ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉 > 障害福祉 > 当事者目線の障がい福祉 > 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 ~ともに生きる社会を目指して~

初期公開日:2022年10月21日更新日:2024年4月2日

ここから本文です。

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 ~ともに生きる社会を目指して~

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 ~ともに生きる社会を目指して~ に関する案内ページです。

1 条例制定の経緯

平成28年7月26日、県立障害者支援施設である津久井やまゆり園において、19名の生命が奪われるという大変痛ましい事件が発生しました。県はこのような事件が二度と繰り返されないよう、県議会の議決を経て「ともに生きる社会かながわ憲章」を定め、ともに生きる社会の実現を目指すとともに、津久井やまゆり園の再生と当事者目線の障がい福祉の推進に取り組んできました。障がい者一人ひとりの立場に立って、その望みや願いを尊重し、支援者や周りの人が工夫しながら支援することで、障がい者のみならず障がい者に関わる人々の喜びにつながり、その実践こそが「当事者目線の障がい福祉」であるとの考えに至りました。このような認識の下、当事者目線の障がい福祉の推進が「ともに生きる社会かながわ憲章」の実現につながるものと確信し、本条例を制定しました。

(注釈)条例のリーフレット、逐条解説等も掲載しています。

2 条例の概要

(1)目的(第1条関係)

この条例は、当事者目線の障がい福祉の推進について、基本理念を定め、及び県、県民、事業者等の責務を明らかにするとともに、当事者目線の障がい福祉を推進するための基本となる事項を定めることにより、当事者目線の障がい福祉の推進を図り、もって障がい者が障がいを理由とするいかなる差別及び虐待を受けることなく、自らの望む暮らしを実現することができ、障がい者のみならず誰もが喜びを実感できる地域共生社会の実現に資することを目的としています。

(2)定義(第2条関係)

この条例における「障害」、「当事者目線の障害福祉」等の用語の意義を定めています。

(3)基本理念(第3条関係)

当事者目線の障がい福祉の推進は、全ての県民が、等しく人格的に自律した存在として主体的に自らの生き方を追求することができ、かつ、その個人としての尊厳が重んぜられることを旨として図られなければならないこと等、基本理念を定めています。

(4)県、県民、事業者及び障害福祉サービス提供事業者の責務(第4条~第7条関係)

当事者目線の障がい福祉の推進のための県、県民、事業者及び障害福祉サービス提供事業者の責務について定めています。

(5)基本計画(第8条、第9条関係)(クリックすると詳細をご覧いただけます)

知事は、当事者目線の障がい福祉に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、当事者目線の障がい福祉の推進に関する基本的な計画を定めなければならないこと等、基本計画について定めています。

(6)意思決定支援の推進(第10条関係)

ア 障害福祉サービス提供事業者は、意思決定支援の実施に努めなければならないこととしました。
イ 県は、意思決定支援の推進に関する必要な情報の提供、相談及び助言等を行うための体制を整備します。
ウ 県は、障害福祉サービス提供事業者に対し、意思決定支援に関する研修を行います。

(7)障がい者の権利擁護(第11条関係)

ア 障害福祉サービス提供事業者、障がい者の家族その他の関係者(イにおいてこれらを「関係者」という。)は、施設への入所その他の障がい者の福祉サービスの利用に際しては、障がい者の意思が反映されるよう配慮しなければならないこととしました。
イ 関係者は、障がい者が意思決定支援を受けることを希望する場合には、その希望を十分に尊重し、円滑に意思決定支援を受けることができるよう努めなければならないこととしました。

(8)障がいを理由とする差別、虐待等の禁止(第12条関係)

何人も、障がい者に対し、障がいを理由とする差別、虐待その他の個人としての尊厳を害する行為をしてはならないこととしました。

(9)障がいを理由とする差別に関する相談、助言等(第13条関係)

ア 県は、障がいを理由とする差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、相談体制その他必要な体制を整備します。
イ 県は、障がいを理由とする差別に関する相談を受けたときは、必要に応じ、次に掲げる措置を講じます。

(ア) 相談者に対し、助言、情報の提供等を行うこと。
(イ) 関係者との必要な情報の共有又はあっせんを行うこと。
(ウ) 他の地方公共団体への通知その他の連絡調整を行うこと。

(10)社会的障壁の除去(第14条関係)

ア 県は、その事務又は事業を行うに当たり、障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明がない場合においても、その意思を推知することができるときで、社会的障壁の除去についてその実施に伴う負担が過重でないときは、合理的な配慮を行うよう努めます。
イ 事業者は、その事業を行うに当たり、障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明がない場合においても、その意思を推知することができるときで、社会的障壁の除去についてその実施に伴う負担が過重でないときは、合理的な配慮を行うよう努めるものとしました。

(11)虐待等の防止(第15条関係)

ア 県は、市町村その他の関係機関と連携し、障がい者に対する虐待等の防止に関し、障害福祉サービス提供事業者への啓発及び研修を行います。
イ 障害福祉サービス提供事業者は、その従業者に対し、障がい者に対する虐待等の防止に関する研修及び啓発を行うよう努めなければならないこととしました。

(12)虐待の早期発見等(第16条関係)

ア 県は、市町村その他の関係機関と連携し、障がい者に対する虐待の早期発見のため、障がい者に対する虐待に係る通報に関する普及啓発を行います。
イ 県は、市町村その他の関係機関と連携し、障がい者に対する虐待の早期発見及び早期対応のための体制を整備します。

(13)障がい者の家族等に対する支援(第17条関係)

県は、障がい者の家族等の日常生活における不安の軽減を図るため、障がい者の家族等に対し、情報の提供、相談の実施、助言その他の必要な支援を行うものとしました。

(14)障がい福祉に係る政策立案過程への障がい者の参加の推進(第18条関係)

県は、障がい者の福祉に係る政策の立案に関する会議の開催に当たっては、障がい者の参加を推進します。

(15)障がい者主体の活動の促進(第19条関係)

ア 県は、障がい者主体の活動に関する県民等の理解を深め、その活性化を図るため、障がい者主体の活動に関する普及啓発その他の必要な措置を講ずるよう努めます。
イ 県は、県内において障がい者主体の活動に取り組む団体又は個人が、相互に連携し、必要な情報を共有し、及び協働することができるよう支援に努めます。
ウ 県は、障がい者主体の活動の促進に資するよう、国内外の障がい者主体の活動に関する情報の収集、整理及び提供その他の必要な措置を講ずるよう努めます。

(16)生涯にわたる障がい者への支援体制の整備(第20条関係)

県は、障がい者が生涯にわたり必要な支援を切れ目なく受けることができる体制の整備に努めます。

(17)高齢者施策等との連携(第21条関係)

県は、当事者目線の障がい福祉に関する施策の実施に当たっては、高齢者及び子どもの福祉に関する施策との連携を図ります。

(18)支援手法に関する調査研究(第22条関係)

県は、障がいの特性に応じた支援手法の確立を図るため、国内外の先進的な取組に関する情報の収集その他の調査研究に努めます。

(19)中核的な役割を担う拠点の整備(第23条関係)

県は、当事者目線の障がい福祉の推進に資するよう、障がい者の地域生活の支援及び社会参加の促進に関して中核的な役割を担う拠点の整備に努めます。

(20)地域間の均衡(第24条関係)

県は、当事者目線の障がい福祉に関する施策の実施に当たっては、障がい者に対する福祉サービスの地域間の均衡が図られるよう努めます。

(21)自立支援協議会の活動の推進等(第25条関係)

ア 県は、障がい者への支援体制の整備を図るため、障害保健福祉圏域ごとに協議会を置くとともに、その活動を推進します。
イ 県は、地域の実情に応じた障がい者への支援体制の整備を促進するため、市町村が置く協議会との連携を図ります。

(22)人材の確保、育成等(第26条関係)

ア 県は、障がい者の福祉に係る事業に従事する人材(イにおいて「従事者」という。)の確保、育成及び技術の向上を図るため、情報の提供、研修その他の必要な措置を講じます。
イ 県は、従事者の職場への定着を促進するため、就労実態の把握、情報の提供、助言その他の従事者の心身の健康の維持及び増進並びに処遇の改善に資するための措置を講じます。
ウ 県は、障がい者の福祉に係る活動及び事業並びに当該事業に従事することに対する県民等の関心を深めるため、広報活動の充実、当該事業の活動に接する機会の提供その他の必要な措置を講じます。

(23)財政上の措置(第27条関係)

県は、当事者目線の障がい福祉に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めます。

(24)施行期日等

ア この条例は、令和5年4月1日から施行します。
イ 知事は、この条例の施行の日から起算して5年を経過するごとに、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じます。

 

3 条例全文

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~(PDF:298KB)

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~(ルビ版)(PDF:513KB)

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~(テキスト版)(テキスト:14KB)

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~(拡大・ルビ版)(PDF:199KB)

4 条例検討の経過

条例骨子案(ルビなし(PDF:387KB)ルビあり(PDF:901KB)テキスト(テキスト:9KB)

骨子案のパブリックコメント

条例素案(ルビなし(PDF:320KB)ルビあり(PDF:535KB)テキスト(テキスト:13KB)

5 条例のわかりやすい版

条例については、障がい当事者から「文章が難しくて分からない」「要約されたものではなく、条文をしっかりと読みたい」といったご意見が寄せられたことから、県では障がい当事者を中心としたワーキンググループを設置し、「みんなで読める 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 ~ともに生きる社会を目指して~」を作成しました。

みんなで読める 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 ~ともに生きる社会を目指して~

6 リーフレット等

リーフレット

リーフレットのサムネイル条例リーフレット(PDF:3,550KB)

条例リーフレット(テキスト版)(テキスト:4KB)

逐条解説

逐条解説(PDF:918KB)

逐条解説(テキスト版)(テキスト:117KB)

逐条解説(ルビ版)(PDF:1,182KB)

7 条例に関する動画

県庁アナウンサーと共生推進本部室の職員が「当事者目線の障害福祉推進シンポジウム」にご登壇いただいた方々のご発言も交えて、条例についてわかりやすくお伝えします。

【県庁NEWSDigる】障がい福祉の推進~当事者目線とは~

8 点字版について

条例の点字版をご希望の方は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は福祉子どもみらい局 共生推進本部室です。