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更新日:2026年2月6日

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"プロレス×保育士"新日本プロレスKUSHIDA選手が語る保育の魅力とは

プロレスラーとして活躍しながら保育士試験を受験、合格されたKUSHIDA選手にお話を伺いました。

プロレスでのコーチングや指導、ご自身の子育ての経験をきっかけに、人材育成への理解を深めるため地域限定保育士試験を受験し、合格に至ったKUSHIDA選手。
このたび、保育士の補助業務を体験する「キッズサポーター派遣事業」に参加していただき、体験後の率直な感想や保育士資格の取得を目指したきっかけ、保育に対するお考えなどを、KUSHIDA選手の体験にご協力いただいた「保育園きのね」の髙澤園長と一緒に伺いました。是非ご覧ください。

KUSHIDA選手と髙澤園長目次

KUSHIDA選手へのインタビュー

 

髙澤園長へのインタビュー

 

KUSHIDA選手プロフィール

 

 

 

KUSHIDA選手へのインタビュー

キッズサポーターとして保育の仕事の体験をした率直な感想を教えてください。

 子どもたちの体力に驚くばかりですね。園から結構距離がある公園でも、疲れることなく往復の道をとても一生懸命歩いていて、改めて「保育園きのね」に通っている子どもたちの体力に驚きました。
 また、保育士さんたちの連携が何よりも大事だなというのは、保育士試験の実技講習会に行った時にも気付いたことなんですけど、保育士さんが複数人いても同じ方向を向いていると、別の方向で事故が起こる危険性もありますし、広い視野で俯瞰して見ながらも、連携を取りながら対応していることが素晴らしいなと思いました。

体験の中で印象的な場面はありましたか?

 一人男の子がこけてしまって、すごく擦りむいてしまったんですけど、特に泣くこともなく、保育士さんたちの連携で水で洗い流すことができたシーンとか、みんなで綱引きをしたりとか、落ちている葉っぱを掛け合ったりとか、砂だらけ泥だらけになりながら楽しい時間を共有できたことです。
 あとは基本的なことですけど、車に轢かれないように横断歩道を渡る時に保育士さんたちと連携したシーンですね。周囲を見渡すとか、そういうのは私も全然初心者ですので、足でまといにならないようにやったつもりですけど、まだまだ勉強したいなと思いました。

散歩を見守るKUSHIDA選手 子どもたちと綱引きをするKUSHIDA選手

プロレスラーとして活躍する中で、保育士資格の取得を目指したきっかけは何でしょうか。

 保育士さんたちがいないと自分たちの仕事ができないので、保育士さんという仕事への興味と尊敬から、保育士資格の取得を目指しました。
 勉強していく上で、プロレスの不確実性というか、リングに上がったら何が起こるか分からない、常に気を張ってあらゆる事態に臨機応変に柔軟性を持って、という部分が保育ととても通じるところがあると感じました。街中では何が起こるか分かりませんから、子どもたちに危害が及ばないように、という意味ではプロレスラーとしてのキャリアは保育の中で活かせると思うし、ある意味プロレスラーはエンターテイナーですから、喜ばせる、人をもてなすという意味では活かせる部分はあるのではないかなという風に思います。
 ただ、プロレスで言うと、"ヤングライオン"という言い方を新日本プロレスではするんですけど、まだまだ新人、何もできないひよっこなので、これから徐々に先輩保育士さんたちの姿を見て勉強していきたいなと思います。

 

令和7年神奈川県独自地域限定保育士試験を受験されましたが、初めての受験だったのでしょうか?また、受験にあたりどのような苦労や工夫をされましたか。

 実は2回目の受験でした。最初は全国試験を受けて、筆記が7教科合格、2回目の神奈川県の試験で全ての筆記が合格し、実技講習会を受けて合格という経緯ですね。勉強については、育児と、海外でもプロレスをするのでちょっと家を空けることもあって、勉強に集中する時間というのは意識して作らないと難しい状況だったのですが、すごく早起きして、朝5時とか6時に起きて最初の1時間ガッと一人で集中してやったりしました。
 あとは移動時間ですね。バス移動とか飛行機の移動とかが多いので、動画を見たりタブレットを使って過去問に取り組んだりしました。あとは保育士の方から過去問のドリルをいただいたりとか、色々お世話になりました。
そういう色々な方の支えがあって受験ができましたし、家族も時間を作ってくれたので、周囲の人の理解と協力があっての合格でした。

保育士試験を受けてみようと思ってから、全体的にはどのくらいの期間でしたか?

 全体でいうと1年半ですね。9科目あるので、全部一通り目を通すだけでも1、2か月を要しました。半分を経過したくらいで過去の問題に取り組んで、過去問をひたすら解いて、という勉強方法でした。

保育士試験の受験前と受験後で、保育や保育士に対する印象は変わりましたか?

 子どもを保育園に預けていた時には気付けなかったことがあって、保育士試験の勉強を通して「あっ、こういう意味があったんだ」と、後から理にかなった動きを保育士さんがされてたんだなって思うことが多々ありました。例えば保育園に預けるタイミングで子どもが泣いてしまったときに、親としてはかわいそうだからその場に居続けちゃったんですね。これ教科書に出てくるんですけど、そういった場合、親がすぐに立ち去ればその子はすぐに泣き止んで遊びに集中し始めるから、保育士の視点からすると、親御さんは早くお仕事に行っていただいて、というスタンスが大事なんだと。こういうことは、勉強して初めて気付いたことで、机に座ってのただの試験勉強だけでじゃなくて、体験に基づいた学びがある試験でした。

ご自身のキャリアにおいて、保育士資格はどのような場面で活かせそうでしょうか?

 プロレスラーを20年やって、プロレスを次の世代に伝えるとか、説明するという役割が自分に課されてきた時に、子どもたちの未来、プロレスだけでなく広い視野で見るとスポーツ、地域社会、広く言えばもう本当世界平和につながるぐらい、保育って大事な街づくりの根幹だと思うんですよね。これは年を重ねて自分の子どもを育てたからこそ感じられるようになってきんだと思うんですけど、まず自分の身近な人たちを幸せにするというか、自分ができることからという意味で、お世話になった「保育園きのね」への恩返しから始められたら良いなと思っています。
 プロレスの技術も、スーパースターみたいに飛び級でいきなりチャンピオンになったりとか、そういうタイプじゃないんですよ。地道にコツコツと一戦一戦大事にしてっていうことなので、保育士さんの姿を見ると、行事とかも大事だと思うんですけど、毎日公園に行って子どもたちの成長を見守って、小さな変化を見つけて親御さんに伝えるとか、そういう仕事も尊いなと思います。そういうこともプロレスと同時に発信できたらなと思います。

子どもたちと遊ぶKUSHIDA選手

最後に、保育士資格の取得に向けて頑張っている方に向けてメッセージをお願いします。

 世間では結構ネガティブなニュースが目についちゃうお仕事だと思うので、現場で働いている保育士さんたちが気の毒だなと思うんです、そういうニュースを見るたびに。こんなにも素晴らしい職業、尊い職業だなと思っているので、僕もまだ試験に合格したばかりですが、僭越ながら、絶対その道は間違ってないよと言いたいと思います。
 こういうものは人の縁とか、保育園と出会った縁なので、出会いを大事にして、保育士になるっていう志は決して間違いじゃないです。僕なんか40歳を超えて、色々な経験を経てこういう思いに至った男性42歳ですけど、若い方で20歳とか大学卒業してもうすでにその道を決めて志しているっていうのは素晴らしいなと思いますね。だから背中を押したいし、心から応援しています。

髙澤園長へのインタビュー

KUSHIDA選手にキッズサポーターとして参加していただき、通常の体制より1名多い保育でしたがいかがでしたか?

 すごく助かりました。KUSHIDA選手だから、朝から「みんなで束になってかかってもびくともしないよ」とか「こうやってブランコできるかもよ」と話して、大人も子どもも楽しみにしていました。
保育士と子どもたちが期待していた通り、公園を隅から隅まで使って走り回り、とても良かったと思います。助かりました。
 昨年度から男性の保育者もいらっしゃって、とても良いですね。それこそセカンドキャリアの方で、この方も大人気です。口やかましくないけど、いざという時は話をしてくれる。そして、体を思いきり動かす遊びを展開してくれます。
 KUSHIDA選手は紙芝居を読むのもとても上手でした。子どもたちが釘付けになっていましたね。普段は自分の好きな絵本を読んで紙芝居には来ない子どももいますから。これは持って生まれた人を惹き付ける力だと思います。
 先ほどのKUSHIDA選手のお話を聞いて、自分自身も人とのご縁に導かれて今があることに改めて気付きました。自分も子どもが4人いるんですけれども、その子どもたちが無事に育ったことへの感謝を社会に返したい。保育園の運営は経験もなく、苦手なこともやらなくてはならないけど、初心を思い出して頑張ります。
 子どもたちもすごく嬉しかったと思うんですけど、私自身も学んだり、見直すきっかけになって、本当に良かったです。

保育士不足は長く課題としてありますが、日頃苦労されていること、また工夫されていることはありますか?

 「保育園きのね」ではパートの方が多いんです。週1回来る方とか週4回来る方とか、皆さんと細かく話し合ってシフトを埋めているんですけど、近所の方が多いので、いざという時に交代するなどの対応がスムーズです。私は電車で通勤していますが、近所の方が駆けつけてくれるのは心強いですね。常勤がいることだけじゃなくて、そういう方も大事だなと思っています。また、若い頃に保育士を辞めた方でも「ここでならできそう」っていう方が入ってくれたとかね、そういう方をたくさん大切にしています。そういった方の中から常勤として長く働けるような方がいらっしゃれば良いなって思います。だから、特に工夫っていう感じじゃないんですけど、やっぱりご縁を大事にすることが結果一番大切かなと思います。
 保育士不足って言いますが、保育士資格を持っている方は結構いますよね。ただ、今働けるタイミングじゃない方だったり、過去の職場での辛い経験があって保育士として働いていなかったり。潜在保育士の中にはそういった方がいっぱいいらっしゃると思うので、そういう方が働きやすい体制だったり、誰もが働きやすい環境が大事だと思います。

インタビューに答える髙澤園長

キッズサポーターは保育士の負担軽減と子育て機運の醸成を目的としています。この点に関して率直なお考えを教えてください。

 一回子どもを産んで育てた方で、私みたいに恩返ししたい人だったり、意外に子育ては面白かったと思えたとか、そういう方が保育士になるといいんじゃないかなと思います。預けた保育園の人が良かったとか、そういう方もいいですね。
 やっぱり、子どもを育てている時期って、いろんな社会の問題が身近になります。それまで独身で、あるいは旦那さんと二人でダブルインカムでやっている時と違って、地域の問題だったり、社会の問題がいろいろ見えてくるから、その上で、自分が社会で生かせる仕事がこれだって見つかると良いですよね。結婚前からとか、結婚せずこれがやりたいっていうのがある方もいらっしゃるとは思うんですけど。
 若い方が子どもを産みやすい環境とか、周りの人の雰囲気とか、「子どもがいてうるさくて嫌だわ」ではなくて「賑やかでいいわ」ってなったり、お花が綺麗に咲いてるのを、子どもが見てたら、「何か摘んで花束作ったら」っていうような感じならいいですよね。公園のお花も見るだけで子どもに触らせてくれないようなものではなくて、それをいくらでも摘んでいいよ、という風になると良いなと思います。

保育園きのねは、保護者及び地域の皆様も保育に携わっています。保育士だけでなく、保育士資格を持たない方の保育への関わりについて、お考えを教えてください。

(髙澤園長)
 以前の共同保育時代の良さを生かして、保護者の方に一緒にイベントの企画をしていただくなどしています。ただ、そのくらいしかできなくて、いまは運営するので精一杯です。隣近所の方に年末のご挨拶をするとか、町内会に入ってるとか、子どもに年賀状を書いてもらうとか、そんなことをしています。
(KUSHIDA選手)
 働いている保育士さんが、近所に住んでいるっていうだけで近所に根付いていると言えますよね。地域に見守られていると。

この機会に話しておきたいことはありますか。

(KUSHIDA選手)
 保育士の給料が低いことについてはどうですか。
(髙澤園長)
 自分にとってはそうでもないですが、若い男性が働き出して、家庭を持って子どもを育てたいとなったときに、それなりの給料をもらえるような感じではないなと思います。
(KUSHIDA選手)
 それはとても悲しいですよね。
(髙澤園長)
 男性保育士が少ないのはそういうことかなと思います。他にも学童保育の指導員さんとか、保育園よりももっと子どもが大きくて、体が大きくて、動きが激しい子どもを見守る、でも怪我をさせない、宿題もさせる。とても大変だと思います。とても能力がいると思うんですね。救急救命の知識も必要だし、近所の方とのコミュニケーション能力とか色々な能力が必要だと思います。現場を離れて管理職になるとそれなりのお給料があるかもしれませんが、ずっと現場にいるとお給料が上がらない。今は、処遇改善も進んで過渡期だとは思うんですけど。
 やっぱり、先ほどKUSHIDA選手がお話ししてくれたように、保育士というのはもっとリスペクトされるべきかなと思います。介護とかもそうですね。とても大変なのに、子どもと遊んでるだけでいいんでしょうとか、そういう軽く見られがちなところもあるからお給料が安いんだと思うんですね。
 子どもの育ちに寄り添う、また、見守るということについてですが、子どもが自分の力ってどのくらいかなって測りながら高いところに登ったり、そういうのは子どもの能力が育つときに育つためのことをしていて、それをやめさせたら育たないんですよ。それを辞めさせてしまう園もあると思いますが、本当は多少の怪我をしながら、だんだん身体能力が高くなる。子どもは本能的に「今これをすると伸びる」ということを体が知っていて、高いところから飛び降りたり何度もチャレンジする。「危ないけどできるかも」と、子ども自身が考えてる動きは止めない。でもそれ以上やると子どもには見えない危険があるから、私たちが見守るということを同時にやらなくちゃいけない。経験と勘と、勉強と、いざという時の応急処置の知識も必要。遊びのプロフェッショナルとはそういうことかなと。それでいて、お絵描きや歌といった表現活動にもお付き合いするわけです。
(KUSHIDA選手)
 とてもマルチですよね。
(髙澤園長)
 だから、本当は家庭内のことが全部できるような主婦(夫)みたいにね、主婦(夫)のスキルを社会全体がもっと認めてって思いますね。保育士という仕事のレベルはとっても高いものだと思います。
(KUSHIDA選手)
 プロレスラーっていう職業も、負けて立ち上がるところを見せるところがある。負けて悔しいとか、これが痛いんだみたいな、そのギリギリのライン、怪我する一歩手前を見極められるのは、戦ってきたプロレスラーの独特な特殊能力だと思います。そういうところを活かせるとは思いますので、プロレスラーKUSHIDAをきっかけに、色々な業種の人でもいいですし、お相撲さんとかプロ野球選手とか違うスポーツ選手だっていいだろうし、何かそういう関わり方で、子どもの未来を支える、地域の児童福祉を支えることができると、日本の未来が素敵なものになるんじゃないかなと思います。今後も資格を取ったご縁で、保育士という仕事の面白さ、魅力を同時に発信できたらなというふうに思います。僕の使命だと思って頑張ります。

KUSHIDA選手プロフィール 

KUSHIDA選手©新日本プロレス

2005年にプロレスラーとしてデビュー。
多くのタイトルを獲得し活躍する一方で、近年は後進育成と子育てにも邁進。
新潟県魚沼市のPRアンバサダーを務めるなど、活躍の場を広げている。