更新日:2026年2月3日

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社会福祉法人聖テレジア会 鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院

障がい者雇用の事例を紹介しています。

障がい種別

身体障がい

病院紹介

所在地:鎌倉市腰越1-2-1

事業内容:医療業(病院)

常用雇用労働者数※:289人(令和7年6月1日時点)

※常用雇用労働者数とは、1週間の所定労働時間が30時間以上の方の数と1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方の数を0.5倍した数を合算した数をいいます。(いずれも1年を超えて雇用される見込みがあることまたは1年を超えて雇用されていることが算定要件です。)

法人・病院への質問

Q1 従前よりもさらに、障がい者雇用に取組むようになった「きっかけ」はどのようなことですか。

A1 従業員に障がいのある方がいなかった訳ではありませんが、令和5年時の障害者実雇用率が0.85%で、法定雇用率を満たしてはいませんでした。

 法人として社会的要請に応える必要があると考えたこと、また配置人員的にも不足の状況があったこともあいまって、障がい者雇用の取組を強化、推進していくこととしました。

Q2 さらに障がい者雇用を強化、推進していくことについて、現場の管理職やリーダー職員の理解はどのように得ていったのでしょうか。

A2 医療介護の仕事は、直接的な人相手の仕事であり神経を使うこと、また、インシデントとも背中合わせの面もあります。

 法人本部事務局で障がい者雇用推進の取組の旗振り役を担った主任は「障がい者雇用は人間の尊重であり、人材は経営資源」「他人ごとでなく自分ごと」とずっと伝え続けてきました。主任が繰り返し、障がい者雇用の推進を発信した結果、それぞれの施設現場の管理職やリーダーに意識の変化が現れてきました。

Q3 現在、障がいのある方が働いている部署及び業務内容を教えてください。

A3 当院では障がいのある複数の方が各々の業務に携わっていますが、今回、ご紹介するふたりの従業員はリハビリテーションの現場での業務に従事しています。ひとりは作業療法士として、もうひとりは理学療法士として、各々の有する専門性をもって日々の業務にあたっています。

Q4 さらなる障がい者雇用の取組を、どのように進めてこられたのでしょうか。

A4 法人本部事務局の主任が中心となって取組を進めてきましたが、法人本部だけで短期的に成果を生み出すのは容易なことではありませんでした。しかし、鎌倉市の公的な支援機関(鎌倉市障害者二千人雇用センター)から取組の進め方、管理職の障がい者雇用への意識をポジティブに促すアプローチの仕方などについて提案を受け、その後も伴走していただきながら継続的な支援を受け続けてきました。このことが、取組を進める上で、大きなターニングポイントとなっていきました。

 病院内で障がい者採用情報を積極的に共有したことで、障がい者の採用につながっていきました。

 また、リーダー層を含め、一緒に働いているスタッフに多様性の重要性や障がいがありながらも一生懸命に取組んでいる姿に触発されるような雰囲気をつくりました。障がいを持ちながら働いているスタッフは、「できること」「できないこと」「助けが必要なこと」をアウトプットでき、自己評価できるように教育しています。

本人からのメッセージ

職場では「まず相談する」というスタンスが大事

(木村圭佑さん)

 自分は通所リハビリテーション部に所属しており、個別リハビリテーションの業務と、集団リハビリテーションの業務及び機器の準備等に携わっています。

 また、それらの業務の運営のためのミーティングへの参加、事故防止委員会の一員として事故防止のための取組にも参画しています。

 実は、自分は一昨年まで当院に入院をしていて、退院後も約2か月通院をしてリハビリテーションを受けてきました。ただ、入院期間中に当時就業中であった介護保険施設の休職期間が経過してしまったことから離職することとなり、入院中から再就職先を模索していました。そして、当院で作業療法士の求人があったこと、また当院は入院中から従業員数が多くて相談がし易いと感じていたこと、さらには電車通勤が可能であったことから、通院終了後に採用面接を受けることとしました。その結果、昨年からの採用となりました。

 自分の身体の状態を踏まえて、過度な負担とならないように介護度の高い人の担当にはならないよう、役割分担に配慮をしてもらっています。また、自分の手の届く範囲内の個人ロッカーを割り当ててもらったり、食堂内に踏み台を設置してもらうなど物理的な配慮をしてもらえていること、公共交通機関の混雑時間帯を避けての出勤を容認してもらい通勤負荷を軽減されていることで、働き易い職場環境が提供されていると感じています。

 多くの従業員とともに働くことは、いろいろな考え方を吸収する機会となっており、それが自分のリハビリテーション業務に反映できることは嬉しいことです。また、自分に自信のないことについて他の従業員からの助言をもらえることは大変ありがたく、仕事を続けていく上での励みにもなります。

 一般社団法人日本作業療法士協会には、生涯学習制度による登録作業療法士制度があります。作業療法士としての専門性をさらに高めていきたく、研修を受けて単位を取得して、登録作業療法士になることが当面の自分の目標となっています。

 これから就職を考えている方には、気になった職場があったらまず見学をして、管理職やリーダー職員と話をしてみること。入職したら、聞きづらい内容でもオープンにして聞いてみることで、上司や同僚との関係性ができてくる。だから「まずは相談する」というスタンスが大事だと思います。

社会福祉法人聖テレジア会 木村さん

 

職場では「小さなことでも相談すること」を心がけて

(木村悠貴さん)

 自分は病棟に所属しており、理学療法士として毎日5人くらいの個別リハビリテーションの業務に携わっています。進め方としては、まず患者さんに関する情報収集を行い、評価を踏まえてプログラムを考え、それに沿って歩行訓練や筋トレなどを行っています。また、病棟の患者さんのおひとりの担当者としての任に携わっています。

 まだ、大学生だった頃に、東京の大学で障がい者雇用セミナーが開かれていて、これをきっかけに当院のことを知りました。その後、当院の見学をお願いして、実際に見学をさせてもらい、その上で採用面接を受け、内定をいただきました。その後に、国家試験(理学療法士)の合格の報を得て、昨年から社会人として初めての職場である当院に入職することとなりました。

 入職前には、他の病院もいくつか見てきましたが、リハビリ室の雰囲気が他の病院と違って明るくにぎやかだったので、それが非常に好印象に映りました。また、リハビリテーションの機器が他の病院よりもたくさんあり、そこに興味を惹かれたこともあって「ここで働こう」と決めました。

 働きだして初めて割り当てられた更衣用ロッカーは別の建物内にありましたが、自分の視力では夜間に階段などが見えづらい状況がありました。そこで、病棟内の3階に移動してもらい、安全の確保を図ってもらいました。また、エレベーターの液晶のテンキーが自分には見えにくいことを申し出たところ、見え易いタイプに交換をしてもらえました。さらに、階段の段差が見えづらかった場所があることを申し出たところ、その場所では常時点灯として、ステップには黒いテープを貼って段差を判別し易いように改善をしてもらいました。当院内のお知らせやマニュアルの文字は(小さくて?)判読できなかったので、支給されたiPadで写真を撮ってもらってそれを拡大して読むようにしています。相談し易い雰囲気があり、発言を受け止めてもらってこれらの配慮を得られていることは、今も安全に働き続けることができている要因になっていると感じています。

 また、他部署の看護師の方が自分のメンター役を1年間、引き受けてくださり、話を聞いてもらうことをとおして、実際に職場環境の改善につながっていきました。新卒だった自分にとって、彼は大変心強い存在となっていました。

 昨年は患者さんをみるときは必ず、先輩にも見てもらっていましたが、2年目からはひとりで患者さんを見ることも多くなってきました。自分でできることが増えてきたことは嬉しく思いますし自信にもなっています。

 まだ、先輩から相当のサポートを受けながら担当する患者さんをみてはいますが、今後は先輩のサポートは最小限にして、患者さんを退院につなげていけるように努めたいと思っています。

 自分は中学生の頃から視力が落ちてきて、困ったことがあっても周りに言えずに、閉じこもってしまうような性格でした。けれども、当院で働いてみて、困ったことがあったら周りの人に相談することの大切さを知ることができました。

 これから就職を考えている方には「たとえ小さなことであっても、困ったことがあったら、まずは周りに相談する」ということを心がけて欲しいと思います。

社会福祉法人聖テレジア会 木村悠貴さん

現場指導者等からのメッセージ

(法人本部事務局主任 木村昌子さん)

 法人としての障がい者雇用推進の方針を受けて、法人本部事務局主任である私が各施設の管理職らにその方針の説明と実職場での受入について提唱をしてきました。しかし、最初はネガティブな発言で返される場面に直面することもたびたびありました。

 それでも「人材は経営資源であり、法人の理念『人間の尊重』を実現するためにも他人ごとではなく自分ごととして捉えることが大切」ということを何度も繰り返し、管理職らに伝え続けてきました。このことが、管理職や現場のリーダーの意識を変えていくこととなりました。

 また、就労支援機関との連携を図れたことは、障がい者雇用を推し進めることができた大きな要因でした。

 

(リハビリテーション部長 小山理惠子さん)

 昨年に障がいのあるふたりの方が入職され、同僚になる従業員がどれくらい受け入れてくれるだろうかと、当初は不安もありました。しかし、「一緒にやりましょう」という声を聞いたときは、ありがたいことと勇気づけられました。

 採用から1年以上、ふたりに継続して業務に従事してもらえているのは、周りの同僚従業員のかかわり方もよかったからだと思います。

 木村圭佑さんは、委員会活動に精力的にかかわっており、参加した研修の他従業員への伝達講習にも取り組むことで情報共有に積極的に努めてくれています。また、経験に裏打ちされた体操のトレーナーとしての教示はわかり易いと評判で、当院の一員として頼りになってきていると感じています。

 

(リハビリテーション部係長 櫻井由紀野さん)

 「無理、できない」ではなく、「本来の作業療法士・理学療法士の患者に対する姿勢を有して、障がいのあるふたりがどうしたらできるか」というスタンスを現場のリーダーが共有できたことは、職場としてのひとつの成果となったと考えています。

 もちろん、ふたりがそれぞれに努力をしてきたことは大きかったですが、ふたりとともに働くことで管理職もリーダーも成長できたのかなと思います。

 木村悠貴さんは、入職当初は自分から声を出すことが苦手でした。私は「大きな声で話そう、本音で話そう」と彼に伝え、彼も徐々に職場の雰囲気に慣れて人間関係も構築されていく過程で、自ら相談ができるようになり、自分でできる仕事も増えてきました。また、その経緯で彼の出身大学の先生からいただいた助言はともに働く私たちにとって大変参考になるものであったと思います。

このページの所管所属は 障害者雇用促進センターです。