更新日:2023年9月12日

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河川(洪水)への影響と適応策

神奈川県における河川(洪水)に関する気候変動の影響と適応策

気候変動の影響

 気候変動により、極端な降水の発生頻度や強度が増えるという影響が現れ、この結果、治水施設の整備水準を超える規模の洪水が発生し、洪水氾濫が起こり、被害を生じさせる可能性が増大します。
 神奈川県では現在、整備水準を上回る降雨による、浸水被害や施設被害が発生しています。
 将来も、同様の影響が予測されています。

神奈川県における滝のように降る雨の回数の変化

神奈川県における「滝のように降る雨※」の発生回数の変化(1976~2022年)
(※滝のように降る雨(短時間強雨):1時間降水量50mm以上)

出典:気象庁過去の気象データ(時別降水量)から県適応C作成

 

 例えば、気象庁地球温暖化予測情報第9巻(2017年)によると、現状を上回る温暖化対策を取らなかった場合、「滝のように降る雨」の発生が100年で約2倍に増加する予測が示されています。

滝のように降る雨の回数の将来変化

※現状を上回る温暖化対策をとらない場合(RCP8.5)の21世紀末(2076~2095年)における気候の予測結果

出典:「神奈川県の21世紀末の気候」(気象庁ホームページより)

 

影響に対処するための県による施策(適応策)

 大規模な浸水被害や施設被害の発生が懸念されることから、河川整備のハード対策に取り組むとともに、水防法改正に対応し想定し得る最大規模の降雨を前提とした浸水想定区域図の見直し及びその情報提供等のソフト対策に取り組みます。

現在県で取組んでいる具体的な事例

  • 中小河川のうち、特に過去の大雨で水害が発生した河川や都市化の進展が著しい地域を流れる18河川において、重点的に河川整備(ハード対策)を実施(都市河川重点整備計画<新セイフティーリバー>
  • 水防災意識社会を再構築するため、「神奈川県大規模氾濫減災協議会」を設置し、ハード・ソフト対策を一体的に推進する取組みを実施 (「神奈川県大規模氾濫減災協議会」について
  • 平成27年5月の水防法改正により、想定し得る最大規模の降雨による浸水想定区域図を作成・公表(河川の氾濫による洪水浸水想定区域図
  • 県内河川の氾濫の危険性をチェックするため、県内の時間雨量、及び河川の水位、河川監視カメラの画像をHPに掲載(神奈川県雨量水位情報
  • 県内河川のうち注意を要する箇所や重要な施設が周辺にある箇所に、洪水時の水位観測に特化した「危機管理型水位計」を設置し、その水位をホームページに掲載(危機管理型水位計
  • 警察庁舎を整備(新築、大規模改修)する際には、庁舎内への浸水による電源喪失を防止するため、電気室、非常用発動発電機を上層階へ設置
  • 浸水等が予測されている地域の警察庁舎に対して、電動防潮板、可搬式防潮板等を設置
  • 神奈川県警察災害警備実施計画に基づき、気象警報等発表時における招集体制等を整備し、有事即応態勢を確立

【参考】日本全国における気候変動による影響(概要)

出典:気候変動影響評価報告書(別ウィンドウで開きます)(2020年12月、環境省)

現在の状況

  • 大雨の発生頻度が増加傾向
  • 氾濫危険水位を超過した洪水の発生地点数が増加傾向
  • 平成30年7月豪雨においては、地球温暖化に伴う水蒸気量の増加の寄与があった

将来予測される影響

  • 洪水を起こしうる大雨事象が今世紀末に増加
  • 海面水位の上昇により、海岸近くの低平地等で洪水氾濫の可能性増大

 

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