平成28年仕事始め式 知事メッセージ

掲載日:2016年1月4日

日時: 平成28年1月4日(月曜) 9時30分から9時50分
場所: 県庁本庁舎 大会議場


 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。


 皆さん、どんな新年を迎えられたことでしょうか。

 おかげさまで非常に好天に恵まれて暖かくて最高の正月であったと思います。特に我が神奈川県にとっては、素晴らしいスタートになったのではないのかと思います。何といっても箱根駅伝が大成功に終わりました。

 去年1年間、振り返ってみますと、箱根のことで皆さんとともにずいぶん心配をしたところでありました。それが、何とか年内に噴火警戒レベルが1に戻り、さあ、これからといいながらも、本当かなというふうな疑念もなかなかぬぐい切れなかったと思います。

 その中で、箱根駅伝がきちんと行われるのか、もしかしたらコースが変更されるのではないのか、そんな噂話まであったところでありました。

 ところが、あの見事な晴天の中で行われた箱根駅伝。あの映像が日本中に流れた。これで箱根に対する懸念というのは、一切吹き飛んだのではないでしょうか。あのテレビの映像を見ても、なんてきれいな所なんだろう、神奈川の湘南の海というのは、あんなにきれいな所なんだ、行ってみたいな、箱根にも行ってみたいな。そんな思いがテレビの映像を通じて、そして、選手一人一人の活躍ぶりを通じて伝わったのではなかったでしょうか。

 しかも、ぶっちぎりで優勝したのが、相模原に練習拠点を置く青山学院大学であったということも非常に我々にとってうれしいニュースでありました。もし、これが少しでも逆のことがあったら、毎年、あのコースで行っているのですが、今回はコースを変更してこうなっているということがちょっとでも流れていたら、この流れは全然違った形になっていたというふうに思う次第であります。

 だから、我々神奈川はツイているんだ、この感覚というものをぜひつなげていっていただきたいと思う次第であります。

 私は、去年1年間、ずっと見ていて、神奈川確かにツイているな、ツキがあるなと、つくづく思う次第であります。

 といいますのは、典型的な例として、ラグビーワールドカップがありました。去年の今頃、2019年にラグビーワールドカップが開かれるということ自体、私は知りませんでした。ラグビーに対して私自身、ほとんど興味がなかったということもあり、それが日本で開催されるということ、その意味も、その事実すらも知りませんでした。

 そんな遠くからのスタートでありましたが、では、開催地に名乗りを挙げてみようということで、横浜市と一緒になって手を挙げたところでありました。手を挙げて、開催地に決まって、皆さんとともに喜び合いましたが、実は、私はその意味がそれほど十分には分かっていませんでした。皆さんとともに万歳をしましたけれども、それほどすごいことだというふうには実は思っていなかったのです。

 逆に言うと、7万2,000席もある日産スタジアムをいっぱいにするのは大変だなと、ラグビーのお客さんはどれぐらい来るのかなと。この4、5年をかけてラグビーのブームを盛り上げていかなければいけない、これは大変なことだというふうに実は思っていたところでありました。

 ところが、その後に起きた出来事は何かというと、新国立競技場の建設が間に合わないという話になって、決勝戦が横浜の日産スタジアムで行われるということになりましたが、よくよく話を聞いてみると、もっとこれは大きな意味があったということでありました。もしあのとき、神奈川・横浜連合がラグビーワールドカップの開催地として手を挙げていなかったならば、日本開催そのものが取りやめになっていたということを後から知りました。日本開催のラグビーワールドカップを守ったのは、この神奈川・横浜連合だったということであります。では、その決勝戦というのはどれだけの意味があるのかということで、昨年、私はロンドンで、ラグビーワールドカップの決勝戦を見に行きました。

 まあ驚きました。世界三大スポーツの一つ。オリンピックと並び立つような競技だと言われているラグビーワールドカップ。これぐらい世界が注目する大イベントなんだということを肌で感じ、そしてこのイベントが4年後には、この日本、しかも横浜の日産スタジアムで行われるということを感じて、本当にゾクッとするような思いでありました。

 しかも、そのラグビーワールドカップイングランド大会において、日本が奇跡を起こしました。あの南アフリカを奇跡的に大逆転して勝ったというニュース、これによって一気に日本にラグビーブームが生まれました。歴史というのは一瞬にして変わることというのがあるのだと、私は前からそんな思いで見ていましたけれども、この事例がまさにそうでありました。五郎丸選手を1年前、知っている人は何人いたでしょうか。ラグビーの好きな人にとっては、大変なスーパースターであったことは間違いないけれども、多くの日本人はそれほど知らなかったのではなかったでしょうか。

 ところが今や五郎丸選手を知らない日本人はほとんどいないのではないでしょうか。大スターが誕生した。そして、ラグビーは今や日本人の大人気スポーツに急にのし上がったということであります。何というか、後から良いほうに転がってくるという、それをまさに感じたところでありました。

 そうやって考えてみると、そういえば、ラグビー関係でもう一つ何かあったな、確か前に小田原で日本代表が合宿するという話が来ていたなということを思い出しました。その話が決まったときは、まさにそれがどれだけの意味を持つか、私自身全く思っていませんでした。

 しかし、考えてみてください。あの日本代表チームが神奈川県小田原で合宿をするのです。それだけで、どれだけの人が小田原に行こうと思うか。日本選手の合宿ぶりを見たいと思うか。そういった流れが出てきているのだということを感じた次第でありました。これはツイていると言わなくて何と言えばよいでしょうか。

 それとともに、去年のベトナムフェスタ、皆さんとともに力を合わせて大成功させることができました。あのベトナムフェスタ、この神奈川県本庁舎、そして日本大通りも使い、2日間で20万人の来客を予定して行いましたが、文字通りの史上最大のベトナムフェスタになりました。倍の40万人のお客様がやって来られ、あのときの状態というのは地下鉄のラッシュアワーのようでもありました。これまでの最高レベルのベトナムフェスタ、史上最大のベトナムフェスタ、私はこういうメッセージというのは、やはり大事なんだということを改めて思いました。

 よく、黒岩という知事は大きな事ばかり言って、中身は十分伴っていないのではないかという批判をする人もいます。しかし、大きな事を言うということの意味を、このベトナムフェスタでやはり大事なことなんだと私自身が痛切に感じました。史上最大のベトナムフェスタをやるんだと言ったら、史上最大という言葉がどんどん歩いていきました。それを担当した人たちも皆、史上最大にしなければいけないんだ、そういう気持ちになってきました。我々だけではなくて、ベトナム大使館、そしてベトナム本国へも、史上最大のベトナムフェスタを神奈川でやるんだというメッセージが飛んでいった。

 結果どうなったか、それならばといって、チョン書記長という、ベトナムの最高指導者がわざわざ開会式に出席するということになった。チョン書記長がやって来られたら、今度はベトナムの各メディアが全部やって来た。そして、このベトナムフェスタの模様をどんどんベトナム本国にニュース映像として連続放送したということでありました。その後、ベトナム大使館の皆さんも大変喜んでくださいました。そして、神奈川県が今、ベトナムですごく有名ですよ、あの、すごいベトナムフェスタをやった、チョン書記長が行かれた、あの神奈川ですよね、ということで、大変に有名になったということもありました。

 実は、そこまでのことは、想定していませんでした。しかし、そういったことも後から付いてきた。その後、私がびっくりしたのは、TPPで基本的枠組み合意というニュースが入りました。あのTPPの枠内にベトナムが入っていたということで、メディアはどう伝えたか。新聞にベトナムのことがどんどん出てくるようになりました。ベトナムはこれからTPPの仲間として、大変素晴らしい相手だと、どんどん付き合っていこう、というふうな話が出てまいりました。

 我々はその前に史上最大のベトナムフェスタというものを大成功させ、神奈川・ベトナムといった関係をしっかりとつくっていったということ、これも後から来た大きな流れだったと私は誇りに思っているところであります。


 そして、未病という言葉も、こだわってまいりました。最初はそんな言葉はよく分からないから、やめておけというふうに、いろんな人にずいぶん言われましたけれども、未病、未病と言い続けてきて、最近いろんな人から「未病という言葉がずいぶん浸透してきましたね」というふうにも言われました。そして、この流れをこれから本格的に起こしていきたいと思っています。我々が狙っているところは絶対に間違っていない。これから圧倒的な勢いで進んでくる、この超高齢社会をどう乗り越えていくのか、どう考えても病気を治す、叩き潰すという、今の医療の姿だけでは対応できないことは明らかです。

 それを乗り越える新しいコンセプトが未病コンセプト。この手応えをしっかり受け止めているのは、国際戦略をどんどん進めていくときの相手方の反応を見ればよく分かります。WHOにしろ、ハーバード大学にしろ、アメリカのNIHにしろ、FDAにしろ、去年の「未病サミット神奈川2015in箱根」、ここに集った世界中の権威の皆さんが、この未病コンセプトは素晴らしいといったことで、それぞれ国に帰られました。WHOの本部にも帰られました。ここからどんどん始まってまいりました。おそらく、こういった挑戦というものは、これまで地方自治体ではやったことがないような大きな挑戦だと私は思います。


 政府を動かすというよりも先に神奈川県内を一つにまとめて、そして国際戦略をどんどん展開し、あえて政府を挟み撃ちにしていく、そんな形で流れを変えていきたい、ということを思っているところであります。しかし、別に政府を敵に回すわけではありません。政府の中にも今、どんどん同志が広がっているところであります。

 年末には稲田政調会長が、ぜひ話を聞きたいということで、未病コンセプトについてお話をしてまいりました。そうしたら、彼女からぽっと出てきた言葉、それは、「安倍政権の一億総活躍というものにとって、とても大事なコンセプトです、素晴らしいコンセプトですね」というふうに言われた。こういったことをつないでいくと、私が言ったように、後から大きなことがどんどん返ってくるという、今の流れ、これを加速していけるのではないかと思っている次第であります。

 そして、今までやってきたこと、これもだんだんきれいに流れてきているというふうに思います。「かながわシープロジェクト」と言ってまいりました。神奈川の海の魅力というのは、もっと高めることができるのではないか、そんな思いで、かながわシープロジェクトをやってまいりました。そうした中、漁業関係者と海を楽しむ皆さんも一緒になってやっていこうではないかという、そういう共通の土俵が出来上がってきました。実は、その土俵の上に、オリンピックのセーリング競技の開催をゲットすることもできたわけです。

 つまり、かながわシープロジェクトからきれいな形でセーリング大会が流れてきたということがあり、今度はまた逆に、後はもう時間がありません、4年しかない。その中で、どれだけの準備をしていくのか、といったこと、これがまた、かながわシープロジェクトに戻ってまいります。あの江の島、今の現状のままでは大会はできません。大会ができるためにさまざまなことを整備していかなくてはなりません。これはもう、時間が限られています。だからこそ、我々は圧倒的なスピード感をもって、それに臨んでいかなければいけない、ということは、我々にとっては逆にやりやすい環境に出来上がっているというふうにも考えられるわけであります。

 これを機会に、本当に神奈川の海の魅力を一気に高めるような、そんな広がりを持つような、そんな海域にぜひつなげていきたいと思っているところであります。

 それとともにマグカルという言葉もよく分からない言葉だとよく言われました。マグネットカルチャー、いちいち訳さなければなかなか伝わらない、文化芸術の力で人々の力を集めるんだと言ってまいりましたが、これももう待ったなしです。

 2020年のオリンピック、これを目指しているだけでなくて、2019年ラグビーワールドカップ、このときに世界中から訪れるお客様の前で、どれだけの神奈川の魅力を見せるかという中では、このマグカルも重要な要素となってまいります。

 マグカルも焦点を一つに絞りたいと思っています。ミュージカルがあふれる神奈川にしていきたいのだと、ラグビーワールドカップも決勝戦には、4万人近くのお客さんがだいたい20日間以上滞在されると聞いています。毎日ラグビーの試合があるわけではありません。この方たちにいろんな所に行っていただいて、いろんな神奈川の魅力を楽しんでいただく、その中にこのミュージカルあふれる神奈川、これもぜひプログラムの中に入れていっていただきたいと思う次第であります。

 そのプログラムの中に、商店街観光ツアーもぜひ入れていきたい。そして、前から皆さんとともにやっていった、横浜・箱根・鎌倉に次ぐ第4の観光の核をつくるんだという中で進んでいる、この三崎・城ケ島、大磯、大山をもっとパワフルにしていく。これも2019年に併せて整備をしていきたいと思っているところであります。

 こう考えてみますと、我々がずっとやってきたことが、今年はどんどんためらうことなく、この方向性に向かってしっかり創り上げていけばいいということで、加速していける、そんな環境が整ってくるのではないでしょうか。

 そんな中で、私が去年の4月に統一地方選挙で再選させていただいた。最初にこの場に来てご挨拶させていただいたときのことを覚えているでしょうか。「脱役人体質」、「燃やせ役人魂」といったことを申し上げました。皆さん、あれから半年少し経って、「脱役人体質」はできてきているでしょうか。「役人魂」を皆さん燃やしているでしょうか。私の目から見て、大きな成果は着々と上がっていると思っています。とても皆さんが頑張って、素晴らしい成果を挙げられたといったこともたくさんあると思います。

 川崎競馬場、これが皆さんの大変な創意工夫によって、この競馬界がなかなか華やかではないといった中で、大変な利益を上げてくれた。そしてこの利益を県の財政に対してきちんと還元してくれる。こんな存在にもなったということ、これはすごいことだと思っています。

 それとともに、県立高校改革といった、たいへん難しい課題。これは総論賛成、各論反対となるのは当然だろうという中で、去年の12月、具体の高校の名前まで出して、改革の発表をした。騒然とした雰囲気に包まれるのではないかということを想像しました。しかし、見事なくらい、今のところ大きな混乱もなく、着々と前に来ているということ。これは素晴らしいことだと私は思っています。こういったもの、まさに役人魂を燃やしているんだということを強く感じるところであります。

 そんな中で、脱役人体質といったところ、これは今、皆さんとともにキャッチボールをしている、庁内イントラネットの知事からのメッセージで逐一お話していますけれども、皆さんから出てきた声が、やはり神奈川県庁はスピード感がない。そのスピード感がないということはなぜか、下から順々に上げていかねばいけない、プロセス重視、これがまさに役人体質といった部分だと思います。

 もっとみんなで討論しながら共通の認識を事前につくっておいて、政策をつくるときにはパパパッと上がっていくという、そういう流れにするということ。これが今年の大きな課題ではないかと思う次第であります。課長に権限をどんどん譲っていこうじゃないか、任せてみようじゃないか。そういうことも申し上げましたが、それが具体にどんなふうに生きているのかといったこと。これから皆さんとしっかり検証していきながら、行革大綱の中身をしっかりと我々自身で形にしていく。そんな作業にまい進していきたいと思っているところであります。

 私はこの間、ある就職雑誌のインタビューに答えました。どんな人に神奈川県庁に来てほしいですかといった中で、安泰を求めてくる人は来なくていいと言った。地方公務員は楽していけるのではないか、つぶれる心配も無いから、楽して自分の人生を過ごせるのではないか。そんな思いで来る人は神奈川県庁に来てほしくありません。役人魂を燃やして神奈川県民のために自分の人生をかけるんだ、そんな強い思いを持った人だけが来てください。そんな人が精一杯頑張れる職場の環境づくりに関しては全責任をもって努力して実現してまいります。そんなふうに申し上げました。

 皆さんとともに今年も役人魂を燃やしながら神奈川県民のためにともに働きたいと思います。体に気を付けて一緒に頑張りましょう。

神奈川県

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