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初期公開日:2025年4月17日更新日:2025年4月17日
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かなテラス(かながわ男女共同参画センター)では、「ジェンダー平等社会の実現」を核として、すべての人が働きやすくなるようダイバーシティ&インクルージョンを推進するため、「D&Iかながわメンバーズ」によるメンバーズ会議を開催しました。
<第1部>では若い世代を対象にしたデザイン公募により決定したロゴマークの発表、<第2部>では「女性管理職登用、育成」をテーマに講師による講義、メンバーズ企業による事例発表、意見交換を行いました。
日程 | 令和7年3月14日(金曜日)13時30分~16時20分 |
会場 | 三共横浜ビル 会議室A・B |
参加者 |
ロゴマーク作者 30企業・団体(39名)D&Iかながわメンバーズ登録企業・団体の実務責任者等 |
テーマ | 女性活躍推進「女性管理職の登用、育成について」 |
内容 |
<第1部> <第2部> ・事例発表 (株式会社横浜銀行) ・グループディスカッション ・発表~講評 |
D&Iかながわメンバーズのロゴマークは、県内在住・在学の高校生以上の生徒、学生よりデザインを募集し、応募作品の中から審査員による審査のうえ、D&Iかながわメンバーズの会員による投票により決定しました。 作者(横尾優和さん:横浜市立大学2年)を御紹介し、記念品(図書カードと額)を贈呈しました。
作者からは、採用通知を受けた際の感想、制作で意識した点等お話しいただきました。
◆「ロゴマーク決定!」もご覧ください。(別ウィンドウで開きます)
女性の就業、管理職登用における企業の課題、また当事者の意識等をデータとともに解説。女性が自身の能力を低く見積もってしまう「インポスター症候群」や、「育休明けで管理職は無理かな?」といった配慮(アンコンシャス・バイアス)により、女性がキャリアアップの機会を得られなくなってしまうことがあること、また、育成のポイントとして、自己効力感や小さな成功体験の積み重ねが大切であることなどを挙げ、グループディスカッションのテーマ「自発的に管理職になりたいと思う女性を増やすには」の導入としてお話しいただきました。
横浜銀行のこれまでのDEI推進や女性活躍に関する取り組みとして、女性に長く働いてもらえるための制度づくりを目指したこと、入行からの階層別育成プログラムの全体像や経営層・管理職層の育成を目的とした女性活躍プロジェクト「TSUBAKIプロジェクト」(管理職・経営職となることを自身のキャリアプランに組み込み、そのために必要なマインドとスキルを身に着けるプログラム)、「CYPエンパワメント塾」(千葉銀行と共同で開催する管理役職者候補層を対象とした研修)、「産育休復職支援制度」等について発表いただきました。発表後の質疑応答では、取組に手ごたえを感じたのはどの段階か、また、休職中の従業員に提供している自宅学習システムの具体的な内容や利用状況等についての質疑がありました。
4~5人のグループ(8グループ)に分かれ意見交換(30分)を行い、各グループの代表者がディスカッションの内容を発表しました。(一部抜粋)
●中小企業では、社内でのロールモデル探しが難しい。外部のロールモデルとなる方とマッチングする外部機関を利用する企業もあった。
●多様なロールモデルを用意する必要性を感じる。
●育児から復職された方や、既に出世して役職を得ている人をロールモデルとして用意してしまうが、「一生懸命仕事をしている一般職の人」でもいいのかもしれない。
●自分らしい管理職、今の時代のロールモデルをもっと議論すべきではないか。正解は無いので、このような集まりの中で他社の取組を学んでいく。
●管理職に希望が持たれていないのは、女性男性問わず。管理職の待遇改善が課題と思われる。
●今の管理職の働き方を見ていると「やりたくない」と思う人が多い。管理職の働き方を考える必要がある。一人一人をしっかりと育成するプランが要る。
●女性の管理職になりたがらない気持ちを高めているのはWLB(ワーク・ライフ・バランス)が悪くなること。女性に限った問題ではないが、業務量の改善など管理職のWLBを考え、管理職になっても「L(ライフ)」がバランスよく確保できるようにすることが大事。
●マネジメントをやらない管理職や専門性での管理職などの在り方を業界で採り入れているところもある。既成概念を変え新しい管理職像を考えていく必要がある。
●今後の取組は女性の採用数を増やし、定着させること。長く働いてもらうためには、勤務時間のフレックスな対応が効果的で、在宅勤務や時短フレックスをうまく取り入れることで成果を出している会社もあった。
●女性管理職がいない現状がある中、女性対象の研修を実施すると、若手の男性社員から不公平感を感じるという声も聞こえる。社内啓発に力を入れ、理解を得る必要がある。経営層の巻き込みも大事。
●母数として女性が少ない職種(SE、工場勤務、鉄道など)では、取組の共通点として、キャリアについて自分起点で考える機会を各社工夫して実践している。「選択肢の一つとして管理職もあるよね」という提示をし、検討材料をたくさん与え、それに伴うフォローアップを考えている。
発表後、講師からは「”女性がなりたい管理職”がテーマであったが、グループディスカッションの中で、男性も含め“みんながなりたい管理職”という話題になっていったのは納得。また、 中小企業では「ロールモデルがいない」という切実な問題もよく聞くが、モデルがいないということはむしろ楽かもしれない。素晴らしいモデルを手本にするにはつらいので、気軽に考えてみてほしい。多様なモデルを用意した方がよいし、自社にいないならば、この会議の様に外から情報を得てもよい。集まったメンバーズの皆さんで、皆がなりたい管理職づくり、女性が安心して管理職になりたいと思えるような時代を皆さんと一緒に作っていただきたい。」とのお話がありました。
今後もメンバーズが参加できる会議を開催予定です。各企業・団体の実務責任者等が集まり、事例発表やグループディスカッションを行うことで、先進的な取組事例を共有したり、他社との意見交換の機会も得られ、D&Iに関する課題・悩みの解決に向けて取り組むことができます。メンバーは随時募集しています。D&Iの取組を進めている、あるいは興味がある企業・団体の皆さま、ぜひご登録ください!
このページの所管所属は かながわ男女共同参画センターです。