令和7年度精神障がい者雇用・職場定着支援セミナー(第2回)【終了しました】
神奈川県が主催する企業向けの精神障がい者雇用・職場定着支援セミナーのお知らせです。
本セミナーは終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。
セミナーの概要を掲載しました。
精神障がい者の雇用と職場定着を考えてみませんか
精神障がい者を雇用し、当事者を中心に就労支援機関・クリニック・家族とのつながりを大切にしながら、生産性向上を実現した企業からお話を伺いました。また、企業の障がい者雇用に携わる担当者の育成状況についてもお聞きしました。
なお、神奈川県が作成した「企業のための障がい者雇用ガイドブック」では、障がい者雇用のプロセス(「障がい者雇用に向けた理解を深める」から「職場定着」まで)を紹介しています。セミナーの概要と併せて、ご覧ください。
企業のための障がい者雇用ガイドブック(PDF:3,807KB)
開催日時
ライブ配信(Zoom)精神障がい者の戦力化~82名の従業員と生産性向上への道筋~
- 令和7年8月7日(木曜日)14時00分から16時00分まで
オンデマンド配信(YouTube 第1回、第2回共通の内容です)
- 令和7年7月18日(金曜日)から令和7年9月30日(火曜日)まで
プログラム
ライブ配信 精神障がい者の戦力化~82名の従業員と生産性向上への道筋~
<講義>精神障がい者の雇用、職場定着のポイントについて
県障害者雇用促進センターから、(1)精神(発達)障がい者の雇い入れにあたって留意したいこと(2)必要な配慮と職場定着のポイントについて講義しました。

資料 精神障がい者の雇用、職場定着のポイント(PDF:2,497KB)
企業担当者による雇用事例紹介
多摩エレクトロニクス株式会社から、雇用状況と働き方、障がい者雇用、増員の背景、戦力化と生産性向上等についてご紹介いただきました。

資料 雇用事例紹介(PDF:1,750KB)
パネルディスカッション
【テーマ】
1 チームマネジメント・社員の理解
2 柔軟な雇用形態について
3 職場環境の工夫
4 支援機関との連携
5 キャリア発展と長期的な戦力化
6 戦力化のポイントについて
【登壇者】
神奈川県障害者雇用促進センター 専門福祉司 宮毅氏
多摩エレクトロニクス株式会社 第二事業部 事業部長 安井周治氏
多摩エレクトロニクス株式会社 第二事業部 メモリ課 課長 伊藤宏一郎氏
<コーディネーター>特定非営利活動法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会 理事 吉野敏博氏

1 チームマネジメント・社員の理解
(吉野氏)
- 障がいのある従業員を含めた関係構築のために工夫している点はあるか。
(安井氏)
- 社外のメンタルクリニックから専門家を招いて研修会を開催した。参加した社員が「自分にも精神障がい特性に当てはまる部分があるかもしれない」などと気付き、より理解が深まった。
(宮氏)
- 県障害者雇用促進センターの事業に出前講座がある。障がい特性の理解について、センター職員が一方的に話すだけでなく、企業の従業員からお困りごとを聞いている。企業で全てを抱え込むのではなく、第三者からの新しい目線を取り込むことも検討いただきたい。
(伊藤氏)
- 仕事のミスは必ず起こるものと考え、個人の責任にせず、作業環境や教え方の悪さをトライアンドエラーで都度直していくことを意識している。逆にミスが出ないと分からない部分もあるので「何事もチャレンジし、失敗も勲章」という意識を大事にしている。また、「できるようになったことを褒める」ことを忘れないようにしている。

2 柔軟な雇用形態について
(安井氏)
- 社内での働き方の調整は、個々の出勤希望日数や時間を配慮しながら行っており、現場に決定を促すことで生産性も意識している。個々の希望に合わせているため、出勤率は100%近くになっている。
(宮氏)
- 穏やかな雰囲気や、同僚や上司からの声掛け、「ありがとう」という言葉や評価、称賛が重要であり、それがモチベーション向上に影響を与えると思う。

3 職場環境の工夫
(安井氏)
- 業務改善のポイントは、個々の作業内容や進捗を細かく把握することだと思う。従業員と同じ作業場に、私も机を並べて仕事をしている。
- 従業員の得意なところを伸ばす方法と、苦手な部分を取り除く方法の両面から考えている。例えば、完成品の数を数える作業が苦手な従業員には、他の従業員に数えることを手伝ってもらったり、自分で数えられるように完成品を10個ずつまとめてもらい、数を認識しやすくしたり、具体的な支援方法を提示し、業務改善につなげている。
(伊藤氏)
- 従業員の働きやすさを整えるために、例えば、コミュニケーションが苦手な従業員には、作業だけに集中できるよう、作業机の配置を、他の人の目線が気にならない場所に移動した。
(宮氏)
- 県障害者雇用促進センターとしては、求人サポートの一環として、障がい者が働く企業見学会や体験実習、トライアル雇用につなげるなどの機会を提供することで、雇用促進を支援する取組を行っている。

4 支援機関との連携
(吉野氏)
(安井氏)
- 採用プロセスでは、企業見学、実習、面接、採用といった流れがあるので、その全てで必ず支援機関の方に入っていただいて、当事者と一緒にいろいろな課題を共有していくことが重要と考える。
(宮氏)
- 家庭環境による問題など、企業として深入りできない問題や、課題の原因が分からない場合は、支援機関に相談して間に入ってもらうのは一つの方法だと思う。

5 キャリア発展と長期的な戦力化
(安井氏)
- 障がいのあるスタッフのモチベーション維持には、管理者から声を掛けることがよいと考えている。
- キャリアアップのために工夫していることは、面談の中で、アルバイトから契約社員になったときのメリット等を説明している。
- 給与設計では、短時間勤務の方が多いため、時給で採用しており、1年に1回の評価があるため、頑張った人にはベースアップに加え、時給の上昇ができている。

6 戦力化のポイントについて
(伊藤氏)
- 管理者側は、「単純作業は雑用のようでつまらない」と勝手に決めつけてしまいそうになるが、実際に働いている従業員が、どのような作業にやりがいを感じるのかを重視している。障がい者自身が、企業の戦力であることを感じられることが職場定着・戦力化のポイントだと思う。
(安井氏)
- 採用することで、企業の一員になることで、1日1時間しか働けなくても、戦力化につながると思う。
(宮氏)
- 戦力化のポイントは、安心・安全があることを前提に、障がい者自身が企業の戦力である一員たる誇りを感じられていること、自分の働きが企業の役に立っているという実感を得られていることだと思う。
- 県障害者雇用促進センターでは、「ともに歩む」(冊子)を毎年作成している。障がい者雇用に取り組む企業の雇用事例をまとめているので、是非ご覧いただきたい。
(蒲谷氏)
- 作業時間・量がゼロより、半分でも1でもありがたいという考え方が、雇用されてる障がい者の方に伝わることが非常に大事だと思う。

主催・共催・事業委託先
【主催】神奈川県
【共催】神奈川労働局
【事業委託先】特定非営利活動法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会
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