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2025年4月7日更新

RSウイルス感染症

RSウイルスによる感染症で、乳幼児に多くの報告がみられます。症状としては軽い風邪のような感冒様症状から重症の細気管支炎・肺炎まで、様々な呼吸器の症状を起こします。特に乳児期早期(生後数週間から数か月間)にRSウイルスに初感染した場合は重症化しやすいとされています。感染症法では5類感染症定点把握疾患に定められていて、指定された医療機関から保健所に毎週、診断数が届けられます。

感染経路 症状 診断
治療 予防 参考リンク

感染経路

RSウイルスに感染した人の咳やくしゃみ、会話で飛び散る飛沫を吸い込んだり(飛まつ感染)、ウイルスの付いた手や物(手すりやおもちゃなど)を触ったりなめたりすること(接触感染)で感染します。感染後、3~8日程度は他人へ感染させる恐れがあります。一度RSウイルス感染症にかかった場合でも、再度感染することがあります。

症状

RSウイルスに感染して4~6日後に鼻汁・食欲の低下、続いて咳やくしゃみ、発熱などの風邪症状が現れます。多くは軽症で済み、ほとんどが1~2週間で症状が改善します。重くなる場合は咳が続き、喘鳴や呼吸が苦しくなるなどの症状が現れ、細気管支炎や肺炎へ進展します。低出生体重児、心臓や肺、神経や筋に生まれつきの病気がある場合、また免疫不全がある場合には重症化する危険性が高くなります。
新生児や生後2~3か月未満の乳児では典型的な症状が現れにくく、無呼吸発作などの重篤な症状を起こすことがあり注意が必要です。感染後、気道過敏性が持続し、ぜん息様症状が続く場合があります。

診断

迅速診断キットでRSウイルス抗原を検出する方法があります。また、乳幼児で緊急入院し集中治療が必要な重篤な呼吸器感染症になった場合はマイクロアレイ法(定性)検査が実施される場合があり、このキットの中にもRSウイルスの検査が含まれています。
他にも、血清で抗体の上昇を確認する方法や、鼻やのどの分泌液からRSウイルスを分離する方法、RSウイルス遺伝子を検出するPCR法やLAMP法があります。

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治療

RSウイルス感染症に対する特別な治療はありません。症状を和らげるための治療を行います。呼吸症状が重度の場合は入院の上、酸素投与や痰の吸引、呼吸の管理が必要な場合があります。入院が必要となるのはほとんどが6か月未満の乳児です。

予防

RSウイルス感染症は0歳、1歳児に多くみられ、特に6か月未満の乳児に感染すると重症化の可能性があります。そのため、咳などの呼吸器症状のある年長児や大人は可能な限り低月齢の乳児との接触を避けることが乳児の発症予防につながります。子どもが日常的に触れるおもちゃや手すりなどをこまめに消毒することも大切です。何度も感染しますが、年長児では呼吸器症状のみということが多いため、呼吸器症状を認める年長児には、マスク着用による飛まつ感染の予防、手洗いによる接触感染の予防が大切です。

ワクチンについて、60歳以上の人又は50歳以上のRSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高いと考えられる人を対象にしたワクチン(販売名:アレックスビー筋注用)や、妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防又は60歳以上の人におけるRSウイルスによる感染症の予防を目的に接種するワクチン(販売名:アブリスボ筋注用)があります。また、モノクローナル抗体製剤には、パリビズマブ製剤(販売名:シナジス筋注液)やニルセビマブ製剤(販売名:ベイフォータス筋注)があります。用法・用量が細かく決められているため、詳細は添付文書をご覧ください。

参考リンク

ワクチンの添付文書

モノクローナル抗体製剤の添付文書

日本小児科学会

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