更新日:2023年12月14日

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審議結果(令和5年度第3回)

神奈川県県土整備局公共事業評価委員会

様式3

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称

令和5年度第3回神奈川県県土整備局公共事業評価委員会

開催日時 令和5年11月6日(月曜日)12時30分から17時40分まで
開催場所

小田原市、大磯町、茅ヶ崎市(現地調査)

相模川流域下水道左岸処理場 管理棟3階3A会議室(審議)

出席者

家田 仁(委員長)

真田 純子

高橋 陽子

田邉 勝巳

中村 幸人

次回開催予定日 令和5年11月28日(火曜日)
所属名、担当者名

県土整備局総務室 松園、檜山
電話番号 045-210-6019

掲載形式 審議経過

議事概要とした理由

 
会議資料
審議経過

1 審議について
(委:委員発言内容、事:事務局、事業実施課発言内容)

[12番 一級河川矢上川 河川改修事業]
<事業実施課から審議資料の修正概要について説明>

 

委:前回いなかったので、ちょっと分かっていないところがあるけれども、最後のページのところで、増額となった内容とその理由について書いてあるが、例えば将来の工事発注にあたり正式見積りを徴取した結果と書いてある。
 これは、とても特殊な工事だったので、通常の見積りでは追いきれなかったのか、その辺の理由と、その元にある原因など、教えていただけないか。

 

事:前回評価時の見積りは、あくまでも概算費用を把握するためのものであって、今回は実際に工事発注しており、実際の工事にあたって必要な工程と工事内容を、よく精査して、実行ベースで積算していくというところで、こういった差が発生してしまった。

 

委:例えば通常とは地盤が違ったとか、普通の積算では追いきれなかったとか、その理由は何か、という質問。

 

事:一般的には、当初想定していたよりも地盤がすごく悪いとか、工法がそもそも変わってしまったとか、そういったこともあるけれども、今回の場合はそういった状況ではなく、実行予算ベースで、しっかりと積算したところ、差が出てしまった。
 正直に申し上げて、最初の見積りが甘くて、だいぶ低く積算をしてしまい、実際やってみて、かなりプラスの要素が出てしまったというところである。

 

委:1つ質問。私も前回お休みして、経緯が分からないけれど、増額となってしまったという、理由次第だと思う。この4項目のうちどれが、主な費用増だったのか、どれが一番、費用として想定外のことだったのか、というようなことも書いていただけると分かるのだが。

 

事:増額となった理由で一番影響が大きかったのは、一番下の段の、労務資材単価の高騰である。具体的に中身を申し上げると、労務単価が、5年前の前回評価時から約1割以上、それから資材単価の方も同様に3割以上、ものによってそれ以上、といった形で大幅に増額をしている。
 金額で言うと、全体100億円の増額のうち、この労務資材単価が50億円ほど。その他シールドマシンと中間立坑と発生土処分費がそれぞれ約10億円程度。その他様々な細かいものを積み上げていくと20億円ぐらい。合計して、大体100億円ぐらいという結果になっている。

 

委:そうすると先ほど課長が正直申し上げて、というふうに言われた、ある程度、内側の理由以外の、外生的な要因もかなり大きかったという理解でよいか。

 

事:その通りである。

 

委:この表に入れた方がよい。一目瞭然である。聞かれれば答えなければいけないですよね。

 

事:概算額ということで、大体いくらぐらいかということを表示する。
 やはり前回少し見積もりが甘かったというのが、少し引っかかっている。今回の積算は、ほぼ正確であり、それはもう間違いないのだけれど、それを見てしまうと、前回の甘さに対する後ろめたさがあって、あまり数字は今の段階で言えなかったのだけれど、おっしゃる通り入れた方がいいなら、入れることにする。

 

委:入れた方が、気が楽ではないか。

 

事:それが引っかかっている。

 

委:おそらく、復興事業の煽りで高くなった事業だし、その後、今は資材が上がっているということもあるし、人手不足で人件費が上がっているということもある。これは個々の事業を管理しているのでは手も足も出ないではないか。そういうものが、おそらく多くを占めるわけで。それはやはり大事なのは数字であり、入れることをお勧めする。

 

事:特に見積りが多いので、公共単価みたいなものであれば、それなりに押さえが効くのだけれど、見積りでやってしまうと、やはり業者側の言い分が出てくるところがあり、やはり公共単価の増加分よりも大きく出てしまうところがある。

 

委:私は、前回言わせていただいた意見に関して、回答いただいた点と、先ほどご説明いただいたところについて、質問させていただく。前回3つ出させていただき、すべて完結している内容だと思う。基本的には、情報を関係者に提供して、いろいろソフト面の対策をしてほしい、ということで、先ほどの一番下、まず2番のところで、質問の趣旨は、指定緊急避難場所は、中学校区の想定だと思うが、私自身は個人的に教育委員会の仕事をやっていたので、中学校区というところが1つのキーになっていると思う。
 そして、ここでは、特殊的な施設として小中一貫校になっている。通常は小学校と中学校は別々であり、小中一貫校は市内にはほぼ無い中で、先ほど説明では2階に避難するとあったが、2階に行くとしたら、小中連携しており、小学校に関係するところと、中学校に関係するところが、1つの建物になっていて、とても狭い中に、さらに民間の地域の方達がみんな1か所に集結してしまうということ自体が、他の環境とは違うので、具体的な影響はないのか、というところが聞きたかったところなので、2番に関しては、今一度お答えいただきたい。
 それと、おそらくそういった運用に関しては、例えば4番は、説明において、主にこの辺りの回答から見ると私なりの解釈は、地域住民の方への説明を主としていると思うのだけれども、おそらく実際その運用を担うのは、学校側だと思う。ということは教育委員会の実態があるが、こういった場合に教育委員会とかその学校の運用がどうなるかが、4番の回答では読み取れなかった。これは5番も影響する。今の点をご回答いただきたい。

 

事:小中一貫校ということで、東橘中学校と子母口小学校が同じ敷地内に建っており、緊急避難場所は、ここだけでなく、市全体的にくまなく点在しているという事実があるので、特にここだけに集中するということではなく、ある程度広範囲に分散していると考えている。
 周知については、基本的には、市の防災部局が関係機関と連携をとりながら、周知しているところだが、県としても毎年、大規模氾濫減災協議会というものを持っておりまして、市の防災局、県内の市町村に対して、河川の氾濫の状況を説明しているところである。
 地元への説明については、こちらの工事説明会と書かせていただいたけれども、地元の方に対しては、今後も、こういったリスクがあるということについては、周知の仕方も工夫してやっていきたいと考えている。

 

委:後半の部分は、地域への情報提供はされたということだが、2階以上に上がるというのは市との連携だと思うが、どちらかというと、本当に何かあったときは、学校への情報共有になると思うので、ぜひ、強化いただきたい。
 1つ目に関しては、こだわって申し訳ないが、極めて特殊な環境であり、ぜひご覧いただいた方がいいと思う。小中一貫になっている特殊なケースで、子母口小は児童数が1000人規模で、それが一体型になっている。市に聞いていただいた方がいいかもしれないが、少なくとも中学校は全部、小学校もかなり、全部で200校ぐらい避難所になっており、ここは人数が集中しているので極めて特殊な環境なので、運用面になるけれども、ぜひご覧になっていただいて、運用の強化をぜひお願いしたい。

 

事:学校に通う生徒については、5番のところに記載した通り、要配慮者の施設ということで、水防法に基づく避難計画も策定されているので、避難訓練等も含めて、市としっかり連携して、情報共有しながら対応して参りたい。

 

委:他にいかがか。私が質問したところについての回答は、大分正直なものになったと思う。良くなったと思う。特にこの1ページの総合治水の関係性を明瞭に位置付けているのは、この場所ならではの状況をよく説明していることで、結構だと思う。
 少し気になったのは、6ページのところで、赤字で書いていただいたところで、要望として少し書きすぎかなと思うのは「少なくない確率で」というところは、主観が入ってしまっているので、これはやめた方が良い。
 言いたいことは、要は、計画規模を超える降雨の発生も当然ながら、生じることが想定されるものの、総合的に見て、洪水以外の相応の軽減効果が期待できることにより、住民の水害に対する不安が軽減される、ということですよね。ポイントは何かというと「少なくない確率」を使わないほうが良い。それから「一定の効果」は、少し行政用語だから、「相応の」というぐらいでいいかなと思った。これは大した話でないけれど。
 それからコストのことについては、9ページの上のところに書いてあったけれど、後ろに補足資料がついているので、ここに数字を入れて、それがそれぞれの何%に相当するんだということも記載すると重みも分かって良いのではないかと思うし、もしそうしてくれたら、9ページのところにも、補足資料参照等と入れておくと良心的である。
 あとは、どう書くのかと思ったけれど、5ページの上の「川崎市の地域防災拠点である東橘中学校等が位置する」というだけでよいか。どういう意図でここにどう書くのか。その下にある地図を見ると、どこも住宅がいっぱい立地しているようなエリアであって、しかも6ページの地図を見れば、この東橘中学校のみならず、木月小学校とかも中に入っており、しかもあろうことか、東橘中学校は市が地域防災拠点に指定している。そのことをこの地図の中でどう認識して書くかということが重要であって、今の書きぶりだけだと少し唐突である。
 位置する、とは客観的な事実ではあるけれど、認識が入っていないから、意味が分からない。そこはどう考えたらいいか。言い方によっては、こんなに小学校中学校があるのだから、ここは急いで治水をやらなければいけない。そういう認識をしながら、頑張ってやっているところだという言い方もできる。

 

事:我々の立場からすると、今先生がおっしゃった通りである。やはり防災拠点の設置や運用に関しては、これは完全に地元の市の役割なので、我々河川管理者としてできることは、正直言って浸水区域を減らすことと、そのために事業を急ぐことに限定されてくるので、どういうふうな考えで言っているのかとおっしゃられると、今先生がおっしゃった通りの考えであり、なかなかそれをきれいに書ききれないので、とりあえず、位置するという表現だけに留めたということである。

 

委:だが、もう一方で、河川管理者の責務として、この場所はこういうふうに危ない、ということを市に十分に言ったにも関わらず、市がこの東橘中学校を地域防災拠点にしているのは甚だ不適切な行為であると思いながらやるのか。

 

事:これはすごく難しくて、例えばどの規模の雨に対する浸水区域かによって違うし、それが大きい規模になると、やはり様々なところの小学校や中学校が浸水区域に入ってくるので、そこをすべて取り除くという形になってしまうと、地域防災計画が立たなくなる可能性があって、そこをどう考えるかは、やはり市で考えることだが、現実として今こういう形で指定されている。
 あと1つ気になるのは、矢上川は、実はもう10何年前に、50mm改修と称して当時の計画が完了している。今の考え方で言うと、50mmの雨が降ったときの浸水区域は解消済である。そういう意味で設置してしまったというところもあるかもしれない。
 平成18年の段階で計画規模を上げたことにより、急に未改修になってしまって、それをフォローするために60mmに対応するために地下調節池を作るのが今回の計画である。そういう流れを考えると、一概に市が悪いというわけではない。

 

委:そういうことを書くべきである。そここそが泣かせるところであって、真剣にやっていることの証だと思う。つまり、おそらく、あちこち危ない。だが、私共の立場とすれば、そうは言うものの、相対的にましなところを防災拠点にして、そしてそこに安全に避難してもらうとか何かを最大限努力するのは、市のやるべき当然のこと。
 ただ問題があったかもしれないと思って言うのは、その時に治水サイドとよく連携を取りながら、相対的に具合の良いところは一体どこなのかを相談しながら、決めているならば、しかもそれが50 mm対応のときには、大きな被害が想定されない相対的には安全なところ、危険性の相対的な低いところを選んだ訳で、しかも連携していて、だけどその後の降り方なども勘案して、計画規模をグレードアップしたがゆえに、今ここは黄色になっているけれど、それでもその下の青いところに比べれば、まだましであって、とは言うものの、整備水準を上げた以上、一刻も早くこの辺の安全性をさらに高める努力が必要だから、今回やるのだ、ということみたいなので、そこを書いて欲しい。

 

事:この地域防災拠点というのは、水害だけではなく、地震とかいわゆる水害以外様々な災害に対応するための拠点として指定されており、例えば地震が起きれば拠点として活用されるので、地域防災計画の中では、様々な災害を想定した中で拠点に指定されている。

 

委:だからといって、何も知らない、ということではまずい訳で、つまり、様々なファクターがあるけれども、少なくとも水害の面から見たときには、ここが相対的にはましな場所であって、しかし、たゆまない努力をしていかなければいけない中でやっているのだという、そういうこと言われたので、やはり、様々なことがあるから知らない、というかのような答えは、やはり行政が責務を果たしていないということになる。つまり努力をしていないという。
 努力をしているということが、先ほど、部長がおっしゃったような話だから、それをこの地域の状況、あるいはもっと言うと、概要のところにも、この60mmに変えたという話のところに、もう少しうんちくを書いても良い。

 

事:必要性とかそこら辺に書こうかと思うが、記載する場所は少し考える。
 先程、委員がおっしゃった川崎市との連携という意味では、実は、浸水想定区域図を公表したこと自体が平成の半ばぐらいに初めてやった話であり、それ以前は、ほとんどそういう情報提供とか何もなしで独立してやっている。
 平成27年に鬼怒川が溢れたことによって、国の方が考え方を変えて「逃げ遅れゼロ」という、今の流域治水に繋がるようなソフトハード対策が進み始めたことで、それ以降は大規模氾濫減災協議会とか、先ほど、課長から説明したような市町村連携をしっかりとっており、時間的にまだ平成27年以降の話なので、こなれていない部分もあるかもしれないけれど、今現在はしっかり、情報提供にしろ、何にしろ、水防法に基づくやり方でやっているので、そこは心配無い。

 

委:ここは、鶴見川水系だから、1950年代から総合治水ということで努力してきた。もちろんハザードマップ云々とか様々なものはその後に出てきた話だが、地域で、治水について真剣に様々な分野が連携し合うのは、むしろ発祥の地と言っても良い。従って、その中では、現在とは違うにしても、市と県の治水当局では、相応の連携をやってきたつもりであると、そういうニュアンスで良い訳であって、過去を全部否定することはもちろん無い。
だが、読んだ人が、リーズナブルに納得できるような、相手はやはり雨だし、しかもお金が無尽蔵にあって、予算がつきさえすれば直ちに1日にしてできるようなものではないし、地域の人たちとの連携の下に一歩一歩進んでいるのだということを、言ってくれればいい訳である。
 だから、私は、地域防災拠点であるということを強調してほしい、という意味で言っているのではなくて、そういう場所柄であるということを十分に分かった上で努力しているのだということを言ってほしい、ということである。

 

事:承知した。

 

委:他にご意見はないか。特に無ければ、今議論したところなので、最後の対応方針のところを見ていただいて、重要性は依然として高い、というと何か、それほど高くなくなりつつあるけれど、少しは高さが残っている、という印象を受けるから、依然としてというより、現在もなお極めて重要であるとか、そのぐらいにした方がいいのではないかと思う。ということで、私の案は継続でよろしいかと思うが、いかがか。

 

(異議なし)

 

委:よろしいか。それでは、いろいろ出た意見を直していただくということでお願いしたい。

 

2 現地調査について 意見交換
(委:委員発言内容、事:事務局、事業実施課発言内容)

 

委:やはり現地を見ると、いろいろと見えてくる。事業評価の前に、現地調査をやる訳にはいかないだろうか。どういうことだか、いつも最初にやらないのだが。

 

事:そこはおっしゃる通りで、本来であれば、評価の前に、現地調査を先にしたいのだが、暑い時期になってしまうので、猛暑の中、今日みたいなところを見ていただくのは大変厳しいので、それに代えて、ドローン等により現地の状況がよく分かるような工夫をさせていただいているのが実態である。

 

委:分かりました。暑さ対策とは意外であった。

 

事:過去には夏にやったこともあるが、やはり、皆さんに相当ご負担をおかけしてしまうので、そういう懸念もあって、代わりに今、ドローンなどで少しでも現地の状況が分かるようなことをさせていただいている。

 

委:いやいや、ドローンよりも絶対現場の方がいい。

 

事:おっしゃる通りである。

 

委:道路の改良のところで現場でも言ったけれども、現道の方を、やはり改良しないことには、その整備効果は十分に出ないと思っている。本件に関してはバイパスの事業効果が出るため、多分に出ているような気がするけれども。
 多分、その事業ごとに評価するという、事業評価の仕組みそのものに、課題があると思う。もう少し、その地域としてどうなのかという、面的に評価するシステムがないと、本当にいい事業というのはできないのではないかと思う。
 道路を地元に移管するにしても条件をつけるとか、そうやって改良をすることに補助をつけるとか、もう少しお金を出すことによってより効果が高まるということも多分ある。事業評価そのものの範囲の見直し等も、実験的にでもやってみるのもいいのではないかと思う。

 

委:久しぶりに現場に来させていただいて、やはりこれだけインターネットや様々な技術があっても、現場に行って、あと、やはり有識者の先生がリアルタイムで様々なことを教えていただけると、本当に立体的に現場が理解できるようになって、私は夏でもいいので、やっていいかなと思う。やめてくださいというような話ではなくて。
 今日も、今、委員が仰った旧道のところも、自分で通ってみて、向こうからダンプが来て危ないと思うだけで、説明を受けるよりも、1つの体験ですべて分かるということは、本当に重要なことだと思う。ただすべての事業についてこれをやることができないので、皆さんが様々なご努力をされて昔より進んでいるようにはなっていると思うけど、こういう現地調査みたいなものをどう組み込むのかは、今後の大きな課題なのかなと思う。
 私自身としては、どうするともっと良いコメントができただろう、という反省も含めて、今日はありがたかった。

 

委:準備から当日まで様々ありがとう。私は、現地調査は2回目で、前回の昨年度はものすごく凍えるような寒さだったので、今日は、まあまあ暑くてよかった。
 皆さんと同じで、現地はやはり大事だと改めて感じたのと、神奈川県には非常に財産があると感じ、どうしたら県民、市民に伝えていけるか、ということをずっと考えていた。
 特にこれらの財産の中にも、様々な見学ができる場所があって、私自身、茅ヶ崎出身ということもあって、ここ(相模川流域下水道左岸処理場)は昔おそらく見にきたことがあるのではないかと思う一方で、年間30件の見学では非常にもったいないなと思って、茅ヶ崎市内に学校は何校あるのだろうと、さっき調べたら、小学校20、中学校14、高校5、特別支援1の合計40校あって、もちろん市内だけではなくて、今、例えば学校では、子供たちがこういったことを知っておくのが、非常に重要なプロセスだと思っていて、特に文科省でも神奈川県でもSDGsを推進しているという文脈の中から、こうした見学というのも、子供たちの未来に向けて、非常に重要なのだろうと思う。ここは小学校の見学コースになっているということも含めて、是非、県内の他部署とかとも連携して、SDGsの観点からも是非発信をして、財産がもっと繋がっていって欲しいと思った。

 

委:現地調査も徐々にブラッシュアップされつつあり、事業を見るというだけではなく、カルチャー要素が今回も入っていたし、前回も酒匂川の文命堤の碑みたいなものとか文化が入っており、インフラは文化と背中合わせで一体であるべきだという、ある種の主張は、大変結構だと思う。
 この事業評価は、形式的には、継続するかしないかとか、事後評価がよかったかそうでもないか、そういうところにあるけれど、それはそれとしてやりつつも、様々なご専門の方もいらっしゃるから、事業は継続するにしても、この部分はもう少しよく考える余地があるとか、設計上ここはどうにかならないのかとか、植生はこういうふうにするという手はないのかとか、そういう様々なアドバイスをいただいている。
 そのアドバイスをいただくということはおそらく、紙ではなかなかできなくて、現地でないとできないので、何かアドバイスが欲しいというような事業を見学の対象にすると、委員がおっしゃったような意味で、より建設的な反映ができると思う。
 従って、ミクロな反映をする事業は見学して審査しつつ、一方で、マクロにとにかく淡々と書類審査すれば一応評価できる事業は机上で審査するというふうに手分けする。つまり、現地を見ないと判断できないとか、現地を見なくても判断できるとか、そういうふうに考えたらいいのではないかと思っている。
 それと、余計な話だが、今日の資料でも、B/Cの計算するときに社会的割引率4%を前提としてやっている所だが、国を上げて2%とか1%も併記して良い、ということになったので、これは要するに、金利がずっと安いからリアリティのあるものにしてほしいという、政治家からのリクエストに財務省もOKしたことなので、併記されたらいいと思う。
 そうすると、B/Cが1.02などのぎりぎりでいやだなという事業も、割引率1%で計算すれば1.5倍くらいになったりして、皆さんも自信を持てるので、是非そういうふうにされたら良いのではないかと思う。
 私からは特に内容についての意見はないので、お礼の言葉で終わりたいと思う。では、一通りお話したので、当局から何か、お答えや感想はあるか。

 

事:道路の現道の安全対策に関して、今2車線で歩道が無いところを、バイパスができれば交通量の7割ぐらいがバイパスに移って、交通量が減少するが、旧道に歩道を作るとなると今度は1.5車線的な車道しかできなくなり、安全性の確保が厳しいと考えている。バスの中からご覧いただいたとおり、現状の歩行空間が約60cmのところで、ポストコーンも何も置いていない現場だが、大型車がなくなれば、例えば赤いポストコーンみたいなものを立てることによって、そこに、狭いけれども歩道空間があるというような、少し注意喚起も含めた安全対策もとれるかな、というところもあるので、引き続き、地域にとってどういう安全対策がとれるか、バス路線でもあるので、その辺は市の方としっかり協議をしていきたい。

 

事:私どもは、バイパスを作って、新しい道路空間を生み出して終わりということでは当然なくて、既存の道路空間と合わせてどう使うか、というところが最終目標であり、それは先生がおっしゃられた通り、まずはバイパスにいかに転換させるか、というところを、地域や警察、市と一緒になってやっていく。そして、残った既存の道路空間をどう活用していくかというところは、速度規制をもっと厳しくかけられるかもしれないし、地域の声をいただければ、様々なことができると思っているので、そのような中で、バイパス事業をやりながら、既存の道路空間もどう生かしていくかというところを少しやっていきたい。今回の事業では少し長くかかってしまうので、ついこの間開通した古在家バイパスというところが、今、交通量が8割転換しており、この辺で少し、これからこの現道をどうするのか、8割転換した道路でどういったことができるのかということを少し頭の体操でやっていきたいと思っている。

 

委:今のところで少しコメントすると、例えば、川の事業だと、治水とか、利水とか、環境整備とか、別の事業と言っていいぐらい様々な方向がある。
 一方、道路事業は、大体、費用対効果分析のマニュアル自身が、基本的に渋滞対策を一番のメインに置くようにできている。実際に、作った時代が、とにかくそれが大事だという時代だから仕方ないのだけれど。でも、道路事業といえども、いわゆる渋滞対策的なバイパスもあれば、子供の安全がメインだという事業もあって、ミッションが違うのである。
 例えばこちらのミッションのときには、3便益を計算するのはほとんど大した話ではなくて、それよりも、地元の小学生なり中学生なりその関係者が安心できる空間にできるならば、事業効果として認めてもいいではないか、そういうものである。
 だから、ミッションは何なのかということを明瞭に意識した事業設計、事業計画という方向になるのだと思う。そんなことで部長からもお答えいただいているので、より良い方向に進んでいくのではないかと思った次第である。

 

(以上)

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