梅毒は病原微生物の梅毒トレポネーマが感染して起こる病気です。感染後約3週間で感染部位のしこり、鼠径部のリンパ節腫脹(I期梅毒)、感染後3か月以後に手のひら、足の裏や体全体に赤い発疹が出ることがあります(Ⅱ期梅毒)。治療をしなくても症状は消える場合がありますが、適切な治療をしないと病原菌は消えません。
気になる症状がある時には、症状が改善した場合でも早めに医療機関(泌尿器科、婦人科、皮膚科など)を受診しましょう。また予防のためには、性交渉の際(オーラルセックスを含む)、適切にコンドームを使用することが重要です。詳しくは疾患別情報 梅毒をご参照ください。
神奈川県では、2025年第14週から第26週(2025年3月31日から2025年6月29日)までに214人が梅毒と診断されました。(2025年7月11日時点の感染症発生動向調査より)
[1] 週別報告数の状況
[2]年別報告数の推移
[3]男女別・年齢階級別の感染者の状況
男性は20歳代から50歳代が中心で、全体の8割以上を占めています。一方、女性は20歳代が全体の約5割を占めており、20~40歳代で全体の8割以上を占めています。
(1)男性(n=144)
(2)女性(n=70)
[4]男女別・病型別の状況
男性は早期顕症梅毒Ⅰ期が最も多く、全体の5割以上を占めています。一方、女性は早期顕症梅毒Ⅱ期が最も多く、こちらも全体の5割以上を占めています。第2四半期の届出症例のうち、妊娠中に梅毒と診断されたのは6人です。
また、先天梅毒の届出はありませんでした。
(1)男性(n=144)
(2)女性(n=70)
[5] 推定感染経路(n=214)
推定感染経路は不明22人とその他1人以外すべて性的接触です。
母子感染、針刺し事故、輸血、静注薬物の使用や常用の報告はありませんでした。
[6]推定感染地域(n=214)
神奈川県が最多で、全体の5割以上を占めています。
[7]性風俗の利用歴、従事歴
(1)男性の6か月以内の性風俗利用歴(n=144)
6か月以内の性風俗利用歴有が全体の4割以上を占めています。また6ヵ月以内の性風俗従事歴有は2人でした。
(2)女性の6か月以内の性風俗従事歴(n=70)
6か月以内の性風俗従事歴有りが最も多く全体の約4割を占めています。また6か月以内の性風俗利用歴有は2人でした。