知事議会提案説明(提案説明 平成29年3回定例会)〔9月提案〕

掲載日:2017年9月11日

知事提案説明 【平成29年 第3回定例会】〔9月提案〕

 

 提案説明に入ります前に、一言申し上げます。

 8月29日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、日本の上空を通過して、北海道沖に着弾しました。また、9月3日には、昨年に引き続き核実験を強行しました。これらの暴挙は、日本国民の生命に対する深刻かつ重大な危機であるとともに、世界の平和と安定に向けた国際社会の総意を踏みにじる行為であり、強い憤りを覚えます。そこで、いずれも直ちに、私と神奈川県市長会会長、町村会会長の連名により、金正恩朝鮮労働党委員長に対して抗議文を送り、これらの暴挙を二度と繰り返すことがないよう強く求めました。県としましては、今後も、国や市町村等、関係機関と緊密に連携して、県民の安全・安心の確保に向け万全を期してまいります。

 次に、9月1日から5日までの間、厚木基地で行われた米空母艦載機の着陸訓練についてです。

 私は、国から訓練通告のあった9月1日に、急遽、九都県市合同防災訓練の場で安倍総理大臣や防衛大臣、在日米海軍司令官に対して、着陸訓練を即刻中止するよう要請しました。その後、厚木基地のすぐ近くで視察を行いましたが、まさに耐え難い騒音でした。そこで、直ちに米軍の厚木航空施設司令官に対し、訓練の中止を要請しました。

 議会におかれましても、同日、議長が着陸訓練の実施に抗議する声明を発表されており、私も思いは同じです。空母艦載機の移駐が開始された直後に、厚木基地で着陸訓練が実施されたことは、これまで騒音に苦しんでこられた基地周辺住民の期待を裏切るものであり、誠に遺憾です。

 今後とも空母艦載機移駐の確実な実施とともに、空母艦載機の着陸訓練を二度と厚木基地で実施しないよう日米両国政府に求めるなど、厚木基地の騒音問題の抜本的解決に向けて、取り組んでまいります。

 それでは、本日、提案しました平成29年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。

 はじめに、津久井やまゆり園についてです。

 津久井やまゆり園の再生については、今年2月に神奈川県障害者施策審議会に部会を設置し、専門的な見地から7ヶ月間にわたり精力的に検討していただき、8月17日に審議会から報告書を受領いたしました。県ではこの内容を踏まえ、同月24日に「津久井やまゆり園再生基本構想案」を取りまとめ、公表しました。

 この基本構想案では、津久井やまゆり園の再生に当たり、利用者お一人おひとりの意思を尊重し、意思決定支援に丁寧に取り組むこととしています。この意思決定支援は、今年3月に示された厚生労働省の「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」に基づくものとしては、全国初の取組みとして実施してまいります。

 また、今後の生活の場として、130人の利用者全員が安心して安全に生活できる入所施設の居室数を、県が責任をもって確保します。具体的には、千木良地域及び芹が谷地域に新たな入所施設を整備し、既存の県立障害者支援施設と合わせて複数の選択肢を用意します。これにより、利用者本人の選択の幅を広げ、その意思を可能な限り反映してまいります。

 なお、千木良地域及び芹が谷地域に整備する施設の入所定員については、概ね2年程度経過し、意思決定支援が一定程度進んだ時点で、利用者の選択の傾向を踏まえて確定することで、利用者の意向を可能な限り実現できるよう配慮していきます。

 また、医療的ケアや強度行動障害へのケアなど専門性の高い入所支援機能に加え、短期入所や相談支援など地域生活を支援する機能を有する拠点として整備していきます。

 さらに、利用者から地域生活に移行する意思が確認された場合は、安心して地域生活を送ることができるよう、専門的支援の継続的な提供や、グループホームの整備促進などを検討していくこととします。

 これらを内容とする基本構想案は、現在地での全面的建替えという当初の方針とは大きく異なるものであります。そこで私は、基本構想案の決定直後に家族会の会長とお会いし、当初の方針を撤回したことをお詫びした上で、内容について説明を行いました。これに対して、会長からは肯定的な評価をいただきました。その後、利用者のご家族や地域住民、障がい者団体等の皆様への説明会を開催しましたが、現在のところ、基本構想案そのものへの反対意見はなく、一定のご理解はいただけたものと認識しています。

 今後、「津久井やまゆり園再生基本構想」については、基本構想案と説明会の結果を併せて県議会にご報告し、ご議論をいただいた上で策定してまいりたいと考えています。

 県では、こうしたプロセスを経て策定する再生基本構想を着実に実行することによって、利用者の皆様が、安心して生き生きと暮らすことができる環境をできるだけ早期に整備してまいります。そして、津久井やまゆり園の再生が、その過程とともに、日本の障がい者福祉のあるべき姿を示すものとなるよう、全力で取り組んでまいります。

 そうした中で、来月21、22日には、「みんなあつまれ2017」を開催します。津久井やまゆり園事件の後に策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の普及と実現に向けて、様々な工夫を凝らし、幅広い世代の多くの方々に、ともに生きることの共感を広げるようなイベントにしていきたいと考えています。

 次に、7月11日から16日まで、ベトナムとの友好関係、経済関係等の更なる発展を図るため同国を訪問しましたので、その概要を報告いたします。

 今回の訪問では、まず、県立保健福祉大学の協力により2013年にベトナム初の栄養学部を開設した国立ハノイ医科大学と、ベトナムの管理栄養士制度の確立に向けた協力について覚書を締結しました。この覚書の締結を通じて、両大学の協力の成果がより確実なものとなることを期待しています。また、「神奈川投資セミナー」をハノイで開催し、私から、本県の投資環境や企業誘致施策「セレクト神奈川100」の取組み等を紹介しました。このセミナーによって、県内中小企業による訪越ミッション団17社のうち2社が正式にベトナム進出を決定し、4社から進出の意向が示されました。また、ベトナム企業数社からも本県進出の意向を得ることができ、その後、2社が本県で操業を開始しました。

 加えて、「神奈川観光セミナー」をハノイで開催し、100人を超える現地の旅行会社やメディア関係者に向けて、神奈川の様々な魅力や代表的な観光地を詳しく紹介しました。初めて訪問したホーチミンでも、日本の観光や文化情報等を発信する「Feel Japan in Vietnam 2017」に参加し、多くの来場者に向けて神奈川の観光地をプレゼンテーションし、魅力をアピールしました。

 さらに、今回の訪問では、ひと月前に日本で会談したフック首相と再会談する機会が得られたほか、文化スポーツ観光大臣などの政府閣僚や財界要人と会談し、これまで築いたベトナム政府や財界との信頼関係をさらに強固にすることができました。

 そうした中で、フック首相からは、県とベトナム大使館が共催するベトナムフェスタについて感謝の言葉をいただくとともに、一層の協力について約束していただきました。そして、今年のフェスタには文化スポーツ観光大臣に参加いただけることになりました。

 3年連続3回目の開催となる今年のベトナムフェスタは、9月15日から17日まで開催します。来年は、日本とベトナムの外交関係樹立45周年を迎えますので、この節目に向かって、開催エリアを拡大し、出店数も1.5倍に増やすなど、さらに史上最大の規模で開催します。

 ベトナムとは、これまでの訪問やベトナムフェスタの開催などを通して、相互理解や友好交流が一段と進んでいます。昨年、県に在住するベトナム人の方が13,000人を超え、1年間で3,000人近くも増えました。また、昨年度、県内の大学等に在籍するベトナム人留学生が700人以上も増え、初めて2,000人を超えました。これらは、本県の政策としてベトナムとの交流に力を入れ、本県とベトナムとの関係が着実に深まっていることのあらわれと受けとめています。

 今後は、今回の訪問の成果を基礎として、進展する本県とベトナムとの交流をさらに大きく発展させてまいります。

 さて、ここで本県の財政状況についてご報告申し上げます。

 まず、本年度の見通しですが、県税収入については、これまでの税収動向などを踏まえますと、予算計上した額を確保できる見込みです。一方、歳出面では、年度後半の追加財政需要に対応する必要がありますので、引き続き慎重な財政運営を行っていかなければなりません。

 次に、平成30年度の財政見通しです。歳入面では、県税収入について、県費負担教職員制度の見直しに伴う税源移譲の影響により、29年度と比べ減額となりますが、その影響を除きますと企業収益が改善傾向にあることなどにより、増収が見込まれます。しかしながら、29年度当初予算編成時の減収補塡債の発行や財政調整基金の取り崩しなどによる臨時的な財源は特例的な対応であったため、これを除きますと歳入全体としては減額となる見通しです。

 また、歳出面では、急速な高齢化などに伴う介護・医療・児童関係費に加え、教育施設等の公共施設の更新や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた対応などに多額の費用が生じることが見込まれます。

 こうしたことから、平成30年度は、現段階で概ね800億円の財源不足が見込まれており、引き続き本県財政は危機的な状況にあると言わざるを得ません。

 本県では、これまで財政健全化に加え、県内の経済のエンジンを回す施策など、一定の成果をあげてきたにもかかわらず、財政需要に比して不十分な歳入や、義務的経費の比率が高いことによる硬直化した歳出といった構造的な課題の解決には至っていないことが、こうした財源不足が生じる主な要因であると考えています。

 しかし、このような厳しい財政状況にあっても、「いのち輝くマグネット神奈川」を実現するとともに、県政が直面する諸課題に的確に、かつ、スピード感を持って対応していかなければなりません。そのためには、あらゆる施策・事業について、これまで以上にスクラップ・アンド・ビルド方式を徹底するとともに、より優先度の高い事業等へ財源を重点的に配分する必要があると考えています。

 それでは、この度提案いたしました補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。

今回の9月補正予算案では、6月補正予算編成後の状況の変化により、早急に対応する必要があるものについて措置することといたしました。

 具体的には、現在、改修工事に伴い休館している県民ホール本館において、使用する電力に見合った電気幹線に更新するため、休館期間中に合わせて既設電気幹線の一部について改修工事を行います。

 また、津久井合同庁舎新築工事予定地において、試掘調査を実施したところ、埋蔵文化財が発見されたため、文化財保護法に基づく発掘調査を実施します。

 このほか、民間活力の活用により再整備を行う高津合同庁舎の借上事業や、県が管理する大船フラワーセンターの指定管理について、それぞれ債務負担行為の設定をお願いしています。

 以上が、補正予算案の内容ですが、補正予算の総額は、一般会計で7,700余万円となり、財源としましては全額繰越金を充当しています。

 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の改正7件、工事請負契約の締結3件、指定管理者の指定1件など、全体で13件のご審議をお願いしています。

 まず、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。

 食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の一部を改正する条例は、野生鳥獣を食肉、いわゆるジビエとして利用するにあたり、移動式の解体処理車における食肉処理の衛生確保を図るため、「自動車を利用して行う営業」に新たに食肉処理業を規定するなど、所要の改正を行うものです。

 条例については、このほか収入証紙に関する条例の一部を改正する条例など、6件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の主な案件ですが、工事請負契約の締結は、本庁舎耐震補強工事など3件をお願いするものであり、指定管理者の指定は、大船フラワーセンターにおける指定のご審議をお願いするため、提案するものです。

 このほか、平成28年度神奈川県公営企業決算の認定につきましては、監査委員の審査が終了しましたので、ご審議をお願いするものです。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。

 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。

 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

※ 本会議場で配布した資料をそのまま掲載しています。

神奈川県

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