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更新日:2023年11月14日

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第4回みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議(会議結果)

会議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第4回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議

開催日時

令和3年8月3日(火曜日)9時45分から11時30分

開催場所

波止場会館4階 大会議室

出席者【会長・副会長等】

秋山 哲男、石渡 和実【副会長】、大原 一興【会長】、小野 和佳、金子 修司、河原 雅浩、鈴木 孝幸、滝澤 広明、吉富 多美〔五十音順、敬称略〕

所属名

地域福祉課 調整グループ

電話 045-210-4804(直通)

ファックス 045-210-8874

掲載形式

議事録

審議(会議)経過

(事務局)
ただいまから、第4回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議を開会いたします。まず初めに、県の地域福祉課長の垣中からご挨拶申し上げます。

(垣中課長)
皆様おはようございます。地域福祉課長の垣中でございます。
本日はお忙しい中、また、新型コロナウイルス感染症への対応等難しい状況の中、「第4回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議」にご出席いただきまして、心より感謝申し上げます。
さて本会議は、条例を常に時代に合致したものとするために、施行後5年ごとに条例の見直しを行うという、県庁全体の規定に基づいて行うものでございまして、これまでご議論いただいた見直しの結果につきましては、本日資料としてお配りしている条例見直し調書にまとめて、9月の議会に報告する予定でございます。
本日は、前回皆様からいただいたご意見をもとに、この条例見直し調書の事務局案を再度作成しておりますので、改めてご審議、ご議論のほどよろしくお願いしたいと思います。
令和元年秋から開催してきましたこの会議も、途中新型コロナウイルスによる中断もございましたが、本日の第4回が最後となります。委員の皆様方におかれましては、これまでの間、御多忙中にもかかわらず、多大なご尽力をいただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。
バリアフリーの街づくりを進めることは、高齢者や障害者、妊産婦の方だけでなく、誰もが暮らしやすく誰にとってもやさしい街づくりに繋がるものであり、県といたしましても、しっかり取り組みを進めて参りたいと存じます。
最後になりますが、県では、5年前に津久井やまゆり園で発生したような事件が二度と繰り返されないよう、県議会とともに、ともに生きる社会かながわ憲章を策定いたしました。
また、7月20日に行った追悼式では、鎮魂のモニュメントが設けられ、8月1日にオープンした新しい津久井やまゆり園は、障害者本人の望みや願いを第一に考え、本人の可能性を最大限引き出す当事者目線に立った支援を行っていく施設となっております。県はこの事件を風化させることなく、今後も共生社会の実現に尽力をして参ります。
これまでも皆様にこの憲章の普及にご協力をいただいているところですが、引き続きこの取り組みにご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いしたいと思います。
本日は限られた時間ではございますが、皆様から忌憚のないご意見をいただきまして、有意義な会議となればと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

(事務局)
本日の出席者は出席者名簿の通りとなっております。
なお、本日は公益社団法人商連かながわの石川委員、神奈川県旅館ホテル生活衛生同業組合の川口委員、日本チェーンストア協会関東支部の小山委員、公益財団法人神奈川県身体障害者連合会の西川委員、公益財団法人神奈川県老人クラブ連合会の福地委員、一般社団法人神奈川県建築士事務所協会の山口委員、社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会の渡邊委員は、ご欠席となっております。
なお、傍聴につきましては、本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の措置のために、傍聴は中止をしております。会議の終了後に、できるだけ速やかに会議結果をホームページに掲載いたしますので、委員の皆様におかれましては、ご協力をよろしくお願いいたします。
会議の公開につきましては、県は、できる限り会議の内容を公開しております。この会議も、議事録を作成しまして、発言者のお名前を記載して公開いたしますので、よろしくお願いいたします。
次に前列の事務局を紹介させていただきます。ご挨拶いたしました垣中地域福祉課長、松本地域福祉課副課長、高橋建築指導課副課長です。どうぞよろしくお願いいたします。
検討会議の事務局は、地域福祉課及び建築指導課の両課で担当させていただいております。どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは続きまして、本日の配付資料のご確認をお願いします。
まず、次第、それから、出席者名簿、座席表、資料、参考資料の1から5でございます。以上でございますが、不足等ございませんでしょうか。
なお、皆様のお席の前に置いておりますマイクは会議録を効率的に作成するための録音機器でございます。会議中皆様に操作をしていただく必要はございませんけれども、あらかじめご承知おきください。
それではここからの進行は大原会長にお願いいたします。

(大原会長)
はい。それでは、始めたいと思います。
今日は、最後の検討会議ということで、結論を出しますので、せっかく来ていただいた方には、きちんと最後まで責任を持って、見届けていただきたいなというふうに思っています。
前回もお伝えしましたが、この条例見直しは、県のルールに基づいて5年ごとに行っているものです。今回の資料になっている見直し調書の形にまとめて、提出することになります。
前回は見直し調書の素案をお出ししまして、その際に伺ったご意見をもとに、事務局で修正をして、最終案を作成しています。
それでは事務局の方から、資料の説明をよろしくお願いします。

≪事務局より資料説明≫

(大原会長)
ありがとうございました。それでは、条例見直し調書を中心に、ご意見をお聞きしたいと思います。

(秋山委員)
全体的によくできているという印象を持ちました。
それで、国土交通省の中で、ソフト基準とか役務の提供といった話が出てきているのですが、それがどういうところに、うまく収まるかというところが、少々足りないような感じがしました。
つまり、ソフト基準というのは、今までハードでやってきた部分が、それでも障害者にとって使いにくい。それを障害者に使いやすいように役務を提供するという考え方なのですが、役務の提供については、車両等、旅客施設、役務という3つのバリアフリー整備ガイドラインができていまして、その1つを担うものですので、ぜひそことの関係をどうやってつけるかを、少し見ておいたらどうかなっていうふうに思いました。
それが1つと、それ以外で、新しい時代の変化に対して、どうするかっていう議論が、あるかと思います。具体的には、トイレが今まで「多機能トイレ」という言葉だったのが、「バリアフリートイレ」に変わってきたということがあります。
車椅子使用者用のトイレと、子育ての人だとか、オストメイト、それらを総称して、バリアフリートイレと呼んでいるので、多分一番困るのが、例えば触地図などは、多機能トイレと書いてあるんですよね。触地図の作り替えを全部やらなくちゃいけないとか、そういう問題が生じてきます。ただ、私の見解としては、昨日成田空港と相談をして、ゆっくりやろう、あんまり慌てることないよという話をしています。市町村は恐らく、これを決めるか決めないかによって相当の投資を、お願いすることになると思います。
バリアフリーのトイレは2000年以前からできていたのですが、それを多機能トイレにして、東京都は「誰でもトイレ」とか、みんなが使えるようにした結果、トイレが車椅子使用者にとって使いにくくなった。だから、その使いにくくなったところを使いやすくするために、機能の分散という考え方を4、5年前からやり始めた。
その結果として、名前も変えないといけない、ということで変えただけの話なので、あまり国の言うことを真に受けて、市町村に負荷を与えるのもよくないなと私は思っていまして。それは県の自由だと思いますけれども、そこについてどうするかを考えておかないといけないなと。
ピクトグラムについても、どうつけるかという問題も出てくるので、それが1点ですね。
それから2つ目は、音声の案内等、触地図の問題。実は触地図についてガイドラインに1993年に提案して、それをガイドラインの中に載せようとしたら、いきなり法律の中に入ってしまいました。すると、それを市町村は全部条例化して、触地図をつけなさいということになりました。
しかし羽田国際ターミナルなどは、そもそも人的介助が中心ですので、触地図はいらないです。
いらないところに対しても触地図を付けろということを、例えば東京都の大田区は要求してくる。そういう、ちぐはぐな関係があります。
そして2000年に、触地図だけだと大変なので、音声案内を作っていこうということで、並列でずっと来たんです。本来は、触地図か音声案内かの、どちらか選択でいいんじゃないかという議論もあるので、そういう議論を神奈川県でもちゃんとやって欲しいと思います。
つまり、音声がちゃんとしていれば触地図はいらないよっていう議論もないこともない。そして触地図は汚くてさわるのが嫌だという人もいる。もちろん役に立っている人もいる。
そういう意味で、業界が成熟し始めているので、いきなりそれをやめるっていうとまた、禍根を残すこともありますので、障害当事者にとって非常に有効であるということと、施設管理者がやっていてよかったっていう、両方が一致するようなやり方がいいと思うんですね。
これから先情報化がありますので、例えばアプリで担当者を呼び出して迎えに来てもらうと、触地図や音声案内もいらないですね。むしろ情報のボタンがあればよい。
つまり、新しい時代に対応するためのやり方に対しても、もう少し選択肢の幅を広げることが条例には今ほとんどないので、そこについても、少しまともにやっていただきたいなというふうに思っています。
東京都も神奈川県もその辺は硬直化していますので、硬直化しないような条例の建て付けをぜひお願いしたいと思います。以上です。

(大原会長)
はい、ありがとうございました。
いくつかご指摘あったのは、適宜参考資料の方に加えていただきたいと思いますし、見直し調書自体の中では特に、そこまではいいのかなと思います。
今後、具体的にどうしたらいいかっていう、ガイドラインやマニュアルだとか、その辺の具体的な作業があるかと思いますが、この辺にもぜひ、柔軟に対応できるように考えておくということが大事かなと思いました。
一斉に全体を変えるというのはなかなか難しいので、長期的な戦略を考えながら徐々に浸透させていくというようなことも大事かなとお話聞いて感じました。

(河原委員)
見直しの調書について、有効性のところです。
「誰もがその人らしく生きる、暮らすことができる共生社会」という言葉がここに書かれていて、とてもいいと思います。少しそこに加えて欲しいと思っていることがあります。
普段は、人間らしく生きる、その人らしく生きる生活をするということができていても、何か災害起きた時は、それまでの暮らしが壊れてしまいます。
そんな時にも、安心できるようなことが必要ではないかと思いますので、安心して暮らすことができるような言葉を入れたほうがいいのではないかなと思いました。
それから、参考資料3の、7ページ、四角枠の中です。情報アクセシビリティについては、整備ガイドブックへの掲載検討を行うと書かれています。
資料4、2ページの枠の中については、情報バリアフリーについては、条例において、追記の必要性の検討や、整備ガイドブックへの記載等を検討すると書かれています。
そこのところですが、ガイドブックに載せすこといいのですけれども、それを見る人たちは、あまりいないか、専門職の特別な人ぐらいしか見ないと思いますので、やはり皆が見るような条例の文章の中に、一言そのことが入っていた方が、理解が広まるのではないかと思いました。
そのところをどのように皆さんが考えているのかお伺いしたいと思います。

(大原会長)
ありがとうございます。何らかの災害などの場合にも安心して、というようなニュアンスが生まれるといいということですけど、これは何か今すぐには案が思いつかないんですが、事務局として何かありますか。

(事務局)
ご発言ありがとうございます。誰もがその人らしく生き、暮らすことのできる共生社会づくりの方向性を明確に示すということの言及を、調書ではしていますけれども、災害等がひと度起きると、そういうことも難しいというところも踏まえて、安心して暮らすことができるというようなニュアンスを、どこかに加えてもらいたいという意見だったと思います。どのような形で入れることができるかどうか検討したいと思います。

(秋山委員)
緊急時、災害時という非日常的な扱いについては、それが起こったときに、人的対応で、代替しますという言葉が、一つあるだけでもよろしいのかなと思います。
とてもじゃないですけれども、色々のことを用意して、緻密にやることはできないと思いますので、人的対応がよろしいのかと。
それからもう1点、私自身の意見ですが、アクセシビリティのところの書きぶりについては、ユーザーに対しての理解を促進するための書き方と、もう1つは専門家に対してきちっと物を言わないといけない立場のものと、2つあるはずなんですね。
これが資料の中では混在していますので、ユーザーはこういう形になりますよっていうイメージをきちっと出していくことと、専門家に対しては、例えばJISにおけるWebアクセシビリティにおいては少なくともダブルAは守ってくださいねとか。ダブルAっていうのは、JISの中で、障害者の情報の対応は最低限ダブルAをクリアしなさいという規定がありますので、そういうことをきちっと言った方がいいと思うんですね。
そういう意味では専門性に対して、ここはあまり言ってないような感じがしますので、そこのバランスですね。
そしてWebアクセシビリティは、そういうダブルAでやるというようなお話と、それ以外に、あんまり画面の速度を速く動かすと、目がついてゆけないかたりすることもあるし、それから色覚障害者に対しては色の使い方とか動画の使い方とかそれぞれ、障害当事者に合わせたやり方があると思いますので、Webアクセシビリティについてだけでも結構大変な項目があります。
そうすると、情報アクセシビリティは、どんな機器に対してどのようなことをやるのかということは、あまりここでは具体性がないので、せめて今後開発すべき情報の、例えばWebアクセシビリティについてだとかアプリについてだとかいろいろあると思うんですが、それをどういうふうに書くかっていうのが、私も今のところアイディアはありません。
しかしそこのところを書く必要性があるなと思っています。以上です。

(小野委員)
私もこの参考資料4の災害時対応のところだったんですが、秋山先生がおっしゃったように、人的支援というところを入れていただくと、ここの部分を読む限りだとどうしても、情報保障だけに特化している感じがするので、肢体不自由の方々もいますし、避難行動支援という意味でも、人的支援というところは、きちっとフォローしていただきたいなっていうところです。ただ、秋山先生がおっしゃったように、災害時に対して100%の準備は、現実問題、難しいところはあるとは思うんですが。
例えば私も今、マンションの10階に住んでいるんですけど、地震が起きたらエレベーターが止まります。そのあと、人的支援が必要だと言っても、非常階段しか移動方法がないってなると、人員がそれだけ必要になるっていうことがあるんですね。
つまり何が言いたいかっていうと、ハード面のバリアフリーが充実していると、人的支援の選択肢もたくさん増えるし、例えば、人員が3人必要なところに、極端な話、非常階段ではなく非常スロープになっていれば、人員が1人いれば、助けを求められるということがあります。先々何十年、何百年かけて、ハード面を充実させることによって、人的支援の選択肢も増えるんだっていう視点も、やはり考えていって欲しいなとは思います。
ただ現実問題、今はこの形で収めておくことが、ベターかなと思います。

(秋山委員)
災害に対してどうするかというときに、どういう災害をどのタイミングでイメージして、その対策は、命を守る緊急時(72時間まで)にやるのかそれとも、復旧期(3日以降・生活支援など)にやるのか、それによっても全然対応が違いますよね。
緊急時はやっぱり揺れとか、水害の時に、タイムラインでいかに避難をしていくかとか、
それから火災についても、どのタイミングで避難するのか、そういう流れがあると思うんですけれども、3日間以降、復旧期になると、今度はライフライン系の対策が大切になります。
水とか食料をどうやって供給するか、それからトイレをどうするかとか、そういうお話ですので、それをイメージして、どういう書き方にするかっていうことを考えると良いと思いますが、人的支援をできるだけ情報収集をして行うかというやり方になるんだろうと思います。
例えば、板橋区のある地区において、1万人ぐらいの人口のところで、55人の避難ができない障害者の方がいた。そうすると、その55人を助ける手だてをちゃんと人的に考えないといけないよというのが、その地区の役割です。
そういうプランニングを普段からやらなくてはいけないというふうに思っていまして、そこのところをちゃんとやるイメージを伝えることをこの資料を読んだ人がわかるように書くのが一番いいですね。

(滝澤委員)
これまで先生方からの色々なご意見を踏まえて、見直し調書の案のところで、確認の意味を含めてお聞きしたいのですが。
条例の概要とか検討の内容を見ていると、ハード面の条例内容になっているのかなと思っていて、先ほどの秋山先生のご意見を伺っている中でそう思ったのですが、ソフト面のところが、ほとんど記述が入っていなくて、これをどういうふうに伝えるのか。条例ではハード面に限定されるのか、或いはちょっと工夫をされて、どうソフト面を盛り込んでいくのか。
国のバリアフリー法の改正の中で、心のバリアフリーなどソフト面にかなり入ってきています。障害者差別解消法の中においても「合理的配慮」についてしっかり明記されていて、今回、事業者の方には、「合理的配慮」が努力義務から義務化に法改正されています。
そういった動きがある中で、今回の条例の改正をどこまで取り込むのか、明確にした方が良い気がします。その辺りの確認を含めて、お聞きしたいなということです。

(事務局)
ご意見ありがとうございます。本条例につきましては、調書の「条例の概要」にありますように、障害者等が安心して生活し、自由に移動し社会に参加することができるバリアフリーの街づくりに関して、安全かつ快適に利用できるよう整備を進めるための整備基準の遵守等の必要事項を定めている、というものです。
条例の目的としましては、最終的には社会に参加をしていくというところ、また、共生社会といった部分を目的として考えております。ただ、具体的な基準としましては、これは公共的施設、建築関係が主になりますけれども、そちらの整備基準の遵守といったところが、主な内容部分になっています。
ただ、バリアフリー施策を進めていく上での、ハードだけではなくて、ソフト的な部分というのも、今すでに条文に記載がありまして、事業者の責務であるとか、県民の責務といったところにおいて、障害者・高齢者等が安全かつ快適に利用できるようにその施設の利用の妨げになるような行為をしてはならないとか、協力をするべきというようなところで、国のバリアフリー法の、令和2年の改正等で入ってきたような内容も、かなり多くの部分が、もともと条例の方には入っているという部分があります。
ですので、そういった部分をさらに膨らませるような形、そして国の法改正で、新たに追加された内容で、取り組むべき内容等も検討して、共生社会づくりの方向や、ソフト的な部分の記載を充実して、明確に出していこうというところが、今回会議の中では、議論のかなり主な部分になっていたというふうに認識しています。以上です。

(滝澤委員)
手元にいただいた条例をざっと眺めたら、ほとんどがハード面にかかる基準かなと思います。どこまでソフト面を取り組むのか、ある程度明確にしないと、見る側に混乱を招くような気がするので、少し気になりました。以上でございます。

(鈴木委員)
参考資料3、ページ7の「3 条例についての検討」という、項目の少し下に、情報アクセシビリティや、災害時対応に関する項目があるんですけれども。
ここで先ほど委員の方がおっしゃっていたように、まちづくりということで、割合とハード面で、色々なことが言われているわけなんですが、情報を受け取るとか理解するとか伝えるというところで、特に私たち視覚障がいのある者にとっては、このところの読書バリアフリーという観点からすると、いろんな情報をどのような媒体で提供するかというところが重要かなというふうに思っています。そこの具体的な記述がないので、条例の本編にというよりは、解説だとかそういったところで、やはり点字だとか録音だとか、拡大文字だとかっていうことの情報を提供する部分と、それから、色んな情報の中で、例えば選挙の情報だったり、市町村から出される通知だったりっていうのも、私たちにとっては情報という扱いというか、考え方になっているので、触れてもらいたいと思います。
そこら辺のところは、まちづくりとかっていうところだけに視点がいってしまうと、いわゆるバリアフリーというようなところからの観点がずれるので、情報という点では、公共施設や、そういった色んなところから出される媒体、紙媒体情報等のところのてこ入れをしていただくといいかなというふうに思っております。以上です。

(金子委員)
色々とお話をお伺いしていて、毎回設計のことに関しては、身につまされる思いがいつもするわけです。
それで、事細かく項目で決め事をしていくと、それを実際どういうふうに運用していくかとか、そういった考えになるわけですね。
今の論議の中でも、ハードのことはいろいろ言われているけれどもソフトがなかなかきちっと見えてこないんではないかというご意見が多いような気がしますが、ソフトは、やはりその決め事ではなくて、それぞれが理解をしていくっていうことなんだろうと思います。
専門家であろうと、それを受ける障害のある方であろうと、それぞれがどう理解するかということだと思われるので、ハードが一生懸命、頑張って作っていく。それを実現できるようにしていく。それを使う使い方に対しては、決め事ではないんじゃないかなという気がして仕方がないんです。
そういう中で、様々な条例とか、こういうことをやってきていますけれども、前にお話しましたが、達成率みたいなことが問われたりすることもあるわけで、本当に普通の社会生活を誰もが営めるために一番幸せなことって何だろうっていうのが、ついつい見えなくなってきてしまうことがあるんですね。難しいことがたくさんありますけど、今回のコロナ禍の問題があって、例えば、障害のある方にとってどう対応すべきなんだろうかってことはよく見えなかったりします。
それからさらに、これからパラリンピックが始まってくると思いますので、社会が、障害についてとか、こういう問題に関して、非常に目を向けている時なので、何か上手にこれを使って、今回のこの見直しをPRして訴えていくことが必要かなと。これは、いい機会ではないかというふうに今感じているところです。

(吉富委員)
条例見直しの中では、細かく言ってしまうと色々あるんですけれども、ソフトの面で本当に、なかなか書きにくい場所がすごくあると思うんですね。
資料の条例見直し調書の中で、有効性というところがありますけれども、その中で、4行目の「条例の目的として、誰もがその人らしく生き、暮らすことのできる共生社会づくりの方向性を明確に示す」などというふうにあるんですけども、その「暮らすことのできる」の前に、「安心して」という一文を入れることによって、受け取る側のソフトっていうのができてくるかと思うんですね。
それと、やはり先ほど金子委員がおっしゃったように、いろいろな場面を通して、見るというか、体験するというか、そういう機会を通さないと、なかなか理解には結びつかないというふうに思うんです。

(石渡委員)
福祉の分野は、やまゆり園事件から7月26日が5年ということで、色々イベントがあったりするんですが、昨日は、黒岩知事と知的障害の当事者の人が話し合うセミナーというのが、コロナで2回くらい延期されたんですが、昨日実現しました。そこでは、やまゆり園を出て、地域で暮らしている方の映像なんかも紹介されました。先ほど河原委員が、今回見直し調書の中に、その人らしく生き、暮らすっていう言葉が入ったのは、とても意義深いっていうふうにおっしゃったんですけど、イベントのなかで知事も何度も言っていましたけれども、施設の中にいた時とは全く表情も行動も違うみたいにおっしゃっていて、本当にそういうことができるなっていうのを実感したんですね。
それで、色んなお話があったんですけど、この神奈川県のともに生きる憲章について、当事者の方が5人ぐらいパネリストとしていたんですけども、皆さん「文章が難しくてわからない」ってことをおっしゃっていました。知事も、これは議員さんたちと行政で作ったから…みたいにおっしゃっていましたけれども。
やっぱりその情報アクセシビリティというところで、知的障害とか子供たちに向けての情報みたいなところは、ちょっとまだ足りなかったかなと思います。この間のアクセシビリティに関する話題の時には、聴覚障害とか視覚障害の方へのっていうのは出たんですけれども、知的障害の方とか、それから今、子どもについても、子供の意見表明権という権利条約が、児童福祉法の方でも、意見表明支援みたいな言葉が位置付けられたりするような、子供の考えそのものをきちんと社会の中で受けとめて、いう流れになってきているので、そういうアクセシビリティを考えなければいけなかったなということもちょっと感じました。
これからどこか、条例が変わるというよりは、むしろ色んなところで、今までのご意見の中にも出てきているんですが、非常時の情報提供の仕方というときに、図やイラストをうまく使うとか、本当にポイントを絞った表現にするとか、実際の場面で本当に、伝えなくてはいけない人に伝わるような情報について、行政として考えていって欲しいと感じました。以上です。

(小野委員)
委員の皆さんの話を聞いていて、ちょっと感じたことですが、やっぱりソフト面とハード面の、バリアフリー化をバランスよく、両方充実させるっていうことを考えたときに、この条例の障害者の定義が、いわゆる手帳を所持している方とか、そういう方だけではなくて、社会的障壁を感じている人たちが障害者であると定義しているということを、どのように地域に理解してもらうかが課題であると、今感じています。
そこがどうしても地域に浸透していないというか、障害者のための法律でしょうとか、障害者のための合理的配慮でしょっていうことで、結果として何か勝手なイメージですけど、その障害者を特別扱いするみたいな誤解が生じているように思います。
合理的配慮も結局、ありがとうと言い合いましょうとか、優しさとかそういうことではなくて、
思いやりは前提としてあるんだけれども、必要なところを同じ段階に持っていくために、お互いにサポートするということだと思います。そのやりとりの中で、当然ありがとうと言いあったりするのは人として別問題としてあるわけで、何かその辺の、誰もが取り残されないっていうのは、地域の人、県民の人全員を指してるんですよっていうことをどうにか伝えないと、心のバリアフリーとハード面のバランスが、うまく保てないなというふうには、皆さんの話を聞いて感じました。その定義がうまく理解されてないっていうところかなと思います。

(秋山委員)
小野さんのおっしゃる通りだと思うんですが。
合意的配慮というのは、障害者に対しての合理的配慮と、交通事業者に対してとか、建築事業者に対しての合理的配慮と2通りあるということを、まず皆さん認識されているかどうか。そこはいかがですか。
例えば、神奈川中央交通が、すべてのバス車両をノンステップにしなさいということは、財力があるからできると思うんですが、もし小さな会社だったらできないわけですね。バリアフリー対策をすべて実施すると、倒産しちゃう。そうすると、合理的配慮っていうのはそういう小さな交通事業者に対しては、努力できる範囲のバリアフリーを講ずればよろしいですよっていうような流れも合理的配慮の一つとしてあるんですよね。
だから、障害者に対してと事業者に対しての両方合理的配慮があります。これは、1990年のADAの中で、リーズナブルアコモデーションという言葉で、それを、私は違う翻訳をしていましたけれども、合理的配慮っていうのではなく、適正な対応とか、そういう訳をしましたけれども。つまりそこの、障害当事者が困らないようにしましょうという根本が理解されていることです。かし、事業者が倒産したら元も子もない、という部分も併せてご理解をしていただくというところが合理的配慮なんですね。

(大原会長)
一通り伺って、見直し調書の方に関しては、修正というか、付け加えるんであれば、有効性のところでしたかね。「誰もが、その人らしく生き暮らすことのできると」いうようなところに「安心して」というようなことを入れるというのが、具体的な提案としてはあったかなと思うんですけれども。
そのことによって、非常時への対応という対応というか、対策といったようなことも、浮かび上がってくるのかなという感じはしました。
それから、ソフト面での対応をどういうふうに、ここに入れ込んでいくかですけれども。具体的にこれから変えていく内容に関しては、そのあたりの考え方をうまく入れ込んでいくことができると思うんですが、見直し調書には、どういうふうに入れればいいかなというのは、ちょっと今思いつかないんですけれども。

(秋山委員)
有効性の一番下から2行目のところで、「これらの一連の改正を通して、より有効で、きめ細かい対応が普及するよう、バリアフリーの街づくりを進める必要がある」という文章のちょうど真ん中にある「きめ細かい対応」の直後に括弧して「人的支援も含む」と。そういうふうにすれば収まるかもしれません。

(大原会長)
はい。ちょっと検討していただければと思います。
人的支援について、「きめ細かい」っていうより、ざっくり言うと、合理的なってことになるのかもしれないんですが、その場に応じたとか、その場の最適な方法を適正に、そういったニュアンスが入るということですね。
きめ細かいっていうと、細部にわたってというようなことになるけど、そうではなくて、その場合に応じた必要な対応を、きちんとソフトハードを鑑みながらやっていくっていうような意味合いのことをここに入れられるといいですね。
とりあえず今、「きめ細かく適正な対応が」ということで言葉を挟みたいと思いますけれども。
見直し調書の方は、このような形で出していくということで、今まで意見が挙がっていたような内容に関しては、具体的に条例の中身にどう入れていくかっていう議論がこれから始まるわけですけども。
条例そのものというのもあるし、それに沿った実際の運用をする上での、ガイドブックに反映させるという選択肢があるわけですけど。今まで挙がったようなご意見とか、視点をどう入れていくか、多岐にわたっているのでちょっと一言では言えないんですけれども、そういう形で対応させていただければいいんじゃないかなと思います。

(金子委員)
大体話はよくわかりましたが、この調書の中の、効率性の出だしの「県民の利便性向上のため、事業者や市町村の効率的な事務運営の観点から」という部分が、何となく違和感を感じるような表現かなという気がしますが、どうでしょうか。

(事務局)
今、金子委員のおっしゃられた点、多分違和感があるのは、県民の利便性向上のためというと、それが目的というふうな接続の仕方になっているのに、その後、「事業者や市町村の効率的な事務運営の観点から」と繋がっているというところに、理由があるかと思っております。
「県民の利便性向上や」とか、並列に繋がるような形にすれば、うまく繋がるのかなと今のご意見を受けて感じた次第です。「県民の利便性向上や、事業者や市町村の効率的な事務運営の観点から」ということで両方の意味合いがあり、いくつかの市町村については、特定行政庁として条例に基づく事務の移譲をしているという状況がございます。

(滝澤委員)
今の話を聞いていて、思ったのですが、「事業者の効率的な事業運営の観点から」は、事業者サイドから見ると突っ込みすぎなという気がして、「事業者」という言葉はいらないと思います。もし違う観点で見ているのであれば、もうちょっとわかりやすい表現がよろしいのかなと思います。以上です。

(事務局)
効率的な事務運営の観点から、というところに事業者が入っているのは、ちょっとそぐわないのではないかというご意見ですかね。事業者でなくてもいいんじゃないかと。
ご意見を踏まえて、書きぶりについてはもう一度ちょっと検討したいと思います。

(秋山委員)
効率性の欄は書かないっていう選択肢はないんですか。
この条例の見直しには、効率性という言葉があまりそぐわないような気がします。そういう意味で、効率性は追求してないというような言い方はあるんじゃないでしょうか。

(石渡委員)
今の、効率性にも関わるかなという気がするんですが、先ほどからこの人的支援というのが話題になっていますけれども、JRの門司駅の裁判が起こっていて、神奈川県はあまり人がいないっていう心配をしなくて、いいのかもしれないんですけれども。
色んなものが機械に置き換わっていく中で、本当にちょっとした心遣いとか、一言あればみたいなのが難しくなっていることも、考えないといけないように思いました。

(秋山委員)
例えばここの効率性のところは、福祉の街づくりが持つ特有の環境について記述するという言い方もあると思うんですね。
これに合わせるんだったら、効率性というのは、障害当事者がたくさんいて、なかなか障害当事者に、わかるように説明するようなことができないわけですよね。効率性とは逆の方向に行くわけですけれども、そういう人達にもご理解いただいて進めるのがここの街づくりですので、
どうも効率性と相反する方向なのかなという気がします。

(事務局)
委員の先生方のおっしゃる通りかと思います。内容としては本当に効率性とは逆の方向という部分が大いにあると思います。
ただこの検討の視点自体は、県庁全体でこの視点に基づいて検討しなくてはいけないというところがあるので、今、効率性についてここに書いてあるのは、条例の実際の手続き的な部分、建築に関する事前協議とか、そういったところについて着目して、手続き面で効率的にやっているというところを書かせていただいています。実際の条例の中身としては、むしろそういう効率性を追求するというようなものでもないのですが。

(河原委員)
効率的という言葉の話があって思いついたのですが、効率かどうかわかりませんが、評価の部分です。これだけ手間をかけて作った条例が後になって、当事者から使いにくいと、そういう声が出てくる。そういったときに、どのように直していくかという面も、必要じゃないかと思います。
効率的に運用していくためには、評価の方法として何か、当事者が評価できる仕組みがあった方がいいのかなと思います。それについて、この効率性のところに入れたらどうかと思いました。

(秋山委員)
今の意見のあった当事者の評価については、国ではすでに、2年近く前から始めていまして、評価会議という形でやっています。
それは全国9か所の運輸局ベースでやってまして、年1,2回、障害当事者にお願いをして、様々な意見をまとめて、次の政策課題につなげていくっていうことを、もう2年間ぐらいやってます。
実はこの神奈川県の福祉の街づくりに関連する部分も含んでしまっているということで、そことどう棲み分けをするかということも、改めて考えないといけない。やらないよりやった方がいいと思いますが、そういう部分も現在動いています。

(事務局)
ありがとうございます。今、神奈川県におきましては、みんなのバリアフリー街づくり推進県民会議という会議体を持っておりまして、新型コロナの影響で、この1,2年は、活動がなかなか難しい状況がありますけれども。その県民会議としての活動ということで、広く普及啓発活動を自分たち自身が進めようということで、イベント等をやったりとか、先進事例を見に行ったりということもやっています。
同時にその会議の場を、県としても、おこがましいですけれども、活用させていただいて、その時々で、皆さんから今求めていること、これから自分たちが必要だと思っていることについてご意見をいただく、或いは県の施策の情報提供をさせていただきながら、ご意見をいただく等々というやりとりの場を、年に2回持たせていただいております。この条例の見直し検討ですけれども、今後これを運用して、取り組みを進めていく時には、やはり引き続き、県民会議の皆さんに、色々ご意見を伺いながら、取り組みを進めていきたいというふうに思っています。以上です。

(大原会長)
それでは一応一通り、いくつかのご意見が出て、見直し調書に関しては、今の効率性のところは、今こういうような形で、効率的に運用しているということで、必ずしもその効率性を追求するということは書いていないので、その辺は案の書きぶりでも許されるかなというような感じがしました。
ということで、とりあえずこの見直し調書は、先ほど意見のあった、ちょっとした加筆部分があるかもしれませんけど。大体これで確定させていただくということでよろしいでしょうか。
それで、いただいた意見とか、様々な視点がありましたので、その辺はまた記録として残す。それから、今後の具体的な、条例改正や、ガイドブック作成というようなところで、生かしていくっていうようなことになるかと思います。

それでは、次に事務局から参考資料5について説明していただいて、残りの時間は、言い残したことなんかを、ぜひ皆さんから、伺っていきたいというふうに思ってます。
まずは、参考資料5の方、説明をお願いします。

≪事務局より参考資料5について説明≫

(大原会長)
ありがとうございました。今まで出てきた意見を、こんな形で、見直しの具体的な作業とかに引き継いでいくということだと思います。
この辺を補足していただくような形で、ぜひ皆さんから、こんな形でさらに進めていって欲しいという願いですね。話していただければと思っています。もちろん、この今の資料の、ご質問なんかでも構いません。

(秋山委員)
認知症についてどうするかっていうことについて、福祉の街づくりでは全く無力なんですね。
多様な認知症について、4月から10人ぐらいずっとヒアリングを重ねてきたんですが、かなり個人差が大きかったり、対策についても個別性が大きかったりということがあります。そして、アルツハイマーのケースと、脳血管の場合と、レビー小体型と、対応がちょっと違う感じがするんですね。
ぜひ、神奈川県でやっていただきたいのは、地域の中で徐々に認知症になっていく、軽度認知障害(MCI)と言われている段階から情報を掴んで、対応についてアドバイスできる制度を作られたら、街づくりとして非常に有効なんじゃないかと思います。
放っておくと、個人の責任ということで、老夫婦のどちらかが認知症になっちゃったり、両方認知症になっちゃったりすると、身動きが取れなくなる可能性がありますので、そこを、地域包括ケアがやられるとは思うんですが、何らかの形で地域の人たちもそこに参画してやれるような体制がつくれるとよろしいかと思います。つまり、顔見知りをできるだけ多くつくることが、戦略として結構有効なんですね。
今回の新型コロナじゃないですけれども、人流を止めれば完全にオッケーなんだけれど、人流は止められないみたいなところがありますけれども。じゃあ認知症についても、やはり顔見知りで解決できるかっていうと必ずしもそうではない。
従って顔見知りは最低条件だろうというふうに思うんですが、もし認知症になった場合の駆け込み寺みたいなところも含めて、その辺の地域の情報を、福祉の街づくりの方からも、下ろしていくっていうやり方をとっていただくと、効果的な部分が多少あるんじゃないかと思います。以上です。

(小野委員)
まず1つは、私自身福島県出身で、東日本大震災を地元で経験しているので、個人的な希望になってしまって、こういう場ではそぐわないかもしれないんですけど。災害に強い条例っていうのもチャレンジしていって欲しいなというふうに思います。
当事者とか仲間内とかでも話していても、結局、甚大な被害が起きてしまえば、どうにもならないよねっていう結論で終わってしまうことが多いし、想定外の災害が起きた場合は、それは現実問題、そうなのだろうとは思うんですけど。
繰り返しになりますが、やっぱり選択肢が多ければ、少しの人員でも、いろんなサポート方法とか、避難行動とか、幅が広がるので、それは神奈川独自の魅力として、災害にチャレンジしていくっていうところは、将来的に考えていただきたいなっていうことです。
災害に関連してもう1つは、いつの間にか在宅避難というものが全国的に主流化されているということがあります。自宅が無事であれば在宅避難も1つの手段ですよっていう。
一障害者の気持ちですけど、当事者の思わぬところで、取り残されたと感じるところがあって、在宅避難を徹底的に、推進されると、自分たち避難所に行っても迷惑かけるだけかな、結局在宅にいてもらった方がいいっていうことなのかなと、取り残されているような感情を抱くときがあります。在宅避難も一つの方法だけど、避難所で避難生活をするっていうことも、避難の一つであるっていうことは、守っていただきたいなっていうところです。
災害に強いということの実現に関して、この条例が適しているかというと難しいかもしれないですけど、災害に関してももう少し具体的に、将来的には検討していただきたいと思いました。
もう1つは、私は、最近はあんまり使わなくなったんですけど、バスを利用していて、バス停で、屋根がきちっとついていて、雨風がしのげるようなバス停が増えてきている一方で、広告を掲示できるようなバス停も、増えています。すごく景観は良くなって、魅力的だなとは思うんですけど、広告を掲示することによって、バスの乗降口に合わせた幅で、バス停を作るので、運転手さんがうまい具合にバスを止められないと、スロープが上手に下ろせない場合があります。幅が合わなくて、路上で、バスを前に動かしたり、後ろに動かしたりを何回も繰り返すみたいなことが結構あったりして、そういった時に、何が言いたいかっていうと、障害当事者と、乗務員さんとのやりとりになっちゃうんですよね。
合理的配慮には、やはり調整っていう意味合いもあると思うので、当事者同士で解決するっていうことだけではなくて、何か第三者が入って、こういう方法がありますよっていう、お互いに相談できるような仕組みがあると。無駄な抗争を生まないんじゃないかなと感じていました。合理的配慮についての、事業者が相談できる窓口みたいなのもあるといいのかなと感じております。
あと最後もう1点は、みんなのトイレ。秋山委員がさっき冒頭でお話しされていたように、このトイレのあり方についてはもうちょっと、みんなで詳しく議論していきたかったなっていうふうには感じています。
私は福島県出身で、神奈川に来てまだ数年なんですけど、みんなのトイレのシールが、貼られているようなトイレを、公共の施設とかで何ヶ所か使わせてもらったんですが。整備要件を満たしているからみんなのトイレシールが貼られているわけなんですが、やっぱり、ちょっと使いづらいトイレも結構あったりします。
トイレのあり方については、肢体不自由だけではなくて、内部障害がある人にとってもすごく大切な部分なので、トイレをどうしていくかっていうことと、そのトイレのバリアフリー基準ですね。鉄道会社の多目的トイレとかに多いんですけど。機能を集め過ぎて、広さが確保されてないので、跳ね上げ式のベッドが倒れたままの状態になっていると、車椅子の、便座までの導線がふさがれているようなトイレも結構あったりするんですよね。
バリアフリーっていうのは、設備を充実させるだけじゃなくて、やっぱりその人が利用するための動線も含めて、しっかり確保されていけないといけないんだよっていうところも含めて、トイレの名称が今後変わっていくっていうのもきっかけに、トイレのあり方をもうちょっと考えていけたらなっていうふうに思いました。以上です。

(河原委員)
お話を聞いて気が付いたのですが、合理的配慮については、当事者と事業者の間での話で解決するという方針になっていますが、私たち耳が聞こえない立場でいうと、その話自体がやりづらいのです。
その場で何か問題があって、言いたいことはあるんだけれども、聞こえないからなかなかコミュニケーションができない、うまく伝わらない。結局はもう諦めてしまうという例もたくさんあります。
情報がないために、こういう事があるということ自体を知らないままの人もたくさんいると思います。その辺りもやはり情報の重要性と、聞こえない人がきちんと不満や要望を事業者に出すことができる。そういうシステムが欲しいなと思っています。
もう1つ、神奈川の「ともに生きる社会かながわ憲章」がありますが、位置付けがよくわからないのですが、法律はなく、条例でもない。どういう位置付けなのか曖昧なので、憲章をもとに、きちんとした有効な条例を何か作る必要があるのではないかと私は思っています。個人的な意見ではありますが。

(石渡委員)
先ほど秋山先生がお話しされた、認知症の方のことに関連するんですが。
福祉教育っていうのは、その教室でお勉強して学ぶものではないなっていうのをつくづく思っています。本当にこの日々の生活の中に、認知症の人とも障害がある人とも、外国籍の人ともこう触れ合うような、そういう生活体験を、教育、学校の中では、何かこうさりげなくそういう体験をして、本当に認知症の人のこんなところが発見できたね、というような、生活体験と教育がうまく結びつかないと、本当の意味での理解には繋がっていかないような気がします。そういう意味でも、顔が見える環境を作るっていうのは、どういう場合でもすごく大事なので。
それで、その共生社会のあり方について、今条例でもないし法律でもないしと河原さんの意見もあったんですけど。例えばその、行政の計画の中に位置づけるようなやり方もあるのかもしれないんですが、共生社会をどういうふうに考えていくかといったことは、県のレベルではすごく難しいと思うので、市町村レベルで、地域をどうっていうようなところに、県としてどんなふうにバックアップをしていくかというような支援計画になっていくとは思うんですけど。
憲章ではなくて、具体的に力を発揮するような仕組みみたいなものは、ぜひ考えていただきたいと改めて思いました。

(垣中課長)
ご意見ありがとうございます。今、憲章についてのお話がございました。今回、条例見直し検討会議ということで、条例の改正の必要性について、まず議会報告していくということになります。それが今回の資料になっている、この決まった様式の中で表現していくということで、様々ご意見いただきましてありがとうございます。
今回の条例改正のポイントとしては、今お話のあった憲章の理念ですよね。共生社会とか、そういったものを、今の条例はあまり明確に書かれてないっていうような印象を持っておりますので、そこを明確にしていくのが、今回の条例見直しの一つの大きなポイントかなと思っております。
これまでの会議の中で、先ほども人的支援の必要性だとか、アクセシビリティの話がございました。そういった条例の下に入ってくるような規則とか取り組みとか、そういった部分で具体的なご意見をたくさんいただくことは非常にありがたく調書の中では、落としていったところでございます。
今後、これを使って議会にも、こういった理由で、条例改正が必要だという説明をしていくわけですけども、いただいたご意見を参考資料の中でも、逐次反映して参りましたけれど、大変貴重なご意見ありがとうございました。こういった中で、私の方からも、議会に対して、考え方を説明していきたいというふうに思っております。
憲章についてですが、憲章って別に条例でも、法律でもなく、言い換えれば、宣言みたいなものですけども、その理念は非常に大事ですので、それは条例の、理念のところにもしっかり書き込むし、計画の中でもしっかり書き込んで、これが神奈川県の福祉の基本なんですよっていうところを明確にしていきたいと思っております。
今後、この条例具体の中身とかを検討していくんですけども、いただいたご意見をしっかりと受けとめてやっていきたいと思っておりますので、その旨をご了解いただけばと思っております。

(鈴木委員)
心のバリアフリーについて、色々お話がある中で、最近思っていることです。鉄道会社さんは、
声かけサポートっていうのを駅の構内放送で結構流されて、声をかけられたり、色んなことで便利になったなと実感してるんですが、バスの車内放送では、横断歩道で信号が青になったら声をかけましょうというのが無かったりするんですね。
だから、やっぱり交通機関では、鉄道だけではなくてバスなんかも社内アナウンスを流していただくことで、街中での、声かけサポートのような心のバリアフリーを進める一環としては、いいのかなと思います。
最近、バス車内での色んな放送を上手に活用したらいいだろうなというふうに思っていましたので、具体的にどうこうってことはないんですが、もしバス会社の方達に向けて、こういうふうに言っていただけるとありがたいかなと思うところです。以上です。

(大原会長)
ありがとうございました。
先ほども幾つか具体的なご意見等をいただいて、話が幅広かったので、まとめられませんのでまとめませんが。今回条例の見直しということで、いろいろ検討してきたわけですが、条例そのものの外側の部分も結構出てきたと。
先ほどお話があったように、共生社会づくりで憲章というものはあるんだけれども、条例だとか法律に当たるような部分がないとかですね。共生社会づくりだと、或いは社会参加とか参画だとかですね、そういうような意味合いの、体系みたいなものも必要なんじゃないかなと思います。
これは福祉だけの問題ではないんだろうと思うので、元々その辺りの必要性というか、全体の構成を県全体で、少し整理してもらうというようなところが、宿題だったかとは思います。
今回は見直しということで、条例の中に関しては、その理念部分をきちんと書くということですけど、これは、条例の外側のどことリンクするかってことがすごく重要で、その辺は、引き続き、県の方で検討していただく、ということはお願いしたいと思います。
それから話の中では、日常が大事だって話と、非日常も大事だっていう話と両方あったかと思うんですね。日常的にはやはり日々、コミュニティづくりをしていくっていうことが、福祉の街づくりでは基盤になるというか、支えになる部分だと思いますので、その辺を促進していく、日常性を強化していくっていうことと、一方で、何かあったときに困らないということですね。
もちろん災害というような、外部から来るものもありますが、人間ですから、内部からの変化もあって、先ほど認知症なんていうのはまさにそうですね。高齢になってくると発症率が高くなってくるわけで。
そういう変化に対して、どうそれを対応していくかっていう。非日常に対して負けないというか、レジリエンスっていう言葉がよく言われますけれども、そういう、打たれ強いというか、そういうようなところもまた重要になってくるという話があったかと思います。
だから、条例の中でどうやって入れていくのかは難しいんですけども、これはぜひ皆さんと色々と理念とか、その考え方みたいなものを共有していくっていう意味で、ぜひ、ガイドブックなどで、それからそれを具体的に、教育という言葉がいいのかわかりませんけれども、みんなで一緒に考える機会を作っていくっていうような、普及をしていく方法っていうのも、これから力を入れてやっていかなきゃいけないんじゃないかなと思いました。
ということで、多面的な色々なご意見が出てきたというのは非常にいいことだと思いますし、これがまさに色々な垣根を払っていくという意味でのバリアフリーかなというふうに思いますので、ぜひ、続けてこれを深めて具体化していくことでお願いしたいと思います。
見直し検討のこの会議は、一旦ここで終わりにして、ここから先はこれを具現化していくという作業に入っていくと思います。コロナもありまして期間が長くかかっちゃいましたけれども、長い間ありがとうございました。事務局の方にお返ししたいと思います。

(事務局)
ありがとうございました。事務局から最後に、条例見直しに係る今後の想定スケジュールについて、改めて参考にお伝えをさせていただきます。
お手元の参考資料2、今後の条例見直しスケジュールをご覧ください。
太枠で囲っている部分が今回の第4回会議になっておりまして、条例見直し検討結果を、来月9月の県議会常任委員会で報告をいたします。条例の改正を行う必要がある場合は、検討結果の報告から、原則1年以内に改正議案を提出することとなっています。
また、条例や規則の具体の改正内容については、今後、別途会議を立ち上げた上で、検討を進めていくことになります。記載のスケジュールにつきましては、現時点での予定であり、今後変更となる場合もございますが、この後、12月より条例の見直し会議、来年の3月より規則の見直し会議を開催していく予定です。概ね1年間をかけて、具体の見直し内容を固めていく流れになっております。

それでは、以上をもちまして、第4回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議を閉会させていただきます。本日はご多忙の中、ご出席をいただきましてありがとうございました。

 

会議資料

次第(ワード:31KB)

資料 条例見直し調書(ワード:32KB)

参考資料1 第3回会議出席委員発言要旨(エクセル:20KB)

参考資料2 今後の条例見直しスケジュール(ワード:29KB)

参考資料3 条例の見直し検討について(ワード:46KB)

参考資料4 条例の見直し内容の方向性について(ワード:47KB)

参考資料5 会議を通して(議論経過まとめ)(ワード:21KB)

 

 

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