更新日:2023年8月31日

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審議結果(県土整備局・令和5年度第1回委員会)

神奈川県の公共事業評価委員会

様式3

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称

令和5年度第1回神奈川県県土整備局公共事業評価委員会

開催日時 令和5年8月3日(木曜日)13時30分から15時45分まで
開催場所

神奈川県庁新庁舎12階 県土整備局大会議室

(各委員はWeb会議にて参加)

出席者

家田 仁(委員長)

中村 英夫(副委員長)

稲垣 景子

真田 純子

高橋 陽子

田邉 勝巳

中村 幸人

次回開催予定日 令和5年10月27日(金曜日)
所属名、担当者名

県土整備局総務室 松園、檜山
電話番号 045-210-6019

掲載形式 審議経過

議事概要とした理由

 
会議資料
審議経過

1 公共事業評価委員会の実施について
 事務局が今年度の進め方等を説明し、各委員の了承が得られた。

2 審議について
(委:委員発言内容、事:事務局、事業実施課発言内容)

 

[14番 相模川流域下水道事業]
<事業実施課から事業内容の説明>

 

委:まず初めに、今説明してもらった流域下水道について、B/Cの話だけしていたが、中身を見ると、環境対策のようである。つまり、洪水対策についての下水道の話が便益には全然入ってないから、水質改善が主たる目的となっているプロジェクトであると理解した。委員の皆さんから、もし今の流域下水道について質問があればお願いしたい。

 

委:流域下水道について、2つ。1点目はネットワーク化をする幹線を作るという説明が事業内容に含まれていたが、簡単でよいが、それによって何が良くなるのかという話をご説明いただきたい。
 2点目は、総合的な効果のところで、実際今回やっている事業の内容が、管渠の更新であったり耐震化というようなことで、長寿命化であったり、安全性を向上させよう、という事業だと思うが、それに関する記載が見当たらないので、できれば、今実施している事業についての効果も記載していただくといいかなと。合わせてそこに、ネットワーク化の効果も何か読めるとありがたいなと思って聞いていた。

 

委:他にご質問の方はいらっしゃるか。よろしいか。では、私から一点だけ言って、まとめて答えてもらいましょう。
 この便益を見ると、生活環境の改善便益が、すごい額が出ているが、これについて、一応理解させていただきたい。この事業をやる前は、垂れ流している訳ではなくて浄化槽とかやっているのではないか、と思うのだが、この生活環境の改善便益が、こういう数字になるというのは、どういうところに改善があるのか、要するに事業をやらない時というのは、どういうときなのか、というのが分からないので、そこだけ簡単に説明していただきたい。他はよろしいか。事務局は説明をお願いする。

 

事:まず1点目の質問、ネットワーク化について、これは主に相模川の左岸側と右岸側に整備をされている管渠を物理的につなぐことによって、例えば片方の処理場で災害が生じて処理能力が下がったときに、その反対側に少しでも汚水を送ることによって、被害を軽減させよう、というのが大きな目的の一つである。

 2つ目の質問、総合的な効果ということで、現状では、この改築事業が、流域下水道の大きな事業費を占めているが、これは既存の施設をリプレイスしていくものであり、どうしても機械電気設備の耐用年数が20年とか土木施設に比べて短めなので、そういったものを更新していくことで、古いものをいつまでも使わずに、安全に運転していくために行っている事業であり、下水道事業そのものの効果というところには、便益というような形では計上していない。

 3点目の生活環境の改善効果に関して、先ず、この便益の考え方について、下水道事業が実施をされない場合の代替事業として、各家庭等から出る汚水を街中の既存の水路等に流したとき、臭いなどが発生するので、その水路に蓋を掛けたり、あるいは水路を定期的に清掃する費用として、下水道整備されない場合に必要となる部分の費用を、逆に便益として計算をするということになっている。

 

委:なるほど。一応聞いておくが、今、別に垂れ流している訳ではないですよね。これは、今の機器を更新しなければいけないという、更新投資の話ですよね。

 

事:先ず、この事業は、当初、昭和40年代から整備をしており、その事業に着手をしなかったら、水路の清掃や蓋掛けといったことが、下水道の代わりに必要となる、という考え方である。

 

委:例えば、東名高速道路のこの橋の部分を更新しなければいけないという時に、東名を作らなかった場合には、こんなことになってたよね、という便益を上げたら、どんなことだって、ものすごいB/Cなるはずだけれども、これは、マニュアルに書いてある通りにやられているのだろうけれど、少し何か釈然としない面も感じないではない。マニュアル通りということでよいのか。

 

事:国交省が整備したマニュアルの通りである。

 

委:承知した。

 

委:2つ目の話は、何を言いたかったかというと、今やっている事業が、流域下水道を作り上げることではなくて、そのフェーズは超えて、更新であったり、耐震性の向上であったり、リダンダンシーの向上であったり、そういったことをやっているということだが、この資料を冒頭から読んでも、実はそういうことがどこにも書いていなくて、分かりづらい。そういった安全に対するコストをしっかりかけてやっているということをどこかでしっかりと謳うべきだろうと思ったので、それを、この効果のところに書いたらどうか、と申し上げた。どこでもいいのだけれども、今実施していることが、今日的にこういう意味合いなのだということをしっかりとこの資料の中にも書き込むことをご検討いただけたらと思う。

 

委:本件は、更新するということで非常に長い期間をかけてやっているのだが、追加でやらなければいけないことと、追加でやることによって得られる便益というところで、今、委員もおっしゃった通り、どの部分をどう評価しているのか、少々はっきり分からないところなので、そこを是非、改善していただく、ということでよろしいか。

 

事:今のご指摘の点は、こちらの方で検討させていただく。

 

委:今まとめていただいたものがほとんどすべてなのだが、例えば高速道路だと、完成後に維持更新しなければいけないことは、次のプロジェクトで更新する。完全に分けてやっていて、わざわざ高速道路が無い時と比較する、ということはやらないので、他の分野から見るとかなり違和感がある評価になっているという点で、クリアに分けていただいた方がいいなということと、事業が60年経ってその機材とかもう維持更新しなければいけないものが、本当に一つのプロジェクトと言い切っていいのだろうかというのは、かなり疑問である。
 逆に言うと、60年もかかってもまだできていないのは、何か他に問題があるのでないかという視点さえあるような気がするので、例えば、ある程度当初の目標ができたらそこで一応プロジェクト終了で、今はクオリティを改善するとか、他のプロジェクトに入っているという建て付けの方が自然なのかな、と思った。

 

委:同感するところである。それでは、とにかくこの事業はやらない訳にいかないことなので、継続でお願いしたいのだが、是非、今、2人の委員が言ってくれたようなことをテイクノートしていただき、この種の長期プロジェクトの評価のあり方について、部内でご検討いただきたい。

 

[3番 二級河川田越川 河川改修事業]
[4番 二級河川金目川(鈴川)河川改修事業]
[5番 二級河川不動川 河川改修事業]
[10番 二級河川帷子川(広域河川)河川改修事業]
[11番 二級河川帷子川(地震高潮)河川改修事業]
<事業実施課から事業内容の説明>

 

委:それでは続いて、一括審議で説明していただいた3件については、特に質問がなければ、まとめて、継続ということでよいか。

(異議なし)

 

委:それでは、今度は、金目川と不動川について議論する。最初に、事務局から、田中先生のコメントをご紹介していただきたい。
 

事:まず、共通コメントとして、「河川事業については、河川の流下能力向上や、高潮等のために必要な対策を、現地状況を踏まえて行うものであり、必要な事業と考えている。」
 また、ただいまご説明した金目川の河川改修事業については、「河口付近を含む河道区間の掘削工事であるため、河口の閉塞影響が大きくならないか。閉塞していない区間の塩水遡上への影響はないか、閉塞部の掘削等の維持管理工事を行っている場合は、そのコストへの影響を確認させて欲しい。」
 また、不動川の河川改修事業については、「一部区間の流速増大が大きいと予想され、かかっている橋は無橋脚であるということもあり、流速の増加による既設護岸への影響、上流側支川の谷戸川への影響への配慮をしていただきたい。また、橋梁の架け替えにあたっては、浮遊してくるゴミが橋げたに引っかかることで、氾濫リスクが高くなることのないよう、可能な限りで、橋梁のクリアランスを大きくとって欲しい。」というコメントをいただいている。

 

委:それでは、委員の皆様、今の金目川と不動川について、コメントや質問していただきたい。

 

委:金目川について、先ほどの動画を見ていて気付いたのだが、結構河川敷に、植生等があって、河川生態系が比較的よく保全されているのかなと思っている。
 おそらく地域住民の方も、そういった河川敷の生態系を保全していく方向で河川改修を進めるということに、了解しているのだろうと思うが、説明の中で、河床の起伏を付けるという説明があったが、これは多分、河床の起伏を付けることによって、そこに、よどみとか平瀬とか早瀬等の異なる流れを創出すると、その流れの違いよって、そこに棲む魚類とか、生物の多様性が確保されることになってくると思う。
 河川の生態系に配慮した工事ではあると思うが、ただ、そういった流れは、自然発生的にできるものであって、これを人工的に作っていくというのは、どのような根拠に基づくのか、それとも自然の河川の流れに基づいてその起伏をつけるのか、そこら辺の説明を具体的にお願いしたい。

 

委:B/Cのところになってしまうが、この2つのものを比較したときに、費用便益がそれぞれ増加、減少となって、変化した理由のところで、多くがマニュアルの改定に伴う便益の増加、あとは基準年の見直しに伴う総費用の増加であって、それはそうだなと思うのだが、例えばこの4番の方では、B/Cが非常に高いのも問題と言えば問題という気もするのだが、便益も非常に増えていて、変化した理由のところでは、土地の処分の費用の増加であるとか、用地補償ということが書かれて、こっちは費用なのだなと、そうすると、マニュアルの改定で便益というのは大体このぐらいこの5年間で増えたのかなと思いきや、5番の方を見ると、同じように言っておきながら、便益が減っている。
 マニュアルを改定して便益が大きくなるというのは、残りの一括審議の方でも見られているので、こっちの5番の方は、コストの増加の理由はいくつか書かれているが、便益のところは、農地の施設のところがもしかしたらポイントなのかもしれないが、明らかに違う動きをしているので、外的に決まった仕方ないことなのか、それとも、このプロジェクト特有のことなのか、ご説明いただければと思う。

 

委:2本まとめてだが、同じ内容なので4番の金目川の資料を使って、2ページにある下段の、この河川が新セーフティリバーという対策の河川であるというところに、まず着目をさせていただいて、この事業継続というのは大前提として、賛成ではあるものの、6ページに書いてある総合的な効果について、事業が完成するまでの間、その効果に至る前のソフト対策というものが、現状どのようにされているのか伺いたい。
 例えば、総合的な効果のイ)の安全・安心・利便性のところにある、例えば、要配慮者や、家屋のコンセントが浸水することで影響を受ける人に対して、水害に対する不安が軽減されるとあるが、事業の完成前の段階にも、そこへの配慮というのは継続的に発信が必要なのではないかと想定している。要配慮者というのはどういう人なのか、昨年度も議論があったけれども、その配慮を、完成までの間どうするのか。
 また、都市型になってきたことによって、例えば、高層マンションの地下に電気系統がすべて集中していたことによって1棟丸ごとマンションがすべて使えなくなったという事例もあり、また浸水の影響を受けたことによって事業を廃業するような企業等も多々あったので、完成までのソフト対策を現状どんなふうにやっているのか、また、やっていくのかをぜひ伺いたい。

 

委:2件あって、1つは質問で、1つはコメントだけれども、金目川の方でいろいろ河川環境に配慮したということが書いてあって非常にいいことだと思ったのだけれども、こういうことをやる場所とやらない場所はどういうふうに決めているのか教えていただきたいというのが1点質問で、もう1つは不動川の資料についてのコメントで、3ページに、護岸について、自然石を使ったブロックを使って、自然生態系の再生・保全や景観を考慮したと書いてあるけれども、このブロックでは自然生態系は全然守れないと思うので、景観もどうかとは思うが、一応自然石ということで、ただのブロックよりは、景観については良いのだけれども、これを使ったからといって、自然生態系の再生・保全がされたと書くのは言い過ぎではないかと思った。

 

委:先ほどの委員も仰っていた内容に重なるけれども、投資効果の安全・安心のところで、要配慮者何名ぐらいがこの浸水範囲にいる、という推計結果が出されているが、要配慮者は大変多様であり、これが何を意味しているのか、後期高齢者だけなのか、障がい者とか乳幼児が含まれているのか、といったような、この数字の根拠が何なのか分かるように、欄外でもいいが、どこかに書いておいた方がいいと思った。先ず、この要配慮者が何なのかというのを教えていただきたい。
 あともう1点は、人口について、いろいろ試算いただいているが、今後おそらく、全国の人口が減っていくという未来を見据えたときに、おそらくこの平塚あたりは、それほど激減しないエリアのようにも思うので、将来的に見たときにも、それなりに効果があるものだ、という言い方ももしかしたらあるのかなと思った。これは単にコメントである。

 

委:先ほどの委員のコメントで、不動川において、環境型コンクリートブロックで自然生態系を保全するというのは、全くできないだろうと思う。それは同感である。
 不動川に流れ込んでいる長谷川と谷戸川が流れてくる後背の高取山には、この2つの川が、この場所では非常に珍しい渓谷を成している。渓谷には自然度の高い自然林と低木林と、景観的にも生物生態学的にも非常に貴重な自然があって、そこから流れ出る水というのが非常に綺麗で、上流にゴルフ場があって汚い水も流れ込んではいるが、考え方として、水系を保全するという考え方があると思うけれども、2つの川の上流の渓谷をきちんと保全してその水源涵養機能を高めることによって、不動川に流れてくる水を結構抑制できるのではないのかと思っている。
 従って、工事区間としては、不動川ということになるけれども、この長谷川と谷戸川の水系も抱き合わせで計画を練っていただけると非常に良い工事になるのではないのかなと思う。以上コメントである。

 

委:質問であるが、3番目の委員が仰ったのに非常に重なるというか、共感するところがあるのだけれども、どういうことかというと、それぞれの川で計画雨量はこのくらいにすると、例えば50ミリにする、これは年超過確率が10分の1規模であって、すごく大きい数字である。それに向けて工事を淡々とやっており、この工事をやらなかった場合とやる場合の差を比較すると、B/Cはこんなにもあり、結構大事であると思う。
 けれど、プロジェクトとして県民に説明すべきは、この川は、今は何ミリの雨量だと溢れてしまうと。例えば、この間の雨の時には何ミリ降ったけど、計画雨量よりも下だけど、今の川の整備水準ではこの程度で溢れますよ、ということを、河川管理者は全然言わない。将来は50ミリにしますとか言っているが、どのくらいできているかよく分からない。つまり、現状をどう評価するのかがはっきりしないのは、河川行政の誤りである。
 それを変えましょうというのは、流域治水の根本的な精神である。つまり、流域の人々に川の現状を全部知ってもらって、そして協力してもらおうと。何が言いたいかというと、先ほど委員がおっしゃったように、完成するまでの間、ソフトで少しは凌がないといけないよね、ということが大事になってくる訳である。
 ソフトで凌ぐためには、現状はどういう状況なのかを知らなければいけないということである。ということは、逆に言うとまだ完成するまでの間は、ウィズアウトケースだから、ソフトで凌ぐのであれば、ウィズアウトケースの計算はこれでいいのか、ということを言わなければいけない。ソフトをやるのであれば、もう少しマシな状態がウィズアウトケースかもしれないと思う。
 要するにL1に相当するものが50ミリとかそういうものだから、それはハードでやる。だけどこれからもっともっと温暖化すると、超過洪水があるので、それはもうソフトで減災しかない、という津波みたいな発想は、適応できるのだけれど、河川は、それよりずっと手前にいるから、L1すらもソフトで一緒にやってもらわないと手が打てません、というのが実情である。その辺のストーリーを、川ごとにきちんと作った上でプロジェクトやらないといけないのではないかと思う。
 先ほどの話では流域治水の計画をそれぞれの川で作りつつあると言うのだけど、それはきちんとそこら辺のことを書くのでしょうね、という質問である。個々のプロジェクトというよりは、付け加えで、先の委員の発言に便乗して言わせていただいた。
 では、まとめてお答えいただきたい。

 

事:順次お答えする。初めに、河床掘削のところで、ご質問があったけれども、これは、自然の形というかもともとあった河川断面の形状を、掘削する時にスライドダウンさせるような形で再現しているということでやっている。それをやるに当たっては、地元の環境団体と協力してお話を聞きつつやっているところである。

 

委:承知した。自然の川に、もうすでについている平瀬とかよどみとか林とか、それを同じ深さで深掘りしていくと、結果として起伏がつくと。要は自然の流れに沿った改変ということになるわけで、それは承知した。勝手に掘ったり埋めたりするのかなと思ったので、それならば結構である。

 

事:続いて費用対効果についてお答えする。今回、金目川の方では便益が増えていて、不動川の方では便益が減っているのだが、変化した理由は、その理由を概略で記載しており、治水経済調査マニュアルが令和2年4月に改定されており、その改正の内容に基づいて費用対効果を計算したところ、このような結果となったというところである。もう少し詳しくお話申し上げると、まず便益のところで被害額が、前回と比べて、大きく変わったところである。
 これは浸水深さに応じて被害率というものが設定されており、この被害率が更新されており、3メートルを超えるものに関しては、この被害率が以前のマニュアルより数字として下がっているのだが、それより低い3メートル未満のものに関しては今回被害率が上がっている。なので、3メートル未満の低い規模の浸水が想定されるところに関しては被害率が上昇している、というところが1点挙げられる。
 2点目、新たな便益項目として、水害廃棄物の処理費用というものが新たに追加されている。これは浸水深50センチメートル以上の棟数から発生する水害廃棄物の数量が、与えられた定数を掛け算して計算するという、新たな便益項目が追加されているというところである。
 3点目として、公共土木施設等被害の算定方法の変更というところで、従来では、この公共土木施設の被害率を算定する際に、道路や橋梁、下水道といった施設と、農地、農業用施設、これらをすべて1つに合算するような形で被害額を計算するということになっていたけれども、令和2年4月に改正されたマニュアルによると、この農地、農業用施設を切り離して計算をするような形になっている。具体的に申し上げると、農地の面積を具体的に算出して、それに平米当たり一定の単価を掛けるという形で被害額を算定するという形になっている。今回、今申し上げたような理由で、金目川の方の便益の方は非常に高くなっており、一方で不動川の方は、同じ現象ではあるのだけれど、不動川に関して農地が全くない、面積としてはゼロなので、前回のマニュアルでは計算されていた農地の被害額が、面積そのものがゼロということなので、この部分がすっぽり抜け落ちてしまうような形になっている。
 あと、不動川の方は、流域が非常に小さく、便益自体がかなり小規模で金額自体がかなり低く、つまり分母がかなり小さいので、この農地の減額分が、割合で計算してしまうと顕著に出てしまう、といったところが原因として挙げられる。

 続いて、要配慮者の定義について、65歳以上の高齢者、7歳未満の乳幼児、妊婦、障がい者としており、国勢調査の人口データから算出している。先ほど委員からご指摘があった通り、この点の説明を資料の中に記載する対応をさせていただきたい。

 不動川の自然石ブロックのご指摘について、生態系の再生といった記述は削除するような対応をさせていただきたい。
 こういったブロックを使用しているところと使用してないところの違いについて、ご質問があったけれども、先ほどドローンの映像を配信させていただいた金目川では、主に改修が終わってないところが下流区間になり、中流区間については、護岸整備が終わっているところで、こちらについて、生態系に配慮した河床整備を河床掘削と合わせてやっているという状況である。

 要配慮者の関係でご質問が一つあったと思うけれども、要配慮者施設利用施設への対応については、水防法で、避難計画の策定と、避難訓練の実施が義務づけられており、流域内の市町村と連携して流域治水プロジェクトの中にも位置付け、そういった施設の計画策定と避難の訓練の実施を、すべてできるように目指してやっているところである。

 次に、ご指摘のあった、年超過確率4分の1、10分の1に対して、住民の方にどうやったらわかりやすく伝えられるか、流域治水プロジェクトの中でどう表現されているかというところだが、今策定している流域治水プロジェクトの中では、「年超過確率4分の1、時間雨量50ミリの規模の洪水を安全に流下させ、流域における浸水被害の軽減を図る」といった、専門的な言葉で表現されている。

 

委:専門的に云々の話ではない。今どこまでできているのかという表現が十分に説明されてない。こんなふうにしましょう、こんな事態に対して対応するようにしましょうという、年超過確率という言葉が難しいかどうかを今言いたいのではない。
 どこまでできているのか、例えば、全国で土木学会が評価したところによると、一級河川で、計画高水に対する堤防の整備を何キロやらなければいけないはずで、それに対してどのくらいできているかというと、6割から7割である。
 それは公表していなかったのだけれど、こういうことを国民に知ってもらうことが第一歩だということで、やっているわけだけど、神奈川県の場合、この金目川なり不動川で、今どういう状態まで対応できるようにしている、ということを説明しているか、そこを知りたいのだけれど。
 うちの家の近所は、今何ミリまで大丈夫なのか、とか、洪水が来るとこんなふうに浸水するかもしれない、というマップはくれるのだけど、何ミリ降ったらうちは駄目なのかとか、何ミリ降ったときにどこから溢れてくるのかとか、それが分からない、ということを質問している。

 

事:その点については、やはり対外的に、説明できていないので、今後どういった形で皆様に分かりやすく伝えられるかを、検討していきたいと思う。

 

委:この委員会は、河川政策そのものを議論する委員会ではないから、単に意見で良いのだけれども、この委員会としては、川がそれぞれ今現状どういうところまで対応している川なのかということを知らなければ、本来プロジェクトなんて評価できるはずがない。
 だから、一般県民に説明してくださいということを主張している訳ではなくて、この委員会には、今言ったようなことを丁寧に説明した上で、そういうふうな状況に対してこのプロジェクトをやるとこのように便益が出るのですよ、という説明をしていただきたい、ということを申し上げているつもりである。今日のところはこれでよいけれども、次回の時はそういう説明もお願いしたいと思う。

 

事:おっしゃることは十分承知している。2、3年前に土木学会から流域治水に関する声明が出されて、その中で多段階リスクの浸水想定区域図というものが、強く押し出されたというふうに承知している。今委員がおっしゃったことを、広く知らしめるというか、広げるためには、やはり最終的には、多段階リスクの浸水想定図を公表していくという形をとらざるを得ないのかな、とは思っている。例えば整備途中で今何ミリ降ったらどこで溢れるのだというふうに表すのは非常に難しくて、一般の方に見ていただくためにはやはり多段階リスクかなというふうに考えているところである。
 ただ、浸水想定図をどういう形で公表していくか、これから策定を進めていくか、という意思決定はまだなされてないので、そこについては、我々の中で少し検討させていただきたいなと思っている。土木学会の仰ることも非常に理解しており、今後必要なものだと思っている。

 

委:すべての事はやはり現状をどう認識するかというところから、すべての知的な活動が始まるべきものであって、現状を十分表現もできないのに、なんでプロジェクトの評価ができるのだという、そういう精神になるので、何もものすごく面倒くさいことをやって欲しいわけではないのだけれども、いろいろ考えていただきたいと思う。

 

事:承知した。

 

委:発言していただいた方、あるいはまだ発言していない方も含めて、金目川と不動川について、他にご意見いかがか。

 

委:マニュアルで変わった便益がこの金額だったということだとは思うのだが、もし変わっていなければ、ほとんど便益も費用も変わっていなかったのか、他の要因のようなものが1%の影響力もないので書かなくてもいい程度だったのか、ということで、先ほどの書きぶりだと、便益に関して、マニュアル改定以外は何ら影響ないのだと、過去の変数を使ったら、全く同じような便益が出ているはずだというふうな理解になってしまうのだが、それで間違いないのか。

 

事:浸水想定深とか、そういったものの考え方というのは、特に変わっていないのだけれども、資料をご覧の通り、事業費の方は確かに増えており、金目川の方では事業費が2億円、不動川の方では4億円増えており、理由は変化した理由というところで記載している通り、建設発生土の処分費用の増加とか、護岸形状の変更とか、そういったところで費用が増額しているというところで、前回のマニュアルと同じように算出していれば全く同じ便益、という訳ではなく、事業費が増えているというところで、数字が変わるという状況になっている。

 

委:例えばその数字が変わるのがどの程度なのかによって、いちいち細かく全部書く必要はないと思うのだが、再評価なので、大きく金額が変わった時に、主たる原因がそのマニュアルのこの部分であり、あとはほとんど大した影響がないのどうか、というのは、やはり少し注意して書かれた方がいいのかなというふうに思った。

 

事:承知した。

 

委:同感である。説明も、何かB/Cがこうなったという、そこのところだけを妙に事務局は気にしているのだけれど、そんなことは大した話ではないので、便益の中身が、どういうところが増えたとか減ったとか、それはどうしてなのかとか、そういうところが再評価で非常に重要だと思う。委員がおっしゃるのは同感である。そういう趣旨を汲んでいろいろ資料を修正していただきたいと思う。
 1つだけ少し、全然質問ではなくて、素朴な質問だが、ビデオでこれはどちらだったか、花水橋のところに出てきた右岸側が何か立派な住宅地になっていて、何かスーパー堤防みたいになっているように見えたのだが、それは見た感じだけの話であるから、それだけ教えてくれたら。

 

事:これはガーデンホームズというマンションであり、スーパー堤防になっているわけではない。

 

委:承知した。それでは、金目川と不動川についても継続ということでよろしいか。

(異議なし)

 

委:今日は大事な話をいっぱい出していただいたので、ぜひテイクノートいただきたいと思う。

 

[1番 県道601号酒井金田 道路改良事業]
<事業実施課から事業内容の説明>

 

委:質問を2点させていただく。今、ビデオでご説明があったように、用地買収されたところから歩道を暫定整備しながら、安全性を向上させていく非常に良い取り組みだと思って聞いていた。質問の1点目は、自転車についてはこの道路はどのように考えているのか教えて欲しい。
 それから2点目は、ビデオの終わり、終点から先は、もう整備が終わったところだということだったと思うが、断面が真ん中に中央線が引いてあるだけで、いわゆる中央帯らしき雰囲気がなかったが、バスが停まったときの追抜きがなかなか難しいという話があって、想像するに多分、平面のゼブラみたいな中央帯があるからそれで追い抜けるようになるという断面だと理解をしていたのだが、何か出来上がった断面を見るとそうでもないみたいなので、そのバスの追抜きに対してはどういう配慮というか、どういう形で可能になるのかというのを、もう1回教えていただけたらと思う。

 

委:1件意見、1件質問である。まず、1ページ目を見ていただいて、ここのポリシーを前提に意見を伝えたい。一番右上にSDGsの開発目標を3、9、11と、あえて限定的に出していただいている。例えば3においては「すべての人に健康と福祉を」ということ、11においては「住み続けられるまちづくり」というところの視点から、4ページの5の1)と3)に少し連動して、まず3)において、この事業の効果とか目的について、各住民に事業の見える化ということの努力をされて、理解を深めていると。これは事業実施の重要性と認知という点では、非常に共感を持っている前提なのだけれども、先ほどの開発目標と、1)にあえて列挙されている児童や高齢者等の、等にいろいろあるかと思うのだが、こういった方たちの安全性を図るのだ、というときに、このページの一番下、右下の②のところに、見える化の写真が載っているが、こういった看板を設置しましたということで、こういうことをやるのは、非常に重要だという前提なのだけれども、児童や高齢者、場合によっては、障がい者、日本の国籍ではない、日本語が分からない方などもいらっしゃるとしたら、SDGsの開発目標とユニバーサルデザインの観点を持った発信の仕方というのを是非、可能な限り、工夫をいただけるといいかなということを期待して、意見として述べさせていただく。
 1点質問だが、同じ5の1)の児童や高齢者等のところで、先ほどの委員がおっしゃっていただいたのと同じところになるが、あえて児童や高齢者等と、限定列記した上で等も入っているが、やはり、例えば、障がい者や自転車で通る人や、赤ちゃんを連れたバギーを持っている人、というような方たちへの配慮というのは少し見えにくいかなと思っているので、その辺は先ほどの委員と同じ質問になるが、是非どのようにお考えか教えていただきたい。

 

委:私もこの道路は通ったことがあるが、街中の狭い道路で、大型のトラックが通っていくような場所で、それで質問としては、環境への配慮について、先ほどの動画を見ていると、ガードレールが点々とあるのだが、最終的に工事が完了した時点では、連続してこのガードレールをつけるのか、あるいは、環境への配慮として、街路樹等の緑地を考えているのか、その辺りの最終的な姿を、少し話していただければと思う。

 

委:地図で見ても、この道路の拡幅は絶対避けられないなという、他の迂回路があるわけでもなく、ここを通るしかないので、拡幅するしかないのだなということは理解したので、時間がかかっても粛々と進めていくしかないのだろうというふうに思う。それで、事業についてなのだけれども、今、写真を見ると、結構電線もあって、この電線の地中化を同時にやるような予定は無いのか、ということを伺いたい。
 なぜそういうことを聞くかというと、どうせやるのであれば、今一体的にやった方がいいだろうということと、あとは電柱とかそういうものがない方が、より歩道を有効に使えるだろうということで、伺いたい。

 

委:これは、現代日本というか、これからの日本にとって、極めて典型的に重要な案件だと思う。つまり、通常これまで幹線道路については、我々は、便益をカウントしやすい、しかも大勢を占めると考えているような自動車交通が便利になる、ということではなくて、歩行者の安全を確保しようではないか、歩行者が気持ちよく暮らせるまちにしようではないか、ということを幹線部分でやるという、そういう、日本の一番のウィークポイントを何とかしようという、何というか本丸攻撃という感じがする。だから、B/Cは1.1ですごく少ないけれど、だから怯むな、と言いたい。
 総合的評価とかあるいは学校のPTAとか、学校の人たちの意見というのを、総合評価とか、参考資料とか、そういうところにたくさんきちんとつけて、計算上のB/Cでは、それはなかなか、子どもが1人死ぬのはいくらかなどとやっても、えげつない数字になるだろう。大して意味があるものではないのだけれど、これだけ子どもに関係しているようなところ、あるいは高齢者に関係する人達が、大局的に支援しているのだ、ということを是非、県で運動されているとは思うけれど、表現にも入れて欲しいと思う。その辺どんな状況か、教えていただけたら。

 もう1つ、どうしても用地買収しなければいけないのだけれども、敷地の形と、この道路は何もぴったり平行しているわけではないから、道路拡幅に必要な用地だけ取得しているとなると、非常に中途半端な土地が残って、持っている側の人としてはちょっと困るよねということもあろうかと思う。それを超過して買うというようなことも、やれないことはないのだろうけれど、ずっとお金がかかるし、多分その辺、結構苦労をされているのでないかと思うので、その辺の苦労話を少しお聞かせいただけないかなと、あるいは工夫話かもしれないけれども。

 他の方はよろしいか。ここまで、事務局からお答えいただきたい。

 

事:自転車の通行についてお答えする。今、断面図をご覧いただくと、左側が現況で、歩道が1メートルとなっている。それが現道拡幅によって、3.5メートルとなる。この3.5メートルというのが、自転車歩行者道を考慮した基準であり、自転車も通れるような幅員になっている。
 実際、道路構造令では3メートルの自転車歩行車道と、50センチメートルの、標識とかを設置するような施設帯スペースも加えて3.5メートルと考えている。
 ご覧いただいている通り、現状はすごく狭い状況で自転車が通るのは大変なところだが、この歩道と書いている空間を利用していただければ、スムーズな通行になると考えている。

 次に、センターゼブラの話があったが、現在は、歩道については、暫定整備を行っている。今、暫定整備を行って、全断面の用地が買えた段階で、中央帯を含めて、計画のような断面になる。今、動画で見ていただいたのが、現況の歩道及び車道の部分なので、今後、本格的に工事を進めていく状態になったら、右側のような断面で、センターゼブラがあるような断面になる。そうなると、緊急時に救急車等がその中央帯を通って追抜き、通行できるような余裕を持った幅になる。

 先ほど委員に言われた通り、事業の見える化看板のご意見もいただいたので、貴重なご意見として今後検討していきたいと思う。それと、ユニバーサルデザインの話があったが、これについては、通学路に指定されている区域のため、まず児童が多く、それから古い町並みであり昔からの家が連担している状況から、高齢者が多いことを踏まえて、審議資料では、児童と高齢者という形で記載している。
 しかし、先ほど申した通り、自転車や車椅子の通行も考える必要があり、歩道の最終的な形態としてはセミフラット型としている。マウント型という歩道が車道より盛り上がった形ではなく、かつ、フラット型という車道と同じレベルの形ではなく、車道より約5センチメートル歩道を上げたようなセミフラット型という形態を考えている。
 これによって、視覚障がい者の方も車道と歩道の段差を認識できるような、そういう多様なメリットのあるセミフラット型という形態を考えて、ユニバーサルデザインも配慮しながら、事業を進めていきたいと思っている。

 環境への配慮については、街路樹を設置できないかというご意見もあったが、この場所は家屋が連担しているような状況であり、ご質問にあった通り、なかなか拡幅も難しいようなところである。街路樹としては、道路構造令でも1.5メートルを確保ということがあるが、ここでは1.5メートルのスペースを確保したら、先ほど申した、自転車とか車椅子の通行に支障があるので、まずはそのような方々の通行の安全性を確保するために、計画断面のような形で整備していくというふうに考えている。

 また、電線地中化という話があったが、現在、暫定整備として歩道を整備しており、今後、本格的に掘削をして、最終的な歩道形態に仕上げる予定でおり、その際には、電線管理者等と調整していきたいと考えているところである。

 また、B/Cはマニュアルに基づいて算出しているが、1.1と結構ぎりぎりの状態である。おっしゃったような児童の通行とか、ユニバーサルデザインに配慮した歩道の確保とか、いろいろなメリット、便益に見えるようなところがあるが、現在のところはそのマニュアルに則ってしか、表現できていないところがあるので、その辺については、こういう定性的な表現で審議資料に記載している。いただいた貴重なご意見は、今後、B/Cとかにカウントできないのか、検討すべきものとして認識している。

 最後に、用地の取得で苦労したところについて、金田宿交差点部分については、市道・金田妻田線という厚木市の事業と同時期に事業を実施した。ここについては、厚木市の事業としても、道路拡幅をしなければいけない。我々としても道路拡幅をしなければいけない。その中でお互いに協調して同時期に説明会をしたり、交差点部については、同じような鑑定評価をして同じ評価額で買ったり、そのような工夫をして、交差点部については、用地取得がすごくスムーズにいったという良い例がある。その他については、やはり店舗とかなかなか動かせない物件があり、そこは実際のところ今も交渉中で苦労しているところである。
 また、店舗だけでなく、駐車場が一部重なっただけでも、そこを賃貸していることから収入が減るという苦言を受けるなど、一見簡単に見える駐車場でもそのような調整をしながらやっているのが、苦労しているところである。その中でも第1工区については、まずは優先的に用地を取得し、今ちょうどこの通学路指定区間と書いているところについては、すべての歩道の暫定整備が終わっている状態である。
 このように、拡幅というのはすごく苦労するところだが、このようにポイントを絞って事業を展開しているのが、この事業のアピールできるところかなと考えている。

 1点、追加で補足説明させていただく。最初にご意見いただいた追抜きの関係で、8ページの一番上の写真①というところが、事業区間が終わる、整備済み区間のところであり、この左側に少し見にくいが、バス停があるのだが、先ほど、真ん中にセンターゼブラを設けてバスの追抜き等に活用するという話をさせていただいているが、この先には、国道246号と国道129号との交差点があり、右折レーンを交差点へ設けている関係で、これについても、センターゼブラではないが、車道部分を広く取っており、車道空間そのものが広い状態であることから、バスが停まった時にも追い抜くことができるような形である。

 あと最後に、なかなか土地の形状が道路形態と平行しないというような、ごもっとものお話であり、まさにそこが用地取得の際に一番苦労するところである。当然追加で余計な土地を買うことも難しいし、かといって残された土地所有者の方としても困ってしまうということで、そういった場合については、例えば隣接する奥の方に土地をご紹介するなど、そういう工夫をして、何とかご理解をいただくような形で用地取得を進めているというのが実情である。

 

委:追加で、先ほど、自転車をどうするのかという質問に対して、自転車歩行者道を作るということだったけれども、ちょっと自転車歩行者道というのは、もう古いのではないか、ということと、あと調べたら、厚木市は自転車活用推進計画を作っているので、そういうのも踏まえて、最終的な幅員の構成は今後決めるという話であったけれども、それも踏まえて、最初に計画した時は自転車歩行者道で良かったかもしれないけれども、自転車の走行空間はどんどん変わってきているので、新しい情報に基づいてやっていただきたいと思う。

 

委:直接的な話ではないかもしれないが、ここは結構浸水するエリアと重なっているようで、例えば、地中に電線を埋めるというような計画もあるように伺ったが、この土地の特性みたいなものも含めて、どういう道路デザインがふさわしいのかという辺りを検討されているようなら、教えていただきたい。

 

事:今、この周辺のハザードマップをご提示する。今、ご覧いただいているところが、ちょうど事業評価区間の辺りで、赤丸がちょうど事業評価区間の範囲になる。両側を河川で挟まれているが、ご覧の通り、地形上、この辺りは、浸水想定区域から外れているような状況である。浸からないところの人たちが、北側の指定避難所に対して避難できるような通路として活用できるのではないかと考えている。
 道路デザインの考え方としては、ここは元々国道129号の旧道であり、あくまでも、その現道を拡げるという形なので、周りに家屋が連担しており、なかなかレイアウト変更もできないので、まずは必要最小限の幅で拡げるというような道路設計を考えている。

 

委:皆さん発言はよろしいか。お答えいただいてはいると思うけれども、加えてコメントがあればお願いしたいと思うが、よろしいか。

 私の発言で少し誤解を与えたかもしれないと心配なので一応言っておくと、便益にカウントする工夫をした方がいいと言っているつもりはない。まともな歩道というのは、いわば、本来の道路の標準装備なのである。けれど、道路だって新規に造っているものばかりではないから、歴史を引きずっているからなかなかすべてはそうはいかないのだけれど、少しずつでもそこに努力するというのが、インフラ整備に携わる人達の、皆さん方の責務な訳で、その時に、費用便益分析に引きずられるが故に、こういうものが後回しになってきてしまった、という面が仮にあったとするならば、それは大変不本意なことなのであって、本来やるべきことは別に、便益に入っていようと、入っていまいと、総合評価の中で大事なものは大事であるというふうに勇気を持って、県の方々が主張されるべきである、という趣旨で申し上げているのであって、決してCVMとかやってカウントしましょうとか言っているつもりはない。

 

事:趣旨了承した。

 

委:それでは、今の特別重点審議案件の県道601号については継続でよろしいか。

(異議なし)

 

(以上)

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