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更新日:2025年3月31日

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令和6年度「黒岩知事と県民との”対話の広場”地域版 県西会場」実施結果(後半)

令和6年度「黒岩知事と県民との“対話の広場”地域版 県西会場」の実施結果です(後半)

黒岩知事と県民との“対話の広場”地域版 県西会場 実施結果概要(後半)

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意見交換

(司会)
それでは、ここからは、黒岩知事に進行をお任せいたします。知事、よろしくお願いいたします。

 

(知事)
ありがとうございます。非常に興味深いお話でしたね、お二人とも。師匠もお見えだったのですね。今の話を聞いていて師匠の顔を見たいなと思ったら、ちょうどお見えになっていて。
師匠、一言。弟子の発表をどんなふうに聞かれましたか。どんなお弟子さんですか。

 

(矢郷氏)
矢郷農園の矢郷史郎と申します。
槇さんは、もともと明るい性格でして、人を呼び寄せる力が強い人ですね。なので、実際に農業をやるのはすごい大変で、男の人一人でやるのも本当に大変なんですけど、槇さんみたいに明るくて人を呼び寄せる力が強い人だと、仲間が多く集まってきます。なので、できれば一人で頑張りすぎずに、みんなの仲間を頼って、うまく農園を切り盛りしていってくれれば一番良いなと思っていますので、皆さん協力できることがあったら、槇さんにどんどん連絡をして協力してあげてください。よろしくお願いいたします。
ちなみになんですけど、黒岩さんはうちに来たことありましたよね。

 

(知事)
行きましたよね。

 

(矢郷氏)
はい、ドローンの。

 

(知事) 
あっ、あの時ね。

 

(矢郷氏)
鳥獣害の。

 

(知事)
どこで会ったのかなと思っていましたが、あのとき会ったんですよね。
みかん畑をドローンで、ずっとこう。

 

(矢郷氏)
そうです。鳥獣害を減らそうとか。

 

(知事)
前の前の選挙の時だ。

 

(矢郷氏)
お食事も1回させてもらいました。

 

(知事)
そうだ、どこで会ったかなとさっきからずっと思ってたんだけど。そうだ、そうだ。いやぁ、 ありがとうございました。
でもすごい嬉しい話ですよね。こんな若い女性が。おうちは、農家のご出身ではないのでしょう。それでも農家になるという志をもって始めたって。若い人いっぱいいるけど、話聞いてちょっと私もやってみたいなと思い始めた人いる。
(手が挙がる)
あ、いた。いますよ、ほら、一言お願いします。もう刺激してどんどん農家いっぱい増えちゃうかもしれないよ。

 

(参加者1)
厚木市からきました。話を聞く前からそもそも農業やハーブ系に興味をもっていたので、想定していなかった農業のお話を聞けて良かったなと。I ターンとして、農業をやるっていうのは、とても大変だと、ものすごい決断だと思ったので、私ももしかしたら近しい道を進むかもしれないので、その時があればよろしくお願いします。

 

(知事)
有り難い話ですよね。農業をする人がどんどん減ってきて、耕作放棄地も増えている、こういう大きな社会の、地域の課題がある中で、新しく農業をやってみようという若い人が出てくるのは、社会全体にとっても素晴らしいことだと思います。
ちょうど今日レモン色のお洋服も着てらしてね、槇レモンということで売れるかもしれないですね。みんなで応援したいですね。ありがとうございました。
地産地消のエネルギーは、私にとってもまさに1丁目1番地の話でして、ちょうど東日本大震災の直後に私は立候補して、その時に、計画停電がありました。誰も外に人がいなかったです。箱根湯本の駅前も誰もいませんでした。その時に、あの時の気持ちは、みんなが東北地方をなんとか救わないといけないなと盛り上がったと思います。でも、はっと気が付いて、神奈川大丈夫かと思いました。計画停電で人がいないのが、いつまで続くのか、福島第一原発があんなことになって、すぐに修正できない。この状態が続くのか、というので話を聞いたら、このままいったら夏までに箱根の旅館が全部潰れると言っていました。箱根の旅館が全部潰れたら、それに納入している業者も潰れちゃう。これは大変なことだと思い、これを救うのは太陽光発電だと思い、ソーラーパネルをもって選挙をしたのが14年前のことでした。その時に、再生可能エネルギーをやっていくんだと、色々と勉強して、エネルギーを作るだけではなく、省エネも大事。省エネ・創エネ・蓄エネが大事。それとともに、先ほどお話があった集中型電気で、大きな火力発電所や原子力発電所でどかーんと電気を作って、長い送電線で配っていくという、その長い送電線の運ぶ最中にどんどんロスするので、ロスしたらもっともっと作れというのが今までの電力の在り方。そうではなく、分散型。自立分散型と言ってましたね。自分の地域、生活している現場の近くでエネルギーを作っていくことが大事。そのために一番良いのは、自分の家にソーラーパネルがあれば、自分ですぐ使えるわけです。というわけでずっとやってきている流れの中でのお話でした。
その当時は、SDGsという言葉はなかったんです。17今年のメインのテーマ、「いのち輝く」でしたね。「いのち輝く」ためには何が大事ですか。医療の充実も大事ですが、医療の充実だけではいのち輝かないですよね。食、食の問題に関わってらっしゃいますけど、安全で豊富な食がなければ、いのちは輝かないですね。それを支える農業もしっかりしなきゃだめですよね。エネルギ ーの問題、環境、労働、産業、まちづくり、教育、共生。こういったものが全部繋がってないといのちは輝かないですよね。ところが、これは全部国の役所は担当する役所が全部違います。そうすると、縦割り行政の弊害、行政の壁があるとストンと抜け落ちるところがあります。例えば、医療の問題と環境の問題を同時に考える必要があります。食の問題とエネルギーの問題、環境の問題を一緒に考えなければならない。でも、それが全部ぶつぶつ切れているのがいけない。それらを一緒になって全部繋げていこうよというのが「いのち輝く」なんです。なんか似ているでしょ、SDGsに。この後に、SDGsという言葉が出てきたんですよね。それなら、SDGsは世界的な言葉、基本的な概念が似ているので、今まで「いのち輝く」と言ってきた政策を全部SDGsという17の目標に翻訳し直して、われわれはSDGsの政策をずっと進めてきた。そうしたら、SDGsの最先端の自治体ということで神奈川県が第1号で選ばれました。そういった流れがずっとある中でのお話で、SDGsパートナーにもなっていただきました。その中で、原さんに確認したいことがありますが、小田原で「志の循環」という話がありましたね。「志の循環」の中で「おだちん」ってあったでしょう、どうなったの。

 

(事例発表者:原氏)
「おだちん」は確か終了になるんだと思います。

 

(知事)
「おだちん」終わっちゃったの。関係する人はいますか。
(手が挙がる)
いますね。「おだちん」ってみんなわかりますか。まさにSDGsで回していく一つの仕組みだったんですね。地域通貨。

 

(小田原市 政策調整課)
小田原市政策調整課です。「おだちん」はSDGsで始めて、当時、SDGsはみなさん文字も読めないような、認識率が低かったので、「おだちん」というアプリを使って、色んな取組をやればSDGsに貢献できるんだということを知っていただくような形でこれまで取り組んできたところでございます。かなり認知率も上がって、皆さんに周知できたかなというところで、 残念ながら、この12月で終了することになりました。小田原のポイントの名前を「おだちん」という形で、ポイントのやりとりをこの地域の中でやっていたんですけど、ここで終了という運びになりましたけど、結構効果はあったと感じています。

 

(知事)
ありがとうございます。要するに、SDGsに関することに参加するとポイントがもらえるんですよね。ビーチクリーンをやったら、ポイントもらえたり。レストラン入って残さず完食するとポイントがもらえたり。そのポイントがたまると、別のところ行くと、リサイクルショップで物が買える。そういうSDGs、想いを循環させていこうというものでした。その当時、SDGsという言葉はあまり皆さん知らなかったんですね。今はもうすごい皆さんの認識率が高まりましたので、もうそうではなくて、次のステージに入ってきたのかなということを感じた次第でありました。
ここからは、皆さんとともに展開していきたいと思います。どんどん意見でも良いし、質問でも良いし、私はこんなことをやってんだというアピールでも良いし、どんどん言ってください。それではまいります。

 

(参加者2)
昨年に続き、トップバッターで。開成町の「save the earth in 開成」という、温暖化対策の団体をしている者です。つい先ほどまで、神奈川県の県民センターのデコ活環境フェアに地球温暖化防止推進委員として出展してくれということで参加してきたのですが、知事がこちらに来られるとのことだったので、途中で退出して、急遽こちらに来ました。
先ほどセンターにいるときに、知事が出されている県のたよりの地球温暖化が表紙のものをいただいて、地球温暖化は皆さんが気になっているところで、開成町の山神さんも来られているようですが、私に良いテーマだなと思っているのですが、私は開成町で「モリンガ」という木を育てています。モリンガ知っている方はいらっしゃいますか。
挙手ありがとうございます。もっと少ないのかなと思ってたんですけど、けっこういらっしゃるんで良かったなと思います。知事もSNSで見たんですけど、モリンガをどこかのイベントで飲まれていて御存知かなと思っておりますけど。モリンガ、杉のCO2の吸収力の数十倍すごいと言われていて、かつ健康にも良いということで、アーユルベーダ、インドの方原産の木なんですけど、身体にも良いとのことで、開成町を中心に栽培させてもらっています。そんな中で、先ほどはれやか農園さんが耕作放棄地でやっているということですけど、来年、開成町でも耕作放棄地でモリンガの栽培も大きくやっていこうということで、たまたまちょうど湘南電力さんとご縁があって、来年50株植えていただけるということだったので、先ほどの一部還元というところでマッチしたというところで今ご支援いただいていたりとか、あとは栽培するというところで、先ほどの「いのち輝く」の福祉のところで、社会福祉法人の一燈会様と一緒にモリンガを栽培していこうと話を進めさせていただきながら。開成町の山神町長さんがいらしているところですが、サマースクールで環境の教育というところで一緒にできないかという話もさせていただいています。
まさに今日のテーマの未病とSDGsのところで、モリンガが、皆さんにとってもこの地域にとっても本当に重要になってくると思っていますので、知らなかった方は、モリンガをネットで調べていただきながら、皆さんと地域も近いと思いますので、若い方、先ほどの方も農家やりたいとのことだったので一緒にやっていただいたり、参加していただければと思います。以上です、ありがとうございます。

 

(知事)
ありがとうございます。色んなところで、色んなことやってる方がいらっしゃるんですね。モリンガ、覚えておきましょうね。

 

(参加者3)
食べるということについて、考えるきっかけづくりや、もったいないということについて意識するきっかけづくりを行っている「NPO 法人 MOTTAI」という団体の代表をしている者です。はれやか農園の槇さんにも、うちのNPO関わってもらったりとか色々していて、原さんにもサポーターとなっていただいたりしていて、色々繋がってるんですけど、質問というか、みんなに聞いてみたいことがあり、手を挙げさせてもらいました。
はれやか農園の槇さんの話を聞いている中で師匠の存在がでかいな、と思うわけなんですよね。柔軟な考え方を持たれて、色んな人を繋げてくれて、相談とかも色々聞いてくれる師匠というのは、すごい良いなというふうに思っていて、キーファクターなんだと思うんですよ。自分も矢郷さんが面白いなと思って、小田原に移住してきたんですよ。なので、すごいキーファクターだと思っていて、そういうキーファクターってどうやって生まれるのかとか、どうやって育てられるのかみたいなところって「いのち輝く」っていうところにも繋がるかと思っていますので、そこらへんのところをお三方にもご意見を聞けたらなと、実際に今取り組んでいることとかあるのか気になったので手を挙げました。

 

(知事)
良い質問ですね。原さんからどうですか。

 

(事例発表者:原氏)
私がこの湘南電力の事業を立ち上げるにあたって、やはりキーパーソンだった、師匠みたいな存在の方ってやっぱりいて、昨年亡くなってしまったんですけど、蓑宮さんとおっしゃる、小田原の出身で、元ソニーの上席常務まで務められた方で、世界中を飛び回っていたので、退任後は地域に貢献したいということはお考えになってたんですね。そんなタイミングで3.11がきて、私が説明したようなエネルギーの分散型のシステムを造ろうと、かなり中心的な役割を担う中で、ある日突然お声がけをいただいたということですね。要するに、お前社長をやれ、金を出せということで、出資ということですけど、ほぼカツアゲみたいな感じでお金取られちゃって、そこから私の今日説明してるストーリーが立ち上がったということなので、何と言うんだろうな、交通事故みたいな感じで突然出会っちゃったみたいなところがあって、自分においては非常に大きな出会いでしたし、探しても出会えないような、関係性ってあるんだなとすごく思ったし、やはり蓑宮さんが自分を見つけてくれたのは、私なりに小田原ガスという本業を通じて色んな形で、これまでのやり方では生き残っていけないと、エネルギー事業者としても今後の未来予想図を見据えた展開をしないといけないと、模索して動いていたりしたので、そこで目に留まったというのもあると思います。
本当に悠介さんは多岐にわたる活動をされているので、必ずそういった出会いっていうのはどこかで出てくるんじゃないかなと思っています。

 

(知事)
ありがとうございます。槇さんいかがですか。師匠と出会って良かったですよね。

 

(事例発表者:槇氏)
そうですね、本当に師匠の存在なしでは、今はもう生きられないくらいの感じなんですけど。どうやって。私は菅田さんの繋がりで紹介していただいたというところがあったので、本当に人との出会いというか、色んな人と繋がって、運命的な出会いをするところだったのかなと思います。あまり回答になっていなくてすみません。

 

(知事)
どうやったらそういうのが作れるのか、なかなかそう簡単には言えないでしょうからね。
県としては、例えば農業を目指す人に対しては、県立農業アカデミーというのがあるんですね。選択肢の中にありました?農業アカデミー。そっちを選ばれたのかと思ったら、師匠と弟子とかいう言葉が出てきたのは私もびっくりしたんだけど、そういうふうな人間の繋がりの中で新たな世界が開けていくというのは、これから色んな形であると思いますね。今日若い人たくさんいらっしゃる。誰かとの出会いっていうのは次のステージを作ってくれるということはたくさんあると思うんですね。こうやってわざわざ皆さん来てくださったよね。これだってやっぱり新たな出会いのきっかけになるかもしれないですよね。そういうのはとっても大事だと思いますね。でも、わざわざ来たからこそ、そういうチャンスも開けて、来なかったらこういうチャンスは全然開けないですからね。だから、今日はそういう場になればと思いながら進行していきたいと思います。

 

(参加者4)
あてていただいてありがとうございます。なかなか黒岩さん、こちらを見てくれないから、あててもらえないので声をかけました。私は、「認定NPO法人小田原なぎさ会」というところで10年以上理事長を務めさせていただいている者です。
私たちは、色んな障がいを持つ方の自立支援活動を中心にやっております。まさにこれはSDGsの目標3番が直結的に該当し、その他の目標も色々と関連があると捉えています。そこで、知事の黒岩さんに、黒岩さんが考えていらっしゃる障がい福祉、先ほどスライドにも共生社会、「共生」というキーワードが出てましたが、それが大きな意味を持つとこだと私は理解していますが、その実現に向けて、最も大切と考えていらっしゃること、そして、それはなぜか。そして、そのことは今どこまで進んでいるんだろうかというところを、具体的にできればお話しいただいて、私は私で持っている大切なものがあるので、それとちょっとキャッチボールさせていただけたら嬉しいなと思います。以上です、よろしくお願いいたします。

 

(知事)
ありがとうございます。8年前に津久井やまゆり園事件という大変悲惨な事件がありました。意思疎通ができない人間は生きている意味がないんだということで、障がい者支援施設で19人の命を奪っていったという事件がありました。なんでこんなことが起きてしまったのか、我々ずっと向き合ってきたんですけど、やっぱりそんな中でこれは二度と起こしてはいけないということで、「ともに生きる社会かながわ憲章」というのを作ってですね、この理念を広く深く浸透させようとずっとやってきました。それとともに当事者目線の障害福祉推進条例というのも作って、今実行に移そうとしているところです。
1番大事にしているのは何かといったら、今言った当事者目線、当事者目線の障害福祉というところを1番大事にしてるんですね。「目線」というのを、私はずっとこだわっています。「目線」というのは、例えば県民「目線の」県政をやろうとか。県庁に入ってくる若い人たちは、たいてい「県民のために」と言います。「県民のために仕事をします」と言いますが、「県民のために」という時の目線はどこにあるのかというと、県庁職員目線、そうするとどこか違う。「目線になる」というのは、相手の目線になるということ。
あの障害福祉施設でなんでそんなことが起きてしまったのか。植松という死刑囚が特別に変なやつで、そいつが特別に異様な事件を起こしたのか。ずっと見てみると、必ずしもそうではない。未だに、障がい者施設の中では虐待っていうのが行われているんですね。虐待ってどんな虐待かというと、環境に過敏で行動障がい、要するに暴れてしまったりする、暴れると危険だからと、その人を24時間部屋に閉じ込めたり、車いすにしばりつけていることがいまだに行われているんです。それは誰の目線でやっているのかっていったらば、施設を運営する側の目線です。しばりつけられている人の目線じゃないんです。僕はその障がい当事者とずっと対話を重ねてきました。そしたらある時ある人がこういうふうに言った。「僕も暴れて部屋に閉じ込められました。でも、あの時、なんで僕がなぜ暴れているのか聞いて欲しかったんです」と。なるほどな、暴れるには何か理由があったんだな。そこに寄り添ってその気持ちがわかって支援すれば、暴れるという必要はなかった。それを暴れているという現象だけ見てしばりつけている、部屋に閉じ込めている。こういうことが平気で行われている。これを何とかしなければいけないということで、当事者目線の障害福祉ということをずっと推進しようと今努力をしている最中なんですね。この「目線」というのは、一番大事にしている言葉、それは要するに、もっと大きな意味でいうと「いのち輝く」ということを1番大きなテーマにしている。障がい者のみなさんもいのちがみんな輝く。それを目指していこうよ、そのためには、障がい者本人の目線に立って考えなきゃだめじゃないかという話を、なるべく広く進めていこうと思ってやっているというのが私の考え方です。

 

(参加者4)
ありがとうございました。障がい者目線という観点では、私どもの施設運営および法人運営の中で、特に施設運営の中では、私が制定しました「利用者センター、利用者ファースト」という言葉を設けて、揺れたらそこに戻るということを、職員さんにも理解を深めてもらっているんですが、これ、言うは易し行うは難しということがあると思うんですね。その理念や考えはよくわかるんですが、どれだけそれが具体的に進んでいるのか。言うだけでは何も進みません。そこのとこの実態を教えてほしい。どう捉えていらっしゃるか。

 

(知事)
これは今まさに、我々が直面している課題でですね、中井やまゆり園というところがあるんですね。これ県立の直営施設なんですね。津久井やまゆり園というのはかながわ共同会というところに委託をしてて、そこが運営している、そこで起きた事件だったんですけど。今注目を浴びているのは、中井やまゆり園で、県の職員がやっている障がい者施設です。そこでも虐待がずっとあったという話があって、まさにその通りですね、口でいうだけじゃ直らないからといって外部のアドバイザーの皆さまに入ってもらって、全部膿を出せとやっていったら、支援のあり方を根本的に変え、だんだん変わりつつあるというのが見えてきてね。今までずっと閉じ込められてた人は今は外に出て、そしてこれまた農業に繋がるのだけど農福連携という言葉もありますよね。この農業に障がい者の皆さんが参加してもらう、そんなことをやってて、皆さんに笑顔が戻ってきたとか、変わり始めたというのがあって、良い方に向き始めたと思って今見えている問題は何かと言ったら、外部の人たちが入ったときに、医療の空白というのがありました。医療的に放置されている。こんな状態が見えていて、これをまた何とかしなければいけないと、また新たなチームを作ってそこに切り込んでいこうということを今やっている。だから、「ともに生きる」という、SDGsというものを目指すのに、みんなで「ともに生きる」というのを目指していく、みんなの「いのちが輝く」ことを目指していくという流れの中では、そういった面にもしっかり目を向けていけたらなというところですね。もうちょっと皆さまにお伺いしたいです。

 

(参加者4)
いや、最後です。それは確かに、おっしゃっていることもわかるんですが、多分、具体的にどこまで進んでいるかは把握されてないと思います。

 

(知事)
把握しています。

 

(参加者4)
把握しているんですか、実態を、現場を。

 

(知事)
把握しています。毎日現場からの話を聞いていて、把握しています。一番メインに取り組んでいるテーマです。

 

(参加者4)
そうですか、県の方針としては障害福祉のところでは平均賃金、それを。

 

(知事)
あの、ごめんなさい、今日は皆さんこんなに来ているので。

 

(参加者4)
やめましょう。

 

(知事)
はい。ちゃんとお答えしました。

 

(参加者4)
対話になっていません。

 

(知事)
対話したじゃないですか。あとでやりましょう。
はい、どうぞ。

 

(参加者5)
本日2回目で申し訳ありませんが、原さんに対して思ったことがあります。
再生可能エネルギーは、正直、地産地消として素晴らしいと思いますが、安定感というものが、正直、他の化石燃料といったものに対して少ないというか。それに対して、3.11などの災害時や自然災害になったときに、再生可能エネルギーがどのように使われるのかや、また、エネルギーが持続的に補給されるために、どのような対策をとっているのかをお聞きしたいと思います。

 

(事例発表者:原氏)
ありがとうございます。私も資料の中でご説明したように、太陽の光、風の力、水の力というのは、おっしゃるとおり、不安定な要素が実はあるんですね。雨が降ったら発電はしないし、それこそ夜になると発電をしません。風もそうです、風が吹かなければ発電しないということで、基本的にはそれ単体ではいつ発電するかもわからないし、みんなが必要としている時間に発電してくれるかもわからないという実情があるわけで、そのためにいわゆる先ほど言ったEVのような蓄電機能を地域の中にたくさん置いて、電気を溜めておくということ、そして私が資料の最後の方で説明した、AEMS、エリアエネルギーマネジメントシステム、そのネットワーク化によって、必要なところに必要な電源を供給する。需要と供給のバランスをとるような仕組みですよね。電気を生み出すだけではなく、それを溜めておく、必要なときに供給する、災害時に必要なだけ供給するとか、それを広域に融通するとか、システム化をすることによってその不安定さを解消する取組っていうのを今一生懸命進めているというところなんですね。ただ、それだけで地域全域間に合うのかと言われれば、まだまだ間に合わない面もあるので、そこは既存の化石燃料だったりもするけど、火力発電などをうまくミックスしながら、将来的に再生可能エネルギーが主力エネルギーになるような時代に向けて今一歩一歩進んでいる状態だと理解してもらえれば良いと思います。

 

(知事)
ありがとうございました。今、神奈川県発のエネルギー革命が起きようとしているんですね。太陽光発電で新しい太陽光発電が注目されていて、ペロブスカイトって聞いたことありますか?ペロブスカイトっていうのは、薄膜太陽電池のことですね。皆さん、ソーラーパネルってこう大きなパネルが屋根に乗っているっていうのを見たことあるでしょ。薄膜(はくまく)っていう、下敷きみたいなんです、ぺらぺらしている。薄膜太陽電池は前から発売されていたんだけども、いくらやっても発電効率が上がらなくて、値段が全然安くないので全然普及しなかったんです。それを、宮坂先生っていう横浜の先生が発明したのが、ペロブスカイト。ペラペラなんだけど、ぐにゃぐにゃ曲がるんですよね、で、軽いんです。この発電効率は大きな太陽光発電と同じぐらい。そして値段もすごく安くなってる。しかも何を原料に作るかというと、ヨウ素です。ヨウ素ってのは日本が一番の資源大国。これで作れる。これをやるとどうなるかっていうと、どこでも太陽光発電。ビルの例えば屋根の上に太陽光発電できるだけじゃなくて、ビルまるごとパッケージしちゃう。こないだ私自身乗ったんだけど、車、車のカーブになってるところにペロブスカイトと、もう1個あるんだけど、カルコパイライトという薄膜太陽電池もあって、これを組み合わせると発電効率が1.5倍になるっていう。それを車にはりつけて、それだけで充電して走ってるんです。ガソリンもいらない、電気も使わなくてもいい。車そのものが自分が発電所になって走って行ってる。そういうのが今起きつつあって、今、実証実験を進めているところですので、流れがガラーっと変わってくると思いますよ。期待していてください。
はい、他にどうぞ。

 

(参加者6)
湯河原町から来ました。よろしくお願いいたします。
黒岩知事、原さん、槇さん、皆さまに答えていただきたいと思っているんですけど、今学校の総合探究で、SDGsについて学んでいるんですが、皆さんはSDGsの17の目標の中で、今、最も力を入れて活動していきたい目標をお聞きしたいです。よろしくお願いします。

 

(知事)
18どうですか。こういう質問なかなか 難しい。皆さんよく知ってるから、SDGs何番っていって、パッとわかるけど、われわれは、SDGsが何番が何だったっけ?と思っちゃう。ここがすごいよね、これ小学生もそうだったんですよ。パネルディスカッションで、小学生が私はSDGsの何番に関心がありますと言ってました。
どうですか、みんな、タジタジになってます。

 

(事例発表者:原氏)
資料にもあったのですが、ほとんどすっ飛ばしてしまったんですけど、湘南電力が目指すSDGsゴールがあって、やっぱり7番目のエネルギーをみんなにそしてクリーンにというのは、大前提です。我々の本業みたいなものでやっています。クリーンというのは再生可能エネルギーを使うことで、脱炭素とかゼロカーボンとか言いますけども、そこに貢献するのが第一義としてあります。
ただもう1つ、住み続けられるまちづくりを、というのがあって、今言ったように、エネルギーを再エネで環境に貢献するだけではなくて、地域の中で循環させることで、お金の循環、あとは志の循環とさっき言いましたけど、そういった色んな形の循環を促すことで地域の活性化に取り組むという、まちづくり会社みたいな視点が我々の中にあるので、そういった意味では11番のまちづくりについても重要なテーマだというふうに思ったりはしています。あとは気候変動の対策とか、これは13番になるのかな、ありますけれど、主要な2つはそれだというふうに思っています。

 

(知事)
ありがとうございます。槇さんはどうですか。

 

(事例発表者:槇氏)
私は農家というところで、食の問題と、山の自然を守るというところで、2番の飢餓をゼロにというところが食の部分で目標にしていきたいところなのと、15番の陸の豊かさを守ろうというところで、山の自然を守っていきたいなと思っております。

 

(知事)
ありがとうございます。私の場合は、さっき言ったようにいのち輝くっていう話をしたでしょ、あのとき言ったのは、全部がつながっていることが大事だということなんですね、イメージ。だから、どれか1つを選んでくださいというよりも、全部をバラバラに考えないでやりましょうという思いがすごく強いですね。
ちなみにあなたは。

 

(参加者6)
14番の、海に関係している。湯河原って海があるから、海を大事にしたいと思っています。

 

(知事)
ありがとうございます。ほか、はいどうぞ。

 

(参加者7)
小田原高校1年の南足柄に住んでいる者です。どちらかというと意見みたいな感じになるかもしれないんですけど、自分は学生なので、夢物語的な意見になってしまうかもしれませんが、ご了承ください。
自分が、今、原さんや槇さんの話を聞いて思ったのが、やっぱり産業面からの支援も大事なところかなと思っていて、例えば、電力の送電に関しても、静岡の方の鉄道で、超伝導を用いた電力の輸送というか送電により、伝達効率を良くして、ロスをなくす取組があったり、いかに槇さんみたいな人がいても、人口が減っていく中で、やらなくてはいけない範囲が広がっていくと、共倒れみたいな形になってしまうと、どうしても優秀な人も潰してしまう形になってしまうのかなと思って。そこらへんは、例えば技術の自動化とか、そういったところに関しても、大事になってきていると思うんですが、県として、技術革新とか、既存の技術の持続化みたいなところに関して、どの程度関心があるのかっていうのを聞きたいです。

 

 (知事)
すごく難しいことですね。技術の革新はどんどん進んでいきますよね。実はここに来る前、厚木のSONYの研究所、半導体を作っているところを見てきましたけど、どんどんどんどん進化していますね。今日見てきたのは、自動運転、車だって、ドライバーなしで走ってる。もう実際、アメリカなんかでは自動運転のタクシーがあって、ピピッって呼んだら無人のタクシーがやってくる。それでびゅーっと運んでっていうタクシーがもう動いている。日本はそれに比べ、ぐんと遅れている。なんで遅れてるのかって言ったときに、今技術の話が出てますね。技術だけじゃないんです。というのは、技術者の皆さんと話をして、やっぱりそうだったのかと思ったのは、日本は実証実験はいっぱいやってるんですよ、自動運転の。自動運転の実証実験ばっかりやっている。アメリカでもそれはやってるの。一部ですけどね。何が違うかっていったら、日本は100%を求めるんですよね。自動運転の車が走っていて、事故があったら大変だ、人がそれで轢かれたらどうするんだ、と100%を求めるとなかなか実用化できていかない。ところが、アメリカにしても中国にしても、それをやっているところはどういうことかというと、事故が起きたらしょうがないとは言わないけれど、事故が起きたらそれを乗り越えていこうと。そういうことでやっていけると、実際に街をまわっていくと、どんどんレベルが上がっていくんですよね、ああいうのって。そういうことによって実用化に向かってがーっと行っているのだけど、日本はいつまでもいつまでも100%を求めていると、技術者がどんなに頑張っても前に行かない、こういうこともあるってことですよね。だから技術が進んでいく中で、どうやってそれに向き合うのかっていうと、例えば今、あなたも得意かもしれないけど、ChatGPTとかAIとかいう流れがどんどん出てくると、もしかしたら人間よりも賢くなってくるかもしれないといったときにどうやって付き合っていけば良いのか、そういった新たな課題も見えてくると思いますので、あなたが提起した問題というのは、非常に大きな大きな問題になっていくんですね。しっかり勉強して頑張って道を切り開いてください。ありがとうございました。
はい、他にどうぞ。

 

(参加者8)
新松田にあります、立花学園で教員をしている者です。県の教育行政について、お伺いをしたいなと思います。
SDGsの目標の中に、質の高い教育をという目標があると思うんですけど、一方ではその質の高い教育を担保する教員が今不足しているっていうのが、日本全国で問題になっていると思います。さまざまな働き方改革を本校でも行っているんですけど、県立の先生とお話をしていく中で、やっぱりどの教師も、小・中・高も教員が足りないという話をよく聞きます。でも、合理的配慮とかも多様化する教育に対応していくためには、教員の数が必要だと思うんですけども、神奈川県の教育行政として、今後教員をどのように増やしていくのかお尋ねしたいかなと思います。

 

(知事)
そうですよね、これも、SDGsにつながる話ですよね。
いつも我々、こないだも教職員の組合の方も来られて、要望をもらいました。署名活動こんなに持って来られて、そういった問題ですよね。みなさんと直接お話をしても、最近教師になろうという人が少なくなっている、これは大きな問題ですよね。なんでだって言ったらば、先生もそうかもしれないけれども、なぜ教員になりたいのかと聞くと、多くの人は「子どもたちと向き合いたい」、それが志望動機です。ところが実際先生になってみると、子どもたちと直接向き合う時間よりも、事務の手続きとか色んな作業があって、それとか怖いお母さんとお父さんいますよね、わーっと文句を言ってくるでしょ、そっちの対応に追われるとかで、ヘロヘロになっちゃう。それで、教師の働き方改革という話も出てはいるんだけど、なかなかそういう意味で自分たちが子どもに接する時間がちゃんと確保できなくなって、みんな疲弊しちゃってって、そんな話があって、そういうのを見ていると、「先生大変だな」っていって、みんながなりたくならなくなってきている。これが教員不足っていうところのそもそもの大きな要素でもあるんです。
我々は県として何やってるかというときに、先生が何でもかんでも引き受けてしまうっていうのを、なるべく軽くさせてあげるために、全然別のサポートする人を配置して、これは先生がやらなくていいでしょうみたいなことをサポートするようなスタッフを送り込んでいるっていうので、何とか対応してるんですけども、実態はなかなか厳しいですよね。
やっぱり教師に大変な思いをさせないで、教師にやりがいを感じさせるようなことをするためにはどうすれば良いのかって言ったらば、それは皆さんの理解がないとだめですよね。モンスターペアレントみたいな人がいるんですかね、わーっと文句を言いに来て、その人の電話をとったらいつまでも電話離さないとかって、もう疲弊していくと、先生を潰していっちゃうんですよね。だから、そういうことをみんなやらなくて、みんなで先生を守っていこうというような流れを作っていくことが必要なんじゃないですかね。

 

(参加者9)
今日、はじめて参加します、小田原高校の開成町在住の者です。
質問になるんですけど、SDGsの取組について、お三方のお話を聞いて、ただすごいなと感動して、自分ができる些細なSDGsの取組で、自分も協力したいなと思うんですけど、些細なことしか思いつかなくて、中学校からSDGsでどういうことを気にしたら良いか聞かれたときに、水を出しっぱなしにしないとか、電気をこまめに消す、米を残さず食べるとか、エアコンを20度に設定とか、本当に細かいことしかできなくて、その些細なことっていうのが、本当にSDGsの貢献になっているのかっていうのと、他にもし何かできることがないかっていうのを質問したいんですけど、よろしいでしょうか。

 

(知事)
いかがですか、槇さん、どうですか。

 

(事例発表者:槇氏)
まず些細なことでも実践していることが本当に素晴らしいと思いますし、そういう些細なことの積み重ねが大きなものになっていくと思うので、本当に素晴らしいと思います。
本当に、自分がやっている些細なことについて、周りの友だちと話してみるとか、そういう活動をしているんだよということを周りと話すだけでもどんどん輪が広がっていくと思うので、周りに話してみるっていうのが、1 つ良いんじゃないかなと思いました。

 

(知事)
ありがとうございます。原さんいかがですか。

 

(事例発表者:原氏)
今の槇さんのご意見と全く一緒で、実は結局、我々も事業なんかやってたりするので、仕事としてはそれなりの規模のことを関わったりするんですけど、個人でできることっていうのは、今お話されたようなことだったりするんですよね。やっぱり、そういったことの積み重ね、それを一人ひとりがコツコツ続けていくのが大事だし、それをみんなで分かち合うっていうことも大事だし、あとは、さらに若い、小学生とか、子どもたちにそれを伝えていくってことが、すごく大事だと思っていて、僕が今小田原市でやっているSDGsの実行委員会でも、今パートナー企業とか団体が300社以上いて、それぞれの取組を実行委員会のフィルターを通して、市民にお伝えしているんですけど、これからは次世代教育というのが1つのキーワードになっていて、若い人にどんどんパスを繋いでいくことが大事で、その子たちがまた新たな発想で自分たちでやれることをやるかもしれないし、そこに期待して、バトンをつないでいくっていうことも、高校生ならできると思います。そういったことも考えられるといいのかなと思ったりもします。

 

(知事)
些細なことしかできないって言うけども、些細なことをやるって、とっても素晴らしいってことと思いますよね。これが大事なんですよね。これぐらいいいだろう、これぐらい地球に関係ない、こんなゴミを捨てたって別に関係ないとか普通思っちゃう。でも、みんながそう思ったら、巨大なゴミになる。些細なことってすごく大事で、意識を持っていることが大事です。何すれば良いんですかっていったら、実はよく見渡してください。色んなことがありますから。それを槇さんが見つけた耕作放棄地の問題、これどうしていくか、というところから、やろうと思えるからやれるわけでしょう。それから例えば、海岸のビーチクリーンってのが始まりましたよね。実は今朝、午前中に海岸美化財団というのがあって、神奈川県は海岸の美化っていうので財団作って、きれいにやっているんですよね、その報告があったけど、今年、平塚なんかで大雨が降った、あの時にどかっとゴミが、要するに川で一気にゴミが流れて、それが海に流れて、その海に出たゴミがまた浜に上がってきて、海岸がゴミだらけになった。そういうのをボランティアの人たちと一緒になって処理していくっていう流れができている。神奈川独自のやり方で、全国から注目されているんだけども、ボランティアの人たちがゴミ袋を美化財団に言うとすぐに送ってくれるんですよ。そのゴミ袋にゴミをどんどん拾っていって、それをある場所に置いておくだけで、そうすると車がきて全部回収していってくれる。こういう取組って神奈川独自なんです。これに参加するだけでも実はSDGsにまさに見事に参加していることになるんです。探してみたら、いっぱいあるでしょう。だから、些細なことから始めるという意識を持っていることがまず大事で、まず何かやってみてください。そういうマインドを持ってることがとっても大事です。ありがとうございました。

 

(参加者 10)
相洋高校で副会長をしている者です。
再生可能エネルギーについての質問で、先ほどのお話を伺った時、県として行っているエネルギーの地産地消は、太陽光発電が中心なのかなと感じたんですけど、県の特性をいかした、例えば、小田原だったら海があるから海風を使った風力発電だったりとか、できるかはわからないんですけど、箱根だったら温泉が有名だからその熱を使った地熱発電とかっていうのは行っているのかということと、もし行っていないのであれば、そのようなことを行う展望はあるのかというのが気になったので、質問させていただきました。

 

(知事)
原さん、どうぞ。

 

(事例発表者:原氏)
これなかなか難しい問題ですね。どこまでお話をしていいものなのかという感じもするんですけども。
基本的に、県全体のことは私まだよく把握してないんですけれども、小田原に関しては、基本的にやはり太陽光ほぼ一択っていう状況です。今言ったような風の力とか水力、河川とか、箱根のいわゆる地熱ってやつですよね、これ相応のポテンシャルがあることは我々ももちろんわかってはいるんですけど、意外と河川とか箱根の熱とかって、エネルギーを採取する課題以前に、権利問題とかですね、色々あるんです、やっぱり。河川ってのはきちんと行政で誰の所有物かというのが決まっていて、箱根もそうですよね、温泉組合の人たちが、その熱を使って商売をしているわけですね。そういったものを抜き取ってエネルギーに変えるとか、その河川を使って水力発電設備を設置するとかってなると、結局そこのそれぞれの土地を持っている方々とか、そこで商売している方々の権利みたいなものときちんと折り合いをつけなきゃいけなかったりするんで、そのへんの制度上の問題というか、そのへんをクリアするのがものすごく大変だったりするんですね。
これは、あんまりこういうところでお話することでもないのかもしれないんですけど、実はエネルギーとして非常にポテンシャルが高いから、それを一足飛びに形にしましょうってのは、実はなかなかいかないっていうのが実情としてやはりあるんですよ。この我々の暮らす世の中には、色んな制度上の壁があったり、瑕疵があったり、不具合があったりということで、実は簡単にいかないことを、学生の皆さんは特にやっぱり知っておいた方が良いと思うし、それを改善するっていうことも、もしかしたら次世代たる皆さんの仕事になるのかなと。押し付けているわけではないですけど、そんなふうに思ったりします。

 

(知事)
今、色んな他のエネルギーの形があるんじゃないかということを仰って、まさにそうなんだよね。我々も色々と検討しました。風力発電も、風を受けて風車まわったら電気できるわけですから。ただ神奈川の場合に、風力発電の難しいところはですね、音がすごいんですよね、ゴーって。振動もくるってことで街の中になかなか作れないんですよね。皆さんも、そんなウワーって音はたまらんって言って。海に作ればいいじゃないかって、海に作るっていうのもあるんだけど、作れるんだけど、神奈川の海は深いんですね。このへんの海って、日本三大深い海なんです、ここ、急にドーンと深くなってるの。だから、なかなかその海底に支柱まで立ててやるのはなかなか難しい。じゃあ、浮かべればいいじゃないかという話もあるんだけど、沖で浮かべるとまた長い送電線で運んでこないといけないわけなんですよね。だから風力発電はなかなか容易じゃないんですよね。それとあと地熱発電と仰った。地熱発電は今、原さんがモゴモゴ言いながら喋ってましたけども、温泉の経営やっている人たちはやっぱり嫌がるんですね。その熱を吸い取られていったら、温泉の熱が下がるっていう、そんなことないはずなんですけどね、そういうふうに言われちゃうわけですよね。それでだめだという話になる。あれやこれやと考えたんだけど、消去していくとやっぱり太陽光発電が一番効率的かなって、一番神奈川に合っているかなって感じですね。ただやっぱり今は再生可能エネルギーのトップバッターはやっぱり太陽発電で、さっき言ったようにペロブスカイトという新たな太陽光発電も出てきていますから、これによってどんどんまた変わっていくんじゃないかなということを期待したいと思います。ありがとうございました。

 

(参加者 11)
鎌倉市に在住の者です。SDGsの17の目標があると思うんですけど、黒岩知事は、17の目標の中で2030年までにどの目標が一番達成するとお考えですか。

 

(知事)
なかなか、正直難しいんじゃないでしょうかね。どれもね。完璧にできるっていうのは、難しいんじゃないでしょうかね。
こういうのってだから2030年がタイムリミットになってますから、次なるステージを作っていくっていうね。19我々これ神奈川県から、次なるステージっていうんで「いのち輝く」っていうのが次のステージになるんじゃないかなって思ってるんですね。似ているけどちょっと違う。SDGsっていうのは、持続可能な社会といってるんだけれども、「いのち」って死んじゃうじゃないですか。持続可能に生き続ける人はいないですよね。「いのち輝く」っていうのは、つまり「いのち」には終わりがあるということも含めた形で輝いていこうということですね。この考え方っていうのは、ポストSDGsになり得る考え方だと思っていて、「バイブラントいのち」、「いのち」は「いのち」としか言いようがないといって「バイブラントいのち」としてメッセージを今世界に向けて発信しているところであります。

 

(参加者 12)
東京出身で、小田原に3年前に移住して、今、野外インストラクター、野外学習の指導者的なことをやっています。
今までのお話を聞いていて、やっぱりSDGs、なんかこういうことに取り組んでいくとか、色んな活動をされるのは、めちゃくちゃ格好いいなと思っている中で、その根幹にあるのって、まさに今このタイトルにあるような県西地域とか、自分に住んでいる場所に対する愛着みたいなところが強いのかなと個人的に思っていて、すごくふわっとした質問なんですけど、どこがこの地域の中で魅力的なのかなとか、なんでSDGsっていうところ、今のこのアクティブに活動されているのかっていうところを、お聞きしたいなと。

 

(知事)
一言ずつ、どうですか。

 

(事例発表者:槇氏)
私が県西地域で好きなところは、自然豊かだけど東京からも人がすごく来やすくて、普段自然を感じられない人たちがすぐ来れる、体験できる場所っていうところがすごい好きなところだなと思います。

 

(知事)
ありがとうございます。原さんいかがですか。

 

(事例発表者:原氏)
難しいですね。SDGsっていうテーマを語る時に、例えば僕のエネルギーなんかでいうと、気候変動や地球温暖化とかけっこうすごい広い視野で、大きな主語で語りたくなっちゃうっていうのはあるんですけど、僕はやっぱり、逆に自分の住む地域を愛しているからこそSDGsっていうものに魂が宿ると思っていて、まずは、この土地が好きで、どんな理由でもあってもいいと思うんだけど、そういう人たちがうねりを起こしていく、ムーブメントを作っていくことが大事だと思っていて、そういう意味ではちょっと反面逆転しているような感じになるんだけども、この地域が好きな人が 1 人でも増えるってことがそのSDGsに向けた本当に大きな一歩になるんじゃないかなと、そんなイメージを持っています。

 

(知事)
ありがとうございます。もう時間がなくなってきちゃったので、最後に開成町の山神町長来てもらってるからね、今のことを含めて今日の全体の感想でも良いですけど、一言お願いします。

 

(開成町 山神町長)
開成町長の山神と申します。大変お世話になっております。所用がありまして遅れてしまいまして、とはいえ参加させていただいて良かったなと思っています。
まずは黒岩知事のお言葉に「目線」というところで、目だけに目から鱗というわけでもないんですけども、あとはその「100%を求める」というところにもめちゃくちゃ共感しています。
あとは、今日はどうも環境の話が多かったようなので、開成町で取り組んでいることを2つくらい紹介させていただいても良いでしょうか。今年、メルカリさんで開成町ショップっていうのを県内の自治体としては4番目に開設させていただいて、今までは役場とか小学校とかで役目を終えたものを捨てていたわけですけど、それを必要とされている方にお譲りすることとしました。具体的には学校の机が売れたり、レジが売れたり、コロナの時に使った冷蔵庫が売れたりということで、ゴミを処分する費用も削減できましたし、循環型社会の形成にもつながったということと、あとはサントリーさんと「ボトルtoボトル」のリサイクルの協定を交わしまして、どうしてもペットボトルってマイクロプラスチックとかで悪者扱いされているところがあると思うんですけど、我々も実際お祭りとかではペットボトルはもう売らないということにしちゃってたんですけど、実は1番環境に良いのはボトルをボトルに戻すことだということを勉強させていただく中で、町としては、捨てられている回収したペ ットボトルはすべてサントリーさんに引き取っていただいて、単価も上がったんですけれども、それでボトルに戻していく活動に賛同することといたしました。町といたしましても、宣伝しにきたわけじゃないんですけど、全国初のゼロエネルギービルディング庁舎といたしまして、環境対策を今後も一生懸命やっていきたいと思っております。
原さんにもさまざまな協力いただき、エネルギーの地産地消を町としても、自分事として対応させていただいております。今後ともよろしくお願いします。
槇さんにおかれましても、私、母が早川の生まれでミカン農家をやっている環境もありまして、昨日もミカンが3箱届いたりとか、そんなことでとても身近な話として伺いました。ありがとうございました。

 

(知事)
どうもありがとうございました。
なんかあっという間の時間だったですけどね、SDGsをテーマにして、みなさんと地域の未来を考えました。やっぱり、自分がいったい何ができるかなということ、些細なことでも良いから、とにかくやってみる。自分がそういうやると意識をもって広げていくっていうのが、SDGsの1番の根本だと思います。今日の話の中にいっぱいヒントがあったと思いますね。そういうことを参考にしながらSDGsな生き方をしていただきたいと思います。
今日は最後までありがとうございました。
ゲストのお2人もありがとうございました。

 

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