ホーム > 健康・福祉・子育て > 未病改善・心身の健康 > 未病改善・健康づくり > 高校における健康・未病学習 > 9章 がんを学ぼう ~100歳を超えて生きる可能性の高い君たちに不可欠なこと~
更新日:2025年4月15日
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神奈川県『健康・未病学習教材(高校生用副教材)』第四版
がんは今、日本人の死亡原因第1位であり、令和4年には約4⼈に1⼈ががんで亡くなっています。また、一生のうちに約2人に1人ががんにかかるとも言われており、まさに国民病とも言えます。
男性のがんの約40%、女性のがんの約25%は、喫煙や大量の飲酒、不適切な食事、運動不足といった生活習慣や、細菌・ウイルスなどの感染が要因と考えられており、毎日の生活でリスクを減らすことができます。
また、早めに見つけることが出来ればほぼ治すことが出来るようになっています。この身近な病気「がん」について、むやみに怖がるのではなく、がんと向き合って生きることを学んでいきます。
人間の体は、細胞からできています。正常な細胞の遺伝子に傷がついてできる異常な細胞のかたまりの中で、悪性のものを「がん」といいます。健康な人の体でも毎日多数のがん細胞が発生していますが、免疫が働いてがん細胞を死滅させています。
しかし、この免疫が年を取ることなどにより低下すると、発生したがん細胞を死滅させることが難しくなります。また、がん細胞は無秩序に増え続けて周囲の組織に広がり、ほかの臓器にも移動してその場所でも増えていきます。
がんのり患率は、年齢が上がるにつれて増加していきます。生涯では、男性の方が女性より多くなっており、喫煙や過度の飲酒など、がんの危険性を高める生活習慣が男性に多いことが主な原因であると考えられています。
ただし、20代から50代前半までは、女性の方が多くなっています。これは、乳がんと子宮頸(けい)がんがこの世代に多いことが主な原因であると考えられています。
がんにかかる原因は、生活習慣、ウィルス・細菌感染、持って生まれた体質(遺伝素因)など、様々あります。これらのどれか一つが原因となるということではなく、幾つかが重なり合ったときに、その可能性が高まります。
がんの発生と経過
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「知っておきたいがんの基礎知識」より一部改変
主ながんの種類
がんの名称 |
特徴など |
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胃がん |
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大腸がん |
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肺がん |
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肝臓がん |
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乳がん |
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子宮頸(けい)がん 子宮体がん |
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前立腺がん |
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注意1 ピロリ菌:胃や小腸に炎症などを起こす細菌。また、胃がん等の発生に強く関連していると考えられています。
注意2 B型およびC型の肝炎ウィルス:肝炎ウィルスにはA、B、C、D、Eなどさまざまな種類が存在しています。肝臓がんと関係があるのは主にB、Cの2種類です。これらのウィルスは、妊娠・出産、血液製剤の注射、性的接触、針刺し行為によって感染すると言われています。
出典:文部科学省 がん教育推進のための教材(令和3年3月一部改訂)
男性 | 女性 | 男女計 | |
---|---|---|---|
第1位 | 前立腺 | 乳房 | 大腸 |
第2位 | 大腸 | 大腸 | 肺 |
第3位 | 胃 | 肺 | 胃 |
第4位 | 肺 | 胃 | 乳房 |
第5位 | 肝臓 | 子宮 | 前立腺 |
出典:厚生労働省「全国がん登録」
男性 | 女性 | 男女計 | |
---|---|---|---|
第1位 | 前立腺 | 乳房 | 大腸 |
第2位 | 大腸 | 大腸 | 肺 |
第3位 | 胃 | 肺 | 胃 |
第4位 | 肺 | 胃 | 乳房 |
第5位 | 食道 | 子宮 | 前立腺 |
出典:神奈川県の全国がん登録
男性 | 女性 | 男女計 | |
---|---|---|---|
胃がん | 62.9 | 59.4 | 61.8 |
大腸がん | 68.6 | 68.0 | 68.4 |
肺がん | 28.4 | 47.4 | 34.6 |
乳がん | - | 89.8 | - |
子宮がん | - | 75.4 | - |
出典:神奈川県の全国がん登録
がんとはどういう病気だろうか。どんな種類があるのだろう。がんにかかる要因は何だろう。グループで話し合い、その内容を書きましょう。
どのような生活をすればがんのリスクを最小限にすることが出来るか、グループで話し合い、その内容を書きましょう。
たばこを吸わない
お酒を飲みすぎない
好きなものばかり食べないで、野菜や肉などをバランスよく食べる
太りすぎない、やせすぎない
適度な運動をする
がん対策では、早期発見・早期治療が大切だと言われていますが、そのためにどのようなことをしようと思いますか。グループで話し合い、その内容を書きましょう。(下の絵を参考に)
もっと知るには
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