ホーム > 産業・働く > 労働・雇用 > 雇用・就職支援 > かながわ障害者雇用優良企業 > 障害者雇用優良企業インタビュー(西田装美株式会社)[No.69]
更新日:2024年10月1日
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かながわ障害者雇用優良企業である西田装美株式会社の障がい者雇用取り組み事例です。
横浜市南区花之木町3丁目51番地3
今回は、西田装美株式会社 富田社長にお聞きしました。
最初は35年前に横須賀市役所の清掃をさせていただいたのが始まりです。横須賀市の担当者の方から、障がい者雇用の
依頼があり、採用を決めました。その方は今も勤務しており、勤続35年になります。次に長く勤務されている方は、
勤続22年で、養護学校を卒業して以来、ずっと勤めてくれています。
そうですね。入社当初は、適応に苦労していた面もあったと思いますが、今は一流の仕事をしてくれるようになりました。
特にガラス清掃や床の清掃、ワックスがけの仕事は技術面で非常にレベルの高いものですし、かつスピードもあります。
現場の諸先輩方が丁寧に指導してくれていました。また本人達自身も根気強く、繁忙期には自ら名乗り出て仕事に行くなど、
熱心に仕事に取り組んでいましたので、早く技術の習得ができ、技能の向上もできたのだと思います。
かつての繁忙期には彼らの仕事熱心な姿勢に助けられた面も大きかったと思っています。
今は残業も少なくなりましたが、現場で周りの方々とよくコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくというのは
変わりません。
本人だけでなく周囲のスタッフの心遣いのおかげで、今、障がい者の方が働いている現場はとてもうまくいっています。
障がいのあるなしに関わらず、「やるべきことをやってもらう」という姿勢でいたからだと思います。
仕事の習得スピードに個人差はありますが、根気強く指導し、「やって見せ、言って聞かせてさせてみせ、褒めてやらね
ば人は動かじ。」の気持ちで接すれば、必ず障がい者の方も他のスタッフと同じ水準の仕事ができるようになりますし、
そうすることによって差別のない職場ができます。
そうですね。また長く勤めるためには、技術の習得も欠かせません。お客様の要求水準に応えることができる技術がなけ
れば、現場にはいられなくなってしまうからです。だからこそ、常に向上心を持って、もっといい仕事をするのだという
努力をするよう、動機付けてあげることが重要です。
障がいのあるスタッフからではなく、こちらからコミュニケーションをとることを意識しています。
私も、障がい者の方へのメールや電話を行っていますし、現場の責任者も、彼らの本音を聞き出すよう
コミュニケーションを図っています。障がい者の方は、養護学校の先生にも本音をなかなか明かしてはくれませんので、
だからこそ、相手から相談に来るのを待つのでなく、こちらから電話をかけたり、声かけをするのが大切です。
入社して間もない時は、一週間に一度は必ず声かけをするようにしていますし、配属先も面倒見の良い先輩がいる
現場にしています。
こちらから働きかけないと、障がい者の方から相談に来ることはまずありません。
ですから、思い詰めてしまう前に、こちらから声をかけて悩みを聞き出してあげなくてはなりません。
彼らがこちらに話しに来るときは、もう気持ちが固まってしまった時です。だからこそ、その前に彼らの気持ちを見抜いて
あげることが大切です。そのためにも、現場のスタッフには、その日の現場での様子や気づいたことを電話で報告してもらう
ようにしています。
障がい者の方は、自分がどう思われているか、会社に必要とされているかを、特に気にかけているので、そういった
不安を解く意味でもこちらからの声かけを心掛けています。
喜んでくれる人もいますし、あまり反応のない人も、素っ気ない人もいますが、それでもよいと考えています。
「元気にやっているか」とか、「何かあったらいつでも相談にのるよ」とか、「お客様に清掃を褒めてもらったよ」といった
ことを伝えることが何よりも大切だからです。そのようにして、本人のやる気と元気を引き出すようにしています。
あります。養護学校の先生、親御さんと連絡を取って今の状況を共有したり、本人の状況を教えてもらったりしていましす。
私たちに話したくないことで、養護学校の先生には話したいことがあるかもしれませんし、養護学校の先生には話したくない
ことで、親御さんには話したいことがあるかもしれません。その中で、最良の道を判断するために、養護学校や親御さんとの
連携を密にしています。またある方は、養護学校の先生からグループホームから通勤してはどうかと提案があり、
通勤方法に関しても話し合っております。
そうです。それだけではなく、飲酒や喫煙といった生活上の指導もするようにしています。お客様はもちろんですが、
働く人があっての仕事ですので、従業員の生活習慣についても指導しています。そしてそれは、従業員を家族と思えば
こそです。
良かったことは何よりも当社の仕事を立派にこなしてくれていることです。
またそれだけでなく、現場スタッフの息子や孫くらいの方が現場に入ってきて、職場が明るくなったり、その方の指導を
みんなで行う中で、職場の雰囲気が良くなったりといった良い影響もあります。
養護学校へ清掃技術の指導に行くたびに感じることですが、生徒たちは非常に誠実、かつ、まじめで、一生懸命さが
伝わってきます。そのような生徒が私たちの現場により多く来ていただければ、職場がさらに良くなるだろうと強く
思っています。
実習をより活用していただきたいと思います。実習を通じて職場とのマッチングを見極めれば、その後採用に至った場合も
早期の離職を防ぐことができますし、障がい者の方に業務を教える中で、スタッフが仕事の手順を再度おさらいすることが
できるという効果もあります。
障がい者の方が職場の重要な戦力になっていることを強く感じました。従業員を家族と考える社風に支えられて、障がいの
あるなしに関わらず、すべての社員の方が生き生きと働くことができているのだと思いました。
(平成29年7月14日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。