更新日:2024年1月9日

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本港エリア

本港エリア

本港エリアの地図

概要と歴史

 本港エリアは小田原漁港で一番初めに整備されたエリアです。JR早川駅から徒歩1分という好立地に位置し、また周辺には飲食店や土産物屋も多いため連日多くの観光客で賑わっています。

室町時代

 小田原の漁業は、現在の本町、浜町に「船方村」と呼ばれる漁村が起こったことがその発祥とされています。

戦国時代

 船方村に「魚座(中世、魚商人が結成した同業組合)」が生まれ、漁業と魚商が活発になります。

江戸時代

 現在の本町に魚市を開く「市場横丁」が形成されました。

明治末期

 明治40年3月、千度小路(現在の本町)に「株式会社小田原魚市場」が創業されました。

昭和初期

 この当時、漁獲物は「御幸(みゆき)の浜」(小田原市本町)などの海岸に陸揚げされていました。
 小田原は、近くに好漁場を持ち、京浜地方の大消費地に近く、交通の便が良いという条件を備えていましたが、この生産と消費を結ぶ漁港がありませんでした。
 昭和6年、当時の小田原町は漁港建設を農商務省(現在の農林水産省)に調査依頼し、小田原漁港の修築計画を作成しました。
 昭和12年12月、建設計画が再燃しましたが、満州事変や日中戦争の勃発により解消されてしまいました。

昭和20年代

 小田原漁港建設予定地の早川地区の海岸線は入り江を形成しておらず、海底も急峻(きゅうしゅん)なことから、全国的にも珍しい「掘り込み式」の漁港が計画されました。

 昭和21年、「港築運動」活動など地元の漁港建設への要望が高まる中、翌22年に水産庁の認証がおりました。

 その後、昭和24年度に測量調査が行われ、翌25年度に「小田原漁港」の防波堤工事が開始されました。
 昭和26年12月には「第2種漁港」に指定され、昭和31年10月には漁港管理者に小田原市が指定されました。

砂浜の写真1 砂浜の写真2

砂浜の写真3 砂浜の写真4

(小田原漁港ができる以前の浜揚げの様子:昭和28年浜町付近)

昭和30年代

 昭和32年度に南防波堤(現在の2号防波堤の一部)や東防波堤(現在の1号防波堤)などの外港工事が完了し、翌33年度から内港(現在の本港)工事(掘削、浚渫作業)が開始されました。
 当時、小田原のブリ定置網漁は全国的に有名で、米神(こめかみ)漁場は日本一と称され、昭和20年代から30年代にかけて、ブリの漁獲は最盛を誇りました。
 昭和35年3月、南防波堤の先端部(現在の2号防波堤の中間部)に設置された灯台に灯がともされました(この灯台は、その後南防波堤が延伸され、平成5年に完成した2号防波堤の先端に平成11年移設されました)。
 昭和37年には本港西側岸壁(現在の2号陸揚げ岸壁と2号準備岸壁)と北側岸壁(現在の2号休けい岸壁と3号休けい岸壁の一部)が完成し、「入船式」が行われました。

昭和40年代

 18年の歳月を経て、昭和43年1月に「本港」が完成しました。
 昭和43年3月、小田原漁港内に「小田原市公設水産地方卸売市場」が開設し、相模湾や伊豆近海をはじめとする全国各地からの陸揚げ拠点となりました。
 昭和44年2月には「第3種漁港」に変更指定され、同年11月に漁港の管理は小田原市から神奈川県に移管されました。

本港の写真

(昭和44年6月8日撮影)

平成初期

 平成3年7月から小田原漁港で「港の朝市」がスタートしました。市外からも多くの方が来訪し、好評を得ています。
 平成3年8月から「小田原みなとまつり」が開催され、真夏の賑わいのひとつになりました。現在でも毎年定期的に開催され、「小田原あじ・地魚祭り」とともに多くの観光客を集めています。
 小田原漁港を根拠地とする市内10漁協が合併し、平成5年3月に「小田原市漁業協同組合」が誕生しました。

平成10年代

 平成14年度から特定漁港漁場整備事業がスタートしました。
 平成15年7月、災害時の緊急輸送物資の受け入れ施設として「耐震強化岸壁」と「耐震強化岸壁荷さばき所」が完成しました。「2号準備岸壁」の耐震強化工事も同年度に完成しました。 

 平成18年度に「1号防波突堤」と「階段護岸」の耐震強化工事が完成しました。
 平成19年度に「3号護岸」の耐震強化工事が完成しました。

平成20年代から

 平成21年度に「1号陸揚岸壁(南側)」110メートルの耐震強化工事が完成しました。

 平成26年度に「2号休けい岸壁」116.6メートルの耐震強化工事が完成しました。

 平成30年度に「1号準備岸壁」45メートルの耐震強化工事が完成しました。

施設の説明

  • 泊地

 定置網漁船をはじめ常時約30隻の船が停泊しています。県外の漁船も利用します。

泊地の写真 

  • 東側/西側/南側/北側臨港道路

 一般の道路とは用途が異なり、漁港から一般道まで水産資源を安全に運搬するために整備された道路です。また、東側及び南側臨港道路は地震災害等の発生時に緊急物資輸送車両の通行にも使用されます。

  • 耐震強化岸壁

 地震に強く津波にも耐えられるよう整備された岸壁で、災害時には緊急物資等を輸送する船舶が停泊します。

耐震強化岸壁写真

(大型船舶の接岸訓練風景)

  • 小田原魚市場(小田原市公設卸売市場)

 昭和43年3月に開設されました。年間約2,500トンの漁獲物が水揚げされます。未明から早朝にはせりが行われ漁業者や買受人の活気と熱気に溢れています。
 詳しくはこちら(外部リンク:(株)小田原魚市場HP)をご覧ください。

  • フィッシュポンプ、選別機

 漁獲された魚を大きさ別に選別するための機械です。魚種ごとに分けることはでませんが、手作業よりも選別作業の時間を大幅に短縮することができます。

  • 製氷機、殺菌冷海水装置

 魚市場等で利用するための氷を製造しています。殺菌冷海水と氷を船の魚槽へ積み込み、そこへ漁獲した魚を入れることで魚を瞬時に冷やすことができ、鮮度を保つことができます。

  • 階段護岸

 階段状に作られた護岸です。ちょうちん灯台の撮影スポットとしても人気です。

整備事業

 小田原漁港の本港は当時で約11億円の工事費をもって完成しました。
 平成15年7月に耐震強化岸壁が整備され、災害時における緊急物資受け入れ港としての機能が確保され、防災拠点整備ゾーンとして位置づけられています。

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