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初期公開日:2024年5月2日更新日:2024年5月2日
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かなテラス(かながわ男女共同参画センター)では、「ジェンダー平等社会の実現」を核として、すべての人が働きやすくなるようダイバーシティ&インクルージョンを推進するため、「D&Iかながわメンバーズ」によるメンバーズ会議を開催しました。
県では、これまで「かながわ女性の活躍応援団」を設置し、社会における女性の活躍推進を後押ししてきました。その次なるステージとして、「ジェンダー平等社会の実現」を核として、すべての人が働きやすくなるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進するため、ともに取組を進めていただけるメンバー(企業・団体)を新たに募集し「D&Iかながわメンバーズ」として歩みはじめました。現在、県内の約60の企業・団体がメンバー登録されています。
キックオフとなる第1回のD&Iかながわメンバーズ会議を令和6年3月22日(金曜日)に開催しました。会場参加18企業・団体、オンライン参加9企業・団体にご参加いただきました(オンライン視聴による参加企業・団体を除く)。
<参加企業一覧>(PDF:303KB)
日 程 | 令和6年3月22日(金曜日)15時~17時 |
会 場 | ロイヤルホールヨコハマ 4階エリゼ (横浜市中区山下町90番地) ※オンライン(Zoom)参加あり |
次 第 |
1.県からの趣旨説明 |
2015年の「かながわ女性の活躍応援団(以下「応援団」という。)」発足当時から8年間にわたり、アドバイザーとして応援団活動をサポートいただいた岩田喜美枝氏。女性活躍推進を社会的なムーブメントにすることを目指し、団員を県内で事業展開する主要企業・団体のトップの方に限定をして取組を行っていたことの意義を振り返り、「女性活躍推進は人事関係の諸制度を整備するだけでは到底達成できるものではなく、組織のトップが自身の大事な役割であり、経営課題の一つとして捉え、社内上層部や社員の意識・行動様式、すなわち企業・団体の風土を変えられないと解決できないテーマ」であること等をお話しくださいました。
また、新たに発足した「D&Iかながわメンバーズ」への期待として、D&Iへテーマが拡大されるが、その中で道半ばの女性活躍推進に今後も取り組んでほしいこと、実務担当者レベルでの参加になることで、より柔軟で活発な意見交換ができること、また、メンバーズとなった企業・団体が「県が何かやってくれる」という受け身ではなく、自発的に取組を進められるような関係が構築できれば素晴らしい、と講演を結ばれました。
【岩田喜美枝氏】
社外取締役(住友商事株式会社、味の素株式会社、株式会社りそなホールディングス)/神奈川県男女共同参画審議会会長
元「かながわ女性の活躍応援団」アドバイザー
講演の前半では、D&Iへの理解を深めるため、日本における女性活躍推進の流れ、D&I推進の必要性と課題等について解説されました。
◆日本人男性中心の働き方から、“多様な人材を組織に受入れることで新たな価値を生み、成長していくことが大切”という考え方に移行してきていること
◆「ワーク・ライフ・バランスもキャリア形成も両方大事」なのは女性に限らず、すべての人にとって大事なもので、男女とも施策の対象とすべきであること
◆働き方改革、組織改革、意識改革には時間がかかるが、D&I推進の必要性を自社の経営戦略と絡めて意義を考え、自社での必要性をオリジナルのストーリーで語り、社員が肚落ちして取り組むことが肝心であること
などを話されました。
講演の後半では、「女性の育成をどのように進めるか?」について、経験を積む機会に男女差が生じていることを課題として挙げ、女性部下の育成においては、小さな成功体験や、一皮むける経験(例:大手企業では異動・昇進、中小企業では社外研修・社外ネットワーク)を積み重ねられるような環境を職場が与えることが大事であること、また、D&Iが尊重される社会は企業一社で実現するのは難しいが、地域の社会と経済を皆で盛り上げ、各社は地域の成長を自社の成長につなげていくという視点で連携し、取り組んでもらいたい、と話されました。
【野村 浩子氏】
ジャーナリスト/東京家政学院大学特別招聘教授/神奈川県男女共同参画審議会委員
テーマ1 | 女性管理職育成に関する成果と課題 |
テーマ2 | D&I推進のための自社の取組と課題 |
会場、オンラインとも4人程度のグループでテーマに沿って意見を交換し、発表を行いました。
テーマ1では中間管理職に女性を配置したところ、業務の見直しができたり、部下の女性職員に啓発ができ、やはりロールモデルが大事だという発言があったこと、テーマ2では男性の育児休業について、取得率は上昇しているが、自身のキャリアへの不安や仕事のフォローを頼むのが大変ということから取得期間が短い、また取得はするもののリモートワークで仕事をしてしまうなどの事例が発表され、“長さと質”の充実が取り組むべき課題であるとの意見などが発表されました。そのほか、シニアの活躍については、若手の活躍機会を奪うことなく、経験とスキルを併せ持つベテランにいかに力を発揮してもらうか、再雇用制度の改変に取り組む検討をしている企業の例や、LGBTQについても、近くにいる人が当事者かもしれないという意識を持ちつつ、積極的に情報にふれる機会を会社として設けるよう取り組みたいという意見なども発表されました。
講師(野村浩子氏)からは、多岐にわたる議論で「これぞD&I」と感じたこと、男性の育児休業取得は、男女間の家庭内ケア労働の著しい偏りを是正していく一つのきっかけであり、「自社では一生懸命に取り組んでいるが、パートナー側の会社の問題」ということであれば、カップル間で考える機会を企業が与えるなど、メンバーズの皆さんには、D&I推進のリーディングカンパニーとして、社会を変えていくきっかけになってもらいたい、と話されました。
今後もメンバーズが参加できる会議を開催予定です。各企業・団体の実務責任者等が集まり、事例発表やグループディスカッションを行うことで、先進的な取組事例を共有したり、他社との意見交換の機会も得られ、D&Iに関する課題・悩みの解決に向けて取り組むことができます。メンバーは随時募集しています。D&Iの取組を進めている、あるいは興味がある企業・団体の皆さま、ぜひご登録ください!