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更新日:2024年1月4日

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第36回神奈川県地方税制等研究会 審議結果

このページでは、第36回神奈川県地方税制等研究会の審議結果を掲載しています。

審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第36回神奈川県地方税制等研究会

開催日時

平成18年5月15日(月曜日)13時00分~15時00分

開催場所

神奈川県庁新庁舎12階「かもめ」

出席者

(座長)神野直彦、堀場勇夫、金澤史男、青木宗明、沼尾波子

ワーキンググループ委員 関口浩、半谷俊彦、松原有里、高井正

次回開催予定日

未定

問い合わせ先

政策局財政部税制企画課調査グループ
電話番号045(210)2308

下欄に掲載するもの

  • 議事録全文

審議経過

(議題)

神奈川県地方税制等研究会の今後の検討項目及び運営について

地方税財政制度のあり方について

(事務局)……続きまして、若干委員の方まだ遅れているようでございますが、ここで第36回神奈川県地方税制等研究会及び第1回ワーキンググループの合同会議の方を開催させていただきたいと思います。

それでは、まず、会議の開会に先立ちまして、研究会及びワーキンググループの委員の委嘱をさせていただきたいと思います。時間の関係もございますので、恐縮でございますが、各委員の皆様の前に今回新たに委嘱をお願いしている委員の皆様には、お手元のところに封筒を用意させていただいておりますので、そちらの方をもちまして委員の委嘱にかえさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

次に、委員の皆様のご紹介をさせていただきたいと思います。自己紹介ということでお話をさせていただいたのですが、時間の都合もございますので、司会の方からご紹介をさせていただきたいと思います。それでは、最初に、神奈川県地方税制等研究会に新たに委員としてご就任いただきました神奈川大学経営学部教授、青木委員でございます。

(委員)青木でございます。よろしくお願いいたします。

(事務局)続きまして、今回新たに設置いたしましたワーキンググループの委員をご紹介させていただきたいと思います。

まず、地方税制等研究会から横浜国立大学大学院国際社会科学研究科長の金澤委員長です。

(委員)金澤です。よろしくお願いします。

(事務局)続きまして、今ご紹介いたしました神奈川大学経営学部教授の青木委員でございます。今、ちょっと遅れておりますが、法政大学の社会学部教授の関口委員でございます。それと日本大学経済学部助教授、沼尾委員でございます。

(委員)沼尾でございます。よろしくお願いいたします。

(事務局)和光大学経済経営学部助教授、半谷委員でございます。

(委員)よろしくお願いいたします。

(事務局)東京大学大学院法学政治学研究科特任研究員松原委員でございます。

(委員)松原でございます。よろしくお願いいたします。

(事務局)東京市政調査会主任研究員、高井委員でございます。

(委員)高井でございます。よろしくお願いいたします。

(事務局)それでは、羽田総務部長よりごあいさつ申し上げます。

(総務部長)総務部長の羽田でございます。本日は、松沢知事が来て本来ならばごあいさつしなければならないんですが、今日は八都県市の首脳会議が東京で1時からございまして、この会議に出席できないということで、委員の皆様方によろしくお伝えくださいということでございました。

私から、ごあいさつをさせていただきたいと思います。改めて申すまでもなく、この神奈川県地方税制等研究会、平成10年12月に本県が直面しております財政状況及び地方分権の推進の要請を踏まえまして、財政運営の健全化と安定性を備えた地方税体系の構築に資するため、課税自主権の行使による独自の税源の充実策及び地方税制度の抜本的な改善策について、調査、研究、そして助言を行うことを目的として、東京大学の神野先生を座長といたしまして設置したものでございまして、早いもので7年あまりを経過したところでございます。この間、研究会から数々のご提言をいただきまして、本県では「神奈川らしい税制づくり」を目指し、その実現に向けた検討を進め、昨年は県民参加型の税制として、水源環境保全・再生のための個人県民税の超過課税措置を条例化し、来年度から実施する運びとなりました。これもひとえに研究会における皆様方のご熱心なご議論、貴重な提言をいただいたからこそこの成果が出たのではないかと、このように考えております。

今回、この研究会へ先ほどご紹介をさせていただきましたが、神奈川大学の青木教授に加わっていただき6名の体制で地方税財政制度のあり方などに対しまして、ご提言をいただきたいと存じております。

また、この研究会の議論をより実りあるものにするということで、新たに研究会の下にワーキンググループを設けました。そこで、地方税財政制度のあり方、あるいは課税自主権の活用などについて調査・研究をお願いしたいと思っておりまして、本日はそのワーキンググループの委員の皆様にもご出席いただいているところでございます。このワーキンググループの委員には、先ほどお話がありましたように、研究会から3名の委員、このたび、法政大学の関口教授をはじめ4名の方々に委員のお願いをしまして、7名の委員構成で調査・研究をお願いしているところでございます。なお、委員長には、横浜国立大学の金澤教授にお願いをしたいと思っておりますので、金澤先生におかれましては、大変忙しい中、大変恐縮でございますが、よろしくお願いをしたいと思います。

さて、皆様ご承知のとおり、先の国の「三位一体の改革」では、国から地方への税源移譲につきましては、昨年の11月に示された政府・与党合意とその後の税制改正によりまして3兆円規模の所得税から住民税の移行が行われることが決定したところでございます。

しかしながら、現在、国と地方の仕事の割合は4対6に対しまして、税源面では6対4であるということを踏まえ、今回の3兆円規模の税源移譲が行われましても、未だ5対5にも及ばず、また「三位一体の改革」では、国の財政再建が優先されまして、地方の自由度、裁量度が高まらないということを考え合わせますと、今、神野座長にもいろいろとお願いをしてございますが、地方六団体も提唱しておりますように、平成19年度以降の第2期の税財政制度改革が必要であるというふうに痛感をしておるところでございます。

同時に、国と地方の税財政制度改革の動き、これにつきましても、私たち地方自治体としても座して待つということが許されない状況になっておりますので、私どもといたしましても真の意味での地方分権を実現するためには、あらゆる機会を捉えまして、主体的かつ積極的に国へ働きかけてまいりたいと、このように考えているところでございます。

研究会の委員の皆様にはこれまで以上に、税財政制度の改革など、様々な課題についてご検討いただき、そしてご提言をいただきたいと思っており、こうしたご提言につきましては、国への働きかけなどの場面で活用させていただくとともに、今後の県行財政の指針とさせていただきたいというふうに考えております。

また、ワーキンググループの各委員におかれましても、今後とも県行政全般について、ご支援、ご協力を賜りたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

(事務局)それでは、ただいま遅れてお見えになりました関口委員をご紹介いたします。法政大学社会学部の関口委員でございます。

(事務局)それでは、研究会の議事に移らせていただきたいと思いますので、神野先生、よろしくお願いいたします。

(座長)ご指名でございますので座長を引き受けさせていただきました。至りませんけれども、ご協力をよろしくお願いいたします。

早速、議事に入りたいと思いますが、お手元の議事次第にございますように、今日は2つの議題が用意されております。1つは、神奈川県地方税制等研究会の今後の検討項目及び運営について、それから地方税財政制度のあり方についてでございます。2つとも井立課長の方から一括してご説明をされた上で、議論の方をしていただければというふうに思います。よろしくお願いします。

(税制企画担当課長)それでは、私の方から、お手元の資料1からご説明を申し上げたいと思います。資料1につきましては、議事の(1)にも該当いたします今後の地方税制等研究会の検討項目及び運営についての関係資料でございます。

この資料につきまして、開いていただきますと地方税制等研究会のこれまでにいただいた提言、それに対して神奈川県がどれだけ達成できたか、かつ、今後どういう課題が取り組みとしてなされていくのかというようなことを簡単に整理したものでございます。

簡単にご説明いたしますと、まず一番上の項目の税源移譲でございますが、当初平成12年5月に中間報告書をいただきまして、その中で税源移譲の必要性につきまして答申をいただいております。

それにつきましては、達成状況でご覧いただけるように、3兆円規模の税源移譲が個人住民税で行われるということが決定されたところです。

その後につきましては、昨年12月にこちらの研究会から報告書をいただいてございまして、アンダーラインを引いてございますけれども、所得税から住民税にさらなる税源移譲を行うとともに、地方自治体における消費課税のウェイトを引き上げる必要があるというようなご提言をいただいてございます。

今後につきましては、6月に、国において、骨太方針が示されるというような動きがございますし、今後、税源移譲のあり方等について論点を整理していただいて、時期を逃さず神奈川県としても国に提言していく必要があるというふうに認識いたしております。

次の外形標準課税の導入につきましては、中間報告の中で、あるべき課税標準のあり方とか、そういうようなご提言をいただきまして、当時事業活動価値が最もふさわしいということでご提言をいただいてございます。このときは、部分的ですけれども、中小法人に対しても導入するということで、ただ軽減策を講じる必要があるとか、また資本金額を合わせて課税標準に取り入れることも提言していただいてございます。

これにつきましては、達成状況の欄がございますけれども、15年度の税制改正において、外形標準が一部導入されたということで、16年4月から適用されたところでございますが、その際は、この記載のとおり資本金1億円を超える法人に限定された導入であったということでございます。

また、外形課税は付加価値割と資本割ということで導入されたということがございまして、外形課税の導入割合は、全体の4分の1という形で、従前の所得課税分が分散したということでございます。

あと負担緩和措置が講じられ、あと資本割というのが研究会の提言どおり合わせて導入されたというような経緯がございます。

これにつきまして、研究会では今後に向けた提言ということで、一応外形標準課税が導入されたときに、さらにその内容についてご審議いただいた報告では、この15年10月の提言がございまして、最初の○にありますように、事業税の事業活動の規模を反映する付加価値額と資本等の組み合わせによって外形標準課税を導入した点については、十分に評価できるとし、当面はその税収を図るべきというようなご提言をいただいてございます。

ただし、次の○にございますとおり、中小法人に対して外形が外されたということ等から、また所得課税の割合が高いということから、当研究会が考えた外形標準課税の本来の目的の達成には不十分だというご提言を受けているところでございます。最終的に今後の課題といたしましては、定着を図るという面とさらに将来的には外形標準課税の本来の目的を達成するために事業税における外形標準課税の割合を高めていくべきだというふうに考えてございますが、これにつきましては引き続きワーキンググループでご議論いただければというふうに考えております。

また、合わせて臨時特例企業税ということで、外形標準課税が国において導入されるまでの間に、臨時特例企業税を導入すべきだというような提言を受けまして、神奈川県として13年2月に議決を経まして、同年8月から臨時特例企業税を導入したところでございますけれども、これにつきましては、外形標準課税導入後につきまして、今回の体系がまだ不十分ではないかということで、すぐ廃止までは至りませんで、下にございますとおり税率の引き下げと見直しを行った上で、21年3月末をもって条例を執行するという措置を講じているところでございます。

次のページでございますが、法人二税の超過課税について、ご提言いただいてございます。当時の中間報告書の中では、法人二税の超過課税が財政面から必要であるということで、具体案的には3番目の○にございますとおり、当時は法人税割の超過課税の既に実施しているものを引き下げて、均等割の超過課税を導入すべきだというご意見をいただいたところでございます。

これにつきましては、神奈川県の中でもいろいろと議会の調整、県民の意見をいろいろと調整した中で、達成状況でございますけれども、12年9月に当時からやっていた法人二税の超過課税を5年間は2つにしてございます。この際は、均等割の超過税を導入していただきましたが、それにつきましては導入をしませんで、従前の法人税割りの超過課税を実施することと、法人事業税の超過課税を実施するということで、不均一課税の実施のための使途を見直し等を行ったものでございます。

さらにこれにつきましては、17年9月にさらに5年が経過いたしましたので、これにつきましても調査をしていただいているというようなことでございます。

あとは自動車税の超過課税の方につきまして、当初12年5月に中間報告の中で都市の環境基盤整備の必要な財源をまかなうために、財源確保が求められていると、そういう状況を踏まえて、自動車税の超過課税が適しているのではないかということでご議論していただきました。あわせて自動車税は低公害車の利用を促すような政策誘導効果を発揮できる税目としても有効であるということから、超過課税案としては3番目にございますとおり、クリーンエネルギー車に対しては税率を下げて、それ以外の車について、超過税を導入したらどうかというようなご提言をいただきました。

これにつきましては、神奈川県として県民集会を開くなど、いろいろと取り組みをして県民の論議を深めたんですが、最終的には超過税につきましては、達成状況にありますけれども、当面、県民の理解を得られないということがございまして、生活環境税制の大気のテーマの検討課題として整理しつつ、今後の課題として残されております。

ただ、2番目の○にございますように、平成13年度の税制改正において、低公害車に対して、税率を軽減するというグリーン化税制が国において、地方税で措置されているということで、神奈川県の議論が国の制度改正に反映されたというような面もございました。

これにつきましては、研究会からの提言ということで、その後、生活環境税制専門委員会、○○先生にお願いしている専門部会でございますが、こちらから大気のテーマにつきましては、今後、地方税制の研究テーマとして位置づけられるというようなご報告をいただいてございます。

法人二税の超過課税の一番右の今後の課題、取り組み方法でございますが、超過課税制度につきましては、なかなか私どもとしても制約が多い制度でございまして、今後課税自主権のあり方を考える中では、さらに超過課税のあり方につきましてご議論いただければありがたいなというふうに考えているところでございます。

次に、3ページでございますが、生活環境税制ということで、これにつきましては、12年5月の中間報告書の中で独自な提言をいただきまして、最初の○にございますとおり、自然環境、生活環境に対して考えられる負荷に、全般的に規制・抑制を行うとともに、その税収について、都市的な防災対策を含む幅広い生活環境対策の費用に充てる、そういった生活環境税制の構築を目指すべきだということでご提言をいただきました。

さらに、その生活環境税制につきましては、県民の意思が基盤となるということで、ご提言をいただきまして、その後神奈川県の県民集会をたび重ねてやりまして、県民の意思、県民の考えをいろいろな形で反映するように取り組んできているところでございます。

また、当時、生活環境税制の理念上の分類ということで、記載のとおり4つの分類をしていただきまして、それぞれの課題を整理していただいたという状況でございます。ご承知のとおり、この生活環境税制の議論につきましては、専門部会で検討を深めていただいてございますけれども、県の方といたしましては、先ほど総務部長が説明いたしましたように、昨年の9月に水源環境保全・再生のための個人県民税の超過課税の導入という形で、当初、水源環境税という形で整理していただいたものにつきまして、一応、条例化をさせていただいたという状況でございます。

今後につきまして、生活環境税制の報告書の中で、炭素税のあり方とか、大気汚染の改善につきまして、まさに議論をしていくべきだというようなご報告も示していただいてございます。

最後の右の、今後の課題及び取り組み方法ということでございますが、まず個人県民税の超過課税につきまして円滑実施をしていくということが我々の課題としてございますが、2番目にございますように、大気のテーマを初めとする生活環境税制の活用につきましては、今後地方税制等研究会の議論を核にして引き続き検討を進めていきたいと考えてございます。

資料にございますように、都市生活税制及び都市防災税につきましては、まだ議論がほとんどされていないという状況でございますので、引き続きワーキングで整理をしていただければと思います。

最後、4ページでございますが、京浜臨海部等における不動産取得税の臨時課税ということで、これは報告書が全く空欄になってございますけれども、中間報告の中では、具体的な税制につきましては触れておりませんけれども、県内の産業を充実させるというような点での、そのようなご提言をいただいております。

これにつきましては、県の方として京浜臨海部における不動産取得税の不均一課税ということで不動産取得税の軽減措置を講じまして、京浜臨海部等に企業に来ていただくというような措置を当時、13年4月から講じてございまして、その後、産業活性化税制として記載のとおり不動産取得税の減免措置とか、インベスト神奈川に伴いまして、産業集積促進のための法人事業税、不動産取得税の税率の特例措置も実施しているところでございます。

こうした産業活性化の効果・税制につきましては、今後ご議論をしていただきたい部分もございますし、我々として効果等を見極めて今後見直しをしていく必要があるのかなというふうに考えてございます。

一応、こうしたものを踏まえまして、次に、A4の1枚のペーパーがございますが、検討テーマにつきましては、事前に○○座長、○○ワーキング委員長に相談いたしまして、今までの課題を整理させていただいた上で、今後こういったテーマについて議論していく必要があるのかなということで整理させていただいたところでございます。

今、ご説明した1番目の今後の税源移譲のあり方ということで、基本的な考え方、さらに消費課税、所得課税のあり方、あと法人の所得課税の税源交換の議論が出ておりますので、そのあるべき姿等を踏まえて具体的な税源移譲のシミュレーションを行っていくというようなことでございます。

2番目の地方における法人課税のあり方ということで、法人課税のあり方について非常に今議論がいろいろ出てございますので、それにつきましてあるべき法人課税の位置づけについて、今後の検討テーマとして議論すべきではないかと。あわせてその際、外形標準課税のあり方も議論すべきではないかということで整理させていただいてございます。

3番目の地方税における税率設定のあり方につきましては、先ほど超過課税の今後のあり方ということと合わせて、税源確保の観点で、こうした議論が必要ではないかということで、ここに記載させていただいたわけでございます。

また、4番目の地方における環境税制の検討でございますが、生活環境税制のご議論ということになりますけれども、特に地方における環境関係税制の検討というのが非常に重要なテーマとして今あるのではないかということで、炭素税とか道路目的財源、グリーンか税制についてやはり議論をしていく必要があるのではないかと。

かつ、水源環境保全・再生のための個人県民税、まだ来年からスタートということでございますので、それにつきまして研究会としてもこれをフォローしていく必要があるということで、この運営のあり方等について検討ということで記載させていただいております。

あと5番目としては、生活環境税制の具体的な検討ということで、最後、その他、課税自主権を活用するための税制上の課題の検討ということで整理させていただいております。

これにつきましては、今後ワーキングの検討に当たって、各委員の方からこういう方向の議論も必要ではないかというご示唆をいただければありがたいと思います。

次に、地方税財政のあり方についてということで、簡単な資料を用意させていただきました。

まず、資料2でございますけれども、税源移譲のあり方等を巡る最近の論議の状況ということで、簡単に整理をさせていただきました。

頭の方、地方六団体とございますが、その次に新地方分権構想検討委員会ということで、地方六団体のもとに設けられた、神野先生が座長または委員長ということで先般5月8日付になっていますが、最終的に11日ということで最終報告がされた報告でございます。

これにつきましては、税源移譲のあり方を含め幅広い提言が含まれているわけでございますが、税源移譲につきましては、この記載のとおり、消費税から地方消費税への税源移譲、さらに所得税から個人住民税の税源移譲ということで、考え方の欄に記載がございますけれども、消費税につきましては、地方消費税と2.5対2.5、所得税につきましては10%のフラット化にさらにプラス3%というようなご提言をいただいてございまして、税源配分は将来的に国と地方の割合が4対6、当面は5対5を目指すという取り組みでございます。

規模が、9.8兆円ということでここに記載してございますが、報告書の中では具体的な金額は記載してございませんで、これは私どもの方で今までの検討会の議論を踏まえて、数字を試算したらこうなるのではないかということで参考に記載させていただいてございます。

あといろいろなところから書いてございますけれども、ちょっと次のページを見ていただきますと、例えば、構想日本ということで出ている提言でございますけれども、ここでは税目の入れ替えということで、法人住民税、法人事業税を国税にして、消費税を地方税にしていくとか。さらに、次の21世紀臨調におきましても、消費税と法人住民税の一部入れ替えといったような議論、地方税制等研究会におきましても、昨年の12月の研究会の中でも、税源交換の議論をしていただきまして、いろいろとシミュレーションをしていただいたというような経緯がございます。

今回の地方六団体の報告の中では、法人課税の問題につきましては、具体的には触れられておらないんですけれども、それにつきまして資料3の方をちょっとごらんいただきたいのですが、資料3につきましては、一番左の欄に地方税制のあり方を巡る論議の状況ということで、所得課税、個人、法人、さらに消費課税、その他ということで整理させていただいてございますが、新地方分権構想検討委員会におきましては、個人住民税や地方消費税といった居住地課税の比重が結果的には高めていく必要があるというようなこともいただいておりまして、個人住民税の一層の充実強化を図るべきであると記載されてございます。

あと法人につきましては、具体的なことについては特段触れていないということでございます。消費課税につきましては、今後必要ということで、国と地方が等しく分けることが必要であるということでございます。

あと、その他、地方交付税につきましては、地方共有税としていくというようなご提言をいただいております。

これにつきまして、同じページの一番右の欄でございますけれども、産業構造審議会、こちらは経済産業省の委員会、審議会でございますけれども、こちらの新成長政策部会というところで中間とりまとめをされてございまして、法人の欄にございますけれども、地方の法人所得課税につきましては、偏在性とか景気変動の不安定性とかによって地域経済の自立的、安定的な財源として適さないと、税負担の水準は国際的に高く、公益負担の範囲を超えているというようなことが提言にまとめられてございます。

さらに、2番目のポツがございますとおり、地方の法人所得課税の撤廃を含め、抜本的な見直しが必要であるということで、最も地方の法人課税に対して、否定的な意見の代表みたいなものでございますが、こういったような意見もかなり強く出されていると。政府税調でもそういった議論が強くなされているということで注目しているところでございます。

一応、そういった法人課税の議論も今後非常に重要なテーマとして残されているということで簡単に整理させていただきました。

最後、資料4でございますが、地方税制の国際比較ということで、これは事務局がちゃんと認識しなければいけないということで整理させていただいたものでございまして、これにつきましては、地方税制等研究会、ワーキングの先生方、専門分野でございますけれども、簡単に触れさせていただきますと、一番左の国民負担率の欄につきまして、日本は租税負担率、社会保障負担率合わせて、35.9%ということで、諸外国と比べて圧倒的に低いという現状が関係から指摘されているということでございます。

また、税源配分の状況ということで、国、地方の割合ですけれども、日本においては国と地方が6対4ということでございまして、これは各国の状況によって、かなりこれにつきましてはさまざまでございますけれども、例えばドイツなんかは5対5というような状況がございます。

これは、もともとの仕事の内容によって、それぞれの国の税源配分が違っているというような状況がありますので、ストレートには比較はできないと思いますが参考になるかと思います。

あとは主な税目ということで、整理させていただきましたが、わが国におきましては、地方においては、所得、消費、資産につきましては、比較的バランスよくそれぞれ税が設けられていると。各国におきましては、アメリカとかドイツが同様な形として、所得、消費、資産に税が配置されているということです。ただ、イギリスにおきましては、資産課税に関するタックスだけでございまして、またスウェーデンにおきましては、所得の地方所得税だけだというような状況でございます。

日本におきましては、ドイツにおける共同税というのがございますので、こういったものも非常に今後参考になってくるのではないかと考えてございます。

また、法人課税の議論をする場合には、ドイツの営業税とかフランスの職業税についても今後の検討課題ではないかということで、ここではちょっと入り口の部分でございますが、簡単に提示をさせていただいたところでございます。

あと別途、「委員限り」ということで、お手元に、「真の地方分権改革の実現に向けた地方税財政制度のあり方に関する意見(案)」ということで、先ほど税源移譲の中でも申し上げましたけれども、随時、神奈川県としても国に対して改革をしていかなければいけないという中において、○○先生とご相談させていただいたところ、この研究会の方からも6月の骨太方針の前に、研究会としても意見を提言するということで、ちょっとこの中でご議論いただいてはいかがかということで、たたき台を用意させていただいてございます。内容的には事前に委員の方々にお送りした内容となってございますので、これにつきましても、後でご議論いただければありがたいと考えております。

私からは以上でございます。

(座長)はい、どうもありがとうございました。

それでは、ご議論をいただければと思いますが、○○委員、何か補足してありますか。

(委員)ええ、とりあえずいいです。

(座長)基本的には、研究会、何て言うんでしょうか、六団体の方の税源移譲案では明確に……。

(座長)いや、大した話じゃないんですけれども、計算するといくらでしたっけ。

(事務局)9.8兆円です。

(座長)9.8ですよね。あと幾らだったっけ。つまり半々にするには。9.8だとやり過ぎちゃうんだよね。5.5。

(税制企画担当課長)これは、5対5を超えています。

(座長)超えているんだけれども、あと幾らだっけ、超えないようにするには。

いずれにしても、それについては、結局法人関係諸税とのバーターを背後に考えているのですが、そこはとりわけ神奈川県を考慮して書いてないのですか。あえて書いてないのですか。追求されても、神奈川県がうるさいからといっちゃあれだけど。

(税制企画担当課長)そうかなとは思いましたけれども。

(座長)ということを考慮して押さえて言っているということですね。

今、神奈川県はともかくとしても、そこについては一定の配慮をしてまとめあげています。そこはもう判然としないということです。ただ、そこを考慮すれば、5対5ぐらいになるはずです。なんらかの形で戻しがあるということを考えれば、それについては明示していませんけれども。

いや、そうしないと結局、また3%ということになるので、つまり10%やった上で、また3%と言っているわけです。それはいくらなんでも少しは何かあげないとおっつかないでしょうということですね。その点がちょっと先ほどのことで言えば、ぼやけているかなということです。

それから、○○先生なんかも最初から参加していただいてまとめ上げた神奈川県の生活環境税制という概念から言うと、○○先生はまた別のお考えがあるかもしれませんが、私としては、地方が独自課税をやるときの考え方ないしは税目はほぼここで体系的にまとめ上げて出したというのが私の考え方で、ここに書いてある4つの分類は、体系立てて考えておりますので、私たちの生活、私たちの環境はギリシアの哲学に基づいて、大気、水、土、木、この4つから成り立っているということを考え、大気と水の問題と土には人間の生活が付着しますので、人間の生活の問題。火というのは危険物ですから、火と4種類に分けて、今後、独自課税を考えていくのには、こうした4つの生活環境要素を考えて運用すべきだということで、ほぼ僕らの、当時考えた中では、常に先取りして、どんどん盛り込んだという考え方で出しているというふうに考えています。

2つの会議にちょっと携わった者として補足すればそんなようなところです。○○先生から特にまた何かなければ。

先生、何かございますか。

(委員)ありがとうございます。

この2つのことで、まず最初に、今後の検討テーマということで、基本的には、これは税務課の方で立ち上げている研究会ということで、税源移譲であるとか、課税自主権の活用というようなことを検討テーマにしていくということだと思うんですけれども、当然、税源移譲のことを考えるに当たって、片方で事務権限配分みたいなところでも、社会保障関係含めていろいろな制度改革というのがうたわれていて、そのあたりのところを前提として、つまりどういうあり方にたって税源移譲というものを考えていくかという話と、もう1つは、やはり地方交付税を地方の共有税という提言が出ているという話がございましたけれども、財政調整制度みたいなものを議論に中にどういうふうに盛り込むのかというところが、これは多分裏には仕組まれているんだろうと思うんですけれども、それが特に表立って明記はされてなかったんですが、そのあたりは特にここではもう取り上げなくていいという理解でいいのでしょうか。

(座長)これは、我々はちょっと逆に、税の問題じゃないからということで見た感じになりますか。交付税とか財政調整とかそういうのを含めた方がいいのでしょうか。(税制企画担当課長)今までも実は議論をずっとしていただいてございますので、たまたま研究会の中間報告書の中をちょっと出発点として整理させていただいてございますので、ちょっとこの中ではあまり出てきませんけれども、議論としては、前回の12月の報告の中にも、そういった整理、補助金の削減の問題とか、地方交付税についてご議論いただいてございますので、それも含めてご議論していただければなというふうに考えております。

(座長)あと、どうぞご意見。

(委員)すみません、ちょっと順番が交互してしまうんですけれども、この意見の文言なんですけれども、ちょっと気になったところがいくつかございまして、第2パラグラフのところの、しかしながらというところで、国の三位一体改革の評価を到底納得できない内容であったというふうに総括されていて、そのこと自体はそのとおりだと思うんですけれども、その中身が3兆円規模の基幹税による税源移譲が行われたことは評価できるものの、というふうになっているんですけれども、これは何が評価できるのかよくわからなくて、読み方によっては3兆円規模で十分よかったというふうに読めてしまうので、もう少し基幹税による税源移譲が行われたこと自体は評価できるんだけれども、果たしてそれが補助金の削減や交付税の削減に見合うだけの規模だったのかというような、財源確保という意味では、この3兆円規模というのは到底不十分だったわけですから、このあたりの権限が国に残っているということだけを強調するのではなくて、三位一体改革自体の税源移譲の規模が不十分であった点というのももう少し強調した書きぶりにした方がいいんじゃないかというふうに思ったというのが1点です。

あとそれから、裏面の方で、これはすみません、すごく瑣末なんですけれども、この四角で囲ってあるところの2行上で、神奈川県に次の取り組みについて一層の努力を傾けていただくということで、多分次というのは、この四角囲みを指しているんだと思うんですが、これだと次期の、これからのというふうに読んでしまえるので、以下の取り組みというような形に直した方がいいんじゃないかということですね。

あとこれはちょっと私は理解できなかったんですが、四角囲みの1番目のところで、あえて県単独で行うことと、連携を強化するということを、研究会として強調することの意味づけが、私にはちょっとよく理解できなかったので、もちろんそれはそうなんですけれども、あえてこれをこういうふうに掲げたのはどういうところなのかというのを教えていただければと。

(座長)今おっしゃっているのは、県単独で行動することに加えて、なぜ六団体にまとまって、そこに参加してやろうかということをあえて付け加えるということの意味がよくわからない。そういう意味ですか。

(委員)はい。

(座長)それは一般的にはいいわけですよね。

(委員)ええ、一般的にはいいんですけれども、要するに神奈川の場合は県単独で突っ走っているので、もう少し連携するようにした方がいいよというふうに言っているように読めるんですけれども、そういうことなんですか。

(税制企画担当課長)私の理解としては、一般的に神奈川県としてやるべきことということでとらえていますので、地方団体として、今後、特に地方六団体ということはあえて入れさせていただいたのは、まさに神野先生の地方六団体の下で設けられている委員会の中で具体的な提言がここで出されていますので、要するに地方六団体として、本県を含めてですが、強力に今後推し進めていかなければいけないのかということで、あえてそこを強調するという意味で、書いてあると思うのですけれども。

(座長)これ、地方税制等研究会が出すんですよね。

(税制企画担当課長)はい。

(座長)じゃ、ちょっとこの間のときと状況が違って、少し厳しくなっていて、いわばけんかが、地方団体に売られている状態になっているので、これは神奈川県がとにかく各方面に努力しようというのでいったん切って、かつ神奈川県は六団体を初めとする地方団体の連携協力を強化するということではなくて、六団体のリーダーとなって、牽引してくれと、運動をという方向で書き換えておきましょうか。強めに打ち出していかないと、全然、何もならないからね。ただ、これはどこに言っていくのかということだけどね。どこに言っていくの。つまり……。

(税制企画担当課長)研究会では知事です。

(座長)知事に、じゃそれでいい。つまり骨太方針に向けて、こういうふうに行動してくださいというアドバイスですよね。ですよね。そうしたらやっぱりその中で、リーダーシップをとって間違えないように進んでいってほしいというようなことを書く方がいいんじゃないの、というか、ちょっと安穏としている状況じゃないですね。町村会は危機感あるんだけれども、知事会は危機感ないから、少し尻たたかないと。

強化するのも神奈川県知事が中心になって強化するように動けということですよね。働いてほしいということは言った方がいいんじゃないですか。

いや、わからない。委員の人の意見もあるし。

(委員)すみません、じゃよろしいでしょうか。今、神野先生がおっしゃったようなことであればなおさらなんですけれども、最初にいただいたときから感じていたんですけど、目に止まるところが全然なくて、サラッと目の前を通り過ぎていっちゃう文章みたいな気が非常にして、何かこう、神奈川県というか出すのはこの研究会なんですけれども、非常にクールな書きぶりになっていて、もう少しせっかく売られたけんかを売り返すのであれば、もう少し過激な、目に止まるところ、目を止めるところ、もう少しとんがった表現であるとか、あるいは熱意を感じるところとか、私としては入れていただきたいなというふうに思います。全く何か、大変失礼ですけれども、普通どこにでもあるような文章になってしまっているなというのが感想であります。

(委員)具体的にどうしろと、すみません。

(委員)もっと過激に。

(座長)○○さんと打ち合わせしたときと比べて、つまり、ここのまとめで言っても分権的な動きと財政再建的な動きと2つあったとすれば、これが少し変に財政再建的な動きが勝ってしまったので、三位一体という分権的な動きが、そちらの論議で打ち消されて妥協的なものになってしまった。だから分権の進め方が進まなかったということですよね。

だけれども、今行われているのは総務省の方の、総務大臣が挙げているのも、もう本気になって分権を進めるつもりはないですよね。10年後になったらどうなるかって、はっきりしないですよね。10年後に分権一括法を出すのかって、そういう感じでしょう。分権を進める気がないんですよね。

当面、そうするとプライマリーバランスにしろ何にしろ、財政収支を合わせるということだけで動くという論議になってしまっているときに、どういう行動をとったらいいのか。

こうしたことは繰り返し、繰り返し歴史の中で行われて、○○さんに言ってもらった方がいいかもしれないけれども、1920年代と状況がかなり似ていて、1920年代も金本位制に戻らなければならないということで、財政全体が締めつけられ、企業の方は合理化運動に走っていって、とにかく財政収支をバランスさせるということが優先され、社会的な均衡、あるいはそっちの方は犠牲にしていてもしようがないというような状況で、不穏なファシズム状況に入っていくわけ。簡単に言ってしまえば。

そのときに少なくとも地方六団体はどうしたのかと言えば、○○さんの研究じゃないけれども、町村会ができて、町村会はむしろの旗を立てて、税源移譲を主張して、それを我々は大正デモクラシーと呼んでいるので、今、むしろ旗を揚げて、六団体が戦わなければならないときに、むしろ旗が揚がんないんだよね。揚げろとは書けないけれども、少なくとも今の論理で粛々とやっていたらば、勝つか負けるかではなくて、日本の歴史の中でやっぱり大きな汚点を残すのではないかなと思います。

僕は、六団体の責任者を引き受けるときに、私は大した人物ではないけれども、気持ちとしては、もう健康も続かないので、五丈原の戦いに出ていく、諸葛亮孔明みたいなあれだって言ったら、やっぱりこの戦いは負けるんですかって言った人がいて、いずれにしても完全に分権論理が崩されているんだよね。それは繰り返し、繰り返しそれが行われていて、1920年代だけではなくて、1980年代と全く同じ論理で今行われようとしているので、やった結果はいつも悪くなるんですよ。バブルになるかファシズムになるかどっちかなので、それは少し、県としても真剣に動かないと、当面神奈川県はもしかしたら生き残れるかもしれないというような見通しでやると、今、各個撃破でどんどんつぶされていっているので、いずれ火の粉が降りかかってくる。というふうに覚悟しなくてはならないのではないかなと思います。

ちょっと、○○さんがやったときには、甘かったんだけれども、一般的にいろいろな議論が出て集約されるかなと思ったけれども、もう分権の議論はあがんないよね、経済財政諮問会議に、多分。プライマリーバランスどうするかって、交付税をどれだけ切るかと、そういう話は攻防戦になるけれども、そこでちゃんと危機感を持っているのは町村会ぐらいで、町村会長はもうそこに出ていくべきじゃないと言っているわけですよね。

出ていったらば、不満はわあわあ言ったけれども、まあ、大枠では了承していただきましたっていうふうに言われるか、そういうふうに言わせないためにはみんなで椅子をけっぽってこなければならないんだけど、みんなで椅子をけっぽってくるだけの覚悟はできているかと。それだったら町村会は一番危機意識があるので、町村会長じゃないけど、もう出ていかないと。分権の話が話題に、テーブルに乗っからないから出て行かないというふうに言うかぐらいのときなので、何かちょっと危機感を盛り込むかなと。どう。

(委員)僕も大体賛成なんですけれども、参考に配っていただいているこれを見ても、本間さんたちの経済財政諮問会議の民間議員というのが、まま、ある意味で町村会の対極にある感じがして、やろうとしていることは神野さんがおっしゃったように、地方の歳出を押さえる、しかも法定率も下げるという話で、その法定率を下げた上で、地方交付税の総額を水口思案じゃないけれども、共有税にするのがいいですよと言ってくる可能性もあるわけ。

(座長)下げてね。引き上げないでね。

(委員)そう、そう。引き下げて、その中で自分たちで分け合いなさいって。下げた上で分け合いなさいということを言ってくる可能性があるので、そういう動きが全体の議論の軸になっている。下げるか下げないかという話とか、そういうのが軸になっていて、分権をいかに進めていくのかという議論が、すっ飛びつつあると。それは分権改革は引き続きやらなければいけないというのが去年の最後の与党合意の内容にもあるわけで、それを引き続きやらなければいけないという、地方の歳出を遮二無二に削るということを引き続きやらなければいけないというふうになっちゃっているのが今の状況で、分権改革のために本当に何が必要かという、議論の軸に戻してきっちり議論をしようと。言ったからといって戻るとは思えないけれども、それはまた神野さんとかに頑張ってもらうしかないんだけれども、我々の研究会のスタンスとしては、そういうトーンを盛り込むというのか、何をやっているんですかと。この本間さんたちとか竹中さんたちとか、政府の人たちが、地方削減の方策を競い合っていると。

そういう話なので、分権の土俵、分権をどう進めていくかと繰り返しになるけれども、そういうところをきっちりもう一度やり直すべきだということを、この意見書の中に、頭書きとして盛り込んで、じゃどういうことが必要かということで、ここに書いてあるようなことが、まともなことが書いてあるわけですから、そういう形にするという、そのぐらいの手直し、研究会のあれですから、大体そういうトーンで直すという、若干の修正をするということで合意できれば、あとは神野さんと事務局に文面はお任せをするということでいいんじゃないかなと思います。

(座長)ちょっと、いずれにしても今の経済財政諮問会議の全く議論が抜けているのは、国民の生活はどうなるのかとか。国民経済どうなるのかという視点がないんですよね。

だから、少なくとも例えば戦後で言えば、所得倍増計画だって、国民が所得を倍増にして、生活を豊かにしましょうと。そのためには、財政をよくするんですよというのがあって、財政というのは手段だから、そういうふうに位置づけられてきたわけですよ。ところが、あのシミュレーションを見たって、今度の民間議員の出したのは逆移譲で出しているわけだよね。地方税から国税の逆移譲が可能になるとか出している。その財政を合わせて、収支を合わせるということだけのためであれば、失業率なんて、○○さん、あれ独立で動いているよね。あのシミュレーション。見てない。あれ、完全に独立だと思うよ。だからつまり経済成長がこうなって、金利がこうなれば失業率もこうなるというふうに動かない。

(委員)それは動かしていると思いますけどね。

(座長)いや、動かしてないと思う。完全に、だって失業率がこうなる、金利はこうなる、成長率はこうなる。そうすると財政収支はこうなる、完全に固定化していると思う。財政がこうなったら、両方に相互に関連しちゃうのに、だからもしもあのプランによって歳入歳出一体の改革を進めたらば、国民の生活はどうなるのか。神奈川県民の生活はどうなるのかという意図は全然見てないんですよ。

そういうことをやった時期が日本の歴史の中に何回かあって、1920年代はそうだったわけです。完全に金本位制に復帰し、財政収支を合わせるということだけを主目的にしちゃったという意識がある。それと同じことをやりつつあるのではないかと。やっぱり危機意識を持って見た方がいいと思うんだよね。

さん、何かありますか。別に新古典派を代表してもらう必要ないけどさ。

(委員)議論が変なところに行っていますよね。新古典派がどうのうこうのうと言うよりも、立場が違っていても、我々近経の学者たちも何をやっているんだという感覚はあります。地方分権論が全くどこかに行っちゃっていて、プライマリーバランスの押し付け合いになっているから。だから、プライマリーバランスは、国が悪いから、悪いプライマリーバランスを地方が多少いいから、そっちへ平均させようという話でしょう。

(委員)逆に言うと、なぜ中央政府の方のプライマリーバランスが崩れているのかという原因なり責任を追及しないまま地方が黒字を出しているから、そこが出せばいいということで、あくまでも政府の財政赤字責任を問わない。頑張って現実に人員削減とか、財政健全化のために、地方が頑張って黒字を出しているからまだ余裕があるんだっていう議論で、そこを削ろうとする。ちょっとひどいかなという感じがしますよね。おっしゃるとおり。

(委員)対応の話になるんですけれども、委員会で税関係をやられるときに、先の話になるんですが、やっぱり交付税をやらないと。どなたかおっしゃっている検討テーマがね。

(座長)議題の方ね。検討項目、意見の方を踏まえてね。

(委員)意見の方は、神野先生が出すことでお任せするにしても。それは変な言い方だけれども、むしろ旗みたいなものなので、お任せするとして、実態としてそれをカバーする、後ろから、我々の役目である税制等研究会が何らかの議論及び立証的なサポートをするときに、交付税がちょっと落ちているのは、議論になるのかなという感じはします。抜本的に交付税の話をしないと、あまりにもひどい交付税の議論になっていますから。

(座長)これ、一応、税にかかわる範囲内において、交付税の論議もしたらいかがですか。

地方税における税率設定も、結局日本の場合には、地方税法で行うので、地方税法で税率を動かす話か、それとも交付税というか、名前を変えるかどうかは別にしても、交付税の方の法定税率をどうするのかということと、明確にリンクしているわけですよね。両方とも引き下げていたら、目も当てられないよね。

(委員)税源移譲の裏側の財源が本来的には、国庫支出金の削減でというのは基本的な地方分権の考え方ですよね。だからもう一個あって、地方交付税を減額するという算数もあるわけですね。そちらの方に行っているから、そちらの方をきちんと議論をしないと。税源移譲イコール交付税の削減という式にならざるを得ない。ならざるを得ないというのは、私ども、そこの議論が弱いような感じがします。

(委員)ただ、これがどこに入るのかちょっと今、交付税なのか税なのかわからないんですが、それと同時に、税源移譲の基本的な考え方の中に入るのかもしれないんですが、つまり税源移譲したときの、いわゆる首都プロブレムと言いますか、そういうものを神野先生のお考えのように今は言えませんけれども、法人税とのバーターでやって吸収してしまうのかということもあるのかもしれないんですが、もしそうならなかった場合には、当然これ、また何かではがすという話、神奈川も含めてはがさなきゃいけないわけです。これ、交付税ではがすのか、東京の場合はがせませんし、そのあたりどうするか、税にかかわる調整として、これは部局の立場を越えても別にできるところかなと。財政課に迷惑かけるのかもしれませんけれども、ただ税務課が主体的にやるべきことだろうと思います。

ですから、そういう意味で、交付税と限定しないで、何て言えばいいんだろう、あんまり財政調整って今は言いたくないんですけれども、財政調整、税源移譲に伴う財政調整、そういうことで入れておかれたら交付税も含めてできるかなという気がします。

(委員)地方交付税、特に入れてもいいんでしょう。税目は入れられないということはないでしょう。

(総務部長)はい。それはございません。財政課の者もおりますので。表裏一体でできますので。

(座長)あるいは項目が多いのであれば、さっきも言いましたように、4と5は一緒にできない話ではないんですよね。そうすれば、1項目減るので、1項目増やしても6項目に収まる。いや、交付税の問題を入れても。別に7つにしたって問題ないんでしょう。

(税制企画担当課長)構わないと思います。

(座長)中身はこんなところでいいんですか。

(委員)これは事務局へのお願いでもあるし、我々、地方税制等研究会運営委員会のスタンスをどうするかということなんだけれども、今、税制財政の制度を考えるときに、骨太方針がどういうふうになるかというのが一つの天王山みたいな形になって、それに向けていつも何か仕掛けが、最近で言えば、財務省側の仕掛けがいつもあって、それに地方側が対応すると言いますか、あたふたあたふた対応すると、これは毎年のように繰り返されるわけですよね。

今回、これがあって、さらに骨太が出た後、今度予算編成過程の中で、それがどう具体化されるかと、またいろいろ山場が設定されてくるというか、それに対して、それぞれ、その場、その場で、1年なら1年、その次の1年をどうするか、またさらにその1年をどうするかということで神奈川県さんの方がその都度、その都度、何かものを申していきたいという感じで、この研究会がそれに何らかの理論的なサポートをしていくのか、当面こういうのがあっても、しようがないと。この意見書ぐらいは○○さんに頑張ってもらって出すけれども、3年ぐらい腰を据えて、第2期の大きな税源移譲、この前の3年かけて、実質4年、5年かけてやった第1期の三位一体改革みたいな、そういうものの地方の側からの次の3、4年をどうすべきだというようなものを世の中にもインパクトあるようなものをつくっていくというスタンスでやっていくのか。ちょっとそういう目標の立て方によって、研究会のやり方なりスタンスというものが変わってくるのかなと思うんですね。

それから、そういうものはそういうもので適当にもちろん対応するんだけれども、世の中がどうであっても、神奈川県がむしろ神奈川県の中で独自のものをやって、それを軸に世の中にいい影響を与えていくと。神奈川県民に責任を持ち、また世の中にもそれによっていろいろな影響を及ぼしていくと。だとすればこの前、水源環境税もそうだし、特例税なんかもそうだけれども、ある種のターゲット、神奈川県の中で制度設計などをつくり上げていくというターゲットを数年かけてやっていこうというような、そういうスタンスなのか、今3つぐらい言いましたけれども、何かやっぱり軸になるもの、そういうようなことを、ある種の戦略だと思うんだけれども、この研究会全体の戦略をどういうふうに持っていくのかというようなことを少し事務局でもアイデアを練っていただきたいし、我々の方でも少し考えていく必要があるのかなと、そういうことはあまり考えないで勉強していこうやという、それぞれのところで先生方が頑張ってくださいということであれば、そういう研究会ももちろんあるわけですし、世の中にはそういう研究会が多いわけですから。そういうことも意味はないとは言えないので。その辺をちょっと、考えて……。

(座長)そこは後者でいいんでしょう。少し腰をすえた中長期の基本的なあり方を検討してもらうと。ただもちろん、その場その場で、その都度、神奈川県の税制に生じた大きな問題が投げかけられてくれば、その都度答えるけれども、基本的にワーキンググループをつくったのは、そこで落ち着いて中長期的な、少しきちんとしたテーマをやってくださいということで、ワーキンググループを設定したと、そういうふうに理解していいですか。

(税制企画担当課長)はい。特に、12年当初に、神奈川県で、先生方にご報告いただいていますけれども、あそこでスタートラインにあった大きな項目というのは1つ、すべて白黒、実現できなかったこともございますけれども、一応白黒決着がここでついたのかなと。ここで、また基本に立ち戻って、今後どうあるべきかということで、このワーキングを立ち上げて、私どもとしても戦略を練り直した上で、やっていきたいという気持ちがございますので、そういう意味で少し、1年、2年ぐらいでできないのかなというような意識もございますので、少し時間をかけてじっくり取り組んでいきたいというのは、基本として持ってございます。

(委員)それで今日はいいんですけれども、じっくりやっても、ターゲットを設定しないでじっくりやっても駄目だと思うんだよ。だから、ターゲットを設定して、複数設定して、それでそこに向けてじっくり仕込んでいくということだと思うので、どなたかそういう策を練っていただいて、その練るところで少し詰めた議論をして、1年、2年やってく中で、ターゲットが変わっていってもいいんだけれども、やっぱりあるところ、こんなところはできないかというような勘どころと言いますか、繰り返しになるけれども、こんな鉱脈があるんじゃないかみたいな、そういう見当をつけて走り始めないと、なかなか時間が有効に使えないんじゃないかと思いますので、これからちょっとその辺をじっくり議論していかないといけませんね。

(税制企画担当課長)税務課長との間ではいろいろと議論をしているんですけれども、まだ、内部議論の段階に止まっています。

(座長)そういう意味で、ちょっと総花的になっているかなと。多分、税目で言うと、今後の税源移譲のあり方のところで、個人所得税と消費税みたいなものを議論するということですよね。残った法人税が、法人課税のあり方で議論をするという、4と5の方は独自課税みたいな問題であるということですよね。3のところで、地方税率の設定のあり方を入れたのは、税率問題だけ、分権一括法で、ちょっと私のミスなんだけれども、あまり自由になってないんだよね、税率の問題だけ、新しい税金を使えるところに比べて。あれ、直ったんだっけ。直りましたか。

(委員)直りました。

(座長)ああ、じゃ、よかった。知らないうちに直しちゃったんだね。誰も言わないのに、直してくれ、直してくれって、個人的にたのんでもきくんだね、あれはね。ああ、そう、直った。

(委員)いわゆる「超過課税のできる根拠」のところ。

(座長)そう、そう根拠。

(委員)「財政上その他の必要があると認める場合」になりましたので、別に財政が逼迫している場合のみ超過課税ができるということではなくなっています。

(座長)理屈は必要なの。理屈というか何々をするためとかということは必要なの。特別な表現、何でしたっけ。財政需要、財政需要は必要なの。

(委員)「財政上」、「その他」、何でもいいということになりました。

(座長)理由は何でもいいわけね。なくなった。

(委員)特別な財政需要という要件はなくなりました。

(座長)それで、にもかかわらずここを入れたという意味ですが、つまり日本の場合には課税標準については、主要な税目について。国が定めている。それからここでの標準税率や超過課税制度のあり方も基本的にこれを特色あるものにしているのは、財政調整制度、交付税があるからですよ。課税標準も全国を統一していないと配る基準がないから、勝手に課税標準が違っていたら、課税力の平均化をするということはできなくなるので、少なくとも主要税額について課税標準をやってくださいということですよね。

(委員)税率を下げて、たくさん地方交付税をもらうと。

(座長)あと税率の方も、これも本来通常よるべき税率ではなくて、つくり方はあるけれども、交付税というか、平衡交付金をもらうために最低限かけておかなければならない努力だという根拠で始まった話ですから、日本の財政調整制度とここの税率の設定の仕方はかなりリンクしているので、さっきの交付税制度をやるときに、一貫して何らかの形で双方的に検討せざるを得ない問題になってくるという理解でいいんですよね。

(委員)いや、税源移譲を検討してきて感じるのは、今の問題なんですよね。要するに、交付税制度や何か、もうちょっと抜本的に考えないと、手詰まり感があって、つまり税源移譲をすると必ず財政調整を考えざるを得ない。だけれども、そこが大きな枠があるから。

(座長)さっきの交換というのも、単純な交換というよりも、交付税なり何でもいいけれども、財政調整制度の対象とする税目の検討、それは全然やってないんだけれども、それを含めて、制度を動かさないと話にならないよね。

(委員)○○さんの方で考えてくださいよ。委員長として。

(委員)ついこの間、○○さんのスウェーデンの三位一体改革に類する報告を聞いたんだけれども、結局、地方交付税、平衡交付金を減らして、その分数の税源移譲をするんだけれども、その財政力によってデコボコができるというのは当たり前のことで、特に財政力の弱いところはマイナスになってしまうと。そこはマイナスになった部分、きっちり何が減って、補助金、教育とか福祉が減る。それが税源移譲した部分でカバーできない。じゃ、どれぐらいカバーできないかというのをちゃんと一対一対応で計算して、その分は教育に関する補助金はちゃんとつけますよということで、完全なレベニューニュートラル、ほぼ完全なレベニューニュートラルでやるんですよね。

だから、補助金を減らす行きがけの駄賃に、3兆円を削っちゃえとか、そういう日本みたいなあこぎなことをしないわけですよ。だから、そこのところが、日本の場合は、基本的に自主財源を増やすという話と削減するという話が常にセットになっちゃって、その辺は、スウェーデンはすごいなと、私は思いましたね。

(座長)あと日本語に翻訳されてないんだけれども、あの報告書を翻訳しなければいけないんですけれども、それが著作権の問題があって、勝手に翻訳して売るわけにいかないので、なかなか流布しないんだけれども、地方団体が、あの改革の前提となる考え方は、結局、地方団体が福祉や、つまり医療や何かに紛れ込んでいた福祉やそれを全部ひっぱがして、それも引き受けなければいけない。新しい福祉国家というのは駄目になっちゃったから、新しい方式で地方六団体が、福祉や何を全部引き受けてくれると。そういう方向に移すと。だから分権が必要で動かしていくんだと。だけれども、財政が赤字になっているんだと。この問題をどうやってクリアしながらやっていこうかと、こういう発想なんだよね。

日本は、逆じゃない。財政赤字が大変だと。こっちが主要な目的でサービスをどうしていくのかという話と、サービスを増やしていかなくちゃいけないんだけれども、財政が逼迫していると。破綻しつつあると。これをどうやってクリアしていくのかということを考えながら、財政調整制度も全部でき上がっているんだよね。全然優先度の置き方が違うんですよね。あれは最初に翻訳した方がいいと思うんだけれどもね。

(委員)96年。

(座長)91年も3年もね。前に出た、地方六団体だけじゃなくて、委員会の報告書があるでしょう。使っているじゃない。あれ、報告書、使っているんです。英訳もされてないんだよね。スウェーデン語しか出てなくて。

(委員)この案をつくる委員会というのは、例えば10人か11人でやっているんだけれども、社民党が過半数です、でも5人。それ以外は穏健党とか左翼党とかみどりの党とか、全部各政党1人ずつ入れて、そこの合意でやっているんですよね。その意見の差というのはどのレベルまで自主財源で行くかという差なんだ。つまりどの程度最終的に国の財源保証が改革の結果減るかということは、両方ともほとんど差がないんですよ。ちょっとあるんだけれども、保守党の方はちょこっと下げろというんだけれども、ほとんど差がない。むしろ全国の課税平均値の100%を基準に、そこまで平衡交付金でいくか150%でいくか。かといって100だからといって、財源が少なくなることを保証しないですよという脅しは日本みたいにしない。その分は、申しわけないけれども、補助金で保証しますと。足りなくなった部分は。だけれども、自主財源は100まで保証しますと。こういう制度設計でいくか、150までより交付税依存的なんだけれども、150までは交付税でいって、足りないところはいって、それでもなおかつ足りないところは補助金でやりますという。そういう差なんですよね。だから、何か改革している途中に予算編成をしてみたら、何で交付税が1兆円も減っちゃって、どうしよう、どうしようとか、そういう話が出てきようがない形でやっているんでしょうね。

だから、ちょっとさっきの話で、日本の場合、そこが絡んじゃうから、結構難しいなという感じです。

だから、一番最初のときに、地方分権推進計画のところでは、レベニューニュートラル的な感じが強かったけれども、そこで基礎的なギャップを埋めましょうと。それが三位一体改革になったときに国から、地方への財源保証をかなり大幅に減らすということとセットになって、税源移譲に来ているから、その流れで、地方交付税というのはもっとザックリ減らすにはどうしたらいいか、みたいな話が常に入ってきて。

(座長)もともとやっているやり方なんですよ。大蔵省が、予算編成過程で、一般財源化すると言ったときには、財政支出を削減するために、個別補助金を一般財源化、つまり交付税化すれば、交付団体にトランスファーする部分が削減できるからという発想方法で、予算編成、僕の書いた「昭和財政史」を読んでもらえればわかりますけれども、一貫してそういう主計局の予算編成のスタンス、その延長なんだよね。やられていることは。だからそれはもともとある流れで、それと分権の視点というのは全く違う視点なんだけれども、どうも国の財政の方の帳尻合わせだけが先行しちゃっていると。

それは、国民の生活を考えてないんだよね。地方団体というのは、それなりに市町村は国民と面と向かわないといけないから、サービスを減らされれば、それなりの説明責任がないという、それは個別には説明責任やらされるわけだからね。そこの危機感はないですよね。

(委員)総務大臣になる人は、一回は知事をやらないといけないぐらいのルールを決めますか。首長を一回と。

(座長)喜んでやりたいと言うんじゃないの。

(座長)ただ、この項目はこれでいいですか。

(委員)ええ、交付税を入れていただいてということで。

(委員)今、お話を伺っていて思ったことなんですけれども、さっき○○先生がおっしゃっていたこととちょっと関係があるんですけれども、恐らく税源移譲とかその法人課税のあり方というときに、結局、その中央と地方の制度という、税制なり何なりをどう構築していくかという視点を神奈川発でどううたうかという話と神奈川としての例えば今後の法人の独自課税をどうするかとか、環境税制をどう検討するかみたいなことと多分両方あって、後者の話というのは多分県の施策と絡む話だから、割とそこでコンパクトに、まさにターゲッティングして検討できる話になるんだと思うんですけれども、問題はその前者だった場合に、さっき先生方がおっしゃられたとおり、結局国の方の動きもあるでしょうし、交付税とかあるいは財源をどうするかとか、事務権限配分とか、そういうことも含めてどういうふうな提言をしていくかということと、そこに神奈川というような特徴みたいなものをどういうふうに打ち出していくかというところで、多分議論の仕方が相当違ったものになってくるのかなという感じはあって、今言った後者の、つまり税財政制度全体に関して、どういうふうに検討していくかということでやるとすると、それはそれでいろいろな検討はできると思うんですけれども、やはりどのあたりの落としどころを据えるのかというのが1つのポイントになるのかなと思います。

特に、神奈川の場合は、今知事さんが道州制を推進とかおっしゃったりもされているので、どういう前提で、何を議論したものを県の研究会として言っていくのかというあたりのところは、相当やはり慎重に考えていく必要があるのかなということぐらいしか今は言えないんですが。

(座長)道州制は絡めて議論をしておく必要があるの。そうすると○○君の方すごく大変ですね。

いや、つまり道州制を念頭に置いたような、税財源制度のあり方というのを検討すべきだというふうに中央公論で知事はおっしゃっていますよね。

(事務局)研究会の中ではそれは当面……。

(座長)いいの。

(事務局)話の過程の中で出てくれば、それが必要であるということであれば、その議論を入れるべきだと。

(委員)私は全然入れる必要ないと思っているんですが。企画の方の研究会では、抜本的に道州制が導入された場合のあり方について、今年度検討するそうなので……。

(委員)そっちでやればいいじゃん。

(委員)いや、何か県みずからが、そんな県をつぶすような議論をしてしまっていいのかという。ちょっと一抹の不安もありつつ。そういうことをやるらしいので。何か、そのあたり、つまり県の中でもやはりセクションによって考え方が違うわけですよね。だから、それを最後研究会として打ち出した後、その県の提言にしていくというあたりをちょっとどういうふうに考えればいいのかなと思ったりしています。

(委員)そっちの方で交付税もやるの。

(委員)いや、あまり財源の話というよりは、どっちかと言うと事務権限配分の話ですね。

(委員)税財源はできないですよ。道州制税財源は。あり得ない。

(委員)1つの県から2つの交付税案は困るでしょう。

(座長)いや、一般的にこの税財源を推進している地制調の考え方などで押さえてあるから表に出てないけれども、読んでいただければ、道州制になると、2段階の財政調整方針したいという人が多いわけです。ドイツ方式で。道州でいったんやっておいて、道州の内部であとはやりなさいという財政調整です。

それは言外にないけれども、そっちを考えた上でやろうと。そういうことを言い始めるとどういうことになるかと言うと、じゃ、そのときまで税源移譲はいいよねという話になるんだよね。そうすると、道州制というのはいつできるのかと言うと、10年できないとなると、そこまでストップという話になっちゃうので、道州制はともかくとしてもそれは困るということになるんですよね。

(委員)財政だけ切り離して道州制といっても、非常に大変なことになると思う。特に、財政力の弱いところはね。

結局、例えば今度の沖縄の問題でもそうだけれども、基地の問題というのは国の専管事項ですというふうになって、必要なことはされてしまって、財政だけはまず今まで地方交付税で、需要と財政力で調整してきたのをまずは1人あたりの税収額でやりましょうと。そうしたら、九州を含めた沖縄とか北海道というのはものすごく調整率が下がりますよね。

結局は、それは交付税削減の話に結び付けていくので、基地も全部自分たちで考えていいよと、そこの権限をシェアしますよという話だったら、それは基地を引き受けるかわりに、中央政府、連邦政府に対して、どのぐらいの負担を中央政府がしなさいというバーゲニングパワーが持てるんだったらいいけれども、そういうことは全部吸い上げられた上で、財政だけ道州制で調整しますよと言ったら、そんないいことにならないと私は思うんですけれども。

(座長)当面、道州制については特区ができるわけですよね。北海道から。これが問題で、あの北海道の特区法案、もう出た。

(委員)今、自民党の中で最終調整をやっている段階です。

(座長)やっている段階だけど、あれはただ普通の都道府県にしてあげますよというだけですよね、中身見ると。普通の都道府県の権限が北海道にも与えられるというように読めるよね。細かい点は別として。

そうすると、これはあまりいい話じゃないんだよね。かつ地方支分部局の権限をその後に取るということで、全力で取ったとしても、そのときに地方支部部局の仕事は道州が取ったとしても、その地方支分部局をコントロールしていた各省庁が何か口を出すのをおやめになるんでしょうかという問題なんだけれども、やめないとすると、これは道州完全にコントロール下に入るという覚悟をせざるを得なくて、地制調が唯一頑張って、あるいは唯一抵抗の言葉として言わなければならなかった、道州制をやるんだったらば、自治体でというのが、絵空事になっちゃうんだよね。実態なくなっちゃうでしょう。

もう、もともと自民党内部では、出先機関として設定する意見が強い。それを自治体にするんだというところに、地制調の今度の答申の意味があるとしたら、それは実質は自民党の言いなりになっちゃう、そういう話になっちゃうよね。危ないよという状況じゃないですか。特区法案が通ったら。

何を突破口にするかというのがないし。強いて言えば、それについて北海道知事が、名称は忘れましたが会員で、それを突破口に参加をする権限を取ってくるかというところしかないと思うんだな、あの法案を見る限りね。

(委員)だから、本当に北海道が、自立する、独立するという気概があれば、これは道州制の1つのやり方というか、政府も勉強しているみたいで、スコットランド、これは地方議会が独立したんですよね。したというか、イングランドのウェストミンスターだっけ、そこの議会とほぼ同じ権限を持つものとしてできているわけですよね。だけれども、国税は一応前の基数に基づいてザックリと8対2ぐらいに分けて、2ぐらいのやつを、国税庁が取った国税の2割はポンとスコットランドにあげて、あとは地方税とかそういうのは自分たちで議会で決められる。別に地方税法が全部スコットランドの方にも適用されるんじゃなくて、自分たちでできる。そういう制度です。

今度の地方選はわからないけれども、国会議員が一時期全部労働党になっちゃったんだよね。それもスコットランド労働党で、独立を掲げて通っちゃったんだよ。それでやばいというので、労働党の政権をとっているときに、イングランドから連合王国から離脱したら困るから、スコットランドというのをウェストミンスター並みの憲法をつくれる権限を持たせてあげますよというふうにして、何とか労働党内部で説得して止めたんですよね。だけれども基本的には自分たちで全部地方税も決めていくと。

(座長)気概があればね。

(委員)そう。そのぐらいのつもりであれば、これは連邦制、さらに進んだ連邦制だけど。

(座長)スコットランドとかウェールズとか、もともと独立したいといっている地域を統治してまとめていこうというところと違うところは、土台、市場原理主義というのは、スコットランド人がつくり上げた。だから、アダム・スミスもスコットランド人だしね。イングランドの植民地で暗くあえいでいた人々が暗い青春の中で、アダム・スミス、ジョン・スチュアート・ミル、古典派は全部スコットランド人がつくっているわけです。アングロサクソンじゃないんだよね。それはそうなんだけれども、日本は、そうなるかということですよね。

(委員)首根っこのところだけつかまれて、形だけ、財政だけ自分たちでやりなさいというふうになる可能性が、今の具体的な財務省と地方団体のやり取りとか、そこのところで分権改革と旗を掲げながら、実際違う力関係の中で、道州制を入れたとしても、結局は、財務省の財政節約のために利用されてしまうというシナリオが一番確率としては高い。

今、北海道でも直接公の地方交付税による再配分だけじゃなくて、国が直接、あそこ何でしたっけ、北海道の開発庁、もとの……。沖縄は残っているけれども、あれはなくなったけど。一応そういう形で、直接、昔の内務省の地方経費みたいな形で随分行っているわけで、そういうのを切りたいわけだから、完全にね。じゃ、そのときは北海道は道州制になっちゃうのが一番楽なんで、あとは自分でやってくださいという、いいきっかけにされてしまう。

まあ、だから、○○さん、様子見てということでいいんじゃないですか。

(委員)いいと思いますよ。やりましょうとは全然言ってないです。

いや、県庁の中でこれだけ意見が違っていて、最終的にどうなんですかと。

(座長)道州制になればとにかく甲子園がなくなるんだからさ、そうすると危機感持って反対運動に走るんだよね。甲子園なくなるぞと言うと。

どうしましょう。そうすると一応、項目についてはこれでいいですか。今、ご検討いただいたとおりで。

今日、検討するのはこの項目ですよね。今後の検討テーマの案について、交付税を入れましょうということぐらいが修正案で出ていますので、それでまとめさせていただいて、後ででき上がったものを事務局の方から委員の皆さん方にお回しすると、それから、知事に向けた意見については、少し危機感を持って、あえて言うまでもないことでしょうが、危機感を持って少し行動をしてもらわないと、事態は自体はかなり深刻ですよというようなことがにじみ出るように修文すると。

内容は、しばらくこの程度で行くけれども。

(委員)すみません、ちょっとさっき途中で、話がいろいろ行っちゃったんですけれども、やっぱり中身もさることながら、タイトルが何なのかがよくわからないということがありまして、もう少し何か危機感を持ったというか、分権を閉ざさないためにみたいな、是非もっと行動すべきであるみたいなような意味が外に伝わるような、その方が記者さんも喜ぶでしょうし、これですと、何かすごく冷静に僕からも遠くから見ているような気がします。

(委員)○○さんの考えを代弁すれば、分権に名を借りた分権破壊策動を許すな、みたいな。

(委員)そういうことですね。そこで大衆行動が必要だと。

(委員)そこまではできないということだよね。

(座長)普通に考えれば、分権改革を未完に終わらせないためにとか、未完の改革を再び動かすためにとか、どっちでもいいけれども、何か別なちょっとタイトルを考えてもらえますか。

(委員)なかなか難しいね。

(委員)どういうを書くんですか。策動は。

(委員)策士の策。

(税制企画担当課長)ちょっと私ども、また考えて、相談いたします。

(座長)持ち回りで了解させていただきます。じゃ、一任で。

他に何かございますか。

(座長)よろしいですか。どうもありがとうございました。

-以上-

 

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