令和5年7月24日発行
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神奈川県 RSウイルス感染症情報(8)28週
RSウイルス感染症は、RS(respiratory syncytial)ウイルスによる感染症です。主に乳幼児に多く、感冒様症状(発熱・咳・鼻汁等)から重症の細気管支炎・肺炎など、様々な呼吸器の症状を起こします。特に、生後6か月未満で感染すると、重症化のリスクが高いと言われています。高齢者施設で集団発生する場合もあり、二次性細菌性肺炎により重篤化する場合もあります。乳幼児が周囲にいる場合は、予防のためにマスクの着用や丁寧な手洗いを心がけましょう。2015年以前は秋に流行のピークがありましたが、近年は夏に発生報告数の増加がみられます。2021年に6~7月を中心とする大きな流行があり、神奈川県でも第28週に定点当たり報告数が、政令指定都市を除く県域で8.59に上りました。2023年は19週頃から増加傾向が見られるため、今後の発生動向に注意が必要です。
RSウイルス感染症の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内234ヵ所2023年3月24日時点)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのRSウイルス感染症の報告数をあらわしています。
- 年別・週別報告数の状況
神奈川県における2023年のRSウイルス感染症の定点当たり報告数は、19週頃から増加傾向が見られます。28週(7月10日~7月16日)は全国3.16、全県2.41、政令指定都市を除く県域3.14でした。27週に比べていずれも減少しています。
5週前 4週前 3週前 2週前 1週前 今週 23週 24週 25週 26週 27週 28週 6月5日
~6月11日6月12日
~6月18日6月19日
~6月25日6月26日
~7月2日7月3日
~7月9日7月10日
~7月16日全国 2.64 2.90 3.16 3.17 3.38 3.16 全県 1.51 1.78 2.33 2.29 2.78 2.41 県域 1.70 2.21 2.50 2.17 3.17 3.14 - 保健所別発生状況
28週(7月10日~7月16日)の定点当たり報告数は、県域で報告数が多かった厚木保健福祉事務所で8.08、秦野センターで5.17、平塚保健福祉事務所で2.43と前週に比べ減少しています。小田原保健福祉事務所で3.17、鎌倉保健福祉事務所で1.67と増加しています。 - 全県の年齢・年齢群別の状況
年齢群別の定点当たり報告数は、0歳~6歳、8歳、20歳以上で、前週に比べ減少、9歳と10歳代では横ばい、7歳で増加しています。
<参考ホームページ>
- 疾患別情報 RSウイルス(神奈川県衛生研究所)
- RSウイルス感染症に関するQ&A(平成26年12月26日)
(厚生労働省)
- RSウイルス感染症とは
(国立感染症研究所)