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更新日:2025年3月27日

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令和6年度「黒岩知事と県民との”対話の広場”地域版 県西会場」実施結果

令和6年度「黒岩知事と県民との“対話の広場”地域版 県西会場」の実施結果です

黒岩知事と県民との“対話の広場”地域版 県西会場 実施結果概要(前半)

集会の概要

黒岩知事と県民との“対話の広場”地域版 県西会場

日時 令和6年12月11日(水曜日)16時30分~18時00分
会場 小田原市生涯学習センター けやき
地域テーマ

SDGs で、県西地域の未来を創る!

~未病の戦略的エリアの先進的な取組~

内容 1 知事のあいさつ

2 事例発表

  • 原 正樹(はら まさき)氏 (湘南電力株式会社 代表取締役社長、 おだわら SDGs 実行委員会 会長)
  • 槇 紗加(まき さやか)氏 (はれやか農園 代表)

3 会場の皆さんとのディスカッション(知事が進行役を務めました)

参加者数 185名

知事あいさつ

こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。本日は県民との対話の広場へようこそお越しいただきました。
対話の広場は私が知事になってからずっとやっているんですけど、今日で 97 回目になりました。今まで参加された方は、14,500人を超えています。もうすぐ、来年いよいよ 100 回目を迎えるということで、今から楽しみにしています。
この県民との対話の広場は、最初お二人の方にプレゼンテーションをしていただいて、そこから先は皆さんと対話をしながら進めてまいります。年間の統一テーマは決めていますが、その会場ごとにテーマを決めていて、そのテーマの中でお話をしようというお約束にしております。
今年のテーマは、「いのち輝くマグネット神奈川」。もともと、私が知事になるときからずっと言っていたテーマなんですけど、「いのち輝く」とはどういうことかというと、ひらがなで書いて「いのち」ですね。いのちが輝くというのはどういうことなのかな。マグネット、磁石のようにひきつける力です。行ってみたいな、住みたいなと思うような神奈川にしたいな、小田原にしたいな、そういう思いでありますね。
そしてこの今回の会場は、SDGsで、この県西地域をどんなふうに盛り上げていこうかなということをテーマに議論していきたいと思います。
この対話の広場ではシナリオはありません。お二人のプレゼンテーションのあとは、皆さんと対話の中で、どう進んでいくか分かりませんけども、どんどん参加して発言していただきたいと思います。それでは最後までよろしくお願いします。ありがとうございました。

事例発表

(司会)
それでは続きまして、本日の地域テーマについて活動をされているお二人に、事例発表をしていただきます。
はじめに、湘南電力株式会社 代表取締役社長 並びに、おだわらSDGs実行委員会 会長 原 正樹様をご紹介します。
原 正樹様は、再生可能エネルギーの地産地消を促進する湘南電力株式会社の代表取締役社長でいらっしゃいます。
収益の一部を子ども食堂や障がい者支援施設等に還元するなど、地域貢献も行われています。会社として神奈川県と小田原市の「SDGsパートナー」に登録されているほか、個人としてもおだわらSDGs実行委員会の会長を務め、地域への普及啓発等に積極的に取り組んでいらっしゃいます。
それでは原様、よろしくお願いいたします。

原 正樹氏(湘南電力株式会社 代表取締役社長、おだわら SDGs 実行委員会 会長)

みなさま、こんばんは。ただ今ご紹介を賜りました、湘南電力株式会社 代表取締役社長の原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。今日は、この日のために資料を大幅にリニューアルしてきましたので、気合を入れて臨みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
hara1テーマは、自立分散型のサステナブル社会を目指してということで、いきなり何を言っているかよくわからないかと思いますけど、これからご説明をいたしますSDGsの理念にかなう取組となっていますので、お聞きいただければと思っています。
これは私のプロフィールですけど、本業は小田原ガスですhara2。ご愛顧いただいている方もいらっしゃると思いますが、地元で100年余りにわたって都市ガス供給を行う小田原ガス株式会社の社長を担っておりまして、その流れで電力会社である湘南電力、さらには小田原市のSDGs実行委員会の会長や、小田原箱根商工会議所でも常任を仰せつかっておりまして、色々多岐にわたって活動を担っているという状況でございます。
当然、エネルギーの話をするんです3けど、地産地消というのが大きなテーマで、野菜なんかでよく言いますよね、ご当地で作られた野菜を、地元で食べましょうみたいなことで、エネルギーに対してもそれをやっていこうということで、再生可能エネルギーというのが1つのキーワードになります。写真にありますように、太陽の光、風の力、水の力、こういったものを再生可能エネルギーと言って、枯渇することがないので再生可能ということで、こういった力で電気や熱を生み出すことができる、これを地元で作って、地元で回しましょうということがエネルギーの地産地消ということで、これから説明することの大前提になりますので、ご承知をいただければと思います。
湘南電力(株)を立ち上げる最初のきっかけは、3.11、東日本大震災です。地震そのものの被害というより、福島の原発事故による電源喪失によって、小田原は計画停電の対象になりました。これはご記憶の方も多いと思います。当時、今もそうですけども、大規模集中型の電力供給という仕組みで、全国各地に大きな発電設備がどん、どん、どーんとあって、そこから電線をぐん、ぐん、ぐーんと伸ばして、広域にわたって電力を供給する、これが大規模集中型電力供給というもので、言い換えれば、そこの電源が喪失すると広範囲にわたって電気が届かなくなってしまうという脆弱性をもっているわけです。これを受けて、我々は地域ごとに分散して、それぞれに電源を持って、それぞれで回していこうということで、まさに冒頭のタイトルにあります自立分散型のエネルギーシステムを作ろうというのが、エネルギーの地産地消のベースとなっています。
それを受けて作った会社が2つあります。地産と地消があるわけで、それぞれに会社があるということですね。左側のほうとくエネルギー(株)は、発電会社です。電気を生み出すので地産型の電力会社ということになります。小田原の37社からなる企業が出資してくれて作りまして、久野エリアの山林にメガソーラーの運営もやっています。神奈川県との連携で言いますと、企業庁が持っている太陽光発電設備なんかも、仕入れさせていただいて、県下のエネルギーを県から販売するという仕組みを構築しているところであります。もう一つの湘南電力(株)はいわゆる地消を担う小売の会社で、ほうとくエネルギー(株)が生み出す電気を受け入れて、地域で販売する。それがまさに地産地消のベースとなるという建て付けになっています。
これは地元のタウンニュースで新年号の広告に載せさせていただいたんですけれど、湘南電力を運営している経営者というのは、ガス会社であったり、プロパンガスの会社であったり、不動産系、衛生公社ですね、ごみ処理、下水道処理など、皆様の生活に不可欠な事業を担っている面々がやっているんですけども、意外とどんな人たちがやっているか知られてなかったので、敢えて顔出しをしてお見知り置きいただきたいということで、敢えて顔出しで親しみやすいイメージを構築しています。4
今日のテーマであります湘南電力のSDGsゴールですけれども、5つほどありますけれども、7番目のエネルギーに関する部分、それから11番のまちづくりに関する部分というのが、非常に我々の企業理念として大きなファクターになっています。
エネルギーの地産地消ということをご説明しましたけれども、エネルギーを地産地消という形で循環するだけではなくて、さらに地域貢献ですね。当然、電力の売買が発生するので、お金も地域の中で循環するということになるんですけど、そのお金に乗せてですね、何か地域貢献ができないかということで、色んな形の循環というものを模索する中で、1つのサービスを立ち上げております。それが、この湘南電力のサービスモデルです。図示5しますと、これがほうとくエネルギー(株)のメガソーラーの写真です。これを湘南電力が受けて、神奈川県下全域に電力供給するんですけれど、その時にですね、地元のガス会社が販売代理店となって営業をかけるという形で代理店システムをとっているんですけど、こうやって電気が循環するわけですけど、その中で電気の売り買いということでお金も循環するわけですね。地域内経済循環という言い方をしてます。さらに、電気代をいただくだけでは、地域資源力として本分を十分に発揮できないということで、いただいた電気代の一部を、地域の色んな課題解決や活性化に取り組む企業・団体さんに、支援金としてお渡ししたらどうかということで、湘南電力の地域応援メニューというものを立ち上げました。子ども食堂や、ビーチクリーンをしている団体や、障がいを持つ子どもたちの支援活動の団体などに支援金としてお渡ししています。これはお客様に選んでいただくことができるので、これがまさに志の循環みたいなところにつながっているということになります。
これはまさにこども食堂を中心とした循環の仕組みになっています。かなり大きな反響をいただいて、東京新聞の1面に取り上げていただいたりもしています。
一般のご家庭だけではなくて、学校への電力供給ですね、地元の幼稚園、小・中学校42校への電力供給ですとか、6さらに、市民の方に単なる電気を使うだけではなくて、色々参加型のプランもご用意していまして、これは0円ソーラーという、まさに初期投資をかけずに、一般のご家庭の屋根や企業の屋上などに、0円ソーラーといって太陽光パネルを設置していただけるようなプランがあったりとか。あとはEVですね。EVのカーシェアリングというのが事業として立ち上がっていますけども、当然EVは電気で走るわけで、湘南電力が電力供給をして、地域内を走っているビジネスモデルがすでにあるんですが、EVは、走る蓄電池なんですよね。その内臓された電池でもって走るんですけど、非常時には、そこで蓄えられた電気を建物とかに供給ができるということで、災害時のレジリエンスにも寄与するということで、さらなるまちづくりに貢献するということで、EVカーシェアとの連携なんかもやったりしています。こちらの環境価値というのは、再生可能エネルギーの電気というのは環境に優しいという、電気としての価値以外の価値もあるので、そこを切り離して地域の中で循環させるような仕組みを実験的にやっていたりするんですけど、これはまだなかなか制度の壁があって、実現はしていないんですけど、こんな形で色々リソースを増やしているところであります。
7最後に、これまで発電会社を作り、小売の会社を作り、蓄電機能をもったEVカーシェアとの連携をしたりと、地産地消のためのリソースを点で増やしてきたんですけど、今回小田原市と連携して進めようとしているのが、ネットワーク化ということです。つまり、それぞれのリソースをネットワークでつないで、必要な電気を必要な時に必要なだけ、過不足なく、廉価に提供することを考えているのが、ネットワーク化、AEMSとありますけど、エリアエネルギーマネジメントシステムと言いまして。結局、再生可能エネルギーって、太陽光は雨が降ると発電しないし、風が吹かなければ発電しない、ある一定の地域では電気がいっぱい欲しいのに雨が降っていて発電しない、一方では太陽がさんさん照っていて電気が潤沢にとれるのだけど、今電気がそんなに必要ない、そういったときに、エリアエネルギーマネジメントシステムを使って需給のバランスをとることで、全体的に必要な電気を必要なときに必要な地域に供給できるというのが、AEMSの大きな仕組みになっていまして、ここまで来るといよいよ地産地消のプラットフォームの形になるという仕組みになっています。
8これはSDGsの未来都市を標榜されている小田原市さんの仕組みで、1から5までのステップというのが、これまで我々が湘南電力として取り組んできたステップに全く一致をしているということです。電源を作り、それを小売りにする仕組みを作り、蓄電池との連携をし、最終的にはネットワーク化するということで、まずは小田原からですけど、エネルギーの地産地消のプラットフォーム化ということが徐々に形になってきています。こういう建て付けで今進めているところであります。
9最後ですね、この持続可能なまちづくりということで、少しご理解をいただけたと思いますけども、そんな流れの中で、神奈川県のSDGsパートナーにも登録させていただいていますし、冒頭申し上げたように小田原市のSDGs実行委員会の会長ということで、加藤市長も写ってらっしゃいますけども、今行政との連携も含めて進めているところなので、ぜひこれからも我々の取組にご期待をいただきたいというふうに思っております。
加藤市長、こちら写真がございますけども、何か一言コメントをいただければと思います。

 

(小田原市 加藤市長)
小田原市長の加藤でございます。原さん、短時間でコンパクトなプレゼン、素晴らしかったと思います。
今お話を聞いてもらったように、小田原市は2011年の3.11以降、この再生可能エネルギーの取組に官民連携で取り組んできまして、何と言っても行政の力というより、民間の皆様方の力が非常に強かったです。そのあと2011年の3.11以降、2015年からいわゆるSDGsが出てきましたけれども、その頃にはすでに、エネルギーの自給ということに大きく舵を切っていたのが小田原市になります。その中心となっていただいたのが、民間事業者で、爽やかな笑顔で小田原の経済界を背負っている原さんです。SDGs実行委員会の会長として、最初からずっと原さんがこの分野を引っ張ってもらっています。まさにエネルギーの分野はSDGsの中核的なテーマとして小田原市は取り組んでおりますけれども、これから先、原さんから少し紹介してもらったように本格的な地域の中でのエネルギー自給を目指していきたいということで、環境省とも連携をさせてもらって、ドイツのシュタットベルケという地域公社と呼ばれたりもするんですけども、エネルギーを作って売電をして、その収益をエネルギーだけではなくて、地域の公共部門にも投資していこうという事業モデルを目指して、今、原さんたちを中心に、地元の事業者の方たちが連携をしてやってもらっているということになります。そんなことで、ぜひこれからも応援してもらいたいと思います。原さんにおかれましては、SDGsもそうですけども、地域の経済を担う中心人物として、これからも活躍を期待しております。以上でございます。

 

(司会)
原様、ありがとうございました。市長、ありがとうございます。
続きまして、はれやか農園 代表 槇 紗加様をご紹介します。
槇 紗加様は、小田原市で柑橘 類やキウイフルーツを生産されています。
レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原市に移住され、2年間の農業研修を経て、2023年に「はれやか農園」をオープンされました。ご自身の農園として耕作放棄地を活用し、規格外になった柑橘類を再活用するなど、農業におけるさまざまな課題の解決に取り組んでいらっしゃいます。
それでは槇様、よろしくお願いいたします。

槇 紗加氏(はれやか農園 代表)

ご紹介にあずかりました、はれやか農園の槇紗加と申します。よろしくお願いいたします。10本日は、私のこれまでの経験といったところをお話できればと思っております。
簡単に自己紹介をさせていただきます。私は、神奈川県の相模原市出身でして、2021 年に大学を卒業して、小田原に移住をしてきました。得意なことは「伐採」で、皆さんの庭の木だったりいつでも切るのでおっしゃってください。
「はれやか農園」という名前についてご説明させていただきます。私が初めて小田原の畑に来た時に、とてもはれやかな気分になって、とても心地良くて、そういった自分の経験をもとに、はれやか農園という名前をつけて農園をオープンさせていただきました。
11現在は、レモンを中心に柑橘類とキウイフルーツを栽培しております。
小田原での日々ですけど、現在は、農園を営みながら生活をしておりまして、こうやってレモンを収穫をしたり、みかんを収穫したり、夏は毎日草を刈ったりしながら生活をしております。
時はさかのぼり、大学生時代の話になるんですけども、もともと私は、虫がとても苦手な女子大生でして、自分がまさか農家になるとは、1ミリもイメージしていませんでした。
学生時代は就職活動を必死に頑張っておりまして、何社か内定をいただいて、行きたい会社も見つかって内定も決まったところで、農家になったんです。
なぜ、就職も決まっていたのに、新卒で会社に入らず農家になったのかというご質問をよくいただくので、そちらに答えていけたらと思います。
元々、農家を目指したきっかけは、大学4年の夏に就職活動を終えて内定辞退をしていたときに、農家さんという存在にたまたま出会ったのがきっかけでした。知人の紹介で新潟の米農家に足を運んだときに、こんなにすてきな職業があったんだと気付いたのがきっかけで、今まで農家さんと触れ合う機会は全くなかったのですが、その出会いをきっかけに心機一転、農家になる決心をしました。
12農業について色々調べている時に、耕作放棄地という存在を知りました。もともと畑として管理されていた土地が、どんどんジャングルのように荒れていってしまう状況を知って、「何てもったいないんだろう」と思ったことが、農家になる決心をしたきっかけでもありました。
そこで、レモンと出会います。耕作放棄地でレモンを育てたいと思ったきっかけは、耕作放棄地は中山間地域に多いと言われていて、傾斜が多い地域は、農業機械も入らないですし、非常に農業がしにくい地域と言われています。そういった傾斜の多い地域からどんどん担い手がいなくなっていって、農業を辞められる方も増えていって、という状況を知って、耕作放棄地というところにアプローチをしていきたいと考えたところ、神奈川県内で耕作放棄地の問題が起きている地域を探していたところ、小田原市の中山間地域というところでも問題が少しずつ起きているということを知ったので、小田原でリサーチを進めていきました。傾斜の多い中山間地域では、柑橘がとても美味しく育つと言われておりまして、その中でもレモンは収穫期が長かったり、鳥獣害の被害が他の柑橘に比べて少なかったりといった魅力に惹かれて、レモン農家になりたいと考えました。
ただ、農家になりたいと思っても、実際、どうやったら農家になれるのかわからない日々が続いておりまして、農家になるための方法を探し回る日々が始まりました。農家さんを紹介していただいて、その方のマルシェに足を運んだりとか、実際に畑に行ってお話を聞いたりしながら、農家になる方法を探していたところ、2つの選択肢がありました。
農業学校に入るか、農家さんの下で修行をするか、というところで非常に迷ったのですけれども、結果的に、神奈川県小田原市の矢郷農園という農園の下に修行に入ることに決めました。この師匠との出会いが私にとって大きな転機となり、本当に柔軟な考え方を持った師匠と出会って、ここでだったら、私も農業を続けられるかもしれない、農家になれるかもしれないと思って、私はこの地域で頑張るぞと決めて、矢郷農園の下に弟子入りをさせていただきました。
13大学卒業後にすぐに弟子入りをさせていただいて、国の補助金も使っていただきながら、研修生として雇っていただいて、2年半びっちりと修行をさせていただきました。
修行の毎日は、色んなことがありました。チェーンソーで初めて木を切ってみたり、草刈り機も初めて持ちましたし、火も燃したりして、色んなことがあってみんなと楽しく笑ったりとか。
そんな楽しかった日々の一方で、辛いこともたくさんありました。例えば、蜂に刺されてしまって痛い思いをしたりとか、疲れてみんなで寝てしまったりとか、楽しかったことも、辛いことも、色んなことを乗り越えながら修行の日々を過ごしてきました。
独立に向けて、修行中に色んなことを行いました。もともと、初めて飛び込んだ地域だったので、地域の方との信頼関係を築きたいという思いから、師匠の矢郷さんに色んな方と繋いでいただいて、地域のお神輿に参加したり、運動会、県民祭にも参加させていただいていっぱい運動したりとか、そういったところで準備を進めていました。
14あとは地域だけではなく、全国各地の農家さんめぐりも欠かさず行いました。例えば、左上の写真は、大崎上島という瀬戸内にある島の農家さんですけど、瀬戸内の方に足を運んでレモン栽培を学んだり、柑橘ではないですが枝豆農家さんに行って、生産方法、販売方法を聞いたりですとか、そういったことをしていました。
ここから色んな準備を進めて、夢の新規就農というところで新規就農を叶えるんですけれど、今まで色んな方から質問をいただく機会が多く、このような、何反から始めたの、品目は何だったの、という話をいただくんですが、一言でまとめると、地域の地主さんと信頼関係を築いていって、元から木が成っている、みかんやレモンが成っている畑をそのまま譲り受ける形で畑を進めることができています。本当に皆様のおかげで、レモンは苗木を植えてから実になるまで4~5年かかってしまうんですけど、実際に実を収穫できる状態から新規就農を始められたというのは非常に感謝している部分であります。
販売方法としては、ECサイトで販売したりとか、飲食店や加工業者に販売などもしております。
15あとは、さまざまなマルシェに出店させていただいて、色んな方とお話しながらレモンを実際に販売したりとか、様々なイベントを開催させていただいて、実際に農園に足を運んでいただいて、農園の良さを広めるような活動もしております。1番左の写真は、海外の方に畑に来ていただいて、一緒に耕作放棄地を開墾するイベントを開かせていただきました。海外の方からしても日本の農業の現状に驚きが多かったようで、すごく良いイベントになりました。
メディアにも取り上げていただいたこともあります。
16最後になりますが、今、規格外になってしまったレモンを使って、レモンビールを作る取組を始めました。レモンは無農薬で作っていると病気になってしまう、皮が汚くなってしまうレモンも多いんですけれども、でも実の美味しさだったり、皮の風味はすごく美味しいので、そういったものを使って、規格外のものも捨てずに余らせずに、レモン ビールとして美味しく作っていくという取組をしております。
私からの発表は以上になりますが、先ほども色々な方から畑をお借りしているという話があったんですけど、実は加藤市長が市長になられる前の畑の管理をさせていただいておりまして、本当にありがとうございます。加藤市長からも、お話をいただければと思います。

 

(小田原市 加藤市長)
槇さん、ご苦労様です。
私はこの5月からまた市長に戻ったんですけど、この4年間市長ではない時代がありまして、前の市長のときにずっと気になっていたのが、この小田原市周辺で耕作放棄地がすごくいっぱい増えているんですね、なんと200ヘクタールくらい耕作放棄地があります。その多くは昔、柑橘や梅などをやっていた傾斜地だったのですが、今回SDGsのテーマに照らすと、やはり地域でエネルギーや食を自給していく、陸の豊かさを確保していくのはとても大事なので、何とかやりたいと思ってたんですが、市長でなくなったので、思い切って開拓生活をやってたんですね。槇さんに後に借りていただくことになるレモン畑も私で開拓させてもらって、新しい木を 500 本ぐらい植えて、今ちょうどそれが成り始めたときだったんですけど、私が市長になってしまったので、そこができないのでどうしようかと思っていたところ、槇さんがぜひやりたいということで引き受けてくれて、今、槇さんが、私が開拓したところを引き受けてやってくれています。
なかなか無農薬なので、見た目はちょっとあばただったり、シミがあるようなレモンもあるのだけど、正真正銘の無農薬なので、まさに果皮の香りを使ったり、ビールにするにはうってつけのレモンだと思います。
初めて会った時には、私はワインのぶどう栽培もやっていたんですけど、そのとき隣の農園で矢郷さん、この方が師匠の矢郷さんですが、キウイ畑が隣にあって、そこに向かう青いトラックで前に3人乗りで乗っているんですけど、その間に若い女性がいて、矢郷さんどうしたのと言ったんですよ、そこで修行を始めた槇さんだったんですね。
修行をして今立派に独り立ちをされて、マスコミでも有名になって、これからの活躍を大いに期待しています。草を枯らさないように頑張ってください。
以上です、ありがとうございました。

 

(司会)
市長、ありがとうございました。槇様、ありがとうございました。

 

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