子ども支援WEB講座(マルトリートメントが子どもに与える影響について)

掲載日:2021年1月13日

マルトリートメントが子どもに与える影響について

<筆者プロフィール>

    プロフィール画像(高祖先生)

高祖 常子 (こうそ ときこ)氏

認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事
子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント
「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省2019-2020)ガイドライン策定委員ほか、国や行政の委員を歴任。
著書『感情的にならない子育て』『男の子に厳しいしつけは必要ありません』など

マルトリートメントとは、子どもに対する不適切な関わり

講座資料その1

 

マルトリートメントとは、「虐待とは言い切れない、大人から子どもに対する避けたい関わりのことです。子ども時代にマルトリートメントを受けていると、大人になってから心のトラブルに悩む可能性が高くなります。」(※1)。
また、体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかになっており、体罰等が繰り返されると、心身に様々な悪影響が生じる可能性があることが報告されています(※2)

どのような行為をマルトリートメントと考えればいいのでしょう。
「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~」によれば、「自転車の補助イスに子どものみを乗せておき、買い物をする」「高層マンションのベランダに踏み台となるような物が置いてある」「親のたばこ、ライターを無造作に子どもの手の届くところに置く」などの行為も含まれるとしています。要は、子どもの心や体が傷つく行為、子どもを危険にさらす行為すべてを、マルトリートメントと考えればいいでしょう。
保護者の子どもへの不適切な育児について、地域の関係機関等(児童相談所、福祉事務所、市区町村、学校等)が連携して保護者に対して啓発や教育を行い支援していくことが必要です。

子どもへの体罰禁止、2020年4月改正法がスタート

講座資料その2

 

2018年3月に東京都目黒区の5歳の女の子、結愛(ゆあ)ちゃん、2019年1月に千葉県野田市の10歳の女の子、心愛(みあ)ちゃんの虐待死事件がありました。虐待死ではほとんどの親のコメントが「しつけのため」。しつけのための体罰が、子どもの命を奪っていたということです。この2つの虐待死の事件などを受け、2019年6月に「親権者からの体罰禁止」を盛り込んだ「児童福祉法等改正」が満場一致で可決成立しました。
改正法では、親は「児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」とされましたが、筆者も委員を担わせていただき「体罰等によらない子育てのために」というガイドラインが策定されました。このガイドラインによって「全ての人について、体罰は許されません」「どんなに軽いものであっても体罰に該当」「子どもをけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子どもの心を傷つける行為で子どもの権利を侵害」と明記されました。このガイドラインも含め、2020年改正法がスタートしました。

子どもへの向き合い方は、気持ちの受け止めから

講座資料その3

 

子どもが駄々をこねるなど、困った場面の対応方法としては、まず子どもの気持ちを受け止めること。子どもの「イヤだ」「やりたくない」という気持ちを尊重するということです。そして、その後「どうしたらいいのか」「どうしたら解決できるのか」について、子どもを主体にしながら一緒に考えていきましょう。
この対応を丁寧にしていくことによって、子ども自身が自分の気持ちを大事にされ、そのような気持ちを持っていいということを学び、自己肯定感が育まれていきます。さらに、困難な場面に遭遇した時に、「どうしたらいいのか」と考えていけるようになるでしょう。
このような対応をするためにも、親に心の余裕があることが大切です。子どもの気持ちを受け止められないときには、心や体、時間の余裕がないからかもしれません。親自身が客観的に自分を見つめ、リフレッシュやレスパイト(※3)など手当をするようにしましょう。支援者は、親の気持ちを受け止め、解決方法を一緒に考え併走していくことが大切です。

<参考文献等>

※1 一般社団法人 日本家族計画協会ホームページ「防ごう!まるとり マルトリートメント」
バナー(マルトリHP)

※2 厚生労働省「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/minnadekosodate.pdf

※3 一時的中断、延期、小休止などを意味する。

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