兄弟が多いおかげか、特別良い子でいる必要もなく、勉強よりは外遊び、給食の時間が大好きな小学生。そして中学生時代は、部活のバスケットボールに夢中。そんな私も現在は、老境のお祝いを2年前にしてもらえた年齢になりました。現在、三浦市に住んで10年が過ぎました。

さて、食生活改善推進員になったきっかけですが、自分自身のメタボ診断の結果でした。平成21年に、三浦市主催の食生活改善推進員養成講座を受講、翌年に三栄会に入会し、食生活改善推進員として活動しています。

食生活改善推進員とはどんな人たちなのかというと、「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンに活動している、健康づくりのボランティアです。昭和20年代の食糧不足による乳児死亡率が高いという問題に対して、自らが健康生活の実践者になりたいという意欲的な主婦グループが誕生しました。その後、保健所を中心に、主婦を対象とした「栄養教室」が行われるようになり、昭和39年に食生活改善推進員の養成が始まりました。これが私どもの活動の始まりです。現在では、食生活改善推進団体として全国の市町村に組織があり、三浦市で活動する食生活改善推進団体の名称が「三栄会」です。

私ども三栄会は平成26年に50周年を迎えました。「おいしく楽しく健康に、私たちの健康は私たちの手で」、このスローガンのもとに、50年という時間、歴史を作り上げてきた会です。食を通した健康づくりの地域のボランティアとして、赤ちゃんから高齢者まで、あらゆる世代の健全な食生活を実践することのできる食育活動に取り組んでいます。

さて、食生活改善推進員としての活動を紹介します。三栄会入会当初は、月一回の料理教室に通っているといった気楽な思いでしたが、回を重ねるたびに、相当すごい会員さんたちだと思い始めました。私のような新人にも丁寧、熱心に、栄養計算や主食・主菜・副菜のバランス、減塩献立の作り方、様々な知識、そして推進員としての自覚を教えてくださいました。まるで部活動のような楽しさ。諸先輩には感謝しています。推進員としての知識は県・市の栄養士の方々から講義として学んでいます。

私たちの活動は、料理教室の講師といった形をとることが多いです。生活習慣病予防のためには減塩すること、それに加えて、1日に取りたい野菜の目標量は350グラムで、現状ではあと70グラムほど不足しています。料理教室では、小鉢一つ分の野菜料理をいつもの食卓にプラスすることで簡単に解決できることなど、具体的に説明しています。

次にデモンストレーション、調理実習を行います。緊張の連続ですが、練習した成果の見せ所です。その後、献立担当者が作りましたレシピに従い、グループごとに各会員が付いて調理実習します。すべての調理実習終了後、盛りつけして試食をします。「いただきます」から始まり、「ごちそうさま」の後に、お一人お一人コメントをいただきます。意見、感想、お褒めの言葉や「家に帰ったらぜひ作ってみたい」、「こんなに薄味でも美味しく食べられるんですね!」などの感想をいただいた時は、「やって良かった!」と思う瞬間です。ですが、逆に「一人暮らしなので、この分量では作りにくい」といったご意見をいただいたりすると、「配慮が足りなかったなぁ」と反省をしています。ボランティアは常に勉強であること。そして真摯に受け止め、次回に活かせるように行動することが大切であると思いながら活動しています。

さて、人生100歳時代のライフプランにつながるものとして、私たち三栄会の活動について考えたとき、二つの柱を軸にして考えることができると思います。一つは成人から高齢者までの生涯を通じた食育を推進すること。もう一つはそうした地域住民の方に対する食育の推進の担い手としての、シニアが社会参加できる活動の場の提供です。

一つ目の柱、生涯を通じた食育の推進です。100歳まで元気に暮らすためには、まずは食事、生きぬくための自助努力、お口から食べる行為と考えます。私たちの実施している調理実習では、素材の下ごしらえや切り方で味や食感、盛りつけまで変わってくることをお伝えしています。そして一番大切な調味料の計量です。塩分の摂り過ぎに気づく瞬間です。最近ではますます身近な健康問題である骨粗しょう症や高血圧予防のための減塩を採り上げています。骨粗しょう症予防のための「生涯骨太クッキング」。牛乳やスキムミルクで簡単に調理し、効率よくカルシウムを摂ることが可能であるとともに、うま味が減塩になることもお伝えしています。

皆さんで協力して作る調理実習、そして共食、ともに食べること。同じものを食べ会話がはずむ。味付け、盛りつけ、レシピ通りに同じように作ったはずが、盛りつけも味も違ってくる。そういった面白さがあります。食後は会話も弾んで、心もなごみます。それもまた、食を通じた健康づくりの一つです。

そして、人生100歳時代の設計図として、私たちの活動のもう一つの柱は、シニアの社会参加の場の提供です。これからは、ますます、元気な高齢者が社会に参加する機会が出てきます。私たち会員自身にも顕著にあらわれています。60歳の定年を迎えてから5年は働いてもまだ65歳です。まだまだ社会参加をしっかりとしていかなければいけません。この時を好機と思い前進するか、後退するかでは、生きていく楽しさが違います。私たちは、自分自身のためにアクションを起こすことがなかなかできませんが、皆さまのお役に立った時、喜びを共有することができます。この共有することが、人生100歳時代、高齢長寿のライフプランに繋がると考えます。

社会参加の場として、たとえば「シルバー認知症予防教室」では、誰もが当然のように元気で健康であることや、老いについて、気軽に、食育を通じて語りあえます。ご自身の健康を考えた時、必ず皆さまの健康を考えるようになります。地域の皆さまに対し、生涯を通じた食育を推進する健康づくりの担い手として、こんなにも社会参加できる活動は無いと思っています。

本年度は、2人目の男性会員も入会し、調理実習にも参加され女性会員同様、活動しています。活動には、年齢は関係なく、ご本人の力だと思います。我々の活動を現在支えてくださっているのは、役員一同と会員の方々です。まだ仕事を持っている方もたくさんいます。そういった中ですから、ますますシルバー世代の力が必要です。

食生活改善推進員は一生のボランティア活動であると言えます。まずは、日々の積み重ねであります。反省と実践あるのみ。特別なことではありませんが、この三浦という地域の中で、お役に立ちたいと願っています。今後も県民の一人として我が町、神奈川を楽しんでいきたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。

鈴木先生

鈴木先生2

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

こんばんは。このような機会を与えていただいて、本当に感謝しています。10分間、思い切り話をさせていただきます。よろしくお願いします。

私たちの身体の大きさはどうして決まるのだろう、と思ったことはありませんか。私は身長163センチです。これから大きくなる可能性のある方が少しいらっしゃるかもしれませんが、他の皆さんはほぼ決まった状態になっていますね。どうしてこの身長になったのかなって、思ったことはないでしょうか。

どういう要因が考えられるかというと、遺伝的な要因、成長期の栄養状態、成長期の身体活動の状況、成長期の睡眠の状況が複雑に絡み合って、皆さん今の身長になったと考えられます。では、それをビル建設で例えたいと思います。

良好に育つ、普通に育つというのは、「早く寝なさいよ」、「ご飯をちゃんと食べなきゃダメよ」、「運動もちゃんとしなさいよ」と言われて普通に育った場合です。それを8階建てのビルでコンクリートの厚みが20センチ、鉄骨が60本入っているとしましょう。栄養状態が良好で、適度な身体活動、適切な生活習慣で睡眠もちゃんと十分にとった場合には、最近の研究で、両親の身長から算出した推定身長よりも若干大きくなるという研究結果が、私が外部研究員をしている順天堂大学女性スポーツ研究センターから出ました。

この研究から、オリンピックや世界選手権に出場した選手たちの小さい時からの身長と体重の変動のデータを解析し、成長スパート中に良好、適度、適正な状況が身長の伸びに影響を与えることが分かりました。

その研究結果から作成した「スラリちゃん、Height!」というソフトをご紹介します。このソフトをダウンロードして、身長と体重のデータを入力していくと、このように、成長期に入ったことを知らせてくれて、「栄養状態を良くして! 運動をやらせ過ぎないで! 睡眠もちゃんととって!」というメッセージが出ます。研究の成果を単なる学術的なものだけではなくて、ソフトにして皆さんに還元しました。「スラリちゃん、Height!」は、ここにアクセスしていただければ無料でダウンロードできますので、ぜひとも皆さんご活用ください。

では、良好でなかったらどうなるのという話を今度はしたいと思います。良好でなかったらどうなるかと言うと、例えば低エネルギーとか栄養状態が悪い場合には、背は高くなるかもしれないけれども痩せていたり、低身長になったりする可能性があります。栄養が過剰な状態であれば太ってしまいますね。身体活動が少なくなれば、刺激が少ないので、身長が伸びにくいかもしれません。

小さい時から運動をいっぱいすればそれで良いかというと、問題が起こってしまいます。運動すればその分食べる量を多くしなくてはいけないのに、胃は2倍になったりしません。発育・発達期には大きくなるためにエネルギーや栄養素をたくさん必要とするのに、あまりにも運動させ過ぎると食べることが追いつかなくなって、エネルギー不足や栄養状態が悪くなり成長に支障をきたします。運動をすればするほど良いということはなく、食べる量が追いつかないほど運動させてはいけない、ということを知っていただきたいです。

毎食バランス良く食べなくてはいけないということを、皆さん知っていらっしゃいますね。先ほど、バランス良く主食・主菜・副菜とそろえた方が良いですというお話をうかがいました。しかし、毎食バランス良く食べなくても、1食くらい食べなくても生きて無事に過ごしていると思っていらっしゃいますね。

今日ここに来ていただいた方には、バランス良く毎食食べなくてはいけない理由を理解して帰っていただきたいと思います。よろしいでしょうか。最初に大人バージョンです。私たちは新陳代謝によって、体毛を含む毛関係、爪、歯以外は、長くて120日、短いと数時間ですべて作り替えられています。今どこが作り替えられているか分かる方。「ここがかゆいな、ここらへんかな」とか分かる方いらっしゃいますか。分からないけれども、赤ちゃんの時から持っているものを今持っているかと言われたら、全部作り替えられていて、基本的に今の身体は、3ヶ月から4ヶ月前に食べたものから出来上っています。3ヶ月から4ヶ月前の食べ方が悪ければ、今の状態の身体は良い状況ではないかもしれないということです。今日ちゃんと食べたから良いとか悪いとかいう問題ではないということを、まず、知っていただきたいということです。

では、1食抜いたくらいでは何にも関係ないと思うけれども、関係があるのだよということを少しお話ししたいと思います。上腕二頭筋は力こぶの筋肉ですね。この筋肉をビル建設で例えたいと思います。10階建てのビルが100棟で出来ていると思ってください。イメージできましたか。今日の夕方から夜にかけて、100棟あるうちの1棟を作り替えようとしています。作り替えるためには、そのビルを解体工事しなければいけません。解体するにはエネルギーが必要です。身体の中でエネルギーを出すためにはビタミンが必要です。今日は、ちゃんと昼ご飯を食べているので解体工事ができました。

次に、ビルの材料のたんぱく質は、解体した時に出て来たたんぱく質の70%をリサイクルします。30%排泄されるので、お昼ご飯から、その分を補充します。もしも昼食にたんぱく質が少ない場合には、10階建てを建てることができず、8階建てや9階建てになってしまいます。ただし、100棟あるうちの99棟は10階建てで、1棟だけが8階建てになったところで、動きは変わらないし、触ってもそこがへこんでいるなんて分からないので、私たちは食べなくても平気だと思ってしまいます。しかし、食べていない分だけ確実に身体は損なわれていることを知っていただきたいと思います。

子どもの場合、生まれて来た時には、上腕二頭筋は3階建て10棟から始まる感じですね。3階建てが10棟しかない状態から、成長するにしたがって10階建てを100棟にしていくことになります。そのために、エネルギーや栄養素の必要量は、体重当たりで考えたときには、大人よりも相当たくさん必要になるということを知ってください。大人の理論で、太ってはいけないから食べなくてもいいというようなこと、例えば糖質制限のようなことをしていれば、建物がちゃんと建つことができないので、発育・発達に支障を来すことになります。

次に運動がなぜ大事かについて。私たちは新陳代謝する時に、骨と筋肉は特に、刺激に応じて作るよう考えます。いくら栄養状態が良くても、骨や筋肉に対する刺激が少ないと、作る量を少なくします。運動は、自分の身体の目的を持って計画的に継続的に行う身体活動のことです。階段を利用したり、歩いたりして、筋肉や骨に刺激を入れましょう。

そこで、最近言われているサルコペニアについて説明します。エネルギーやたんぱく質を始めとする栄養素の摂取量が少なくなったときや、動く量が少なくなったときにサルコペニアは起こります。加齢とともに、筋肉量が少なくなってサルコペニアになり、介護が必要な状態にならないように、私たちは栄養状態を良くして、身体に刺激を入れて今の筋肉を維持していくということがとても重要だと言えます。私たちがバランス良く食べなければいけない理由を分かっていただけたでしょうか。

最後に、自分の身体は自分で守ってください。そのためには知識が必要です。継続するためには今度はスキルが必要です。技術が必要なのです。毎日の積み重ねが一生の成果になります。毎日10回ジャンプをしたら、1年間で3,650回になりますね。ゼロと3,650回とでは全然違います。それによって骨は維持されるかもしれません。勢いに乗って、今夜、膝が痛いのにジャンプするのは止めてくださいね。お醤油だったら、1日に親指の頭程度少なくすれば、1年間で365ミリリットルの醤油が少なくなり、その分の減塩は65グラムになります。そういうちょっとした積み重ねが私たちの身体を守るのだということを知っていただいて、動くこと、食べること、身体を維持して頑張っていきましょう。ありがとうございました。

意見交換

知事

聞いているだけで元気が出てくるような事例発表でしたね。お二人ともやっぱりパワーがありますね。食がしっかりしているとパワーがあるんですね。そう思いながら聞いていましたけれどもね。

さあ、ここからは皆さんとの対話です。質問であっても良いし、私はこんなことをやっているんだというアピールでも良いし、何でもけっこうです。それでは、早速行きましょうかね。はい、どうぞ。

 

参加者1(横須賀市・男性)

先ほど知事がおっしゃった“未病”というのはどういうことか、そして未病を防ぐにはどうしたらいいかということを教えていただきたいです。

知事

では、さっきの図を出してもらえますか。

未病とは、元々は中国の漢方の言葉なんですね。中国の漢方の一番古い教科書「黄帝内経」に“未病を治す”と書いてあるんですね。一番偉いお医者さんが未病を治す。病気を治すお医者さんより、未病を治すお医者さんが偉いということ。

実は、私の父親が末期のがんになってですね、余命2ヶ月と言われたところから、漢方の先生に出会って、食の指導を言われたんですね。あとは漢方薬。もう生命力の限界と言うか、どんどん具合が悪くなってしまったので、もうダメだなという中、わらにもすがる思いで漢方の先生に指導を受けた。そうしたら食の指導があって、漢方薬があって、「食」とか「運動」とか、そういうことなんですね。それで未病を治すんだとおっしゃって。未病を治すと言っても、うちの父親は末期の病じゃないかと思ったんですけれども、それでも未病を治すというの信じてやってみて、結果的にどうなったかというと、完全にがんが消えてしまったんですね。それで完全に元気になったということがあって、未病を治すとはすごいことだなと思ったんです。

余命2ヶ月が結果、2年半という時間をいただいて、すごく元気になりました。ただ、元気になり過ぎてしまって、朝ゴミを出しに行って転んでしまって、圧迫骨折で立てなくなって動かなくなるとまたどんどん悪くなってきて、最後は朝、「胃が痛い」と言ったので、「どうしたの」とか気にしているうちに亡くなりました。

そういう時間をもらったということはすごく大きいな、未病を治すというのはすごく大きいことなんだなとなって、同じ生きて行くんだったら、死なないようにしてくれというのは無理ですからね、最期まで元気というのが一番良いじゃないですか。そのためにはこの“未病”という考えが非常に大事だなと思って、それで未病、未病と言っていたんですけれども、ただ単に漢方が良いですよという話ではないですよね。漢方のエビデンスはどうなのか、証拠はたくさんあるのかという話で、抵抗を感じる方もいらっしゃいますから、うちの父親に起きたことは何だったのかな、ということをいろいろと考えてみて、この未病の改善というものを世界にアピールしようと思った時に、この図を発明したんです。

「健康か病気か」ではなくてグラデーション。連続的に変化してますよね。このどこにいても少しでも白い方に持ってくる。元々“未病を治す”と言っていたんですけれども、この“治す”という言葉に抵抗を示される方もいらっしゃって、“治す”というのはやっぱり“病気を治す”ものでしょ、という話だったので、“未病を改善する”という言葉に変えました。未病を改善していくには、「食」がすごく大きな意味がありますよ。未病にならなくしていきましょう、「運動」でもそういうふうになりますよ。これで行こうということで、このメッセージを世界に発信しているんです。

ここに“未病”と書いてありますけれども、下に“ME-BYO”とあるでしょう。英語では“ME-BYO”というのをずっと世界に言い続けていて、今、WHOからハーバード大学からみんな“ME-BYO”ということで、神奈川県と連携を始めているということなんです。これが未病の改善。未病を改善することで、人生100歳時代になっても皆さんのいのちがキラキラと輝いているようなモデルを作りたい。そういう思いで今進めているということであります。

参加者2(横須賀市・男性)

観音崎に住んでおります。今年1月に90歳になりました。今、100歳まで元気でというお話が出たんですけれども、私もそれに達するように全身全霊でやろうと思います。今日一番感じたのは、鈴木先生の「食」について。私は今、運動と脳トレですね、ボケないように一生懸命努力しているんですけれども、今日、栄養とか食というお話を聞きまして、これから十分注意しなきゃいけないということを聞きました。ありがとうございました。

知事

今、90歳ですか。もう100歳は軽々と行きそうですね。素晴らしいですね。「食」ってすごく大事ですよね。

鈴木先生、日本人は元々、昔から食に関しては健康になるような食のあり方というものをかなりやっていたんじゃないですかね。どうですか。

 

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

日本は、とても食教育は優れていて、主食・主菜・副菜を知らない方が、今は存在しないはずなのです。戦前から学校教育の中で食事構成を教えてきたので、日本人はとても良い形で食教育が行われています。

ただし、自分の適正量がどれくらいかということを教える機会がなかったので、その健康教育の修正を今後は考えていかないと、未病の人が多くなると私は考えています。

 

知事

バランスという言葉が何度も出てきましたね。このバランスというのはすごく大事ですよね。偏っちゃうといけないということですね。日本食というのは、もともとそういう要素があるんじゃないですか。

 

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

バランスは取りやすくて、主食・主菜・副菜とかをちゃんと並べていれば良いですよという文化で来たんですけれど、最近では栄養の様々な知識が蔓延して、野菜さえ食べていれば健康だ、のような風潮になりつつあります。その弊害として、高齢の方が一生懸命お野菜を食べるけれども、肉とか魚が少なくなり、低たんぱく質といって、たんぱく質の摂取量が少なくなって、先ほど言った、いくら歩いてたって、筋肉をつくる素を入れていないので、サルコペニアという介護を必要とするような状況に陥ってしまいます。健康観があまりにも違った方向で高くなることを、私たち栄養学の専門家たちは懸念しているところです。

知事

大武さんは、実際に料理を作っていらして、そのバランスというとどんな風に気をつけていらっしゃるんですか。

 

大武 美代子 氏(神奈川県食生活改善推進団体三栄会 会長)

一応やっぱり栄養士の先生の方に教わったことをやっているんですね、あくまでも。その中で、やっぱり様々な年齢の方がいらっしゃると、教え方も違ってきますけれど、調理実習した時にきっちり食べられることがとても素晴らしいと思うんですね。やっぱり共食をしていかなければいけないなという気がします。栄養ももちろんそうですが。

知事

実は未病というのは、ハーバード大学に一番最初に発表したんですよ。未病のことをどうやって説明しようかな、ハーバードの学生を前にしてね。で、先ほどの図を考えたんです。白か赤か。白から赤へのグラデーション。未病っていうのを英語でどう言おうかな。該当する英語がないんですよ。だからME-BYO と言ったんですね。TSUNAMI(津波)も英語になってますから。未病という日本語も英語にしてしまおうとME-BYO と言った。

その時にハーバードで食の話をしたんです。食によって未病を改善する。日本食とは、ってアピールしたんですよ。日本食というのはものすごくヘルシーでしょう、基本的には。それと、すごくいろんな食材があるじゃないですか。少しの量に思えても、その中には実は食材がいっぱいあるでしょう。いろんな種類があるでしょう。それで、たとえば野菜一つにしても、いろんな色がありますよね。緑だけじゃなくて、白いのも、黒いのも、青いのも、黄色いのも。野菜だっていろんな色が入って来るとか。だから、そういう意味では多様性というか、それが入っていて、しかもヘルシーというので、日本人はもともと食の中から健康を維持するという文化を持っていたんだと。

君たちアメリカ人はどんな食生活をしているんだ。こんなでっかいステーキを食べて、野菜にしたってポテトとかをたくさん食べて。それで終わった後はデザート、こんなに甘いものをばんばん食べて。それでコーラをがんがん飲んで、コーラをダイエット・コークにしてるからって自慢したり。こんな太ってて、太ってからジムに行って汗を流していて。

食の中から未病にならなくしていく発想はないだろうと言ったら、その通りだっていう話になっていたんですけれど、実は逆に会場から質問されちゃいました。「今の日本の若い人もそうですか」って。これはずしっと来ましたね。今の日本の若い人たちがそうやってバランスのいい食生活を本当にしているかと言われたら、やっぱり悪い意味で欧米化しているんじゃないかなということなんですけれど。

このあたりは、鈴木さん、どうですかね。

 

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

若い人たちは、手軽にいろいろと食べることができ過ぎているように感じますね。例えば、お寿司は私が子どもの頃、手軽に食べることができなかったのに、回転寿司のおかげで安価でたくさん食べることができるようになりました。生ものを幼い子どもが大量に食べている姿を見ると、複雑な気持ちになります。

知事

大武さん、そういう意味では、今は作らなくたってスーパーに行ったら、何でもでき上がって売ってますからね。

大武 美代子 氏(神奈川県食生活改善推進団体三栄会 会長)

鈴木先生がおっしゃった回転寿司なんですけど、基本の味が甘いから塩分が入ってないって勘違いしてる方が多くて、ばくばく食べてるんですけど、すごい塩分だから、酢飯ってすごい味を感じてるんですけど、皆さんご存じでしょうか。

知事

酢飯は塩分が高い。お寿司をいっぱい食べたら塩分がどんどん増えて行ってしまう。

 

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

そうです。酢飯はエネルギー量もすごく高いです。普通のご飯食べてるよりも、とても高いです。

知事

そうなんですか。お寿司はヘルシーだからいくらでも食べて良いってものじゃないと。一つ勉強になりました。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

例えば1ヶ月に1回、美味しくいただくくらいが良いですね。

参加者3(横浜市・男性)

2つ質問させていただきたいと思うんですけれども、この今日いただいた資料の中で、「三浦半島だより」というのがありますが、すごく食に対して魅力があるというような話がここにも記載されていますが、私も三浦半島ってすごく良い食の文化を持っている、食材もそうですし、すごく良い食の魅力を持っているエリアだなというふうに思っています。この三浦半島の食の魅力をどうやって引き出していくかということについて、黒岩知事はどのようにお考えになっているかということ。

もう一つが、私は食品メーカーに勤めているんですけれども、食品メーカーは今、やはり健康寿命の延伸ということを非常に強く意識しておりまして、そういったことに少しでも神奈川県民や横須賀の皆さま方にも貢献していきたいなというふうに思ってるわけなんですけれども、大武先生ですとか鈴木先生みたいな、こういった活動をされてる方もいらっしゃいますが、そういった民間の力をどのような形で活かしていこうというふうに思われているかということを、お聞かせいただければと思います。

知事

ありがとうございます。まさにこの三浦半島というのは、未病を語るのに非常に良い所だと思っています。

三浦半島の魅力というのはやっぱり、なんといっても食材の豊富さというか、野菜でもいろんな野菜があるしね。そして水産物もいっぱいあるじゃないですか。それから、葉山牛という和牛もあるわけですし、食材の宝庫ですね。いろいろなものがあって。

そういったものをうまく組み合せた食生活。その中でまた非常に大事だと思っているのは、いわゆる地産地消ということだと思うんですね。これは漢方的な考え方なんですけれども、「身土不二」という言葉がありまして、身体と生活する現場は二つならずと。なるべく自分が生活する現場と近いものを食べた方が身体に良いという教えなんですけれども、言葉を分かりやすくすると地産地消ということですね。自分のそばで作ったものは新鮮じゃないですか。そういったものを日常的に食べることがすごく身体に良いということですね。ですから、この三浦半島はその潜在力をすごく持っているわけです。

実は、三浦半島の首長さんたちが集まって、三浦半島サミットというのをやっていらっしゃるんですけれども、そこでこの三浦半島のことを「未病を治す半島宣言」としている。これは私が仕掛けたわけではないんですよ。市長さん町長さんたちが独自に集まって、「未病を治す半島宣言」という話をされたんですね。

この三浦半島の魅力こそが、未病改善のためにものすごく力になっているんだ。これをもとにして地方創生をやっていこうという動きが今、三浦半島に出ているということですね。

それから民間の力をどう使うか。実はこれはすごく大事なことだと思っています。県がいろんなことやっても、高が知れているんです。県が税金を使って何かやろうかと思っても、大きな超高齢社会を乗り越えるモデルを作るというのは、なかなかできないんですね。その中でやっぱり民間が動き始めるということが大事だということですね。

実は、さっきの「白赤モデル」。これだと、実は新しい産業は出てこないですよね。健康産業、病気のときの医療産業。これは実際には反応しません。新たな健康産業が出てくるのかというと、出てこない。

ところが「グラデーションモデル」。未病産業と言った瞬間に、どーんと出てきます。先ほど、食品メーカーも健康寿命を延ばすためのことを考えています、という話がありましたね。まさに未病産業ですよ。食のあり方によって、皆さん未病を改善しましょうというところになると、どんどん新しい産業が出てくるんですね。

今、神奈川県は未病産業研究会をつくって、これは新しい産業だというので400社が参加しています。そこに入ってくる会社なんか見てるとおもしろいですよ。これが本当にそういったヘルスケアの分野に入ってくるような会社かなというところがいっぱいあるんですよ。例えばリコーとか。リコーがそういう健康とかいってもピンと来ないでしょう。富士フイルム。カメラのフイルムの会社が、今や最先端のバイオライフサイエンスの会社になっている。どんどん新しいヘルスケア、健康を改善して維持していこうというところに産業が動き始めている。これによって経済のエンジンを回して行けるはずだということなんです。

だから、県は大きなコンセプトを見せているんですね。問題意識というか課題を見せている。圧倒的な超高齢社会。今のままぼーっと見ていたら、皆さん病院にもかかれなくなりますよ、社会保障は全部崩壊しますよといった危機感をお見せして、その中で、じゃあ皆さんの力でなんとかしてください。1つは地域の力です。それから民間の力です。それらは実際に動き始めてきているんですね。それが私たちが考えていることなんです。

参加者4(住所不詳・男性)

アメリカはがんが多いということで、国を挙げて生活、食の見直しということで有名なんですが、日本も良い和食があるので、その辺をもう1回見直したら良いんじゃないかななんて思いまして。個人的なことなんですが。

知事

がんなんかも「白赤モデル」ではないですね。まったくがんでなかった人が突然かかるわけではないですよね。グラデーションです。

それでこういうのが分かるような新しい技術ができたんですよ。アミノインデックス。これは味の素です。味の素はアミノ酸をずっと分析しているんですね。このアミノインデックスというのは、わずか5ミリリットルの血液を分析することで、どのがんのリスクがどれくらいあるか、まさに「がん未病状態」が分かるんです。早めに分かって、それを改善していくということです。がんになってから手術して何とかするのではなくて、グラデーションモデルの中で早めに見つけていく。そんな技術もどんどん出てきている。

グラデーションで行けば、認知症なんかもそうですよね。認知症も、まったく問題のなかった人が突然なるわけではないですよね。だんだん症状が出るまで10年以上ずっとあるわけですよね。ちょっとずつ進んでいる。最初のうちは分からない。何となく最近、人の名前が出てこないな、というようなことがずっとあって、それから症状が出てくる。だから、「白か赤か」ではないんですよね。全部つながっている。なるべく早いうちに分かることが大事。

さっき脳トレって話がありましたね。今流行っていますよね。神奈川県ではコグニサイズというのを全県展開しています。運動しながら脳を使うということですけれども、いろいろやっているんです。歩きながら、100から7ずつ引き算していくとか。

今日実は、神奈川県庁に、ある新しい未病関連商品というのが出てきたんです。それのデモンストレーションがありましたけどね。「コグニバイク」というんです。何ですか、と聞いたら、自転車を漕ぐ運動器具がありますよね。そこに画面がついていて、いろいろな問題が出題されるんです。50回の回転に合わせながら質問されるんです。それに答えるというものです。これはコグニサイズがバイクになったものだということで。そういうことやってらっしゃることによって認知症の方が減ってくるというと、これはみんな嬉しいことじゃないですか。そういうことをやっていこうということなんですね。

参加者5(横須賀市・女性)

横須賀市内から来ました。開始時間を間違えて、あまり全部お話が聞けなかった中で、もしお話で出ていたら申し訳ないんですけれども、日本食の素晴らしさということで、3年くらい前の“対話の広場”地域版だったと思うんですが、辰巳先生(※料理研究家 辰巳芳子氏)がいらした回で給食の話が出て、米飯給食の素晴らしさというお話が出たと思うんです。黒岩知事は米飯給食の導入というか増加に向けて動きたいというお話をしていただいたんですけれども、その辺の実現に関しての状況をお聞かせいただけたらと思います。

あともう一点、ごめんなさい。先ほど、身土不二というお話があったんですけれども、そのお話が出るということは、流通が発達してなかった時代はもともと身土不二で皆さん地元のものを食べていたと思うんですけど、今は流通が発達して、いろんなところのものが食べられるようになって、その代わりに添加物であるとか、農薬であるとかいうものが使われてることも多いと思うんですけれども、その辺に関してはどのような見解をお持ちかをお伺いしたいです。

知事

ありがとうございます。こういった食のあり方によって未病を改善していこうという話は前からずっとやっているんですね。そんな中で、来ていただいて発言されたことがあるんですね。それでお話をしたこともありました。その時、最近米を食べない、米をもっと給食の中に入れたら良いんじゃないか、というお話は確かにありましたね。これは各市町村の教育委員会が主導権を持ってるんですけれども、米飯給食は最近だいぶ増えてきたようですね。現況を報告してもらいましょう。

横須賀三浦地域県政総合センター 國重所長

市町村の教育委員会の方で学校給食をやっているわけですけれども、県の方の教育委員会からも、米飯の給食というのは進めていただきましょうということで、この間いろいろと働きかけをさせていただいております。

4年前はですね、週5回のうち平均で2回にも達していないところがあるというお話があったんですけれども、この間ずっと進んでまいりまして、県全体でも週あたり平均3回は米飯という形になってございます。平均でございますので、どこの市町村も確実に2回は超えておりますけども、多いところは4回くらいであったりします。かなりそういった形では米飯ということが栄養バランスも良いですし、それから食文化の継承ということもあって、そういう形で進んできているところです。

知事

お約束どおり改善してるということであります。

それと、実際に流通が行き届いてるから遠くのものが入ってきて、添加物とかいろんなものが入っているものが普通に出回っているということがありますよね。まさにそれが現実だと思いますけど、やっぱり決めるのは消費者ですよね。それは平気だよとなるのか、気にしてなるべく地元の物、新鮮な物を選ぶのかというのは、自分の所に返ってくるんですよね。

未病改善のグラデーション・モデルで一番大事なことは何かというと、白赤モデルは依存モデルなんです。病気になったら、はい先生お願いしますっていうモデルなんですね。このグラデーション・モデルというのは、自分が主体なんです。自分の実感としてはこっちでしょう。健康か病気か、ではないじゃないですか。健康か病気か、と言っているのは為政者側の方なんです。病気の人たちだけ集めてきて、病気を治す。でも、そうではなくて、自分の実感からするとこうでしょう。逆に自分で自分のことを見て、そしてそれで自分で未病を改善していって、自分で健康を取り戻していこう。

そのために、今、いろんな技術が出てきているんですね。これがまた未病産業のおもしろい部分で、例えばウェアラブル端末とか、時計みたいなものをはめるんです。1日中データを取っていて、それを見ていると、血圧の状態から脈の状態から、ずっと変化が分かるわけですよね。

それだけではなくて、新しい産業として出てきたのはミモシスというすごい技術ですけどね。声を分析するだけで、心の未病状態が分かるというものです。こういう技術も出来ている。電話で話すでしょう。声っていうのは嘘がつけないらしいですね。落ち込んでいるとその気持ちが声に出てくるんです。それを分析して、その技術をスマートフォンの中に入れてしまって、電話でしゃべっているだけで「あなたの今の心の元気度はこうなっています」と知らせてくれる。それを知ることによって改善していくということなんですね。

こんな技術がどんどん出てきている。今、グラデーション・モデルで新しい産業がどんどん出てきて、断然この世界が変わろうとしているところなんですね。

参加者6(女性・湘南学院高校生徒)

私は、肥満や生活習慣病が増加している現代で、食を通して人々の健康を守りたいと日々考えています。黒岩知事はそれについて日頃お考えのことや、心がけていることはありますか。

知事

ありがとうございます。

私の個人のことですね。僕も3食は必ず食べますね。僕がこんなことを言っていて、自分が実践していなかったら、ひどいじゃないですか。だから、まずは朝起きると毎朝5キロ走ってるんです。雨が降ったりとか、前の晩にあまりにも飲みすぎたときはちょっと止めておきますけどね。5キロ走って帰ってきてシャワーを浴びて、すっきりとして、それから必ず朝食を食べます。そんなにいっぱい食べませんけれども、シリアルとか、ヨーグルトとか、牛乳とか。お洒落でしょう。

ランチはあまり目一杯は食べないです。でも、僕はもともとバランスを取りたがるタイプで、昨日誕生日なのでてんびん座なんです。昼はいろいろ食べますが、必ず生野菜のサラダを付けています。夜はまあ食べますけれども、最近ちょっとね、炭水化物を摂りすぎかなと思って、少し減らすようにはしていますけどね。

だから、たぶん自分の食生活としてはかなりバランス良く、しかも運動もやっているしっていうので、元気そうでしょう、ほら。そういったことの延長で、今年の3月には人生初めてフルマラソンに挑戦しました。61歳にして初めてフルマラソンを走って、そうやって実践しているところであります。

しかし、これだけ気を遣っているんですけど、また太ってきているんですよ。これはどうしたものだろうなと思って。これだけやっていて、なんで太るのかな、っていうのはちょっと悩みなんですが、どうすればいいですかね。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

ストレスが足りないのではないですか。

知事

ストレスが足りない(笑) 確かにあまりストレスは感じないですね。何か思っても、ビールを飲んでぱっと忘れてしまうんで。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

イラっとしたりすると、脂質の燃焼がよくなるので。

知事

イラっとはしますけどね(笑)

ありがとうございます。

(参加者6に)将来はどういう道を選びたいですか。

参加者6(女性・湘南学院高校生徒)

栄養士になりたいと考えています。

知事

どうもありがとう。高校生がいつも県民の“対話の広場”に来てくれるんですね。そして発言してくれるのが非常に嬉しいですね。世代を超えてみんなで話し合うのはとても素晴らしいと思いますね。

参加者7(住所不詳・男性)

今日はお疲れ様です。知事に、障害者から見た提案をしたいので、協力してもらって来ました。

自分はかれこれ10年くらい前に脳こうそくを患い、5年くらい前から、未病とか食事の件で、自分で気がついたことをやり始めています。未病は今の世の中が、リラックスする気持ちを持つことによって、高齢者の改善ができる。それと食事は、今、自分は免疫の身体づくりをしているので、退院した時は12種類あった薬が今3種類くらい。自分のその日の状態で飲む。そういうことを上手くやると、とにかくストレスを抱えないこと、食べた分が1日か2日で排便ができるような食事。それが5年で、風邪も引いていない。なぜ脳こうそくになったのかと思うくらいで。

とにかく、今の高齢者もそうだけれど、若者、特に大学生なんかは、ストレスを抱えないようにするのと食事、あとは睡眠です。

知事

どうもありがとうございました。

参加者8(横浜市・女性)

横浜に住んでおりますけれども、職場が横須賀でしたので、帰りに寄らせていただきました。とても楽しく参加しております。ありがとうございます。

実は鈴木先生のお話とプロフィールを拝見しまして、オリンピックとパラリンピックの選手のサポートというのがありました。今日少しそのお話を伺えるかなと思って、参加しています。神奈川県はたくさんオリンピアンがいらっしゃると思います。三浦半島もパラリンピックのアスリートがたくさんいるというふうに聞いていました。

食というところで、そのアスリートというのはどういうふうに暮らしているのかということ。あと、神奈川在住のアスリートがたくさんいるということであれば、食と運動というところで、県とアスリートがもっと発信するというスケジュール、イベントがあるのかなと思いまして、伺いたくて質問しました。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

イベントは、私はあまり分かりませんが、スポーツ栄養に関して、県のスポーツ局を通じて、現在、山口さんというパラリンピックのラグビーの選手をサポートしています。見事に銅メダルに輝きました。皆さん朝だから見ていただけなかったですよね。

その他、テニスのプレーヤーの方も県スポーツ局を通してサポートしています。ただ、県で全員というところまではまだ行っていませんので、神奈川県の体育協会さんとか、いろいろなところをツールにして、スポーツ局が中心になって、これから東京オリンピック・パラリンピックに向けて、どんどん活動していきたいと私は思っています。

あとは、オリンピックに入る前に、必ず選手は日本国内のどこかで事前合宿を行います。神奈川県はとても食も良いし、利便性も良いので、その用地としてできるだけ多く使ってもらえれば嬉しいなと思っています。世界中が東京大会へ向けてくるので、スポーツ局の皆さんと一緒に活動していきたいと考えています。

選手の食に関しては、先ほどお話ししたように、食べる量には限界があります。運動時間が長くなれば、消化吸収する時間は短くなってしまうので、いっぱい動いたらいっぱい食べなくちゃいけないという話が成立しないのがプロ選手です。その場合、食べる量をよく考えながら、何を優先して食べるのか、サプリメントをどのように活用するのかマネジメントすることが、プロの選手への私の仕事になります。

小・中学生や高校生は、サプリメントを飲まなくてはいけないほど運動させてはいけないということです。一生懸命食べて得られる量に見合うだけの運動に留めておかないと、発育・発達にも支障を来すし、パフォーマンスは大きくならない。こういったことを、神奈川県に限らず、日本中に広めているというのが私の仕事の一つです。

知事

鈴木さんは、ソフトボール日本代表の上野選手の食の面倒を見て、金メダルを勝ち取ったということで。学長も自慢していましたよ。競技によってアスリートの筋肉のつけ方とかニーズは違いますよね。それは食によって指導できるんですか。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

トレーニングがあって食べるのです。トレーナーさんの力量が悪ければ、いくら私がいい栄養状態をつくっても、トレーニングの質が悪いとだめなのです。トレーニングと栄養は両輪で動かさなくてはいけません。

知事

面白いですよね。スポーツのそういう世界も、科学的な方法ですよね。食の指導なども。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

そうです、科学的に動いています。ここに来る前も、日立のソフトボールチームのキャッチャーの選手が大学に来ていました。来週、国体と神奈川の試合が保土ヶ谷で3連戦あります。その調整のために来ていたんです。

知事

ちなみに、今パラリンピックという話が出ましたが、神奈川県は今、「かながわパラスポーツ推進宣言」をしているんですね。

これは何かというと、ずっと疑問に思っていたんですけれども、オリンピックとパラリンピックってありますね。何が違うんだろう。オリンピックは健常者のスポーツ、パラリンピックは障害者のスポーツ、と分けてますね。なんだかスッキリしない。

グラデーション・モデルを見てください。要するに健常者と障害者と分ければ、白赤モデルですね。でも、完全に障害のない人なんていますか。年を取ってくるとなんとなく足腰も弱ってくるし。障害がちょっとずつやって来るわけでしょう。目がだんだん見えなくなって遠くなってきたとか、耳が遠くなってきたとかいうのは、一種の障害なんじゃないですか。グラデーション・モデルで行ったり来たりするという。

こういうふうにとらえたときに、パラリンピックのパラスポーツというのは要するに、あれは障害者のスポーツだと言うのではなくて、みんなで一緒にできるんじゃないのかという話につながらないかなと。

そうしたら、面白いことを教えてくれた先生がいて、パラリンピアンから学ぶことはいっぱいありますよ、と。例えば、脚が動かない。麻痺して動かなくて、車椅子に乗っている方もいらっしゃいますよね。残されたギリギリの機能をいかに使うかというところを、徹底的に追求しているのがパラリンピアンだと。ただ、そのノウハウというのは、普通の人がだんだん年取ってきて膝が弱ってがくがくしてきたなといったとき、残された機能をどう使ってカバーしていくかというときに、学べるじゃないか。そういうことでね、今、そのかながわパラスポーツ、パラリンピアンから学ぼうというのを、神奈川県のあちこちでやっているんですね。これからも続けてやっていきますからね。鈴木先生はどう思いますか。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

皆さんもパラリンピックの選手の試合をぜひ見てください。見ごたえのある競技がたくさんあります。

選手たちは、すごく明るいです。東京大会に向けて、ぜひご協力ください。

知事

今までパラリンピックの試合ってあまり見なかったような気がしてましたが、今回のリオの大会ではすごくパラリンピックの試合を見て、すごいなというか、レベルもどんどん上がってるんですよね。

例えば、オリンピックのトップ・アスリート、パラリンピックのトップ・アスリートたちの中で行われている科学的ないろいろなことをみんなで共有できてくると、いろいろな形で我々の日常的な未病を改善し、健康を伸ばして行こうというところに活かせるはずじゃないかな、ということがあるわけですね。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

トップ・アスリートももともとは素人だったので、その素人の小さい時からどうやって食べてきているか、どうやって動いてきているかが、その後トップ・アスリートになってからもとても影響します。

知事

これは全世代に渡る非常に大事なことだと思っていて、未病の改善というと、我々も最初は中高年年齢層に焦点を当てていたんですね。

ところが、衝撃的なデータが出てきます。文部科学省のデータ。神奈川県の子どもたちは、基礎的運動能力が劣っている。どういう運動能力が劣っているかというと、しゃがめない子どもがいるんですって。和式トイレがあまりないでしょう。しゃがむってことがあまりできなくて、しゃがむと後ろに転んじゃうんですって。しゃがむというくらいの運動ができない子どもが増えてきている。この子たちが大きくなってそのままだったらどうするんだということで、トップ・アスリートどころの話ではないですよね。

それに加えて、食生活はどうなんだ。日本の中で、先ほどあったように日本食という素晴らしい伝統文化があり、保ってきた。ところが子どもたちが何を食べているかといった時に、すごい偏食をしたり、大人から見たらありえないような食の組み合わせで、おやつばかり食べたりとかしても、平気でいるわけでしょう。

社会参加といった時に、1人でこもっている子もいるわけでしょう。

子どものときからそういう生活をしていたら、これらは全部習慣ですからね、食習慣、運動習慣、社会参加習慣でしょう。これらができないまま大人になったら、この子どもたちはどうなりますか。

そこからやっていかなければいけないなということで、今、子どもの未病改善というプログラムを全県的にやっているんです。

それとともに実は、県庁の女性職員から提案がありました。「ちょっと待って、知事。もっと早くからやらなければダメです」と。もっと早くとは何かと聞いたら、「女性からやらなければダメです、未病女子対策をやりましょう」と言う。何を言っているのかというと、若い女性がダイエットだと言って、一生懸命に栄養を抑えてスリムな身体になって、結婚してお母さんになるときに、やっぱり太るのがいやだと言ってそのままやっていると、胎児がお腹の中で栄養不足になるんです。お腹の中で栄養不足になった胎児は、栄養をいっぱい摂ろうと頑張るんですね。そうすると、胎児の時から糖尿病になってしまう。それを避けるためには、お母さんから変えていかなければいけないということです。栄養学的にはそういうことですよね。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

いろいろな条件が重なっているのですけど、もともとの母体を守るためにいかに食べるかという問題と、妊娠中にどのように食べるかという問題と、生まれてきてから子どもがどうなるかを考えなくてはいけません。人間の体は環境に適応できているので、エネルギーが本当は2,000キロカロリー必要でも、1,500で生きることができます。そのような状況に陥った女性を未病女子と考えています。

参加者9(女性・関東学院六浦高校生徒)

私はラグビーをやっていて、将来のオリンピックを目指しているんですが、今年の夏合宿で、夜ご飯とかは普通に、炭水化物とか、揚げ物とか、お肉とか、そういうのばっかり出て、その後にすぐに夜食があるんですけど、その夜食で出たものがロールケーキとかコストコのチキンだったんですけれど、それって身体づくりに役に立つんですか。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

全体像が分からないので一概には言えないのですが、夕飯の後にロールケーキだったりチキンを食べるというのはどうかという問題からすると、本当にそれが必要かどうかなんですね。

口から入っても、あまりにも食べすぎた場合には、消化吸収しきれずに、便になって出てしまいます。消化吸収が滞ってしまって、とりあえず身体は出すしかないですから。もしかしたら1日1回の便が、その合宿の時には、1日2回も3回も出たりしましたか。合宿の時だと脱水もするから、なかなか便が出にくくなったりもするのだけれど。もしも便の臭いが普段よりも臭くなっているようだったら、たんぱく資源の取りすぎの可能性が高い。それで、本当にそれくらい必要なほど運動しているかをまず推し量らないとダメ。3食で食べきれないのだったら、夜食に持っていくのは良いけれど、コーチや監督が選手は甘いものしか食べられないと思ったのかな。私がマネジメントするんだったら、そんなことは絶対にしないとだけは言っておきます。

知事

今度、鈴木先生に見てもらった方がいいかもしれないですね。そんな夜中に甘いものが出てきて、いっぱい食べた方が良いと思ったのかな。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

甘い方が食べやすいと思って、普通のおにぎりを出しても食べないから、今の子はケーキとかを食べた方が良いんだという工夫なのかもしれないけど、ちょっと間違った工夫というか、若干違うかな。

知事

ぜひ指導を仰いでください。すごいですね、オリンピックを目指すラグビーの女性選手というのは素晴らしいです、頑張ってください。ありがとうございました。

参加者10(横須賀市・女性)

本日は貴重なお話をありがとうございます。

鈴木先生に質問なんですけれども、私は現在横須賀市でスポーツインストラクター兼管理栄養士として勤めておりまして、6月にこちらに来たばかりなのでまだまだ活動ができていないんですが、今後子ども向けの栄養セミナーだったりとか、子どもの体育スクール、あとは成人の方向けの運動の指導、栄養セミナーなど、どんどんやっていきたいと思っております。

そこで、鈴木先生のプロフィールを拝見させていただいて、市内小学校で教師向けに子どもの体力向上推進のための活動を行っているとあるんですけれども、具体的にどのような活動をしているのか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

モデル校に対して、その小学校の子どもたちの体力向上を目指すための取組みについてアドバイスをしています。

横須賀市は現在、給食時間マニュアルを作って、子どもたち一人ひとりの身体を良好に保つために、しっかりと給食を1人前食べることを進めています。来年度からは完全実施していきます。

その中で、偏食のある子どもには、栄養教諭や学校栄養職員が個別指導することによって、嫌な思いをさせないようにしています。横須賀市の子どもたちがしっかりと発育・発達できるようにやっています。

ここ横須賀市で成功すれば、神奈川県全域に広めることができるのではないかと思い、横須賀モデルを作っています。知事、ぜひ成果を広めてください。

知事

これはね、最近すごい難しい問題です。

ちょっと話は違うかもしれないけれども、食のアレルギーを持っている子どももいるじゃないですか。そこのところの配慮も必要ですよね。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

食のアレルギーに関して、私も食物アレルギー持ちなんですよね。アトピーで、見ていただいても分かると思うんですが、小さい時から食物のアレルギーを持っていたのですけれど、食物アレルギーは本来病気なので、それを学校給食上で除去などを完璧に行うことはできないと考えています。

食物アレルギーの子どもさんに、教育によって食べられるものを自分で考えて食べられる力をつけることがとても重要だと考えます。

知事

ありがとうございました。

いろいろと議論してきましたけれど、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

大武さん、最後に、今日参加された感想をひと言いただけますか。

大武 美代子 氏(神奈川県食生活改善推進団体三栄会 会長)

今日はどうも、まったくの素人がご指名に与って、図々しくも10分間という長い時間をこなせました。行政の方のご指導とかもあったので、助かりました。本当に今日はどうもありがとうございました。勉強になりました。

知事

どうもありがとうございました。鈴木さんからもひと言どうぞ。

鈴木 志保子 氏(神奈川県立保健福祉大学栄養学科 教授)

今日はこのような機会を与えていただいて、ありがとうございます。

3033(サンマルサンサン)運動ってご存知でしょうか。みんなで歩いて、階段を上って、一生懸命がんばりましょうっていう運動を、県では推進しています。

横須賀市だけではなくて、県民の皆さんが、子どもから高齢者までみんな生き生きと、本当に知事の言われるとおり生き生きと過ごせるように、一生懸命、研究と教育を行います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。

知事

3033(サンマルサンサン)運動というのは、30分の運動を週に3回、3ヶ月やってみましょう、ということですね。

本当に今日はどうもありがとうございました。皆さんのように、わざわざ来てみようという人は本当は良いんですよね。問題は、ここに来ない人なんです。皆さん、健康に関心があるから来てくれたんですよね。食の話をするだけでも、ものすごく深いですよね。奥深いし、そこのところを大きく見てみると、それによって健康な身体、そして人生100歳時代が輝いてくるという、そこにもつながるだろうという可能性が見えてくる。気をつけなければいけない点がある中で、関心のある人は、その関心をどんどん高めていって、実践していっていただいて、輪をどんどん広げていっていただきたい。そういうように思いますね。

私たちが目指すのは、みんながにこにこした100歳時代、これが目標ですから。皆さんとともにつくっていきたいと思います。

人生100歳時代、ここに今日いらっしゃる皆さんが、みんな100歳、にこにこした元気な100歳になることを目指して我々も一生懸命頑張りますから、今後ともどうぞよろしくお願いします。

本日はお付き合いいただきまして、ありがとうございました。


平成28年度「黒岩知事との“対話の広場”地域版(横須賀三浦会場)」参加者からのご意見(要約版)

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