ホーム > 健康・福祉・子育て > 未病改善・心身の健康 > 未病改善・健康づくり > 高校における健康・未病学習 > 10章 認知症の正しい理解 ~認知症の未病改善のためには~
更新日:2025年4月15日
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神奈川県『健康・未病学習教材(高校生用副教材)』第四版
認知症とは、様々な原因で脳の働きに不都合が生じ、記憶や理解力、判断力などが低下して、社会生活や日常生活に支障をきたす状態をいいます。今後、高齢者の急速な増加に伴い、誰もが認知症に関わる可能性があります。認知症とはどのようなものか、認知症にどのように対応したらよいか、認知症のリスクを減らすにはどうしたらよいかについて学びます。
日本の認知症患者数は、2012年時点で約460万人、認知症予備軍といわれる軽度認知障害(MCI)の高齢者は約400万人で、高齢者の約4人に1人にあたると推定されており、さらに2025年には認知症の患者数は700万人を越えると見込まれています。
2017年7月に厚生労働省は、2025年には認知症の高齢者は700万人を超え、65歳以上の5人に1人が認知症になるとの推計を発表しました。
日本における認知症の人の将来推計
例えば…
例えば…
出典:「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(平成25.5報告)
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アルツハイマー型認知症記憶障害などが、ゆっくりと確実に進行する。 |
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レビー小体型認知症子どもや小動物、昆虫など、生々しくありありとした幻視があらわれる。 |
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血管性認知症脳梗塞や脳出血など脳の血管障害によって起こされ、半身の麻痺などを合併することがある。 |
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前頭側頭型認知症行動に制御が利かなくなり、万引きや交通違反などの反社会的行動が増える。 |
参考文献:吉田勝明(2017) 『「こころ」の名医が教える 認知症は接し方で100%変わる!』 IDP出版
性格、環境、人間関係などの要因により精神症状や行動に支障が起きる(治る可能性がある)
脳の細胞が壊れて直接起こる症状(治りにくい)
計画を立て段取りをすることができない(実行機能障害)
記憶障害
理解・判断力低下
時間や場所がわからない(見当識障害)
一人で歩きまわる
不安・幻覚
意欲がなくなる
怒りっぽくなる
編:NPO法人地域ケア政策ネットワーク全国キャラバン・メイト連絡協議会「キャラバン・メイト養成テキスト」より作成
出典:神奈川県「地域で実践!コグニサイズ」
認知症の本人も自分に何か異変が起きていることに気づいています。本人の目線に立つことで、次のような気持ちになっていることが理解できるのではないでしょうか。
自分の家族や身近な人が認知症と診断された場合、どのように接するべきか考えてみましょう。また、自分の住む地域ではどのような支援サービスを受けることができるか調べてみましょう。
編:公益財団法人健康・体力づくり事業団「運動で未来をつくる!健康寿命をのばすために」より作成
出典:神奈川県「地域で実践!コグニサイズ」
有酸素運動を中心とした筋力トレーニング、柔軟運動、コグニサイズなどを含む運動プログラムによる、軽度認知障害(MCI)高齢者の認知機能の維持・向上が認められています。
Shimada H, Makizako H, Doi T, et al. Effects of Combined Physical and Cognitive Exercises on Cognition and Mobility in Patients With Mild Cognitive Impairment:A Randomized Clinical Trial. J Am Med Dir Assoc. 2018;19(7):584-591.より作成
国立長寿医療研究センター調べ
出典:神奈川県「地域で実践!コグニサイズ」
認知症のリスクを減らすためには、食・運動・社会参加が大切です。神奈川県では、認知症未病改善のエクササイズとして国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ」の普及に取り組んでいます。
自分の家族や身近な人の認知症の未病改善のためには、どのような生活を送ることが大切か考えてみましょう。
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