定例記者会見(2012年4月17日)結果概要

掲載日:2012年4月18日

発表事項

(「神奈川県医療のグランドデザイン(案)」に関する意見の募集について)

  まずはじめに、「神奈川県医療のグランドデザイン(案)」に関する意見の募集についてであります。県では、「医療のグランドデザイン」策定に向け、平成23年8月17日に設置しました「医療のグランドデザイン策定プロジェクトチーム」において検討を進め、3月5日に最終報告書が出されました。この最終報告書を受け、県として、今後取り組むべき事項を整理し、「神奈川県医療のグランドデザイン(案)」としてまとめました。ついては、これに関する県民の皆さんのご意見を募集いたします。意見の募集期間は、あす、4月18日から5月17日までとなっています。意見募集の方法は、資料記載の通り、県政情報センターや、各地域県政情報コーナーなどで閲覧できるほか、県のホームページでも掲載いたします。意見の提出は、県のホームページからのフォームメールや、郵送、ファクスで受け付けます。お寄せ頂きましたご意見の反映状況については、後日、県のホームページで公表いたします。県民の皆さんのたくさんのご意見をお待ちしております。なお、今回の案で一つ焦点となったところでありますけれども、医師の養成数の増加策について、医学部の定員増と、医学部の新設が考えられますけれども、医学部の新設に関する私の思いを書き加えさせていただきました。お手元の資料の参考資料2であります。これの右側、下の方ですね。プロジェクトチームの最終報告書が左側にありまして、それを「神奈川県医療のグランドデザイン(案)」としたところに、2重線を引いて示してあります。プロジェクトチームの最終報告書においては、医学部の新設問題については、いわゆる両論併記という形でありました。それについて右側、「上記のような課題を認識しつつも、県においては、現状の医師不足及び診療科や地域による医師の偏在、医師の勤務環境の改善には、県内に勤務する医師数の増加が必要であり、県内の医師養成数の増加が可能となるよう国に規制の緩和を働きかけていきます。また、県として特区制度を活用し、国際的な医療人材が育成され、交流することができる医学部の新設に向けた検討を進めていきます。」ということにしております。特区制度を活用して、国際的な医療人材が育成され、交流することができるような日本には無いような医学部の新設、これに向けた検討を行ってまいりたいということを案としてまとめました。

 

(本年度も継続して東日本大震災ボランティアを支援します!)

 続きましては、「本年度も継続して東日本大震災ボランティアを支援します!」ということであります。県は、社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会および神奈川災害ボランティアネットワークと協働し東日本大震災の復興支援ボランティア活動をサポートするため「かながわ東日本大震災ボランティアステーション事業」を実施してきました。3者の事業協定を更新しまして、今年度も事業を継続いたします。ボランティアバスの安定的な運行と低料金での利用が可能になるよう、バス事業者と運行協定を締結し、ボランティアバスを運行してまいります。また、ボランティア宿泊拠点として本県が岩手県遠野市に設置しました「かながわ金太郎ハウス」の運営は継続してまいります。昨年度は193便、223台のボランティアバスを運行し、また、「かながわ金太郎ハウス」においては、5,622人が利用いたしました。ボランティアバスおよびかながわ金太郎ハウスを利用しボランティア活動に従事された方は、延べ12,240人にのぼりまして、自治体主導の取組みとしては、全国的に類例のない実績となっております。被災地からは、継続的かつ多数のボランティア派遣に高い評価を頂きまして、今後の支援についても大きな期待を寄せられているところであります。県は、今年度も引き続き、被災地でのボランティア活動を支援していきたいと思っています。多くの皆さんのボランティア活動への参加をお待ちしているところであります。

 

(葉山芸術祭の現場訪問について)

 次は、現場訪問ですね。4月21日土曜日の知事現場訪問では、第20回目となります葉山芸術祭と、合わせて、県立近代美術館葉山を訪問いたします。まず、葉山芸術祭ですが、これは葉山地域でさまざまな表現活動をしている方々が行っているものです。ステンレスを使ったモダンジュエリーの展示や、廃材を使って作るモバイルハウスのワークショップを見学するとともに、芸術祭関係者と意見交換を行います。その後、葉山しおさい公園を見学します。三ヶ岡山(さんがおかやま)を借景とした日本庭園や博物館がありまして、大正天皇崩御・昭和天皇皇位継承の地として町の史跡に指定されている、美しい緑の広がる公園であります。次に訪問します県立近代美術館葉山。これは、「海に恋した美術館」のキャッチフレーズの通り、相模湾の海原を臨み、非常に眺望に優れた、恵まれた美術館であります。県立近代美術館葉山では、年間に4回から5回、日本画、洋画、現代美術など多彩な展覧会を開催しています。今回の訪問では、現在開催中の日本独自の油彩画を求めた作家の展覧会、「-光と影の生命(いのち)-須田国太郎展」を見学するとともに、関係者と意見交換を行います。

 

(「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」に基づく告示について)

 続きまして、東日本大震災により生じました災害廃棄物の処理に関する特別措置法に基づく告示、これに対してのコメントを申し上げたいと思います。本県および3政令市は、去る3月6日に、災害廃棄物の広域処理を推進するため、処理規定の整備について法的措置等を、内閣総理大臣および環境大臣に対して要望いたしました。本日、国から「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」に基づく告示が出されました。私どもの要望に対して国が対応していただいたということで、これは高く評価したいと思っているところであります。ただ、この告示の内容を見ますと、環境省ガイドラインなどで示してきたものを法的な基準としたものでありまして、法的に整備されたということを評価しますけれども、残念ながら、今まで示されてきた内容を超えるものではありませんでした。ただ、この告示とは別にですね、細野環境大臣から補足という形でこういうペーパーを頂きました。この内容を見ますと、「安全性の基準を満足した上で、搬出側の災害廃棄物の放射能濃度と受入側地域の一般廃棄物の放射能濃度が同程度である場合に受入れを行うこととすることは、より住民の安心が得られるよう配慮したものであると考えられます」ということであります。つまり、告示においては、受入れの新しい安全基準は特に示されなかったと私は思っておりますけれども、この補足の部分で被災地からがれきを持ってくると、そのがれきの放射性物質の濃度、それと、ごみの処分場である、そこの放射性物質の濃度、これが同程度であるという場合には、住民の安心を得られるよう配慮したものであると受け止めるということでありますから、こういう形であれば認めてもいいということ、これは国がしっかりと基準を示してくれたことだと思っております。県としてはそれまで告示が出てくるということを待っていたわけでありますけれど、この告示と補足、これを受けて改めて新たな提案をしたいと思っています。それについては、この3政令市ともに検討してまいりたいと考えているところであります。

 

(新庁舎12階食堂のリニューアルオープンについて)

 続きまして、きょう、神奈川県庁新庁舎12階食堂が「Cafeteria Seagull(カフェテリア シーガル)」としてリニューアルオープンしました。マグネット力ある食堂を運営していただけるよう、ということで業者を公募しまして、私も審査に加わって選定いたしました。きょう、ヘルシーメニューを食べてきましたが、本当にヘルシーメニューの名にふさわしいというか、非常に塩味等々、抑えめ、控えめでありまして、味のほうもまあまあ、なるほどなというところでありまして、これで新庁舎12階の食堂ががらっと変わるんじゃないかなと期待したいところであります。営業は平日なんですけれども、11時からセルフサービスのランチのみの営業となります。午後1時から3時までは、予約制のレストランとして、横浜港が一望できる席でリーズナブルなコース料理をゆったりと味わえます。これは県の職員だけではなくて、どなたでも利用が可能でありますから、多くの皆さんが利用されることを期待しております。ちなみに県立保健福祉大学栄養学科の学生が開発した健康メニュー、これも提供する予定にしております。県立産業技術短期大学産業デザイン科の学生によるPR方法等のプロデュースも進行中であります。 

 知事の出席主要行事メモはお手元にお配りした通りであります。私の方からは以上です。ご質問があればどうぞ。

 

質疑

(震災がれきに関する環境大臣の告示を受けた県の対応について)

記者 がれきの告示の関係なんですが、「補足」という形で大臣からペーパーで来た経緯を詳しく教えていただきたいのと、以前から要求していたのか、突然補足というのが来たのか。あともう一つは、「補足」というその文書の法的な意味合いをどう受け止めていらっしゃるのか。もう一つは、今まで国の告示を待つと、そのボールが正式に返って来たわけですが、先ほど触れられましたが、改めて、今後の対応をできれば時期のめどなども含めてお願いします。

知事 この告示の前に整理をしますと、私の方から野田総理大臣、細野環境大臣に、地元に私も説得に当たったけれども、なかなか説得しきることができないと、その中で反対と言っている方からいろんなご質問を頂いた。その中に法的根拠はどこにあるんだと聞かれた時に、これは非常に脆弱(ぜいじゃく)であるということを感じざるを得なかった。特措法ということにおいて、災害廃棄物とはどういうものであるかということの規定はあるけれども、災害廃棄物をどういうふうな基準で処理をするのか、その時の安全基準はどうなっているのか等々について、法的な規定が何もない。しかも国の役割というのもはっきりしない。元々の特措法では、国が地方自治体に対して要請するというだけだった。これだけではなかなか地元の皆様の反対を説得することはできませんと。国がもっと前面に出てきてください、国の全責任をもってやるということを明記するということ、その費用については全部国が補償するということ、そして、そういう処理の基準というものも国がしっかり出してくれということを訴えました。

 その後、直ちに野田総理大臣が国の全責任をもってやると明言をしてくださった。費用についても国が全部面倒を見ると。この対応は非常に早かった。そこは非常に評価したところでありますけれども、ただ、どういうふうにして災害廃棄物を処理するのかという処理の仕方、その時の安全基準については、告示をもってのちほどお答えするということになりました。

 それで、その告示をずっと待っていたわけでありますけれども、正直なところ随分遅いなと思っていました。もっと早く来るもんだと思っていました。なかなか来なかったんですけれど、告示を最終的にまとめていただいたわけです。われわれ神奈川県が求めていた処理の仕方、そして、そのときの安全基準ということについては、告示の内容だけでは十分答えきれない、ということを多分感じてくださったんだと思います。それで神奈川県の質問に対しては、特別なこととして、細野環境大臣からペーパーで補足ということで頂いたということであります。これが先ほど申し上げた内容です。

 これは、法的な、私はもともとメッセージを出してくれというふうに言っておりましたから、こういう形のもの、これがまさに細野環境大臣、政府からの法的なメッセージだと受け止めておりますので、これを基にして新しい案というものを検討していきたいと考えているところであります。時期的なもの、これもできる限り早くということで考えております。これは横浜、川崎、相模原、そして横須賀等を含めてしっかり検討し、そして住民の皆様にこれで大丈夫だというご理解を得られるように、これからしっかりと知恵を出していきたいと考えているところであります。以上です。

 

(足柄茶の出荷に対する県の対応について)

記者 発表内容に直接関係ないですが、間もなく足柄茶の一番茶の出荷シーズンを迎えることになると思いますが、県としての今シーズンの対応についてお願いしたいんですが。

知事 足柄茶ですね。これは、来月1日にも、足柄茶の検査を開始したいと思っております。一番茶の出荷でありますけれども、去年はここで基準値を超えたということになって、生産者の皆さんに大変な思いをさせてしまったわけでありますから、この一番茶、これが本当に出荷できるものなのかどうなのかということ、これを来月1日からの検査で判断してまいりたいと思っているところであります。

 

(東京都による尖閣諸島の買い取りに関する都知事の表明について)

記者 もう1点なんですが、東京都の知事がですね、尖閣諸島を買うというニュースが今報じられていますが、それについてのご評価と、一緒に買う気はあるか、ついでにお願いしたいのですが。

知事 尖閣諸島を一緒に買うだけのお金は、神奈川県には全くありません。神奈川県の財政状況はもう、本当に破たん直前というか、今、緊急財政対策本部を設けて、神奈川臨調ということで、財政を一気に立て直さなければいけないということで、必死にもがいているところでありますから、とてもそんなお金はありません。ただ、都が尖閣諸島を買うということというのは、私、正直驚きました。そういう選択肢もあるのかなということを、私としてはとても想定もできなかったことでありますから、驚いたということであります。石原都知事だからこその決断だったのかなと思います。この後、議会がどういう判断をされるか、こういうところも見守っていかなければいけないなと思っているところであります。

記者 その、買うということの、驚いた、というんでしょうか、その行為に対する評価というのはありますか。是非といいますか。その手法に関して。

知事 こういう、国際情勢が非常に難しい中でね、石原知事らしく、自分たちの主権の及ぶところはちゃんとそれを示すんだというご意思で、そうなさったわけでありましょうから、それは都議会の皆さんがどう見て判断されるかということだと思いますけどね。

 

(震災がれきに関する環境大臣の告示を受けた県の対応について)

記者 一つだけ、先ほどの話のがれきなんですけれども、これで、脆弱(ぜいじゃく)であった法的根拠がきっちりしたかとは思うんですが、地元の町内会連合会との協定の中に、「県内の産廃に限る」という文言があったかと思いますが、こちらの方はどうやってクリアをされるようなご計画でしょうか。

知事 それも含めて知恵を出すということですね。そういうふうな協定が実際にあることは間違いありませんから。今回起きた新たな事態ですからね。それに対して国がこういうふうな新しい法的根拠というものを提示してくださったわけですから、それを基にして、新たに知恵を出して交渉するということだと思います。その具体策についてはこれから知恵を絞るというところですね。

 

(「神奈川県医療のグランドデザイン(案)」について)

記者 医療のグランドデザインについて3点ほどお伺いしたいのですが、知事がおっしゃった医学部の新設についてなんですけど、医師会といろいろとちょっと調整が難航していたかと思うんですが、それについて、医師会との調整は今どんな状況にあるのかということがまず1点です。それと、この特区制度を活用して新設されるということなんですけど、この特区を申請した、その申請内容には入ってなかったと思うんで、申請内容の変更というようなことになるのかどうか、その辺の手続き的な面を2点目。3点目は確認なんですけど、規制の緩和を働き掛けるというのは、いわゆる文科省の、医学部は新設しないという文科省の告示について、緩和するように求めるということでよろしいのか、以上3点です。

知事 医学部新設について、医師会とどういうふうな調整をしたのかということでありますけれども、一時ですね、皆さんご承知の通り、この医療のグランドデザインを検討する検討チームで、医学部新設問題について議論を頂いている途中に、私自身が新潟県の知事からの依頼も受けてですね、国に対して医学部新設ということを要望に行ったということがありました。そのことで、いっときグランドデザインの研究会の中で、そのことが問題とされて、神奈川県医師会のメンバーがそのプロジェクトチームを脱退するということがありました。

 ただ、私がなぜその時点で国に対して働き掛けをしたのかということについて、きちっとご説明を、その後、グランドデザインの研究会に行って、お話をいたしました。何もこの検討会の検討を無視しているわけではなくて、エントリーできる時にはやっぱりエントリーしておかないと、いざここで、グランドデザインで、じゃあ医学部をつくろうと決めてもですね、国に対してエントリーしていなければ、話が前に進まないということがありますから、エントリーという意味で行ったんですということをきちっとご説明をいたしました。そして、そういった誤解を与えてしまったことについておわびをいたしました。そのことによって、神奈川県医師会もですね、そういうことだったのかということで、再び医師会のメンバーをグランドデザインの研究会の方に出してくださったということで、その点、一件落着ということでありました。

 今回ですね、最終的にはこのグランドデザインの検討会のプロジェクトチームの中では、医学部新設については、両論併記のままになっておりました。そういうことについて、私がもうちょっと踏み込みたいという思いで、先ほど述べたような、ある種の踏み込み方をしたわけですね。で、規制緩和を求めていくというのは、まさに今ご指摘の通り、医学部は今つくらない、新設医学部は認めないという規制がありますから、これをやっぱり緩めてほしいという、これを、国に対しては申し立てていきたいということであります。まあ規制を緩和したからといって、すぐにこういう医学部ができるというわけではありませんからね。規制の緩和ということはまず求めていきたいと。そして、県として医学部をつくるということについては、特区制度を利用して、そして、日本には無いような新たな医学部をつくるということ。私も医師会の皆さんとは、いろんな形で率直に話をし合っておりますから、私が医学部新設についてこういう考え方を持っているということは、率直にお話をしたこともあります。どういうことを皆さんが不安に思っていらっしゃるか、まあ反対される方が多いわけですけどね、神奈川県医師会の場合の中でもね。日本医師会は特にそうですけどね。これから人口が減少していく中で、医師が逆にいうと余ってくるんじゃないのかということ。それから医学部の定員は既に随分増やしているんだから、もうそれでその医師不足の部分はもう賄えているんじゃないのかな、こういうことでありまして、さらにそこに医師が増えてくると、これは逆に医師という仕事は大変なことになるという、ご心配があったということだと思いますね。

 そこで私が特区ということをあえて言ったのは、国際戦略総合特区でありますから、日本では普通できないようなことを、特区ならではとしてやっていきたい。ライフイノベーション、つまりライフイノベーションというのは何を言っているかというと、そういう生命医療、科学の分野で、日本の経済を、エンジンを回していきたいと。これが政府の思いでありまして、ライフイノベーション総合特区になっているわけですから、そういったエンジンを回すためにも、いわゆる医学部というのがあった方が、私はいいなと思っているんですね。だから国際的な人材を育てる、交流をさせるというふうなことであるならば、まさに経済のエンジンを回すという意味でのライフイノベーションの趣旨に沿ったところではないかということでありますので、これならば、神奈川県医師会の皆様もご不安を払しょくできるんじゃないかなと思って、こういう形にしたわけでありました。

記者 特区への手続き的な面についてなんですけど。

知事 確かに医学部新設ということは、特区申請した中には、その言葉では入っていません。しかし、あの中にさまざまな項目がありました。個別化医療の推進であるとか、予防医療の推進とか、そういう一つ一つの項目、それをやっぱり実現していくための一つの方策という意味で、こういうふうな医学部ということもご提示できるのではないのかなと思ってますから、改めて申請し直すというふうなことは考えていません。

 

(東京都による尖閣諸島の買い取りに関する都知事の表明について)

記者 先ほどの尖閣諸島の件で、幹事社からも重ねてご質問あったと思うんですけども、知事ご自身がですね、都議会がどう思うかでなくて、知事ご自身として尖閣諸島を自治体が買うという行動についての評価を、改めてお願いします。

知事 私自身は思いも付かないことでありますからね。私自身がもし、そういう立場にあっても、多分そういうことはしないと思いますね。それは。

 領土問題というのは確かに国家の意思をしっかり示すという意味では、大変重要なことだと思ってます。ただ、それをどういうふうにして訴えていくかというところというのは、やっぱり極めて慎重にしていかなければいけない部分もあるだろうというところですよね。あまりそこを、短兵急に突っ込んでいくような形になりますと、これは大きな紛争にも発展しかねない。領土問題とはそういうところがありますから。ただそれは、国家の大きな戦略の中で、しっかりと中長期的に、あらゆることを想定しながら、慎重に、しかし譲らないことは譲らないとしながら、やっていかなければいけない問題だと思います。私は、今、この時点で、石原都知事だからこそ、まあそういうことをされた、されようとしてるんでしょうけれども、それを今すぐ、それは素晴らしいな、これはもっとどんどんやってくださいというふうに応援するという気持ちには特にはなっていません。

 

(震災がれきに関する環境大臣の告示を受けた県の対応について)

記者 先ほど、がれき問題で2、3ちょっと解釈を伺いたいんですけども、細野大臣からの補足の内容なんですが、これは、搬出側の放射線濃度と受入れ側の放射線濃度が一緒だったらそれは安全だという。例えば、陸前高田から運び出す時の放射線濃度が、神奈川県だと100ベクレルと決めていますけれども、それはじゃあ神奈川県内に持って来て、横浜、川崎、相模原なりの焼却場に運ぶ時の放射線濃度が一緒だと安全だということなんですか。それとも、横須賀市の最終処分場に運び込む時の基準なんでしょうか。

知事 向こうから持って来る被災地のがれきがありますよね、焼却する前。で、こちらの焼却する前の廃棄物がありますよね。これがまあ同程度の放射性レベルということであるならば、地元で普段焼却している廃棄物と、外から持って来た、持って来は来たけれども大差がないということであるならば、これは住民のいろんな安心が得られるよう配慮したものだ、というふうに解釈していいですよ、ということだと思いますけれどね。

記者 そうするとその、最終的に焼却する、しないという手法については、やはり県が考えて、安全策を出していくということになるんでしょうか。

知事 そうでしょうね。ここから先のことは、こういった告示、それからこの告示と補足ということを受けて、われわれがどういう案をご提示するかと、これから考えていくということですね。

記者 補足は、神奈川県だけに対して行われているものなんですか。

知事 よその県は確認していませんけども、「神奈川県知事 黒岩祐治殿」というふうに来たペーパーであります。神奈川県と、横浜、川崎、相模原市の3政令市が要望に一緒に行きました。それに対しての答えを頂いたということですね。

記者 がれきの件ですが、今おっしゃった理由と、県内で震災以降ですね、扱っている廃棄物のものと、濃度が同じ程度であれば、というのが細野大臣の、問題ないという認識で神奈川県の方に出されたということだと思うんですけれども、後は、どのくらいの量を受け入れるかという量の問題もあると思うんですが、知事としては、先ほどの大臣の補足をもって、いわゆる反対している方が気にされている安全性のいわゆる根拠ですね、それは説明会の中でも何度も話があったと思うんですが、その部分も含めてすべての安全性に関する懸念というのがクリアされたという認識を持ってらっしゃるんでしょうか。

知事 いえ、これは、われわれの要望に対しての、細野大臣、政府の答えでありますから、それをそのままってわけじゃなくて、ここからわれわれは新たな提案に対しての知恵を絞るということですね。

記者 それは、だいぶ知恵を絞るとおっしゃってから時間がたってますけれども、全部が固まってないにしろですね、どういったものをお考えになっているか、ちょっと伺いたいんですが。

知事 それは今はまだ言えませんね。そこはもう、私も慎重に慎重にやっています。それは、いろんなアイデアがあるんですけれども、その一つ一つがやっぱりしっかりと検証しながら、今やっているところですからね。やっぱりそれだけ難しいことであるということを肌身を通じて感じましたから。だからそこはもう、本当にご理解いただけるような案に仕上げたいと思っているところです。

記者 あと、3政令市と協議をされるということですが、それは新たな案自体、原案についての話し合いも含めてということなんですか。それとも、県の方である程度持っていって、これでどうですかという、最終確認という意味合いなのか、それはどうでしょうか。

知事 これまではですね、たまたま私が12月の県議会で受け入れたいという意向を表明したということから始まって、3政令市は、まずは最終処分場はどうなのかということを見てたという状況ですよね。でも、皆さんご承知の通り、県は焼却施設を持っていませんから、焼却する時には、3政令市の力が必要になるわけですけれども、たまたま物事の順番として、まず最終処分地が確保されるということをまず第一で、それから後、焼却場ということになっていったという流れになっていましたけども、ここまできた段階では、総合的な処理の仕方ということを県・政令市等と一緒になって知恵を絞っていくという必要があるなと思ったところですね。

記者 同じがれきの関連なんですけど、地元の町内会長さんたちが撤回を要求して、知事も新しい案を出したいと言ってから、きょうで多分ちょうど2カ月、2月17日だったと思うんですけど、2カ月経ちましたけど、この日程的な遅れというかですね、それが今後の交渉にどんな影響を与えるとお考えですか。新しい案を出すといってから随分時間がたっちゃっているわけですけども。

知事 それは、無理やり進めようとしてないということです。それはもう、前にも申し上げましたが、こうやって国が動いたっていうのは、地元の皆さんの要望を受けて、その思いを国に伝えたことによって国が動いてきたわけですから、それはそれなりの時間がかかったということだと思いますね。これは本当に、短兵急にことを進めるということではなくて、やはり信頼醸成ということがありますから、地元の思いを国に伝えたら、国はこういう形で全責任を取ると明確に言ってくださったし、告示も出してくださったし、それ以外にも神奈川県の独自の要望に対しては、細かく答えてもくれたということでありますから、そこを受けて、次なる知恵を絞るということです。それは、信頼醸成という中では、決して後ろ向きなことではないと私は思ってます。

記者 告示というものが、今後の交渉にどういうプラスになるのか。

知事 それはやってみないとわかりませんね。しかし、この告示ってのはご覧になるとね、なるほど告示ってこういうものかというか、まさに法律の条文のようになっているわけです。国がしっかりとそれを明確な形で提示して、こういうふうにして災害廃棄物については、向き合うんだという姿勢をしっかり示したと。だから、これは地元の皆さんの反対の声を受けて動いたということですから、それは評価していただけるんじゃないかなと思いますけれどね。でも、ここにこう書いてあるんだから、このままやれよっていうことは、これは言えませんよね。例えばここでは、基準で、国というのはやっぱりそういうものなんでしょうね、8,000ベクレルという基準、それ以下のものは大丈夫なんだと、まあ当初言ってた、それに対して、皆さんご承知の通り県が提示したのは、もっと厳しい案でしたからね。100ベクレル以下という、焼却すると16倍から33倍になるわけですからね、1,600ベクレルから3,300ベクレルぐらい。それ以下という、もっと厳しい案を提示していたにもかかわらず、ご理解いただけなかったという状況の中で、告示となった時にも8,000ベクレル以下という話になってきているという。われわれとしては、国がやっぱり8,000ベクレル以下ということを告示してきましたから、じゃあこれでいきますといって、前に提示した案よりも後退したような、そういう基準を設けて、はい、じゃあこれは国が決めたことだから、はい、受け入れてくださいよって、そんなことはできません、いくらなんでも。われわれが積み重ねてきた議論もあるし、こういう交渉の過程がありますから、1回提示した案から後ろ向きにいくことはできないです。そうしようと思ってませんからね。だからこそ、出たことを受けて、また新しい案を、知恵を絞っていくということですね。

 

(「神奈川県医療のグランドデザイン(案)」について)

記者 すみません。またグランドデザインのこと、ちょっと繰り返し質問なんですが、新設医学部で国際的な医療人材を育成し、交流することができると書かれていますが、まさにこれから具体的に、どういう青写真をですね、これから固めていかれると思うんですけれども、今、知事の頭の中にあるイメージとしては、例えば教員を外国から連れてくるとか、留学生をたくさん入れるとか、どういう、何というかイメージを今、知事の頭の中でされているのかということを伺いたい。

知事 これはですね、今のグランドデザインじゃなくて、これは特区制度と言ってますから、実は今のその国際戦略総合特区だけが候補ではないわけですけどね。特区制度というと、新たな特区制度を活用することもあるかもしれませんけど。

 国際戦略総合特区、川崎、そして横浜等にある、これについてはですね、私も以前から申し上げていたのは、開かれた医療という言い方をしてました。つまり、外国の患者さんも受け入れたい、そのために外国人の医師もナースも受け入れたい。そういう開かれた医療の場にしたい、ということは前から言っておりました。その特区申請のときのプレゼンテーションに対してもそういう言い方を実はしていました。日本の医療というのは閉ざされた医療です。国民皆保険制度に守られて、日本人の、日本人による、日本人のための医療という、それはそれで非常に高い成果を挙げてきたことは間違いないのですが、いずれにしても医療の閉塞感というのをある種ぶち破っていくためには開かれた医療の拠点というのが必要でしょうということを申し上げてきた。だから、そういったものを形にした医学部というのはあるんじゃないかなと思った次第です。

記者 例えば、ここにも書いてあるマイカルテみたいなことを、ここで実験的にやるかということも可能性の一つとしてあるということですか。

知事 マイカルテは特区じゃなくてもやろうと思ってます。

記者 分かりました。

(以上)

神奈川県

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