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初期公開日:2025年4月30日更新日:2025年4月30日
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一燈会は、神奈川県足柄上郡を中心に、介護施設やデイサービス、障がい支援や病児保育など、
福祉にかかわる様々な事業を展開している社会福祉法人です。
1989年の創業以来、医療・介護の先進県と言われる神奈川県の中でも、先駆けて新しい取り組みを続けてきました。
障がいのある方にも、働くという生きがいを創出する。そのために一燈会は、2017年に障がいのある方々の就労支援として農業事業を始めています。
一燈会がはじめに取り組んだのが、地域に根差した農業をすること。
農業を始めたときに地元の伝統的な特産物であった「開成弥一芋」の復興をしている弥一芋研究会に入り、現在では年間2t以上の弥一芋を出荷しています。
湘南ベルマーレフットサルクラブとの連携により「ベルファーム」という名前で、農業と福祉とスポーツを組み合わせた活動を開始しました。農業の後継者不足、福祉の人材確保、スポーツ選手のデュアルキャリア(競技と仕事を両立)の課題を解決する三位一体の取組です。
【ベルファームのネーミング】
スポーツにおいて湘南ベルマーレの一員であるスペシャリストとして活躍する、ベルマーレの「ベル」をネームに入れることで、ハンディをもつ方々も“ベルマーレの一員“として、『自信と勇気』をもちながら、今後も農業を通じて活躍して欲しいという願いでつけました。
この「ベルファーム」の取組を基盤にして、どんな方でも安心・安全に働ける環境の整備として、菌床椎茸栽培を開始しました。厚労省の農福連携プラス推進モデル事業として、さらに次のことを実施しました。
菌床椎茸ハウスにはトイレがなく、数百メートル離れた公共のトイレを利用していました。簡易水洗式仮設トイレを設置することで労働環境が改善したほか、看板を設置したことで地域住民・近隣農家に存在を知ってもらうことができました。
作業拡大に向けて、利用者の障がい特性に合った作業のアセスメントを行うためのWebツールの導入を実証しました。
ダンウェイ株式会社の分析ツール「シームレスバディ®」を活用し、就労継続支援A型・B型の利用者がどのような仕事に向いているか分析しました。
分析の結果、安全に道具を扱うことが出来ると分かったため、椎茸の石づきを取り除く業務を実施してもらうことにするなど、農福連携事業の実施に役立てました。
湘南ベルマーレフットサルクラブと連携し、関連イベントや試合会場での販売を定常的に行いました。イベントでは弥一芋や菌床しいたけを販売し、1日約1万円を売り上げ、工賃向上に寄与しました。
農福連携事業のコーディネーターとして、農作業に関わってもらうほか、地元の小売店への販売交渉や配送にもベルマーレフットサルクラブの選手が関わりました。
また、ベルファームの取組みや商品を、SNSで情報発信や試合会場でPR、小学校などの各種訪問先でのPRを行い、新規参入した菌床椎茸と“ベルファーム”の 認知度を効果的に上げることができました。
一燈会では、B型事業所における利用者の方の時給を500円を目指して取り組んでいます。
介護事業所の掃除などでは安定して収入を得られていますが、露地栽培の農業では今まで厳しい状況でした。
しかし、しいたけのハウス栽培を導入した結果、作業時間・作業内容・収穫が安定化したことにより、販売収益が恒常的に上げられており、現在は安定して時給500円を達成できる体制になってきています。
しいたけハウスで働いていたB型事業所の利用者の1人が地元のドラッグストアに就職することができました。
それまでの支援の実績もありましたが、ご本人が周りに期待されている仕事内容で何をしなければならないのか、それらの作業時間や作業量について学ぶとともに、必要な社会マナーなども学んでいく中で、少しずつ就職に前向きになっていきました。
単独で作業を始め、終えられるまでの環境を整理することで、自信がついてきている様子がうかがえたため、就業・生活支援センターと協力して就職先をあたり、実習を経て就職へと結びつきました。
東京世田谷にある駒場学園高等学校が探究学習で農作業体験の受け入れを実施しました。
「生きがいあふれる地域づくり」をテーマに、法人のポリシーや地元の湘南ベル マーレフットサルクラブとの連携 ”ベルファーム事業”の事例等について講義を行い、若い方に福祉を考えるきっかけを提供しました。
総理大臣官邸で行われた車座に一燈会の山室理事長が参加しました。
障がいのある方の雇用創出について、石破総理をはじめ、大臣や官僚の皆様と意見交換しました。
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