神奈川県水産技術センターコラムno.33

掲載日:2019年11月1日

2019年11月1日号

1 今年の台風に思う(船舶課 田島良博)

2 台湾のサメ料理(企画指導部 臼井一茂)

1 今年の台風に思う(船舶課 田島良博)

 今年は知事選の年だったので、6月1日に定期の人事異動がありました。その際、本人にとってはかなり意外でしたが、私は船舶課長を命じられました。
船舶課は、船舶2隻と漁業無線局を擁する比較的大きな所帯です。私に務まるのか、5か月弱を経過したこの原稿執筆時点でも不安に感じているところです。
 さて、まだ台風19号の被害が生々しい傷跡を残していますが、15号に続いて関東でも大きな被害が出ました。昨年、西日本を中心に大きな被害をもたらした台風21号の記憶も色濃く残る中、強勢な台風の恐ろしさを改めて実感したところです。
 9月の台風15号では、漁業無線局の送受信所(庁舎からは離れたところにあります)で、大きな鉄塔に張った通信用のアンテナが切断されました。19号では船舶や無線局に顕著な被害はありませんでしたが、船舶や無線の職員が夜を徹して警戒に当たりました。
 近年、台風が強い勢力のまま関東付近に接近する事例が増えているように感じます。暑い時期が長くなったり、雨の勢いが強くなることで、最高気温や降水量といった観測記録を毎年更新していることからも、気候変動は現在進行形の脅威です。まだ自分の中では、気候変動の影響をもっと先のことと甘く見ていた感がありましたが、今年の相次ぐ台風の襲来で、その認識を改める必要を感じています。
 子供の頃は、台風の接近を「非日常的な出来事」として、何かワクワクした感じで受け止めていましたが、今年の台風19号は、私自身初めて接近時点から恐ろしさを感じていました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
 読者の皆様は、今年の台風に何を感じましたでしょうか。

2 台湾のサメ料理(企画指導部 臼井一茂)

 台湾では、食材は新鮮獲りたてを利用します。朝食も昼食も、そして夕食も安くて美味しく出す飲食店が一杯で、さらに屋台や専門料理店が多く、実に魅惑の食地域です。
町の小さな市場でも、豚さんや鶏さんも、皮や毛を処理されたその姿が、見る見るうちに部位別に分けられて、店先に吊り下げられ、さらに奥では豪快にバンバンと切り分けられお客さんの大量注文に応えています。特に冷やすことなどをしていないのですが、自分には鼻に付くいやな匂いは感じられず、山積みにされているお肉や内臓たちも、逆に清潔にさえ感じられます。もちろん野菜や果物も、きれいに山積みにされた陳列は、それはそれはじつに美味しそうに見えるのです。

 さて、最近は台湾在住者の食べ歩き日誌をネットで探しているのですが、その中におじいさんたちが旨そうにサメで一杯やっているという記事が時々あるのです。有名な海鮮料理店でぶつ切りされたギンザメが並び、酒蒸にされたり炒め物や揚げ物になったりしています。台北市外れの夜市では、くん製にされて皮も魚肉も多く含むコラーゲンの食感を活かしたおつまみになったものを堪能しました(ギンザメを堪能!!:2016年8月5日No.500)。
 しかし、ネットを見てみると、古代魚のギンザメではなく、オナガやアオザメなど様々な大型のサメも水揚げされ、それらの身は魚丸玉というすり身団子(おお~っ、ジューシーな魚肉団子だ「魚丸湯」!!:2018年4月8日No.14)にしたり、腹や頭部などの端材については、蒸してくん製にして食べられているのです。さらに調べてみると、すり身の麺まであるというのです。
 ということで、さっそく格安LCCで台湾に向かい台北市の南部にある大きな市場に。
4時にホテルを出てタクシーで向かうと20分で到着。いつもは汗だくの暑い台湾も25℃程と過ごしやすくなり、市場の散策には実に快適な状況。この市場には水産棟と野菜果物棟があり、場外には畜産関係のお店が一杯。私の大好きなバナナも、赤色をしたむっちり「モラード」からモンキーみたいな「旦蕉」、黄色いのから緑色までたくさんの種類があり、少しずつゲットし行動食に。お隣の水産棟に行ってみると、カラフルな鮮魚や活魚、上海ガニや様々な貝類、イカ類がたくさん。さらにその奥に進むと業者用のフロアーにでっかいカジキが丸太のように転がり、その近くに目的のサメ屋さんが。転がってたのは少し猫背で白っぽい。ヒレは小さ目だし、水族館で見るシロワニかな。既に頭部と尾部、内臓がとられているのでよくわからないけど。それを60cmほどの細長いナタのような包丁
で輪切り、輪切り、そして、その場で売れていく。身や骨からは血も出ず、少し硬直して硬い感じ、冷凍ではないようだけど。
 一度ホテルに戻ってから、サメの薫製が有名なお店に。航海・漁業の守護神媽祖を祭る「慈聖宮」近くの涼州街にあるとのことで、ブラブラと歩いていくと、ポツンと1台の屋台に「鯊魚:サメ」の字があり、無防備な3段のガラスショーケースに何やら揚げ物のように並んで置いてある。近づくと7、8種類のどこの部位か分からない加熱された魚肉や内臓、白子のようなものが並んでおり、キョロキョロしてたらお店の若いお兄さんが、「サメのくん製ね、美味しいよ。これ(総合)が色々と入っているやつよ。」と。ではそれを1つと指さすと、道向かいのガラスに店名などが張り巡らされたクーラーの効いた部屋に案内され、直ぐにビールは?と聞かれたので1本頼むと、このお兄さんがビール瓶を持ってきながら親指を立ててニヤリ!!まず、腹下の身は皮つきで全体がコラーゲンで補
強されている感じ、独特の風味は韓国のコムジャンオ、ヌタウナギに通ずる程よい旨味がぎゅっと。内臓だと言っていたコリコリのものと、白子みたいな柔らかくて味わいが深いものも実にうまい。ビールでいける。もしかしたら焼酎の方がいけるかとも、確かに一杯いける味わいだ。下処理せず加熱温度が高いと魚独特の繊維質のボサボサした感じが出るが、ここのサメは緻密な繊維質と分かるのだがボサボサ感が無く、もちろん臭みやえぐ味などは皆無で、そして豊満な味わいにほんのり燻しの香り。食感から想像するに、下茹では通すぐらいで、じっくり蒸してあるようだ。皮つきなのでそのザラザラだけ下処理して、蒸し温度と時間だけ分かれば作れそうだ。ちょっと聞いてみたが、40分とも2時間とも言っていたが、部位ごとに違うのか、よく分からなかったのでスチームコンベンションオーブンで調理加工してみないと分からないかな。
 日本だと「にこごり」とか、魚肉の形状が無くなる料理が多いけど、今なら真空低温調理も、1度単位で調整できるスチーム加熱も、もちろんくん煙は低温から高温にできるし、匂いの種類から色付けまで色々な方法がある。この台湾で食べたサメの冷製風のくん製と歯ごたえのある餡入り魚肉団子は、ぜひとも名物にしてみたい。平塚ではサメがよく獲れるというので、名物になるような製品を開発してみようかな。来年の七夕までに作れるかな。

台湾のサメのくん製、いろいろな部位の盛り合わせ

台湾のサメのくん製、いろいろな部位の盛り合わせ

スチームコンベクションオーブンで低温加熱した皮付きのサメ肉

スチームコンベクションオーブンで低温加熱した皮付きのサメ肉

 


本文ここまで
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