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令和5年7月31日発行

神奈川県 RSウイルス感染症情報(9)29週

RSウイルス感染症は、RS(respiratory syncytial)ウイルスによる感染症です。主に乳幼児に多く、感冒様症状(発熱・咳・鼻汁等)から重症の細気管支炎・肺炎など、様々な呼吸器の症状を起こします。特に、生後6か月未満で感染すると、重症化のリスクが高いと言われています。高齢者施設で集団発生する場合もあり、二次性細菌性肺炎により重篤化する場合もあります。乳幼児が周囲にいる場合は、予防のためにマスクの着用や丁寧な手洗いを心がけましょう。2015年以前は秋に流行のピークがありましたが、近年は夏に発生報告数の増加がみられます。2021年に6~7月を中心とする大きな流行があり、神奈川県でも第28週に定点当たり報告数が、政令指定都市を除く県域で8.59に上りました。2023年は19週頃から増加傾向が見られるため、今後の発生動向に注意が必要です。


RSウイルス感染症の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内234ヵ所2023年3月24日時点)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのRSウイルス感染症の報告数をあらわしています。

  1. 年別・週別報告数の状況
    神奈川県における2023年のRSウイルス感染症の定点当たり報告数は、19週頃から増加傾向が見られ27週にピークに達しました。29週(7月17日~7月23日)は全国2.59、全県1.84、政令指定都市を除く県域2.51でした。2週連続で減少しています。

        5週前 4週前 3週前 2週前 1週前 今週
    24週 25週 26週 27週 28週 29週
    6月12日
    ~6月18日
    6月19日
    ~6月25日
    6月26日
    ~7月2日
    7月3日
    ~7月9日
    7月10日
    ~7月16日
    7月17日
    ~7月23日
    全国 2.90 3.16 3.17 3.38 3.16 2.59
    全県 1.78 2.33 2.29 2.78 2.41 1.84
    県域 2.21 2.50 2.17 3.17 3.14 2.51
  2. 保健所別発生状況
    29週(7月17日~7月23日)の定点当たり報告数は、厚木保健福祉事務所8.67、足柄上センター0.33の2か所で前週に比べ、わずかに増加しています。他の地域では減少ないし横ばいです。
  3. 全県の年齢・年齢群別の状況
    年齢群別の定点当たり報告数は、0歳~5歳で減少が見られます。

    参考 RSウイルス感染症の年齢分布(2018年~2023年第29週まで,神奈川県)
    2021年にRSウイルス感染症が流行した際は、2020年までと比較し、2~5歳の割合が増加しました。2023年29週までの年齢分布は、2020年までと比較し、3歳以上の割合は大きいものの、徐々に2021年以前の年齢分布に近づいています。
    RSウイルス感染症の年齢別の報告数割合(2018年~2023年第29週まで,神奈川県)

<参考ホームページ>