令和7年度精神障がい者雇用・職場定着支援セミナー(第1回)【終了しました】
神奈川県が主催する企業向けの精神障がい者雇用・職場定着支援セミナーのお知らせです。
本セミナーは終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。
セミナーの概要を掲載しました。
精神障がい者の雇用と職場定着を考えてみませんか
第1回セミナーでは、人手不足を背景に経営会議で障がい者雇用に取り組むことを決定し、精神障がい者を雇用した企業の「人事」「現場」そして、「支援機関」それぞれの立場で採用するまでの実例をお話しいただきました。
なお、神奈川県が作成した「企業のための障がい者雇用ガイドブック」では、障がい者雇用のプロセス(「障がい者雇用に向けた理解を深める」から「職場定着」まで)を紹介しています。セミナーの概要と併せて、ご覧ください。
企業のための障がい者雇用ガイドブック(PDF:3,807KB)
開催日時
ライブ配信(Zoom)初めての障がい者雇用~採用前に準備したこと~
オンデマンド配信(YouTube 第1回、第2回共通の内容です)
- 令和7年7月18日(金曜日)から令和7年9月30日(火曜日)まで
プログラム
ライブ配信 初めての障がい者雇用~採用前に準備したこと~
人事担当者と現場担当者、働く障がい当事者による雇用事例紹介
株式会社ラミックスから、障がい者雇用を進めたきっかけや、社内協議の様子等について、ご紹介いただきました。

資料 雇用事例紹介(PDF:1,826KB)
パネルディスカッション
【テーマ】
1 採用前準備
2 障がい者雇用の理解
3 採用面接
4 職務の選定
5 社内環境整備・社員の理解
6 合理的配慮・職場定着
【登壇者】
<企業>
株式会社ラミックス 首都圏事業部 部長 柳田哲史氏
株式会社ラミックス 首都圏事業部 流通加工課 課長 頭島裕史氏
<就労支援機関>
就労継続支援事業B型 ホープ大和 職業指導員 山蔭拓也氏
就労継続支援事業B型 ホープ大和 公認心理師・臨床心理士 宮木孝幸氏
<コーディネーター>
特定非営利活動法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会 理事長 蒲谷幸利氏
特定非営利活動法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会 理事 吉野敏博氏

1 採用前の準備
(吉野氏)
- 採用の前にハローワークの担当職員に会社を訪問してもらったり、支援機関に求人のお知らせをした後に、自社で会社見学会や実習を行ったり、支援機関へ採用前の疑問等を相談したと伺ったが、現場の社員への事前の理解、周知はどのようにしたのか。
(頭島氏)
- 現場には実習が始まる前の週に、「障がい者と一緒に働きます」とだけお知らせした。障がい者雇用は、みんなが初めてのため、まずは一緒に働いてみて、実習の中で現場、特にパートタイム労働者の方々(以下「パートタイマー」という。)に、自分の業務負担が大きくなることがあれば教えてほしいとお願いした。
(吉野氏)
(頭島氏)
- パートタイマーが、主体的に障がい者に関わる姿勢が生まれたこと、また、チームとして、どのような配慮ができるか話し合いながら障がい者を受け入れられたことが価値のある収穫だった。

2 障がい者雇用の理解
宮木氏から精神障がい特性や、精神障がい者の方々への配慮について、ご紹介いただきました。

資料 精神障がい特性の理解について(PDF:1,270KB)
3 採用面接
(柳田氏)
- 面接に弊社の代表、障がい者に詳しい顧問と私(柳田氏)が参加。加えて、本人とその支援者(山蔭氏)に同席いただき、リラックスした雰囲気で進んだ。
(山蔭氏)
- 本人が手書きで書いた履歴書を「よくできているね」と褒められたことで、本人自身が会社に受け入れられていると感じることができたと思う。本人にとっては、面接が一つの成功体験になったと思う。
(柳田氏)
- 採用時のチェックポイントは、体調管理ができるか、服薬による副作用等の支障がないか、一人で通勤できるか、コミュニケーションがとれるか等を確認している。
(吉野氏)
- 自社の採用基準は、ぶれない方がよいということですね。

4 職務の選定
(柳田氏)
- 配送事業における担当業務は、積込みの手伝いや、回収した資材の整理の補助。倉庫事業における担当業務は、段ボールの整理や、賞味期限のシール貼り、梱包作業から始め、徐々に、新しい業務に取り組んでもらっている。
- 気を付けていることは、出荷間違いがないようチェック機能を整えること、また、イレギュラーがない状態をつくること。イレギュラーなことは社員が判断して、その対応を本人と一緒に行うようにしている。
(吉野氏)

5 社内環境整備・社員の理解
(頭島氏)
- 本人が業務を習得するために、パートタイマーとペアで仕事をしている。まずは、パートタイマーが手本を見せ、同じようにできるようになることを一つの目標としている。
(柳田氏)
- 現場主導の意思決定を行っており、朝礼では、円陣で伝達事項を伝え、普段から現場がどう感じたかを、その場で出してもらうようにしている。
(宮木氏)
- 円陣を組むことで、上下関係がなく、対話的な文化が浸透していると感じた。

6 合理的配慮・職場定着
(吉野氏)
- 採用当初に感じていた課題と、定着してから現在感じている課題に違いはあるか。
(頭島氏)
- 最初の頃は、指示したときに、「申し訳ありません」と言うことが口癖だったが、今は「かしこまりました」「了解しました」と言い、すぐに作業に取り掛かることが増えてきた。課題というよりも、自信がついてきて、やる気が出ているように感じる。
(山蔭氏)
- 入社後は、本人なりに、身なりに気を付けてみたり、歩きやすい作業靴を買ってみたり、工夫するようになった。その反面、責任感の強さから、体調を崩しても無理に出勤して、周りの方に迷惑をかけてしまうことがあった。休む勇気も必要と思う。
(吉野氏)
(柳田氏)
- 企業が、日常生活のどこまで踏み込んだらよいか、結構悩ましいが、支援機関がケアしてくれており、大変助かっている。
(宮木氏)
- ご本人を中心としたチームというよりも、本人もチームの一員として、働くということを中心に置いた、お互いがお互いを必要とするという視点が大事ですね。

これからの障がい者雇用の取組について
(柳田氏)
- 障がい者雇用を始めた後、支援学校から企業の実習を依頼され、受け入れた。それに伴い、作業内容をより細分化したり、シンプルにしたり、構内にラインを引いたり、看板を貼ったり等、より分かりやすくしていこうという雰囲気になり、みんなが働きやすくなったと思う。
視聴されている企業の皆さんへのメッセージ
(宮木氏)
- 障がい者雇用は、気付きや学びがあり、企業としても新しいステップに進む一つのきっかけになり得るかもしれない。一方で、障がい者雇用に取り組むときは、負担に感じることが多いと思う。できる範囲で、一歩踏み出していただくことを期待する。
(山蔭氏)
- 障がい者雇用にチャレンジするときは、支援機関を、企業と障がい者の橋渡し役として利用してほしい。
(柳田氏)
- 「あんじゅあーと」や「社会福祉法人ゆずりは会 菜の花」を訪問し、実際に、障がい者の方々が、どのような仕事をしているのかを知ることができた。知ることができれば、自社の取組に反映することができると思う。弊社は、これからも障がい者を受け入れる職場環境づくりを、日々考えていきたい。
(頭島氏)
- 障がい者を受け入れる現場としては、パートタイマーも含めた全員の主体性が生まれ、すごく収穫が大きいと感じている。弊社は現場の負担が少ない中で、何かあったら支援機関に助けてもらえるという安心感をもって始めることができた。皆さんも、スモールスタートで、ぜひ取り組んでみてほしい。
(蒲谷氏)
- 雇用がゴールではなく、定着し、雇用継続がゴール。就労支援機関を活用いただければと思う。
参考資料

参考資料 就労支援機関の紹介(PDF:883KB)
主催・共催・事業委託先
【主催】神奈川県
【共催】神奈川労働局
【事業委託先】特定非営利活動法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会
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