定例記者会見(2012年5月29日)結果概要

掲載日:2012年5月29日

発表事項

(5年ぶりの厚木基地での空母艦載機による着陸訓練の実施への対応)

 先週の5月22日から24日の3日間にわたりまして、皆さんご承知のとおり、厚木基地において5年ぶりとなる空母艦載機による着陸訓練が実施されました。

 今回の着陸訓練については、私と厚木基地周辺9市の市長等で、再三にわたる中止要請を行いましたが、残念ながら予定通り3日間にわたり訓練が実施されました。この間、県および9市には約2,500件の苦情が殺到する事態となりました。これは、平成22年度の1年間の苦情件数2,183件を上回るものであります。

 私自身、23日に厚木基地のそばで視察を行いましたけれども、まさに想像を絶する騒音でありました。人口密集地域である厚木基地で着陸訓練が実施されたことは誠に遺憾でありまして、今後絶対にあってはならないと思う次第であります。

 こうした考えを、改めて日本政府にしっかりと伝えるため、着陸訓練が終了した翌日の25日には、古尾谷副知事を筆頭に厚木基地周辺9市で、外務省、防衛省に赴き、厚木基地での着陸訓練を二度と実施することがないように要請いたしました。

 また、そのための対策として、恒常的訓練施設を確保すること、それまでの間、硫黄島での訓練を完全実施するための体制を求めること、3番目に騒音被害の抜本的解決に向け、空母艦載機を確実に移駐すること、を求めたところであります。

 私としても、機会をとらえて国に必要な措置を講じるよう求め、厚木基地の騒音被害の軽減を着実に実現したいと考えています。

 

(「神奈川県医療のグランドデザイン」策定)

 神奈川県医療のグランドデザイン策定についてであります。

 「いのち輝くマグネット神奈川」を具体化するための、本県の医療施策推進の基本理念として神奈川県医療のグランドデザインを策定いたしました。

 医療のグランドデザインは、今後10年程度先を見据えた本県の課題解決の方向性を示すものであります。概要は、参考資料1の通りであります。

 策定に当たっては、パブリックコメントを実施したところ、634件の意見がありました。意見の内容と、それに対する県の考え方については、県のホームページで公開するほか、県政情報センターなどで閲覧することもできます。

 なお、医学部の新設については、パブリックコメントや議会において、「国際的な医学部の新設では地域の医師不足は解消できない」というような意見があったことを踏まえ、また、開かれた医療の実現が主目的であることから、「医師の養成・確保」の項目から、「開かれた医療と透明性の確保」の「国際戦略総合特区の成果を踏まえた取組み」の方に移して記載いたしました。医学部の新設につきましては、私は、国際戦略総合特区制度を活用して、経済成長とライフイノベーションの実現に向けて、さまざまな事業に取り組んでいく所存であります。

 これらの事業をより効果的に実現するために具体的に必要なものは何かということを検討した場合、やはり医療機関である医学部があった方がいいと。これによって、国際戦略総合特区が目標とする経済成長のエンジン、これを回すことになる。そのこと、特区そのものが推進役であると考えているところであります。

 県としては、国際戦略総合特区制度を活用し、国際的な医療人材が育成され、交流することができる医学部の新設に向けた検討を進めます。

 

(マイカルテ検討委員会の設置)

 続きまして、マイカルテ検討委員会の設置についてであります。

 神奈川県医療のグランドデザインの中で、早期に実現できる事業として、県民自らが、医療機関情報等を管理・活用するマイカルテの導入が求められていることから、このような委員会を設置いたします。平成24年度は「お薬手帳」を基礎としたマイカルテのモデル事業の実施を目指し、まずは、これに対応できる検討体制を構築いたします。

 また一方で、将来の医療情報や健康情報を含んだマイカルテの展開、全県展開等、これも含め、視野に入れながら検討を進めてまいります。

 第1回会議は、5月30日水曜日17時45分から、神奈川県総合医療会館で開催いたしまして私も出席いたします。検討委員会の委員は、資料名簿のとおり19名となっております。

 なお、神奈川県医師会の委員については現在調整中のため、氏名は記載しておりません。

 

(ひきこもり若者支援サイト「ひき☆スタ」オープン!!)

 続きまして、ひきこもり若者支援サイト「ひき☆スタ」の開設についてであります。

 県は、若者支援団体やひきこもり支援者と協働し、ひきこもりの若者のための支援サイトを、本日16時にオープンいたします。

 この「ひき☆スタ」という名称には、ひきこもりの若者が自らの思いを語りメッセージを発信できるスタジオにしたい、そういう意味が込められています。

 「ひき☆スタ」は、ひきこもり状態にあり、社会と接する機会が無い方が、興味を持っていただける内容といたしました。サイトには、県やNPOの支援情報のページのリンクを貼ってありますので、そこで相談事業や、体験活動などの情報も入手し、社会に出るためのきっかけとしてもらえればと考えております。

 サイトの特徴は、三つあります。まず、身近な情報を発信するということであります。サイト製作に、実際にひきこもりを経験した若者の意見を取り入れまして、当事者の視点から、情報発信を行います。また、経験者からのメッセージをお届けします。県では初の取組みとしてニコニコ動画をサイトに取り入れ、経験者のインタビュー動画や座談会など、さまざまな声を発信いたします。そして誰でも参加できるサイトといたします。ニコニコ動画と連動した体験者インタビュー映像へのコメントや募集テーマへの意見の投稿などにより、気軽に参加していただくことができます。

 このサイトの実施団体は、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボであります。多くの方々にご活用いただければと思っています。

 

(バイオディーゼル燃料で路線バスが走り出します)

 次に、バイオディーゼル燃料を用いた路線バスの実証実験を実施することになりましたので、お知らせいたします。

 日本植物燃料株式会社は、平成21年度から23年度にかけ、県が人件費や事業費の支援を行ってきたエネルギー関連ベンチャーであります。今回の実施に当たっては、職員が同社とともに、社団法人神奈川バス協会や神奈川中央交通株式会社を訪問し、県による支援の経緯や、今回使用するバイオディーゼル燃料の有効性をアピールするなど、実験の実施に向けた環境を整えてきたところであります。

 その結果、再生可能エネルギーで、かつ環境にも優しいバイオディーゼル燃料を、県内で精製し、このたび神奈川中央交通株式会社と連携して、実証実験を実施することとなりました。

 実際に用いるバイオディーゼル燃料は、中南米原産で、非食用のため、食糧生産と競合しないとされている樹木であるヤトロファの種子から精製されたものでありまして、こちらがその種子であります。この種子を絞って精製しますと、このような燃料になります。

 なお、今回の実験は、この燃料100パーセントで走行するものであります。また、こういった通常の営業運行している路線バスに用いるのは、日本で初めてだということであります。6月1日からは、主に綾瀬市や藤沢市内の路線を走行するとのことでありまして、バスには、こちらのステッカーが貼られています。「再生可能な非食用植物ヤトロファを燃料として自然エネルギー100パーセントで走っています」。こういうステッカーが貼られています。これを目印に乗車してみてください。

 県では、本県経済のエンジンを回していくために、引き続き、ベンチャーへの支援を通じて、競争力ある成長産業の創出・育成に取り組んでまいります。

  知事出席主要行事はお手元に配付してあります。

 質疑

(マイカルテ検討委員会の設置について)

記者 マイカルテをお尋ねします。マイカルテの第1回会議ですが、今後の日程というかスケジュールはどんなふうでしょうか。第1回があした会議がありますよということなんで。

知事 今後のですね。

記者 1回で決まるものではないと思いますが。どの辺をめどに。

知事 今後の日程は、あす30日に第1回検討委員会を開催しまして、具体的な検討を開始いたします。検討委員会の議論に基づいて、事業設計などを行いまして、今年度中にはモデル事業を開始する。そういうスケジュール感でいきたいと思っています。

 

(バイオディーゼル燃料を用いた路線バスの実証実験について)

記者 もう1点、バイオディーゼルの関係は、これはヤトロファの油で走る路線バスというのが初めてということなんですか。バイオディーゼルはあるんですよね。

知事 他のバイオディーゼルはありますか。

新産業振興課職員: バイオディーゼルは植物由来の燃料ということですので、例えば、天ぷら油の残りをですね再利用といったものも、BDF(バイオディーゼル燃料)になりますので、そういう意味では、そういうものは走っております。

知事 路線バスで。

新産業振興課職員: 路線バスで走っております。

記者 ヤトロファで走る路線バスが初めてですね。

新産業振興課職員: はい。

 

(県と米陸海軍との意見交換会について)

記者 米軍の話ですけれども、意見交換会が延期になっていますが、今後の見通しとですね、予定していた初日にこういう状況になりましたけれども、知事としてどういうことを意見交換の議題にのせていきたいのかという。

知事 本当にやっとスタートする時に、在日米陸軍海軍と私の三者の信頼醸成を目指した会合、ちょうどその初日に、われわれが反対していた厚木基地の着陸訓練が強行されたわけであります。大変遺憾なことでありまして、その思いというものはしっかり伝えてまいりました。その時に、前にもちょっとご紹介いたしましたけれども、クロイド司令官からは手書きの親書を頂いておりました。こういうふうなことがあっても、それを乗り越えて日米の関係をしっかりつくっていきたいというメッセージが込められていました。その点については、私も同じ思いでありまして、今回のことがあるから、もうすべて無しにしようなんていうことを言えるような立場ではない。やはり、日米の安全保障体制、これは日本の国益と非常に合致するものだと思いますから、これをしっかり支えていく。基地を抱える県としても、それをしっかり支えていくという、やっぱりそういうふうな重大な任務があると。今回のことは今回のこととして、しっかりとおかしいことはおかしいと。納得できないところは納得できないという思いは伝えましたが、それはそれとしながら、ある程度冷却期間を置いて、信頼醸成に向けた会を再び開始したいと思っています。ただ、その時期については、まだ今の段階では申し上げられる状況ではありません。

 

(「神奈川県医療のグランドデザイン」の策定について)

記者 もう1点、グランドデザインですけれども、医学部の新設の項目が移ったということですが、これによって当初知事が考えていた構想と変化することが何かあるんですか。

知事 いや、特に変化することはありません。医療のグランドデザインの大きな項目の中で、もともと医師の不足に対応するために、医学部の新設という項目が入っていたわけですね。ただそれはグランドデザインの検討会の中では両論併記ということになっていました。両論併記になった背景というのは、医師会等の抵抗というのが非常に強かったんだろうと思いました。そういうことを受けて、それだけの抵抗という中で、いろいろ配慮した結果、どういうふうな形が一番いいのかな、医師会の皆さんにご理解いただける案はどういうものだろうかということを考えました。

 その中で、普通に医学部をどこかにつくるということに対する抵抗感が非常に強いのであるならば、せっかく指定された国際戦略総合特区、ライフイノベーションの総合特区の中で医学部をつくるというアイデアはどうなのか。そう考えた時に新たなイメージが膨らんでくるといいますか、ただ単に医師の不足を補うというだけではなくて、せっかく特区の中でつくるというのならば、少なくとも教育の質そのものも変えていく大きなチャンスじゃないのかなと思った次第であります。

 国際戦略総合特区の大きな目指すべき方向性というものは開かれた医療ということでありますから、開かれた医療のそういう医療人材を育てるような医学教育、これならば、恐らく医師会の皆様にもあまり抵抗感なく受け入れていただけるのではないかなという思いで、医師会の反対に最も配慮した形で案を練り直したということでありました。そのために、項目を「医師の養成・確保」というところから、「開かれた医療と透明性の確保」という項目等に移したということであります。

 

(医療のグランドデザインに対する意見およびマイカルテのイメージについて)

記者 今のグランドデザインの関連なんですけど、こういうふうに知事が配慮されて、項目を変えられて、医師会の理解はこれで得られるというふうにお考えなのかというところがまず1点、あと、パブリックコメントでも、医学部の新設に対して結構反対の意見もあったようなんですが、それをどういうふうに受け止めていらっしゃって、それに対してどういうふうに対応していかれるかということですね。あともう一つ、マイカルテなんですが、お薬手帳を基礎としたマイカルテのモデル事業ということなんですが、これは、もちろんこれから検討していかれることだと思うんですが、知事の構想の中では、例えばお薬手帳をカード化して、これに例えばカルテの情報とか、患者さんの情報を入れて、そのカードがあればどこでもそういった患者さんのカルテ情報が見られる、というようなことをイメージされているのか。以上3点お願いします。

知事 最初の医療のグランドデザインの事で、開かれた医療という中での医学部新設ということを、医師会に配慮しながら打ち出したということについて、医師会の理解は得られるかどうかということでありますけれども、私は、そういう配慮をしたということの思いがまだ伝わってないんじゃないのかなと思っていますが、その思いがしっかり伝われば、ご理解いただけるものだと私は思っています。

 パブリックコメントでありますけれども、頂いた意見の総数は634件、そのうち医学部新設に関する意見が446件でありました。446件のうちですね、反対が424件、賛成は15件、その他7件となっております。これだけを見ますと、パブリックコメントでは、圧倒的に医学部新設に反対だということが当然のごとく見えてまいります。ただし、あまりにも偏り過ぎているんじゃないのかなということで、私は大変な違和感を持っております。全国的に見ると、医学部新設についてのこういった意見は、6割が大体賛成というふうに出ていますけれども、神奈川県の医療のグランドデザインのパブリックコメントは、圧倒的に反対だということで、何かあったんじゃないのかなと私は思わざるを得ないと思っています。それは、意見は意見としながらも、正しいと信じることを着々と進めていくということであります。

記者 圧倒的に反対意見が多かったというのは、何かしらこう、団体で動いたような気配があるという感じなんでしょうか。

知事 それは、今のところはまだ確証はできませんけれども、ファクスで送られてきた反対意見のうち、同じ様式で送られてきたものは3パターン、全体で196件ありました。同じ様式でね。86件、82件、28件ということであります。それが何を意味するのかといったことは、私の方から今の段階で断定はできませんけれども、幅広く県民の皆様のご意見を聞こうという中で、そういう形の結果が出ているということに対しては、私は非常な違和感を覚えるということであります。

記者 それは、医師会の関係者というような認識なんでしょうか。

知事 それは分かりません。

記者 すいません、マイカルテの質問。

知事 マイカルテというのはですね、この間、マイカルテのシンポジウムというのをやりました。全国での先行事例なども、いろいろな形で発表していただきました。マイカルテそのものは、既に先行的にやっているところもあるわけですけれども、実はいろいろな形があるんですね。それで、そこで浮かび上がった問題点というのもよく分かりました。

 よく、こういう言い方をしていましたけどね、お金が無くなれば止まっちゃうという。つまり、例えば補助金だとか、研究費だとか、お金がある時にはバッと行くけれども、要するに、持続可能的にはなかなかなっていかないという、そういう問題点が浮かび上がってまいりました。神奈川でマイカルテをやっていこうとするときには、やはりあまり大きなお金を掛けるということではなくて、みんなが使えるようになって、そして、持続可能な形を作っていきたいと思っています。できればそれが神奈川発ということになって、それが一つの神奈川モデルとなって、全国の医療の情報化ということを加速させていくきっかけづくりにしたいと思っているところですね。そういう大きな方向性の中で、皆さんで知恵を出していただこうと思っているところであります。

 

(医療のグランドデザインのパブリックコメントついて)

記者 先ほどの話に戻るんですけれども、パブコメでですね、反対意見がだいぶ圧倒的にあったということで、何らかの調査をするとかですね、またその反対の3パターンの様式を公開するとか、いわゆるそれを受けたアクションというのはお考えですか。

知事 それは皆さんの仕事ではないでしょうかね。われわれはわれわれなりに不思議だなとは思っていますけれども、幅広く皆さんに意見を募集したものでありますから、正しくそういう制度を活用されたということを祈るばかりでありますけれども。

記者 今の関連で、知事は先ほど3パターンに限られたとか、それなりの根拠を示されたわけなんですけれども、パブリックコメントを違う形であっても、有効なものにするためにやり直したりとか、ちょっと方式を変えるとかそういったお考えはありますでしょうか。パブリックコメントを、要するに団体票的なものが入らないようにするなにがしかの工夫を加えてやり直したりとか、そういうお考えはありますか。

知事 やり直す気持ちはありません。

記者 これはもうこれで終わりですか。

知事 終わりです。基本的に両論併記というのをどう考えるかってことですね。検討会でお願いして両論併記となったということ。医学部新設においてみれば両論併記になったんですが、両論併記というのは、両方の案を両方ともある種認められたということでもありますね。こちらが駄目だと言われているんじゃないんですね。こっちの考え方もありますね、こっちの考え方もありますね。後は政治が判断してください。というのが私は両論併記だと思っていますから、皆さんがしっかり検討していただいて、二つの両論併記になったものに対して私は政治的な判断をさせていただきます。ということで決めさせていただいたということです。

 

(医学部の新設等に関する医師会の意見等について)

記者 確認なんですが、医学部をつくること自体に反対なんですか。それともいわゆる医師の定員増という中で、医学部というのは反対という。

知事 医学部をつくること自体に反対ですね。

記者 つくること自体に反対ですか。

知事 それは反対意見でしょう。

記者 ええ。反対意見。で、今回、戦略総合特区の中に位置付けたというのは、反対意見に対しても、これであれば理解を得られるっていう。

知事 それは分かりません。

記者 これでも成案として県として、示したわけで。

知事 これは私の責任において示しました。

記者 マイカルテ検討委員会に、医師会からの委員が調整中というのも、これは医師会が何かしら調整をボイコットしているようなところがあるんでしょうか。

知事 私はその背景はよく分かりません。われわれは医師会に、早く、さあどうぞと、門を開いて待っていますけれども、それは医師会が判断されることだと思います。

記者 医師会との関係なんですけれども、先ほど知事は自分は配慮したという気持ちがあると、でもそれは伝わっていないと。でも、その思いが伝われば理解していただけると思うという発言があったんですけど、理解してもらうために今後医師会との間で協議を持ったりとか、そういった手順だったり手続きをして理解してもらう部分であったり、そういった場を設けようというお考えがあるのでしょうか。

知事 実は、前にそういう場を設けたんですね。会長さんも副会長さんも皆さんいらっしゃいましたけれども、じっくり懇談した場で私ははっきり申し上げています。その時に、「医学部新設」と言った瞬間に「だめだ、だめだ」とみんな言いました。そういう雰囲気だったですね。「医学部新設」「だめだ、だめだ」と言うので、「例えば特区で、それで国際的に通用する人材を育てるために、例えばそこの教育を英語でやるとどうでしょうか。そういう医学部はどうでしょうか」と言ったところ、その時、誰も反対しませんでした。これならいけると私はそこで確証を持ったんですね。だから、その時の話だということがお分かりいただければ、ご理解いただけるものだと思っていますね。

記者 今回こういった形でパブリックコメントを見た上で、また県として改めて出したということを受けて、今後、知事がこういったものを医師会の方に説明する場というのは考えていらっしゃいますでしょうか。

知事 いや、今のところはそういう日程は特に考えていません。この間、大久保医師会長が来られましたからね。その時もはっきり申し上げました。そういう意味と。

記者 その時、会長からはどういった反応だったり、ご意見というのは。

知事 反対はいろいろ多いですよ、とは言っていました。

記者 それ、いつ来られたのですか。

知事 いつだったかな。先週でしたかね。先週。

記者 そもそも論で恐縮なのですが、勉強不足なのですが、医学部新設に当たってですね、特区で新設を今後検討されていくことだと思うのですけれども、県の医師会の反対が、そのまま反対されたままだと、具体的にどういう障害があるのでしょうか。要するに反対があると、やっぱり実現できないというところ。

知事 この問題は、まだまだハードルいっぱいあるわけです。そもそも国が認めるかどうか。国は今のところ認める方向性を出していませんからね。

記者 医師会の反対というのは、どのようなハードルになり得るのかという。

知事 いろいろなハードルがある中の一つだと思います。だから、私が出したカードというのは、医師会が最も抵抗をしないだろうな、ご理解をいただけるだろうなというカードを切っているわけですね。ものすごく配慮してあると私は思っています。

 

(医療のグランドデザインのパブリックコメントについて)

記者 先ほど、全国的には6割ぐらいが賛成っておっしゃったと思います。それはどういう調査ですか。あと、今回のパブコメの返ってきた件数というのは、一般的にパブコメをする時に比べると多いのですか。

知事 どうですか、事務局の方で分かりますか。

医療課長: 先ほどの6割というところは、文部科学省のパブコメのところです。他のパブコメについては、「かながわグランドデザイン」というのがありまして、あれは1,500件ほどあったと聞いております。そのほかは、そんなに多く出ることはあまりないと思います。

記者 文部科学省の何についてのパブコメですか。

医療課長: 昨年末に実施された、医学部新設の医師養成確保の。

記者 ありがとうございます。

 

(医学部の新設等に対する医師会、国への説明について)

記者 そうするとすみません、もう医師会への説明というのは特に考えていないというお話ですけども、知事としては、これを出したことで、一つの、十分に配慮したのでこれで結論だということなんですか。

知事 結論ですね。ただ、もっと説明してくれというのであれば、いくらでも説明しに行きますよ。納得できないというなら納得していただけるまでご説明いたしますけどね。これだけ配慮しているのですから。

記者 配慮した上で、県の成案としてまとめられたわけじゃないですか。これから医師会も新設や実現に向けてどのような動きを。

知事 国に対しての要望ということもありますね。それから、実際にどういう大学をどうつくっていくのかという、医学教育の質を変えるような、国際的な人材を育てるような、医学教育の在り方、こういったもののニーズというのは、医学界の中にあるということは、私は十分把握していますからね。だから、そのために、どういう医学部かと、もう少しイメージを練りながら、そして、それを国に対しても要望していきます。国が最終的にだめだと言えば、なかなかできないわけですから。普通の医学部についても国は今のところだめだとずっと言っていますけどね。こういった特区の中における新たな医学教育の実践的、実験的なものについては、おそらく国としても判断できていないと思いますから、それについての理解を求めていきたいと思っています。

記者 検討会みたいなものを新たに立ち上げる予定はありますか。医学部新設に関しての。

知事 今のところ、それは考えていません。

記者 確認ですけど、そうすると知事としては、パブコメの反対に関しては、特に結論において、影響を考慮はしていないということでいいでしょうか。とらえ方として。

知事 いや、それは、全部拝見しましたよ。でも、同じような意見が全部並んでいましたからね。

記者 結論としてということですか。

知事 はい。配慮した上での結論です。

記者 ああ、配慮した上でですね。

 

(医療のグランドデザインのパブリックコメントについて)

記者 同じ様式を3パターンというのは、文言が全部一緒ということだったのですか、それとも書式が何かこう。

知事 ファクスが、要するに様式が同じだということですね。台紙みたいなものあるじゃないですか。それが同じになっている。

記者 あらかじめ文言が全部一緒だっていう。

知事 文言の中身はばらばらでいろんな形がありますよ。同じものもあるし。その辺はぜひ、皆さんの取材力によって真実を明らかにしてください。

 

(緊急財政対策本部第2回調査会について)

記者 すみません、ちょっとまた話が変わるのですけど、先週、土曜日に第2回神奈川臨調が行われたのですけれども、その中で委員の中から県有施設について、原則3年以内に全廃という基本方針が固まったんですけれども、それを受けて県としてですね、そういった各種いろいろ文教施設だったりとか産業振興施設だったりとか、いろんな性格の異なる県有施設の中で優先順位を付けて、まあこれは今後どういうふうにしていこうというようなのを考える、県としてどのように今後ふるいにかけていくというか、考えていく用意があるんでしょうか。

知事 県有施設、原則3年で全廃というのは大変重いことだと思っています。そういうご意見を踏まえながら、全廃というと、全部廃止するということではない。原則全廃ですから。われわれも原則全廃という発想の中で、ゼロベース、まさにゼロベースですね。やっぱりこれは県の施設でなければ県民の皆様へのサービスは保障できないぞといったものは何なのかということをゼロからもう一回立ち上げてみる、最小限、という作業をこれから血へどを吐くような思いでやっていくということになると思いますね。

記者 県のプロジェクトチームをつくったりということもお考えでしょうか。

知事 今、県の中で緊急財政対策本部をつくってますから、基本的にはその中でやっていきます。

記者 するとあれですか、要は全廃ありきじゃなくて、見直すということをやるということでいいですか。県有施設をどうするかを見直すってことでいいんですか。

知事 すごい要約の仕方じゃないですか。だから、書いた文言の通りですね。書いた文言の通り、原則全廃、3年間で、ということですから、それは非常に重いメッセージですよね。原則だからといって結局立ち上がってみたら前のままありましたって、それは県民の皆さんに許されないでしょうね。だから、本当に厳しく、ここの施設というものが県でなければやっていけないというものを最小限、それは一体何なのかということで立ち上げてくる作業ですから。だから今あるものを減らしていこうという発想ではないですよね。全部無しにした上で、本当に必要なものは立ち上げようという、こういう発想ですから、それはもう全然違うと思います。

 

(マイカルテのイメージについて)

記者 さっきのマイカルテ、ちょっと確認です念のために。お薬手帳を基礎としたって、つまり、やっぱり何かカードみたいなものを想定してるってことでいいんですか。お薬手帳、あの紙のあれじゃなくて、当然そういう何か。

知事 マイカルテというのは、実はいろいろな形があるんですよね。カードみたいなこともあるだろうし、それから携帯電話みたいにポッと出てくるというのもあるだろうし。これも実現に向けてどうやって進んでいくかということを最大限考えてやっているのですね。それで最も抵抗が少ない形で進んでいくと思っています。

 お薬手帳というのがありますよね。このノートみたいなものがあって、紙の媒体としてのお薬手帳がありますから、これを電子化するということですから、一番抵抗感が少ない。これから始めてみて、いわゆる電子カルテと電子カルテの情報、それをどうやって取り込んでくるかということをしながら、自分のカルテはどこでもパッと取り出せるぞという、そういう状況にしていきたい。そのことは、どれだけ県民一人ひとりの皆さんにとって安全安心なことにつながるかということ。それとともに医療費削減にどれだけ大きな効果があるかということ、それをやっぱり体感していただきたいですね。そのことによって、ああ、これはいいなと言って、みんなが思ってくださるということが広まっていくために一番大事なことだと思っていますね。上から目線でこれがいいからこれでやれって言っても、そうすると先ほど申し上げた先行事例のように、当然そこにはお金が掛かるわけですね。そのお金はいつまでも続かない。それで止まってしまう。だからそうではなくて、皆さんがメリットを感じてどんどん広がっていく、そういう仕組みをつくらなければいけないと思っています。一番抵抗感がなく、みんなが一番分かりやすくて親しみやすくて、そしてどんどん広がっていく、そういう神奈川独自のマイカルテの誕生というものを目指しています。

記者 地域的にもやっぱり、どこかのモデル地域を設定する、それとも最初から全県をできればやっていくという。

知事 それも両方選択肢のうちでしょうね。どういう形でつくるかという中で、いろんな形があり得ると思っています。

 

(厚木基地での空母艦載機による着陸訓練について)

記者 NLPの関係なんですけれども、相当な数の苦情があるという背景についてはどのようにお考えなんでしょうか。今までにないこと。関連であと、当日になっての事前通告というのは極めて異例なケースだと思うのですが、それについての言及は先ほどなかったようですが、その辺についての状況をお話しください。

知事 今回非常に多かったというのは、5年ぶりということもあるでしょうけれども、やめてくれということを再三申し入れているということがあって、住民の皆さんも、もうないだろうと思ってらっしゃったんじゃないのかなと。だから、非常に衝撃を受けた。それとともに、今おっしゃった通り、直前の通告であったということですね。それがやはり、県民感情を逆なでしたということになったわけですね。それも含めて、厳しく抗議をさせてもらったということでありました。

 その理由としては、要するに、軍事上のオペレーションの問題、ジョージ・ワシントンが出港できなくなったという、そういうハプニングがあったということなので、理解を頂きたいということを訴えておりました。

記者 で、「あ、そうですか」と理解し、「分かりました」というふうに引き下がるようなお話でもないと思うんですけども、その具体的なジョージ・ワシントンのトラブルについて、何があったのかというのは、今後はどういうふうなことを求めていくのですか。

知事 それは、この間も申し上げましたけども、ウィーマン大佐に対して、みんな不安に思っていると、急にジョージ・ワシントンが動けなくなったというのは、重大なことが起きてるんじゃないのかと言ったら、彼自身がその情報を把握する立場にないけれども、少なくとも、原子炉において重大な問題があったわけではないということは、彼自身明言しておりました。

 その後、ジョージ・ワシントンはどうなるのかと思って見ていましたけども、出港したということですから、その辺の問題は、とりあえずは、重大なことではなかったという言葉を信じていいのかなと思っています。ただ、そういうことは二度と無いようにということは何度も申し上げているところであります。

 

(医学部の新設について)

記者 医学部の話に戻って恐縮なんですが、知事の構想ではどのくらいの規模になるんでしょうか。

知事 まだ、そこまでイメージできる状況じゃないですよね。医学部というのは普通はどのくらいですか。100人とかちょっとですか。1学年。そんな巨大な医学部をつくるとは別に思ってませんけれどね。普通の医学部でしょうけれども、日本の普通の医学部じゃないような医学部をつくると思っていますけれどね。

記者 内容は普通の医学部だけじゃない内容ですけど、規模的には、普通の医学部ぐらいの規模という。

知事 あんまり大きなものはつくれませんからね。質の問題を重視したいと思ってますからね。

 

(生活保護制度について)

記者 関係ない問題で恐縮なんですけども、生活保護制度におきましてですね、一部のタレントの生活保護の適用をめぐる事柄で、何か制度の見直し論みたいなのが盛り上がっているようなんですけども、例えば生活保護というのはセーフティーネットといって、貧困とは何かとか、非常に極めて難しい制度ではあると思うんですが、神奈川県の実態も踏まえましてですね、知事として制度について何かお考えがあれば教えてもらえますでしょうか。

知事 そうですね、私も、毎日のように河本準一さんがテレビに出てきて、謝罪会見のようなことをされている様子をずっとテレビで見てますけれども、生活保護の問題というのは確かに、ご指摘の通り非常に難しいですよね。私は、河本さんのケースをそんなに深く知りませんけれど、伝えられることを見ていると、扶養する能力があったにもかかわらず義務を果たしていなかった。それで、生活保護を受けていたということですけれども、その扶養する能力というものの基準ですね。それはなかなかはっきり分からないですよね。年収いくら以上が扶養能力があるんだという、なかなか線引きのできないところがありますよね。

 ただ、河本さんは、そういう生活保護の問題の全体を何かしょわされているような、スケープゴートにされているんじゃないのかなと、そんな印象も実は持っているところですね。

 非常に根の深い問題ですけれども、やはり基本的には、社会のセーフティーネットというものをしっかりとつくっていかなければいけないだろうと。それで、そのセーフティーネットをつくったからといって、そこに寄り掛かれば大丈夫なんだといって、最低限のところを救おうと思ったら、もうちょっと上にいる人たちが全部降りてきて、そこにすがり付くとなった場合には、そのセーフティーネットそのものが崩壊していくということにもなりかねないですよね。だから、この問題をどうすればいいかという問題、非常に難しいけれども、大きく言えば、今、私たちがやろうとしている、経済のエンジンを回していくんだということ。この経済のエンジンが本当に回っていけば、こういった問題もあまり表面化しなくなってくるのではないのかな。まさに、悪意を持って、わざと働かないで、生活保護にすがっている人もいるでしょうけれども、そういう人はむしろ少ないんじゃないでしょうか。やはり働く場をたくさんつくり、そして、経済のエンジンを回していくことで、こういう問題を克服していきたいと思っているところですね。

 

以上

神奈川県

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